孤独のグルメ Season1 第二話
豊島区駒込の煮魚定食
監督:溝口憲司
脚本:田口佳宏
出演:
井之頭五郎:松重豊
北里画廊のオーナー:稲森誠
食堂の店長:中嶌聡
建築職人・幸田:木下隆行 他
ふらっとQUSUMI:久住昌之
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*タイムラインはBDソフト準拠となっております。
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ドラマパートあらすじ
昔馴染みの画廊のオーナーに呼ばれ、豊島区駒込にやって来た井之頭五郎。
個展を開くオーナーの友人が居り、その人がカフェスペースも開くとの事。
ティーカップにも拘りたいそうで、オーナーは五郎を推薦し、お任せで揃えてくれと依頼する。
抽象的でなかなか大変な、初めてのタイプの難しい依頼だなと呟く。
「ちょっと早いが、腹もペコちゃんだし飯にするか」(25:02)
五郎は行った事ないという線路の向こうに足を伸ばす。
(*この時横断歩道ですれ違う男性(29:37)、実は後にお店で出会う建築職人である)
公園で野良将棋をしているお爺ちゃんの集団と出会う。(30:01)
祖父に鍛えられたと自信満々だが、軽くひねられる五郎さん。
負け続けの五郎さんの指し筋に、ギャラリーのお爺ちゃんは咳払いで手を教えてくれる。
「何だか大変な事になって来ちゃったぞ」(32:26)
「気を遣うと腹が減るな」
「腹が減って頭が回らん」
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「駄目だ、何か食いに行かなくちゃ」(33:21)
辛抱堪らず、勝負の途中で抜け出す五郎さん。
アザレア通りを歩く
「俺の胃袋は今、何を食いたいんだろう?」
「このまま行くべきか、戻るべきか」
「焦るんじゃ無い、俺は腹が減っているだけなんだ」
ポン、ポン、ポォン(34:30)
お店発見、「家庭料理 和食亭」。
「良いじゃないか、この店にしよう」
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家庭料理 和食亭(34:50)
魚と肉で迷うも、煮魚定食を注文する五郎さん。
前菜はおでん、煮物、シチュー、
みそ汁もしじみとなめこから選べる形式。
五郎さん、シチューとなめこを選び、さらにひじきの煮物とほうれん草のゴマ和えも追加する。
「魚で攻めたら、なめこのみそ汁にシチューまでおいでなすった」
「嬉しいケド、ちょっと話がややこしくなったぞ」
若手の営業マン、
急な仕事の依頼にてんやわんやの建築職人、
注文だけしてまた帰ってゆく人、
様々なお客がいる。
シチュー(37:10)
「前菜にシチュー、そう来たか」
「ほう、これは体が温まる、美味い」
やけ酒をのんでいた建築職人、人員の確保が出来て、途端に祝い酒になる。
煮魚定食(鱈)(39:34)
トッピングのひじきの煮物、ほうれん草のゴマ和えも付いている。
先ずは、鱈から箸を付ける五郎さん。
「うん、よく味が染みている、心に染みる味だ」(39:58)
「煮魚って何故こんなに白いご飯に合うんだろう」
ひじきを食べ、
「こういういぶし銀のおかずが、よく働くんだ」
と独白し、ほうれん草をつまむ。
注文だけした男が戻ってきて、あっと言う間に食べ終わる。
パチンコの途中の様だ。
なめこのみそ汁(40:52)
「ほーう、これは美味い、きのこーって感じがする」
白米が無くなり「すみません、おかわり下さい」
「二杯目なのに、加速度は増すばかりだ」(41:37)
「ご飯が美味しいって、幸せだ」
完食後、一服する五郎さん。
「最初のシチューも美味かったケド、この流れに必要だったんだろうか…」
「いや、これが駒込流なんだろう」
次に来る時は、肉を食べようと決意する五郎さん、
ふと、2九飛車成で将棋に勝てたと気付き苦笑して去って行く。
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ふらっとQUSUMI(43:42)
「駅前に昔ながらの立ち飲み屋がある所はだいたい楽しい街なんです」
と、持論を披露する久住さん。
「チェーン店じゃなくて、個人の店がいっぱいある街はいいですね」
そして、舞台となった和食亭へと訪れる。
*2012年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認
「すごいいい匂いが店の中に漂っている、それだけで信頼出来る」
次々と美味しそうな料理が出てくる。
あん肝の茹でたもの、ビールと共に舌鼓。
「プリン体バリバリ」(46:08)
刺身の2点盛り(平目・しまあじ)。
刺身という事で、日本酒も一杯。
真鯛のかぶと煮、
「これは白いご飯ですね」
「ほじり食うのが美味いですよ、コレ、いつまでもほじっているのが」(47:17)
と、今日もご満悦の久住さんでした。
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声に出して言いたい!五郎さんの名台詞
今回の「声に出して言いたい台詞」は、
「うん、よく味が染みている、心に染みる味だ」(39:58)
味の染み込み具合がそのまま心に染みこむ満足度に直結する。
ダイレクトに伝わる気持ちが、今にも舌が踊り出しそうだ。
「二杯目なのに、加速度は増すばかりだ」(41:37)
美味いおかずがあれば、それだけご飯がすすむ。
むしろ、一杯目は助走で、
二杯目からが本番であるかの如き様相を呈して来るのだ。
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感想と解説
先ずは冒頭、子供に絡まれる五郎さん。
「何食べてそんなに大きくなったの?」と尋ねられる。
松重豊氏、身長は188センチ、結構デカイ。
五郎「お母さんが出した物を、何でも食べたからだよ」
子供「ピーマンも!?」
オイオイ、少年、前回のつくねと生ピーマンを観てないのかい?
第一話を観せれば、きっと少年もピーマンを食べられる様になりますよ、お母さん。
そして、旧知の画廊オーナーと出会いますが、
ここで彼は「五郎ちゃん」(26:45)と言います。
ドラマ『孤独のグルメ』において、
五郎さんの友人達(特に男性)の多くは、彼のことを揃って「五郎ちゃん」と呼びますね。
その記念すべき第1回目の「五郎ちゃん」呼びかけです。
松重豊氏の強面とのアンバランスさが相俟って、印象的ですね。
また、「腹もちょいとペコちゃんだし」(29:20)というセリフもまた、
松重豊氏の見た目の印象と言葉のチョイスのアンバランスさで特に印象に残るフレーズ。
この後も、度々繰り返されるセリフです。
また、何かをしている時でも、一度お腹が空けば気もそぞろ、
スパッと中断してお店探しに切り替えます。
本エピソードでは「また来ます」なんて言い訳をして一顧だにせず去って行くのが笑えます。
これは、後々も繰り返される一種のパターン(様式美)で面白い所です。
見た目の寡黙さに相反して、
内面の独白は饒舌で、ユーモアに溢れているのが、『孤独のグルメ』の魅力の一つであります。
舞台となった和食亭は、店長の気遣いが至れり尽くせり。
実際の店長も恐らく、あの様に細やかなのでしょうね。
ドラマパートで、
「個人商は人間関係の煩わしさが無くていい」とか、
将棋の勝負の後ろのギャラリーのプレッシャーに押される描写があったりして、
「ちょいと煩わしい人間関係」的な描写がドラマから食事シーンにまで通底しているのが面白い所です。
しかし、和食亭の店長の気遣いは、お客さんには好評の様で、
常連客の皆は居心地が良さげである。
食事シーンがメインではありますが、
ドラマパートの小芝居もいい味を出している、
前半の緩さがあるからこそ、後半も面白いんですね。
「ふらっとQUSUMI」では、和食亭では料理が若干大盤振る舞い気味なのが良いですね。
TVという事で張り切っている感が出ていて、好感が持てます。
さて、肉、魚と来て、次回五郎さんが食べるのは、麺類。
こちらも、乞うご期待!
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