幻想・怪奇小説『ボーダー 二つの世界』ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(著)感想  此岸と彼岸の境界線を越える時、目醒める絶望と希望!!


税関で働くティーナは、人の不安や欺瞞を「嗅ぎ取る」能力の持ち主。百発百中の検挙率を誇り、世界中からオファーが来るが、現在は地元スウェーデンにて定職に就いていた。
ある日、容貌魁偉、明らかに隠し事をしている男が表われた。しかし、持ち物検査しても、何も出て来なかった。
男を解放したが、その時男はティーナに「また会おう」と言い、キスをする、、、

 

“幻想・怪奇小説『ボーダー 二つの世界』ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(著)感想  此岸と彼岸の境界線を越える時、目醒める絶望と希望!!” の続きを読む

小説『サイラス・マーナー』ジョージ・エリオット(著)感想  愛とは、自由を捨てて得るものである

19世紀の初め頃、サイラス・マーナーという機織りがいた。
彼は、ラヴィロー村に住む前は、敬虔な信徒だった。
しかし、友の裏切りに遭い、恋人に見捨てられ、神を信じられなくなり、孤独の内に故郷を離れたのだ。
ラヴィロー村に移ってから、15年。友人も居らず、トラブルも無く、平坦な日々を過ごしていたサイラス・マーナーの唯一の楽しみは、溜め込んだ金貨を眺め、手に取る事だった、、、

 

“小説『サイラス・マーナー』ジョージ・エリオット(著)感想  愛とは、自由を捨てて得るものである” の続きを読む

小説『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ(著)感想  寓話であるが故の、優しさと面白さ!!

港町ハンブルクに住む、でぶ猫のゾルバは、飼い主の少年が旅行出かける為に家でお留守番。バルコニーで日向ぼっこに勤しんでいる所に、息も絶え絶えのカモメが飛び込んでくる。そのカモメは、初対面のゾルバに3つの願い事をするのだが、、、

 

“小説『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ(著)感想  寓話であるが故の、優しさと面白さ!!” の続きを読む

『SFが読みたい! 2019版』感想、雑記


 

『SFが読みたい! 2019年版』を読んだ感想を書いてみたいと思います。

本書のアンケート対象作は、
本の奥付の発行日が
2017年11月1日~2018年10月31日
までの新作SF(とその周辺書)作品となっています。

 

“『SFが読みたい! 2019版』感想、雑記” の続きを読む

幻想・怪奇小説『アサイラム・ピース』アンナ・カヴァン(著)感想  マジもんの、逃げ場の無い、生という名の牢獄の絶望!!


陽光に包まれた、広く、瀟洒なテラス。美しいとも言えるその建物の一角から、人々が吐き出されて来る…。管理者に促され、それぞれの位置に付く人々。それとは別の入り口から、サングラスを掛けた3人が出て来る。その3人には、どことなく、共通点が見られるが、、、

 

“幻想・怪奇小説『アサイラム・ピース』アンナ・カヴァン(著)感想  マジもんの、逃げ場の無い、生という名の牢獄の絶望!!” の続きを読む

小説『ヤギより上、猿より下』平山夢明(著)感想  下衆の極みこそ、傍から見ると、面白い!!?


 

父親に売られ「フッカーズネスト」にやって来たマーガレット。名前が気に入らないと、「おかず」と改めて名付けられた。「ネスト」の商売は、いわゆる淫売。メンバーは3人居り、全員50代だった、、、

 

“小説『ヤギより上、猿より下』平山夢明(著)感想  下衆の極みこそ、傍から見ると、面白い!!?” の続きを読む

小説『カッコウが鳴くあの一瞬』残雪(著)感想  ポエム、ポエマー、ポエミスト!!


穴の隙間から、風が吹き込んでくる。いつか、家を壊すだろう。私はそれが怖くて、布団を被って耳を塞ぐが、息子は、爆竹を鳴らして遊んでいる。デカい尻は、父親にそっくりだ、、、

 

“小説『カッコウが鳴くあの一瞬』残雪(著)感想  ポエム、ポエマー、ポエミスト!!” の続きを読む