幻想・怪奇小説『鳥の巣』シャーリー・ジャクスン(著)感想 憎いアイツも視点が変われば愛しい娘!?

 

 

 

博物館で働くエリザベス。親しい友や恋人もおらず、叔母と単調な日々を過ごしていた。ある日自分のデスクに見知らぬ手紙が置いてあった。「しんあいなるリジー おまえのまぼろしのらくえんはえいきゅうにきえた リジーわたしにきをつけろ …」(p.10より抜粋)エリザベスはこの手紙を自分の秘密として大切にする。しかし、その日を境に、、、

 

“幻想・怪奇小説『鳥の巣』シャーリー・ジャクスン(著)感想 憎いアイツも視点が変われば愛しい娘!?” の続きを読む

本『戦後怪奇マンガ史』米澤嘉博(著)感想 日本史や世界史の教科書もこれくらい面白かったらよかったのに!!

 

題名を一見してあなたはどう思うだろうか?ちょっと堅苦しく感じる?面倒くさそう?いやいやとんでもない。これがもの凄く面白い。何故か?それは

構成の巧みさ、観察眼の鋭さ、そしてそれを正しく表出する文章力にある。

 

“本『戦後怪奇マンガ史』米澤嘉博(著)感想 日本史や世界史の教科書もこれくらい面白かったらよかったのに!!” の続きを読む

小説『服従』(ミシェル・ウェルベック)感想 鶏が先か卵が先か?爆笑必至の予言的名書!

 

 

 

2017年5月7日、決選投票の末、新しいフランス大統領に中道で無所属のエマニュエル・マクロン氏が選ばれた。昨今の政治のポピュリズム迎合(アメリカ大統領選~イギリスEU離脱)の流れに一時の歯止めをかける事をフランス国民は選んだ。そういう側面があれども、しかし、「極右政権を選ぶよりは若輩者の方がまだマシ」という理由で投票した者も数多かっただろう事は想像に難くない。

さて、この『服従』である。

 

“小説『服従』(ミシェル・ウェルベック)感想 鶏が先か卵が先か?爆笑必至の予言的名書!” の続きを読む