孤独のグルメ Season1 第三話
豊島区池袋の汁なし担々麺
監督:宝来忠昭
脚本:田口佳宏
出演:
井之頭五郎:松重豊
モデルルーム・山川:有賀さつき
モデルルーム・砂糖:下宮里穂子
中国人青年の店員:飯田隆裕
ティッシュ配りの男:松江勇武 他
ふらっとQOSUMI:久住昌之
スポンサーリンク
*タイムラインはBDソフト準拠になっております。
-
ドラマパートあらすじ
ピンクのジャケットの兄ちゃんがティッシュ配りをしている駅前、ここは豊島区池袋。
マンションギャラリーで約束があり訪ねるも、知らないとお局様に突っ張られる。
しかし、若手がやって来て井之頭五郎を迎えた。
単身女性用に華やかにしたいと、五郎さんに食器を頼みたい様子だ。
しかし、若手は呼び出されて、お局様に説教を喰らう。
「客が来るなら、前もって言っておきなさい」
早めに仕事が終わり、中国系の輸入食品店「陽光城」を覗く五郎さん。(54:02)
「この店の気安い本場っぽさを、俺は気に入っている」
そう言いつつ、余計な物まで買いすぎた五郎さん。
早速、ココナッツミルクのジュースを飲む。(55:25)
ふと見ると、ティッシュ配りの兄ちゃんも同じ物を飲んでいた。
昼は中華で決まりだと、決心する五郎さん。
不動産屋に連れらて来たビルの部屋。(56:18)
事務所が手狭になったので、物件を見たのだが、少し広すぎる。
いい物件ですよ、社長、と言われ、妄想モードに入る五郎さん。
その妄想が途切れたのは、不動産屋の呼びかけ。
気付くと彼は、電話で「昼はいいよ」と言っている。
その言葉に反応する五郎さん。
-
「あぁ、腹が減った」(58:02)
ポン、ポン。
「また来ます」と言い放ち、不動産屋を置いて昼飯探しに出かける井之頭五郎。
「中華だ、中華」
「頭の中が完全に中国だ。後はどの店にするか」
「広東、上海、北京、四川、俺の腹は中国の何処へ行きたいんだ?」(58:28)
お店発見、「中国家庭料理 楊」。
「飯屋との出会いも一期一会、これも宿命かもしれん」
-
中国家庭料理 楊(二号店)(59:14)
「さぁ、何にするかな」
3人組の学生が居る。
彼等は汁なし担々麺を頼む。
中国人青年の店員、「辛いヨ」と念押し。
「この店はやはり汁なし担々麺が売りのようだな」
ふと気付くと、ティッシュ配りの兄ちゃんがカウンターで食べている。
五郎さんも汁なし担々麺を注文、「辛いヨ」と念押しされる。
そして、焼餃子、拌三絲(バンサンスー)を合わせて頼む。
女性客二人ご来店、やはり汁なし担々麺を頼み、店員さんは「辛いヨ」と念押し。
最早テンプレ。
焼餃子(01:02:06)
羽根付きでまん丸、パイの様になった焼餃子が現われた!
「丸い、まん丸だ、餃子が何個あるのか分からない」
「さて」
パリッ、パリッ、ポリッ
「お、美味い、ご飯が欲しくなる」
「うん、いけるぞ、黒酢とラー油」
「うん、いいぞ、いいぞ、丸い餃子、イイ!」
拌三絲(01:03:55)
木綿豆腐を皮にして、きゅうり、人参、ドレッシングと揚げたもの、拌三絲(バンサンスー)。
「さぁ、こっちは…美味い」
「豆腐の皮って麺みたいだな…あ、しまった、汁なし担々麺とダブってしまった」(01:04:19)
汁なし担々麺を食べてヒーヒー言っている隣の学生達。
「俺はとんでもない物を頼んでしまったのか?」(01:04:42)
そのに、待望の担々麺が運ばれてくる。
汁なし担々麺(01:04:55)
よくかき混ぜて食べて下さいと店員。
「ま、死にやしないだろう」と食べ始める五郎さん。
「うん?美味いじゃないか」(01:05:50)
20秒後→「うぅーおおおぉぉ、こ、これは!?」
辛いねェ、と煽る店員。
「舌がヒリヒリ痺れて来た」水を飲む
「何だ、舌の感覚が無くなって行く」水を飲んでも、水じゃないみたいに感じる五郎さん。
四川料理はやっぱり山椒ネ、と得意げの店員。
「それにしても山椒、入れ過ぎじゃないのか」
額に脂汗が浮かんでいる五郎さん。
「辛い、ご飯を頼んで中和するか」
「でも何故か箸が止まらないぞ、山椒でハイになっているのか?」
「今日の俺は四川の辛さを求めていたんだ、四川で正解!」(01:07:07)
完食(01:07:35)
「痺れたぁ、でもしばらくすると、また食べたくなってしまう予感がビンビンだ」
退店後、携帯に電話がかかって来る。
先ほどの物件が埋まったとの事。
「しょっちゅう来れないよ、イイ?」と店に語りかけ、少し名残惜しげな五郎さんであった。
-
ふらっとQUSUMI(01:09:03)
中国家庭料理 楊に入る久住さん。
*2012年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認
やはり、汁なし担々麺をご注文。
ドラマの通り、注文したお客に対し「辛さ調整しますか?」と必ず尋ねている様子。
大量の山椒と
唐辛子のソース、ゴマのソース、秘伝のソースを混ぜ、
タレの上に麺、ひき肉、ナッツ、青葉を乗せれば完成。
スパゲッティみたいな見た目から、
「すごい、山椒すごい、おぉ、すごい、ガツンと来ます、おお、すごい!」
(辛さが来るまで約15秒)。
「ちょっと未体験の辛さですね」
「唐辛子とかカレーとかの辛さとは違う、本当に山椒の辛さです」
しかし、これでも抑えた辛さだという店員さん。
「(本場は)普通もっと辛い、しびれる、私も負ける」(01:11:42)
そして、汁なし担々麺を食べた後の水は、
「水がすごい、味が付いてる様な感じがする」(01:11:55)との事。
終始辛いイメージの回でした。
-
声に出して言いたい!五郎さんの名台詞
今回の「声に出して言いたい」名台詞は、
「俺はとんでもない物を頼んでしまったのか?」(01:04:42)
厨二病爆発のセリフ。
しかし、料理が相手なら、現実でも使えると五郎さんは証明してくれた!
そこにシビれる!あこがれるゥ!
この台詞にかぶせて、店の奥から店員さんが「汁なし担々麺」を運んでくるのが恐怖の演出となっているのも笑えます。
「今日の俺は四川の辛さを求めていたんだ、四川で正解!」(01:07:07)
料理がピッタリハマった時に言いたい。
いや、しかし、確かにこんな感覚、有りますよね。
脂っこいものとか、酸っぱいものとか、甘~いものとか、色々使い道があります。
-
感想と解説
先ずはドラマパート。
いやぁ、お局様の有賀さつき、いい味出してますねぇ。
しかし、五郎さん、呼ばれて訪ねたのに邪魔者扱いされるのは非道い。
しかも、相手側の連絡ミスなのに。
事情を知らずに相手に失礼な態度をとり、
自分の非が判明しても態度を改めずに、ミスした身内をって誤魔化そうとする取引先のお偉いさんみたいな人、居ますよね。
この場合、五郎さんと佐藤さん(呼び出した人)が話をしているのをわざわざ中断してお小言タイムを始めますが、
こういう自意識過剰気味のプライド高いヤツいますよね。
やりたかったら、五郎さんが帰ってから言えばいいのに、
明らかにコレ、嫌がらせですよ。
しかし、全く動じない五郎さんは凄い!
こういう仕事の世知辛さをスルーする力があるからこそ、個人で仕事が出来るのでしょうね。
しかしこの後、モロの辛さの食べ物に遭遇するのですがね。
そして五郎さん、お腹が空くと見境が無くなります。
前回の将棋、そして今回の物件下見など、
それまでやっていた事をうっちゃってお店探しに猪突猛進。
それまでの飄々とした態度が一変、
内面の饒舌さが前面に出てくるのがまた、面白い所です。
また、何回か出てきたフレーズ「ラブパワー」。
ちょっと性的な妄想に行きかけるか、、、と思わせておいて、それが食欲へとすり替わります。
五郎さん、食欲が発達し過ぎて、禁欲的になっているのかもしれませんね。
むしろ、食欲で性欲を満たしている、そんな一面もあるのかもしれません。
性欲は食欲の邪魔、
だから五郎さんは、ラブパワーを思い起こさせるティッシュ配りの男と店で遭遇した時、
視界からシャットアウトする位置に付いたんですね。
今回の料理は四川。
四川と言えば、料理の鉄人の陳建一を思い浮かべます。
辛さがウリの中国料理、
今回は五郎さんもモブキャラも久住さんも皆、汁なし担々麺を食べるという大プッシュ。
久住さんの言った
「唐辛子やカレーとは違う、山椒の辛さ」とは、一体何ぞや?
あぁ~実際に食べてみたい!!と、強烈に思います。
見ていて面白いのが、辛さがやって来るのにタイムラグがある事。
五郎さん(松重豊氏)の場合は約20秒。
久住さんの場合は約15秒。
最初は美味しく食べていて、時間差で、
「アッ、辛い!!」と言っているのが共通しています。
そして、水の味が変わるような感覚になるというのも、汁なし担々麺を食べた人に共通しています。
舌の味蕾が痺れて、味の無い水に味を感じる、
う~ん、不思議ですね。
是非食べてみたい!
しかし、お店に行けない!
ならば、自分で作ってみるのもいいかも!?
そんな事にも思いを巡らすエピソードですね。
スポンサーリンク