国母シヴァガミにより、次期国王に指名されたアマレンドラ・バーフバリ。シヴァガミの勧めにより、市井に身を置き国民の生活を体験する事にする。忠信・カッタッパを連れ旅をするバーフバリは、クンタラ王国のデーヴァセーナ王妃に出会い恋に落ちるのだが、、、
監督はS.S.ラージャマウリ。
現代インド映画を代表する映画監督。
日本で公開された作品に
『あなたがいてこそ』(2010)
『マッキー』(2012)
『バーフバリ 伝説誕生』(2015)
『バーフバリ 王の凱旋』(2017:本作)がある。
主演のバーフバリ役はプラバース。
他共演に、アヌシュカ・シェッティ、ラーナー・ダッグバーティ、ラムヤ・クリシュナ、サティヤラージ等。
インドの叙事詩『マハーバーラタ』を下敷きにした
歴史スペクタクル・アクション巨編
それが本作『バーフバリ 王の凱旋』である。
本作は、『バーフバリ 伝説誕生』の続篇。
しかし、前作を観ていなくても何も問題は無い。
冒頭にて、前作のあらすじがダイジェストにて挿入されている親切設計である。
いわゆる、親子二代の因縁による英雄の復讐譚であるのだが、とにかく
アクションがど派手!
CG、ワイヤー、スローモーション!!
英雄の活躍を描くのに、微塵の衒いも感じない。
使える技術は全て使う。
観た後はお腹一杯になる。
そんな満腹アクション映画が本作『バーフバリ 王の凱旋』である。
以下ネタバレあり
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アクションへの拘り
本作『バーフバリ 王の凱旋』は叙事詩『マハーバーラタ』を翻案したオリジナル作品。
主人公のバーフバリは神話の英雄的な活躍を遂げる。
その彼の活躍を描くのに、CGを駆使、ワイヤーアクション、そしてスローモーションを多用し常人離れした無双アクションを見せる。
このアクションが良い。
かめはめ波が出ない初期のドラゴンボールみたいなアクションである。
CGの技術の進歩により漫画的なアクションが可能になった昨今。
レーザー光線やビル破壊みたいな「人外アクション」も出来る様になり派手さが増した反面、現実的なリアリティが失われてしまった事も事実。
だが『バーフバリ 王の凱旋』のアクションは、
超人的なパワーを発揮しながらも、
人外までは行かない程度に抑えられている。
このバランス感覚が素晴らしい。
パンチで吹っ飛んで壁にめり込んだり、
巨像にぶつかって亀裂を発生させたり、
投げた槍同士がぶつかって裂けるチーズみたいになったり、
こういう「現実でも、もしかして到達出来るかも?(出来ない)」とギリギリ感じさせる様なワクワク感を演出しているのが良いのだ。
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面白さは確実!?復讐譚
本作は親の因果を子が報いる復讐譚。
監督は前作の『マッキー』でも一癖ある復讐劇を作っており、インド映画と言えば復讐劇的な印象すらある。
ぶっちゃけ鉄板の作劇である。
だが、王道であるが故にドラマチック。
これは認めざるを得ない。
特に親のバーフバリたるアマレンドラ・バーフバリのドラマ部分が面白い。
恋愛、義務、疑心暗鬼、陰謀、これらが絡まり逃れ難き悲劇を迎える。
この親の代のドラマの面白さが、子供のマヘンドラ・バーフバリの復讐の正当性を保証し、面白さに繋がっているのである。
2部構成という長い尺を存分に活かした演出だ。
インド映画と言えば、豪華な衣装と歌と踊り。
これも勿論ある。
(とは言え控えめだが)
だが、本作『バーフバリ 王の凱旋』はアクションに振り切った面白さがある。
そして、アクションの面白さは万国共通。
絢爛豪華なインドアクションは正月早々目出度い感じ満々なのである。
こちらは前作
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さて次回は、田舎の貧乏男爵には絢爛豪華さなど皆無!?漫画『男爵にふさわしい宇宙旅行』について語りたい。