ドラマ『孤独のグルメ Season1 第五話 杉並区永福の親子丼と焼うどん』感想 あらすじと解説

孤独のグルメ Season1 第5話
杉並区永福の親子丼と焼うどん

 

監督:宝来忠昭
脚本:田口佳宏

 

出演:
井之頭五郎:松重豊

怪しい釣り客:螢雪次朗
怒っている男:塚田龍二
イケメンのバイト:横田翔二郎 他

ふらっとQUSUMI:久住昌之

 


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*タイムラインはBDソフト準拠となっております。

 

  • ドラマパートあらすじ

今日は休日、私服で杉並区永福に訪れた井之頭五郎。

しかし、パン屋の看板を見てもため息を吐く五郎さん、どうやら落ち込み気味。

回想シーン(01:29)。
注文キャンセルの電話を受けた五郎さん、今週は4本目だとか。
更には、取引先からパワハラを受け、曰わく言い難い気持ちを呑まされている。

「確かに不手際は発生したが、事前にコンセンサスは取っていた。それなのに、俺が間違っていたって言うのか?」

珍しく愚痴る五郎さんは神社で厄払い。

昔馴染みのお客様と待ち合わせ、しかし、この約束もまさかのドタキャン。(5:19)

気分転換に散歩。
そして行き会ったのは「つり堀 武蔵野」。
「つり堀、そういうのもアリだな」
一時間700円の料金で釣りにチャレンジするも、まるで釣れず。
餌を魚に取られてばかり。
その様子を見た怪しい釣り客が一言アドバイス。
「そんなに焦ってたら釣れるモンも釣れねェよ」
「人間焦りは禁物だ」

五郎さん、俺は焦っていたのかと自問自答、
「でも、気持ちは何かこう、ゆったりしてきた」
魚が餌を食べても余裕でこう言う
「おいしいか?」
そして、

 

  • 「何だか俺も急に腹が減ってきた」(9:54)

ポン、ポン、ポォン

魚が餌を食べる様子に触発された五郎さん。
「俺の腹、今、一体何腹なんだ?」

「落ち着いて、自分腹の声を聞くんだ…やっぱり無理、駅まで保たない」
どうやら、このつり堀、ちょっとした食事処もある様子。

ここでいい、いや、ここがいい、いいに違いない」(10:27)

 

  • つり堀 武蔵野園の食事処(10:36)

お食事処に入る五郎さん。
先ほどの釣り客もいて、アドバイスをくれる。
「一つ教えとこうか」

「喜びや悲しみは心に染み込むが、怒りってなぁ心から溢れちまう」

「さっきのアンタにゃぁ、魚だって近寄りたがらねぇよ」

「この人、何者なんだ?」
戸惑いつつも、パウチされたペラメニューを眺める五郎さん、
親子丼と焼うどんを頼む。

三度、釣り客のアドバイス。
「一つ教えとこうか」(11:51)

「アンタ、釣りは魚を針で引っかけるモンだと思ってないかい?」

「詐欺やナンパは引っかけるって言うダロ、ありゃぁな、邪念が透けて見えっから良くないんだよ」

「釣りも一緒だ、引っかけるじゃ、駄目なんだよなぁ」

ここで店員が尋ねる、
「じゃあ、何て言うんですか?」
釣り客、
「お兄ちゃん、酒、お替わりだ」
五郎さん、
「誤魔化したな…」と心の声。

さらに釣り客のアドバイス。(12:15)
「一つ教えとこうか」

「このスルメってのは博打なんかで金をスるってのを想像させっから、縁起の良いアタリっていう言葉に変えたんだな」

「まぁ、どっちもイカ干した物に変わりはネェんだけどな」

「要は人間も一緒よ、良い面も悪い面もどっちもあって人間だ」

そうこうする内、注文の品が来る。

 

焼うどん(13:48)
「ご飯モノから入るのが定石だが、この湯気、堪らん」

「焼きそばと迷ったが、こっちで正解、ふくよかだ」

 

親子丼(14:41)
みそ汁とお新香も付いていてご機嫌。
「ん?甘い、卵が甘いって、何か慰められるな」

「うん、いい、体が温まって来る、親子丼って冬が似合うな」

「この焼うどん、おかずにもなりそうだぞ」

うん、これもアリだ、大アリ、大アリクイだ」(15:43)

四角い容器にそってご飯をかき集め、残りをかき込む五郎さん。
薬缶の蒸気を相俟って、姿がゆらめいて見える。

ふと、壁のおしるこに目を留める。
「デザート、いけるな」
注文する。

 

またもや釣り客が一言、
「一つ教えとこうか」

「ここのおしるこはべらぼうに美味い」

「それからアンタ、さっきと全然違うよ。今、凄くいい顔してる」

五郎さんは気付く
「そういえば、いつの間にか昨日の事、すっかり忘れていた」

 

おしるこ(17:46)
「おお~、確かにべらぼうに美味い」

「あぁ~生き返る、身も心もリセットされたぞ」

 

「ごちそうさまでした」(18:54)

五郎さん、釣り客に尋ねる。
「一ついいですか、今日、何匹釣れたんですか?」

釣り客
「いや、今日はボウズだった」
「へへ、まぁ、そういう日もあるよね」

ありがとうございますと、お礼を言い立ち去る五郎さん。

 

米、うどん、餅、とんだ炭水化物祭りを開いてしまった」(19:30)

帰り道、先日のパワハラ担当者が子供とにこやかに遊んでいる様子に出会う。

「良い面も、悪い面も、どっちもあって人間かぁ」
「親子か、しかし親子丼ってあったかい響きだな」と、
五郎さん、いつもの余裕を取り戻し、去って行く。

 

  • ふらっとQUSUMI(21:05)

駄菓子やガチャガチャも置いてある、「つり堀 武蔵野園」に久住さんが訪れる。

 

*2012年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認

 

昼間から注文するのは、缶ビールと田楽。

さらにはラーメンも注文
「こういう所でね、ラーメン食べるの好きなんですよ」
「こういうラーメンにケチ付けるヤツ大嫌い」

そして一番人気のオムライス。
まっ黄色じゃない、ムラのあるところが素朴でいいですね、友達ん家で出してくれる、みたいな」(23:41)

沢山注文した久住さん、
「五郎みたいに2つ食べれないですからね、僕は」
「後はスタッフが食べますけど」

と、ちゃんと断りをいれる久住さんでした。

 

  • 声に出して言いたい!五郎さんの名台詞

今回の「声に出して言いたい」名セリフは、

ここでいい、いや、ここがいい、いいに違いない」(10:27)

ふと出会ったお店、突発的な偶然の出会い。
しかし、袖振り合うも多生の縁、
一期一会、
その場に居合わせたタイミング

 

うん、これもアリだ、大アリ、大アリクイだ」(15:43)

一人言葉のしりとり、連想遊び。
これぞ五郎さんの醍醐味よ。

そして、この「大アリクイ」という言葉のチョイスがまた絶妙。
蟻塚のアリを食い尽くす勢いを感じます。

 

  • 感想と解説

冒頭、元気が無い五郎さん。

いつも飄々と仕事をしている五郎さんでも、キャンセルとパワハラの連続コンボには流石にへこんでいるご様子。

何しろ、食べ物屋の看板を見てもため息を吐いている位です。

 

さて、五郎さんが受けたパワハラ。
日本の仕事環境では、残念ながら日常的に見られる光景ですね。

依頼主が、注文先に無茶を言う。
その無茶を通す為に、身を粉にして働く訳ですよ。
そして、さらなる下請けに、無茶な注文のたらい回しがつながって行く、、、

この負の連鎖が分かっていないと、
「働き方改革」なんて夢のまた夢ですよ。

個人的には、裁量労働制じゃなくて、
働いた分はガッツリ給料出して欲しいですね。

 

しかし、パワハラを感じたら、何らかの防衛策を採った方が良いですね。

自分の環境、職場、
それらを客観的に眺める視点も必要です。

 

閑話休題。

 

噛み合わない五郎さん、つり堀でも上手くいきませんが、
そんな流れを変えるのは、やはり食事。

そして、怪しい釣り客です。

「一つ教えとこうか」といいながら、アドバイスを繰り返す事5回。

五郎さんの内面描写以上に饒舌に、豆知識と訳知り名言を語ります

映画とかで言うと謎の助っ人役で、ラスト近くで死んじゃうタイプですね。

一番オイシイ役です。

 

五郎さん、悪い事が続いてへこんでいましたが、
しかし、それを客観的に眺めると、
実は自分自身の行動、態度が負の連鎖を呼び込んだ一因なのだと気付かされます。

悪い事が起こる切っ掛けは別にあっても、
その悪運を助長、連鎖させるのは、
自分の行動、気分、受け取り方次第なんですね。

食事とアドバイスで気分転換に成功した五郎さん。

帰り道でパワハラ取引先の男と出会っても、余裕がありました。
(一方相手はちょっと気まずいご様子)

相手の違う面を見て、視野が拡がったのですね。

腐ってばかりじゃ、前に進めない。
そんな気分から脱却した五郎さんは、足取りも軽く去って行ったという訳です。

 

 

 


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