孤独のグルメ Season1 第四話
千葉県浦安市の静岡おでん
監督:宝来忠昭
脚本:田口佳宏
出演:
井之頭五郎:松重豊
小雪:目黒真希
ロコディッシュ店長:宮前希依 他
ふらっとQUSUMI:久住昌之
スポンサーリンク
*タイムラインはBDソフト準拠となっております。
-
ドラマパートあらすじ
千葉県浦安市、新浦安にやって来た井之頭五郎。
インテリア、雑貨関連の仕事で結婚式場に向かうも、式場見学と間違われる。
「それにしても、俺が結婚を控えた男に間違われるとは」
五郎さん、来週式を挙げるというカップルを見て、昔を思い出す、、、
それは、彼がパリに居た頃の話。(01:18:03)
五郎さんと一緒にいる小雪という女性が言う、
「女優辞めて、五郎さんのお嫁さんになっちゃおうかな」
しかし、うろたえる五郎さんは
「それより、何か甘い物食べに行かないか?」
と言って誤魔化す。
小雪、
「嘘、冗談、五郎さんが結婚に向かない男って分かってる」
「でも、十年後には後悔するかもよ」
「それより、早く甘い物食べに行こうよ」
-
「小雪…腹が減った」(01:20:42)
ポン、ポン、ポォン。
回想の食事キーワードで空腹に気付く五郎さん。
「よし、店を探そう」
「何を食おう、何処で?」
「落ち着け、俺は腹が減っているだけなんだ」
「それにしても店が一向に見つからない」
とうとう発見、こじゃれたカフェ、ロコディッシュ。
「カフェか、どんなこじゃれた飯を出すんだろう」
「ま、当たって砕けろだ、失敗したら後悔すればいい」(01:21:45)
「俺は今腹が減りすぎているんだ」
-
ロコディッシュ(01:21:57)
カウンター席に着く五郎さん。
落ち着いた感じの店だ。
メニューに目を通すと、何と静岡おでんが。
静岡出身の店長、ダシも8年前から継ぎ足し、練り物も静岡からの取り寄せだとか。
その静岡おでんを頼む五郎さん。
玉子、大根、はんぺん、なると、厚揚げを注文。
「それにしても、おでんとは意表を突かれた」
「それもこの前、静岡に行った時食べられなかった静岡おでんと新浦安でお目にかかれるとは」
マダムトークが盛り上がっているテーブル。
見ると、不思議な飲み物が置かれる。
それは、工芸茶というお茶。
お茶の中に花が入っていて、蒸されて開くという趣向。
勿論、それも注文する五郎さん。
工芸茶(ジャスミン)(01:24:48)
「まだ開かない、まだか、梅は咲いたが桜はまだか」
「咲いた、いい香りだ」
静岡おでん(01:25:53)
そして本命、静岡おでんがランチプレートにて登場。
「こんなデカいなると見た事ない、それにこのだし粉」
「これが、かの黒はんぺんか、確かに黒い」
そして、五郎さん、一礼して「いただきます」(01:26:21)
「うん、美味い」
「コレコレ、だし粉、効いてる、青のりもいい働きをしているぞ」
「おでんは立派にご飯のおかずになる」(01:26:58)
「イケる、よし、ここで玉子だ」
「おでんの卵はおでんの中でも別格だからな」
箸で挟むとプリッと真っ二つになる黒玉子。
「うん、期待を裏切らない黒玉子だ」
「ラストにアンコールでもう一個いくか」
女の子がお遣いにやって来る。
おでんはテイクアウトもやっている様だ。
女の子の注文を聞いて、牛すじに興味が湧く五郎さん。
追加で牛すじ2本、玉子、スープとご飯のおかわりをする。
静岡おでん(牛すじ)(01:29:20)
「どれどれ…溶けた、うん、人気なのも分かる」
「これは溶け美味い」
ストレッチを始める五郎さん。
「筋って、こんなに柔らかくなるものなのか」(01:30:17)
「おでんに夢中でお新香の事すっかり忘れていたよ、ワルイ、ワルイ」
「この大根の漬け物、すごく良いぞ」
ご飯にみそ汁、そしてラストの玉子は一口でまるかじりの五郎さん。
退店する五郎さん。(01:31:34)
「静岡の雪辱を、まさか新浦安で果たせるとは」
意外に家庭的で、暖かい街だなという印象を持って去って行く五郎さん。
スタッフロールが始まるが、途中で止まり、五郎さんの独白が始まる。
「小雪、空腹を忘れるほど後悔する日が、いつか訪れるのかもしれない」
「でも、それは今日では無い」(01:32:16)
背中で語る五郎さんであった。
-
ふらっとQUSUMI(01:32:41)
とても静岡おでんがあるとは思えない、おしゃれなお店、「LOCO DISH(ロコディッシュ)」。
しかし、現在はもう閉店しているのです。
*既にお店はありません
入店した久住さん、早速おでんをチェック。
「おでんっていうのはネ、見ないとわかんないんですよ、あのぉ、コンディションをね」(01:33:16)
久住さんは
黒はんぺん、大根、
そして「クジラのコロ」(鯨の皮を油で揚げ、絞り乾燥させたもの)等を注文。
静岡おでんの特徴は、何と言っても青のりとだし粉、汁もほとんど入れないと言います。
しっかり味が染みているからこそ、汁が無くてもいい感じ。
「で、汁分はコレ(日本酒)で補う、ムフフフ」(01:35:13)
静岡出身の美人店長のこだわりのおでん。
最後に、トロトロの牛すじを食べて、ご満悦の久住さんでした。
-
声に出して言いたい!五郎さんの名台詞
今回の「声に出して言いたい」名セリフは、
「筋って、こんなに柔らかくなるものなのか」(01:30:17)
食事中にストレッチを始める五郎さん。
別に大食いチャレンジ中ではありません。
しかし、信じられないものを目にした時、突飛な行動をとってしまう事は理解出来ます。
「でも、それは今日では無い」(01:32:16)
ほろ苦い思い出を抱く五郎さん。
しかし、花より団子。
空腹に勝るもの無し、である。
因みに、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』にも同じセリフが出て来ます。
「第一章第6話」、アリア・スタークの「踊り」の師匠、シリオ・フォレルが送るアドバイス。
絶体絶命、死神に出会った時に唱える言葉。
それが「Not Today」(まだ、死ぬ日じゃない)でした。
-
感想と解説
チャペル式の結婚式場を訪れた五郎さん。
式を挙げると勘違いされる一連のやり取りや、
鏡を見ながら一人遊びをするコミカルな演技、
この辺りの緩い笑いで疲れた脳を解きほぐすのも『孤独のグルメ』の魅力の一つです。
ちょっと以外なのが、フランスにいたという設定。
いや、個人の輸入業者なので、全く不思議では無いのですが、無駄に設定を膨らませているのがポイントです。
そして、過去の恋愛沙汰のエピソードが描かれますが、
朴念仁の五郎さん、女性に選択を迫られて誤魔化す時のセリフが食べ物絡みなのが笑えます。
三つ子の魂百まで、
後悔するかもしれない選択だろうが、
食い意地には負けているのが五郎さんらしいです。
ここは、カリフォルニアか?
と言いつつ始まったくせに、
フランス映画の様な余韻を残して背中でカッコイイ台詞を語る五郎さんに痺れますな。
食事パートでは五郎さんの
一礼して「いただきます」(14:10)
が初めてお目見えする回でもあります。
五郎さんと言えば、この「いただきます」の印象が強いですね。
食に対する真摯な態度を表わす、五郎さんらしい所作なのだと思います。
とは言え、食べるのに夢中な時はたまに忘れる時もあるのがまた、お茶目ですが。
そして、本エピソードでの変わり種は工芸茶。
劇中ではジャスミンでしたが、
カーネーション、
マリーゴールド、
百合、百日紅、菊、なんかも使われるそうです。
香りが良いだろう事は予想できますが、
お味の方はどうなっているのでしょうね?
いつか飲んでみたいです。
おしゃれな街並み、おしゃれなカフェ、
そこにある静岡おでんという木訥さの落差が魅力のお店でしたが、
どうやらTV放送直後に既に閉店してしまったご様子。
静岡おでん、味わうなら、本場に行くべし、ですね。
スポンサーリンク