孤独のグルメ Season1 第八話
神奈川県川崎市八丁畷の一人焼肉
監督:宝来忠昭
脚本:田口佳宏
出演:
井之頭五郎:松重豊 他
ふらっとQUSUMI:久住昌之
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*タイムラインはBDソフト準拠となっております
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ドラマパートあらすじ
川辺に佇み、京浜工業地帯の工場を眺める井之頭五郎。
いきなりこのフレーズ
「なんだか急に、腹が減って来た」
ポン、ポン、ポォン。
「ここはやっぱり、焼肉だろ」
五郎さん、仕事でお客さんに商品を渡して空港まで送り届けた様子。
仕事も一段落、立ち並ぶ工場を見て呟く。
「まるで巨人の内蔵が剥き出しになっている様だ」(01:16:25)
「腸、胃袋、男って、こういう有様にどうしてグッと来ちゃうんだろう」
そして、川辺、冒頭の描写、
「何を食う、何が食いたい?」
煙を出す工場に、焼肉のイメージが重なる
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「ここはやっぱり、焼肉だろ」
神奈川県川崎市へと移動、焼肉屋を探す五郎さん。(01:17:28)
黄色い看板、赤い文字の良さそうな店を見つけるが、混んでいるのでスルー。
歩き回り、八丁畷(はっちょうなわて)駅まで辿り着いた五郎さん。
「オイオイ、随分歩いちゃったぞ」
「焼肉…焼肉…いかん、どうやら俺は、八丁畷で焼肉迷子になったらしい」
「焦るな、出口はあるハズだ」
そこで五郎さん、先ほどの良さげな店を思い出す。
戻った五郎さん、満足げに退店するお客に出くわす。
「やっぱり美味いんだ」
店は先ほどと違って席が空いている。
「やった、今なら行ける、戻って正解だ」
焼肉「つるや」へと入る。
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つるや(01:22:51)
「いいなぁ、この感じ」
カウンターに座る五郎さん。
一人用ロースターがあって良い感じ。
「どう攻めるか悩むなぁ…いや、悩んでいる場合じゃ無い」
五郎さん、
カルビ、ハラミ、コプチャン、
そしてライスとキムチにウーロン茶を頼む。
「それにしても、このお預け感はまるで拷問だなぁ」
キャベツ(お通し)(01:21:52)
お通しの千切りキャベツはドレッシング付き。
「え、何コレ、意外な美味さ、このドレッシング凄いかも」
肉を期待しつつ、周りの様子も眺める。
他のお客がシビレを頼んでいる。(01:22:48)
「みんな一匹狼だ。俺とて同じ、早く、早く来い」
五郎セレクト第一弾(01:22:51)
カルビ、ハラミ、コプチャン(小腸)がやって来る。
「おお、良い面構えだ、焼くぞ、焼くぞ」
「この音だ、ようやく俺の食べる肉が鳴き出したぞ」
「この匂い、堪らん」
先ずはカルビから(01:24:00)
「美味い、いかにも肉って肉だ」
「このタレいいなぁ、食欲がモリモリ湧いてくる」
そして、ハラミ、コプチャンも食べる
「うーん、期待を裏切らない美味さだ」
「油っぽいかと思いきや口の中でサッと溶ける」
ガッツリ焼き始める五郎さん。
「慌てて載せすぎたなあ」
「焦るんじゃない、肉を無駄に焦がしちまう」
「ニンニクを投入して変化を付け、心を落ち着かせ自分のペースを取り戻すんだ」
「おぁ、ニンニクを入れたらまたガツンと来るなぁ」
「キャベツと一緒に食べるのも、これまたいい」
「永遠に肉を食べ続けられる気がする」
「一人焼肉って何だか忙しいな」
「いいゾ、いいゾ、この店にして正解だ」
「ハァ、幸せだ」
と、噛みしめる五郎さん、
先程とは別の客がシビレを頼んでいるのを見る。(01:27:06)
キムチ(01:27:11)
「悪い、悪い、キムチ忘れてたよ」
「うーん、良いキムチだ、ご飯だご飯」
「こういうのはコンビニやスーパーでは絶対買えない」
背広を脱いでいよいよ本番(01:27:40)
「定番で攻めるか、珍しいので攻めるか」
ジンギスカン、チャンジャ、中盛りキャベツを頼む。
しかし、その中盛りはどう見ても特盛り、
店員さんに言われ、小盛りにしてもらう。
そして勿論、五郎さんの被せ芸、シビレも頼む。(01:28:34)
「あぶない、あぶない、頼み忘れる所だった」
五郎セレクト第二弾(01:29:00)
ジンギスカン、シビレ(胸腺)
焼けるまでチャンジャで繋ぐ(01:29:12)
「なんだこのチャンジャ、無茶苦茶美味いぞ」
ジンギスカン(01:30:02)
汗だくの五郎さん、ジンギスカンを食す。
「これは焼肉とはまた違う世界だ」
シビレ(01:30:38)
「みんなが頼んでたコイツ」
「なるほどぉ、シビレる味だ」
「なんだか、体が熱くなって来たぞ」
「まるで俺の体は製鉄所、胃はその溶鉱炉の様だ」
「うおォン! 俺はまるで人間火力発電所だ!」(01:31:14)
さらにご飯をお替わり、
「あ、肉ばかりに目が行って野菜を焦がしてしまった」
「兵隊を犬死にさせた気分だ、申し訳無い」
「失敗の味はほろ苦い」
「いい汗かいた」(01:32:59)
「ごちそうさまでした、美味しゅう御座いました」
完食、退店する五郎さん。
「いかん、いくら何でも食い過ぎた」
「やっぱり焼肉は工場の町、川崎がよく似合う」
「男は見た目とかオシャレとか取り上げたら、本質的には工場なんじゃないだろうか」(01:33:50)
ガムを頬張り、腹パンパンで去って行く五郎さんであった。
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ふらっとQUSUMI(01:32:24)
早速入店、「焼肉 つるや」。
先ずはメニューのお品書きをいじる。
*2012年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認
ギャラ、シビレ、カルビ、マッコリを注文。
「一人焼肉出来るか出来ないかってのはね、大人かどうかという感じがしますね」(01:35:59)
と持論を打つ久住さん。
ギャラ
「ぷりっとして、とろっとして美味しい」
シビレ
「トロントロンで、噛みきれない感じがほんの少しだけあって、その具合が堪りません、コレ」
勿論マッコリも堪能。
そして、キャベツの大盛りをお替わりした久住さん、
店員さんがヨタヨタと歩いて持って来たキャベツの全高はなんと18センチ!!(01:37:07)
「えっへへへ」
「キャベツ丸ごと一個分くらいあるんじゃないんですか?」
「キャベツ山ですね、もう」
「これはムリだわ」
そして焼肉トークも進む。(01:37:40)
「一人だとね、他人の事考えないでいいから良いですよね」
「俺が焼いているのに、キープした肉なのにって食べちゃうヤツいたりするでしょ、俺が育ててる肉なのにって言うのにね、食べちゃう人がいるんだよ」
「一人だとそういう事が無い、食べたいだけ食べる」
そして、カルビも食べる。
「白いご飯生きたくなった、急に」
こ場所で、家族で41年(当時)も続けてきた「つるや」。
もう、これだけで、美味しいと言っているようなものなのである。
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声に出して言いたい!五郎さんの名台詞
今回の「声に出して言いたい」五郎さんの名セリフは、
「うおォン! 俺はまるで人間火力発電所だ!」(01:31:14)
正直、今回は名セリフのオンパレードである。
その中でも出色はやはり、原作にもあったこのセリフである。
実際にオンエアの時は、
いつくるか、いつ来るか、と待たせてからの、
「キター」という感がハマっていた。
肉にかぶり付く時、このセリフを思いながら食べ尽くしたい。
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感想と解説
さて、今回のエピソード。
ドラマ部分は程ほどで、一人焼肉の描写に心血が注がれています。
何しろ、初っ端に「ポン、ポン、ポォン」の、空腹チャイムを鳴らす程なのです。
ドラマ『孤独のグルメ』には逆に珍しい、
兎に角、「食べる」の一点に集中したエピソードです。
店選びに奔走するのはいつものこと、
前回は注文にも迷いに迷ったが、今回はスムーズに選ぶ、正に、食に集中している証拠でしょう。
やはり、食というのは、基本無言。
一人ならばこそ、それを真摯に堪能出来るのです。
面白いのが、やはり饒舌な五郎さんの独白。
今回は食事シーンがいつもより長いので、その分五郎さんの独白もマシマシ。
これがまた、共感のツボを突きまくるというか、
「それにしても、このお預け感はまるで拷問だなぁ」
「慌てて載せすぎたなあ」
「キャベツと一緒に食べるのも、これまたいい」
「一人焼肉って何だか忙しいな」
「なんだか、体が熱くなって来たぞ」
「あ、肉ばかりに目が行って野菜を焦がしてしまった」
「いい汗かいた」
「いかん、いくら何でも食い過ぎた」
等々、、、
このあるある感がまた素晴らしいですね。
そして、食べている五郎さんつまり、
松重豊氏がリアルに汗だくなのがまた良いのです。
また、注目なのは(01:23:18)のシーン。
ここでは、焼肉ロースターの格子の下から五郎さんを見上げるカットになっています。
この不思議感、
肉を焼いている炎目線で五郎さんを見るというファンタスティック。
渾身の描写と言えるでしょう。
兎に角、焼肉の魅力に溢れたこの回。
家にこもってなんかいられない、今すぐ焼肉屋に突入せずにはいられません!!
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