漫画『好奇心は女子高生を殺す(1巻)』高橋聖一(作)感想  細部に拘る!?女子高生バディSF!!

 

 

 

柚子原みかんは今日から高校生。知り合った同級生を誘って謎の建物に行ってみた。そこは「初体験館」という場所で、500円を払うと未体験の出来事を体験出来るというのだが、、、

 

 

 

作者は高橋聖一。他の単行本に
『高橋聖一のよいこのSF劇場』がある。

本作は「サンデーうぇぶり」で連載中。
https://www.sunday-webry.com/comics/kokishinhajoshikoseiokorosu/

なんと無料で全話読めてしまう。

(2017/07/29 時点)

興味のある方は是非読んでみよう。

「やんちゃ系」の柚子原みかんと
「ネクラ系」の青紫あかね子。
本作『好奇心は女子高生を殺す』は

女子高生二人のバディSF漫画である。

 

割とよくある感じだが、この漫画は一見して独特である。

それは何か?

絵の書き込みが細かい。
しかし、漫画的見やすさを失っていない。

 

絵の見やすさとキャッチーさ。
そして気の利いたSFストーリーで楽しく読める。

まさに漫画的楽しさに溢れた作品である。

 

 

以下ネタバレあり


スポンサーリンク

 

  • キッチリしている

『好奇心は女子高生を殺す』は、絵の細かい書き込みが特徴的だ。

みかんとあかね子の髪の線、スカートのプリーツの線。
背景のビルの明かり。
「0」と「1」のデジタル表示などなど。

これだけ細かい絵を描けるのだ。
もっと一コマの中に絵の情報をぶち込みたいハズだ。

しかし、それを誰にでも見やすいレベルで抑えてくれている。

そう、細かいのに絵がスッキリして見やすいのだ。
これは凄い。

何故これが可能かと言うと、それは漫画的な絵だからであろう。
キャラクターは6頭身程度。
人物の輪郭はキッチリと太めに描く。

今では廃れてしまった漫画的表現だが、改めて見るとやはりいいものだと思う。

 

  • ストーリーもキッチリ

そして、ストーリーもキチンと考えられている。
お話が凝っているのだ。

どう凝っているのか?というと、これも絵と同様、読者が分かり易い構成を意識して作っているのだ。

各話、起承転結をちゃんと意識したストーリーになっており、SFという題材とよく合っている。
まるで星新一の短編を読むような喜びがある。

 

何というか、絵といいストーリーといい、作者の真面目な性格がうかがえて面白い。

 

 

私のお気に入りは第8話だ。
これ捨て猫は必要なのかな?と思いながら読んでいたら、まさかのオチで笑ってしまった。

しかし、一つ問題なのが『好奇心は女子高生を殺す』と入力していたら「女子高生を殺す」と予測変換してくる様になった事だ。
完全に危ない人である。

 

それはさて置き、完全に「ジャケ買い」した本作。
私にとっては大当たりであった。

 

 


スポンサーリンク

 

さて、次回はこちらも女子のバディ漫画『惑星クローゼット』について語りたい。