映画『ザ・プレデター』感想  ハンターなら、肉体で勝負!!まぁ、俺は飛道具を使うけど…

 

 

 

メキシコのジャングルで任務遂行中だったクイン・マッケナ。彼の部隊は、突如墜落してきた宇宙船から現われたプレデターと遭遇する。一人生き残ったマッケナは、プレデターのマスクとガントレットを確保し逃亡するが、、、

 

 

 

 

監督はシェーン・ブラック
俳優や、脚本家として活躍、その後、映画監督となる。
脚本を手掛けた作品に、
『リーサル・ウェポン』(1987)
『ラスト・ボーイスカウト』(1991)
『ラスト・アクション・ヒーロー』(1993)等。
監督作に
『アイアンマン3』(2013)
『ナイスガイズ!』(2016)等がある。

 

出演は、
クイン・マッケナ:ボイド・ホルブルック
ローリー・マッケナ:ジェイコブ・トレンブレイ
ケイシー・ブラケット:オリヴィア・マン
ネブラスカ:トレヴァンテ・ローズ
コイル:キーガン=マイケル・キー
バクスリー:トーマス・ジェーン
リンチ:アルフィー・アレン
ネットルズ:アウグスト・アギレラ 他。

 

 

プレデター。

映画としては、
圧倒的な面白さの初代『プレデター』(1987)の存在が大きいシリーズです。

過去、
『プレデター2』(1990)
『エイリアン VS. プレデター』(2004)
『AVP2 エイリアンズ VS. プレデター』(2007)
『プレデターズ』(2010)

と、
その続篇的な映画が作られ続けましたが、

やっぱり初代『プレデター』が一番面白い。

 

それは揺るがない事実。

でも、
もしかして、
今回こそは、初代を超えるかも、、、

期待はせずに、
ハードルは下げて、
一縷の望みのみを胸に観に行きました。

 

そしたら、
意外と面白い。

 

サバイバル系のエンタメアクションとしての
最低限の設定は、クリアしています。

過度な期待はせずに、
モンスター相手にサバイバルするアクション映画として観れば、
ドキドキハラハラものです。

 

プレデターというキャラクターが見せる人間以上の圧倒的アクションの連続。

それに対して人間は、持てる手札で対抗する。

この構図が面白いのですね。

 

過度な期待は禁物。

しかし、
B級SFアクション映画が好きな人間ならば、

本作は色々な楽しみ方があります。

主に、
ツッコミ方面で。

 

 

そんな作品、『ザ・プレデター』です。

 

 

  • 『ザ・プレデター』のポイント

正統派!?B級SFアクション映画

倫理観の無いサバイバル

ツッコミ要素を、むしろ楽しむべし

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 監督、シェーン・ブラック

デデデデドドン、デデデデドドン。

この懐かしい音楽、
プレデターのテーマが随所に挿入される、
本作『ザ・プレデター』。

監督のシェーン・ブラック、
実は、
初代『プレデター』に出演していました

ダッチの舞台の通信兵で、
最初にプレデターに殺される(行方不明になる)役です。

何だか、感慨深いですね。

 

  • プレデター対人間

それが影響したのか、

本作の「プレデター」に対抗する人間側のパーティーは、
初代に次ぐ位の個性的な面々が集まっています。

サバイバル映画は、
限られた僅かな時間で、
如何に殺される人物を個性豊かに、
共感性を持って描写出来るか

それが面白さに直結します。

そういった意味では、
人間側のキャラ造型は、
本作は成功していると思います。

 

主役の親子、
女キャラ、
皮肉屋、
奇人、変人、
体制側の人間、etc…

コイツらが、
一人ずつやられて行くのは、

解っていても見応えがあります。

 

その一方、
この主人公側パーティーは破天荒という設定なので、
殺人を全く厭いません。

これは、私の個人的な意見ですが、

やはり、
人間側には一定の倫理観が必要だと思います。

 

プレデターは残虐で屈強だが、
独自のルールを持った戦士です。

言わば、戦闘民族ですよ。
サイヤ人的な。

ある種の怪物ですよ。

しかし、
制約(ルール)に縛られてもいる。

この戦いの誇りと拘りの部分が、
不気味で没交渉な存在であるプレデターの中に、

ある種の共感性を感じる部分でもあるのです。

敵ながら、天晴れ的な。

 

そういう相手に、

自分は障害となったら、
躊躇せずに他人を殺しまくる、

みたいな倫理観が欠如したタイプの人間が戦っても、

ちょっと爽快感が無いというか。

(子供ですら、一般人のモブキャラを爆殺するのはドン引きです)

むしろ、
プレデター側の方がカッコイイキャラ設定、

応援したいのは、
イカレた殺人者では無く、
誇りを持った戦士、

みたいな思考になってしまいます。

 

圧倒的な戦闘力を持つ恐怖の存在を、

あくまでも人間の範疇で倒してのける、

そこにカタルシスがあり、
面白さがあると思います。

その点においては、
本作はちょっと私の好みとはズレが解釈がなされた印象ですね。

 

まぁ、そこは、
話のテンポを考えて、
サクッと進めたというところでしょうか。

 

  • むしろ、ツッコミを楽しめ!!

そういう、テーマ的な部分に違和感があるのは、好みの問題ですが、

それ以外にも、
本作はツッコミどころが満載です。

 

プレデター犬が急に懐いたのは何故?とか、

光学迷彩が全く意味ない、とか、

バリアを張ったら、宇宙船の推進力はどうなるの?とか、

むしろ、人間が飛び込んだ位で機能停止する部分があり、それが外部に露出した宇宙船が、空を飛べる訳ないだろう!とか、

「ザ・プレデター」とかいう程、
オンリーワンな強さでは無いな、とか、

スッゲぇ武器があるのなら、
お前自身が装着しておけよ!とか、

「プレデターキラー」とか言われたら、
普通「エイリアン」を想像しちまうだろう、
ラストは、フェイスハガーが飛び出して来て、
研究室内阿鼻叫喚が正しい終わり方だよ、とか、

期待させておいて、それをハズすのは、
本作を象徴する終わり方だよ、、、とか、etc…

この、
映画を鑑賞中に尽きないツッコミの数々が、
実は本作のメインの楽しみ方では無いのか!?

そんな事すら思ってしまいます。

 

最近の映画は、
隙無く、無駄無く作られている作品が多いです。

こぢんまりとした印象というか。

それを思うと、
ある種、大雑把というか、
雑に大味というか、

細かい所は何となく、ノリで誤魔化すという、
B級映画魂に溢れた怪作は、
なかなかどうして久しぶりだと思います。

この1980年代後半~1990年代位のハリウッド映画のノリを再現したという意味では、

本作は正しいB級SFアクションのサバイバル映画と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

奇跡的な面白さだった初代の『プレデター』。

どうしても、
それと比べてしまう為、

後続の作品群には、
厳しい目線が注がれてしまいます。

 

本作『ザ・プレデター』も、
そういう観点から観ると、ちょっとイマイチ感が漂ってしまいます。

しかし、
むしろそういう残念感を享受する、

豪華な制作費をかけたB級映画としてツッコミを楽しむ見方もアリなのではないでしょうか。

 

決して言う程つまらなくは無い。

でも、微妙感が漂うなら、それを楽しむ。

『ザ・プレデター』はそういう作品、
なのかな!?

 

 

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初代がやっぱり、面白い

 


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