小説『半分世界』石川宗生(著)感想  奇妙な世界を緻密に描写!!そして面白い!!

 

 

 

S市K町在住の吉田小代子さんは夕飯の準備中、玄関方面から物音を聞き確認しに行く。そこには、五名ほどの夫、吉田大輔氏が扉に挟まっていた。小代子さんは直ぐさま反転、息子と2階に避難するが、更なる夫が家になだれ込む。何しろ、一九三二九人も居るのだ、、、

 

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小説『アンチクリストの誕生』レオ・ペルッツ(著)感想  誰にでも訪れうる奇想の物語!!

 

 

 

1918年、ソヴィエト政府の訴えに応え、チェーカーへと出頭したヴォローシン。フランス語を教え、巻きタバコを売って生計を立てていた彼は、戦時中、暗号解読に携わっていた、、、

 

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小説『主の変容病院・挑発』スタニスワフ・レム(著)感想  虐殺にまつわるあれこれ

 

 

 

ナチス侵攻の足音が聞こえるポーランド。病気の父に代わって叔父の葬儀に参列したステファンを、思いがけず大学時代の友人スタシェクが訪ねて来る。成り行きでスタシェクの勤める精神病院に就職する事になるステファンだが、、、

 

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小説『失われた地平線』ジェイムズ・ヒルトン(著)感想  楽園という名の監獄!!

 

 

 

同窓生の中では伝説の存在だったコンウェイ。その彼が記憶喪失状態で発見された。コンウェイを保護したラザフォードは、彼を伴った旅客船上でピアノの演奏を聴く。それに触発されたのか、コンウェイは「失われたショパンの楽譜」とやらの演奏を始め、記憶を回復するのだが、、、

 

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小説『カメラ・オブスクーラ』ウラジーミル・ナボコフ(著)感想  恋は盲目!?知らぬは本人ばかりなり!!

 

 

 

クレッチマーは煩悶している。裕福で、優しい妻、愛らしい子供もいる。それなのに何処の誰とも知れぬ小娘に電撃的に恋に落ちてしまった。そしてその娘は、クレッチマーの反応に気付くと、瞬く間に彼に取り入って来た、、、

 

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小説『パルプ』チャールズ・ブコウスキー(著)感想  自堕落探偵の奇妙な冒険!?

 

 

俺の名前はニック・ビレーン。私立探偵だ。とびっきりの美女からセリーヌを探せと依頼が来た。さらには「赤い雀」を探せやら、妻を調べて欲しいやら…にわかに探偵らしくなってきやがった。さて、うまくせしめた前金は何番レースにつぎ込むかな、、、

 

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小説『黄色い雨』フリオ・リャマサーレス(著)感想  透徹した寂寥感

 

スペインの山間部にあるアイニェーリェ村。村人は次々に去ってゆき、住む者はすでにいない。そして、他村の男達がやがてやって来て、死んだ私を見つけるだろう、、、

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