前作の戦いから3年後、2027年。地上を縄張りとしてゴジラは他のタイタン(怪獣)を圧倒。一方コングは地下空洞を住処として、自分の同族を探していた。
そんなある日、モナークはある波長を受信する。時を同じくして、アンドリュース博士の養子となったイーウィス族の少女ジアも又、白昼夢に悩まされていた、、、
監督は、アダム・ウィンガード。
前作『ゴジラvsコング』(2021)に引き続き、本作でも監督を務める。
他の長篇映画監督作品に
『サプライズ』(2011)
『ザ・ゲスト』(2014)
『ブレア・ウィッチ』(2016)
『Death Note/デスノート』(2017)等がある。
出演は、
ゴジラ
コング
スーコ(チビコング)
モスラ
スカーキング
シーモ 以上タイタンズ
アイリーン・アンドリュース博士:レベッカ・ホール
ジア:ケイリー・ホトル
バーニー・ヘイズ:ブライアン・タイリー・ヘンリー
トラッパー:ダン・スティーヴンス 他
「レジェンダリー・エンタテインメント」と
「ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ」の共同製作の、
「モンスター・ヴァース」シリーズ。
『GODZILLA ゴジラ』(2014)から始まり、
『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)
『ゴジラvsコング』(2021)
で一段落付いたと思われたシリーズですが、
好評という事で、続きの製作が決定、
また先頃、TVシリーズの
『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』(2023)のシーズン1が全10話で放送され、
シーズン2の製作も決定されています。
新しい展開を見せ始めた「モンスター・ヴァース」。
その最新作が本作
『ゴジラ×コング 新たなる帝国』です。
そんな本作、もの凄い映画です。
頭カラッポにして観られるポップコーンムービーの中でも、
ここまで至れり尽くせりの作品はありません!!
ご都合主義のオンパレード
観て解るのに、わざわざ全て台詞で説明してくれる親切設計
何だかんだで、結局怪獣プロレスで決着する潔さ
誰が観ても面白い!
馬鹿が観ても面白い!!
いや、寧ろ、頭カラッポにして楽しむべき作品!!!
だが、それが良い、それで良い
それが本作なのです。
頭カラッポの方が、夢詰め込めるとは、
アニメの『ドラゴンボールZ』の主題歌『CHA-LA HEAD-CHA-LA』の歌詞ですが、
本当に、そう。
頭カラッポにして、
何の偏見も無しに本作を観ると、
本当に楽しい作品です。
…まぁ、確かに、
冷静に観ると、
中々にツッコみ所も多いですが、
そういうモンか…
と、受け入れる肝要さも必要なのは、また事実。
中々に面白かったですが、
個人的には、
もっとゴジラの活躍を観たかったな~、
なんて思ったり。
つまり、
これで完璧では無い、
まだ伸び代があるという事です。
う~ん、
もっと馬鹿になるべきか、どうすべきか、
それが問題だ
そんな作品
『ゴジラ×コング 新たなる帝国』です!?
-
『ゴジラ×コング 新たなる帝国』のポイント
ご都合主義のオンパレードでも、それを楽しめ!!
やっぱり怪獣プロレスが世界を救う!?
もっとゴジラの活躍も観たかったな~
以下、内容に触れた感想となっております
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- 頭カラッポでも観られる凄さ
本作『ゴジラ×コング 新たなる帝国』は「モンスター・ヴァース」の5作目。
ハリウッド版の新展開のゴジラ映画が、
もう既に5作も作られている事に驚きです。
そんな本作、
鑑賞に伴うストレスが皆無というのが凄いです。
馬鹿でも口を開けて、
ポップコーンを食べながらでも楽しめる映画です。
因みに、これは褒め言葉。
馬鹿でも楽しめる映画を作るのは
馬鹿では出来ません。
基本、コングも、ゴジラも喋りません。
なので、画面の「行動」にて、
鑑賞者は、タイタンの意図を察っせねばならないのです。
表情、動きのスピード、ポーズなど、
様々な方法で感情を表現し、
それを観客に伝える、
フルCGの怪獣達の行動一つ一つが、
考え尽くされた作りなのです。
歯痛に悩むコング、
初対面のコングにビビるスーコ、
自分の目の前に現れたコングに怒り心頭のゴジラ、
それを見て、話を聞けとばかりに焦るコング etc…
「画」を観ただけで、
その意図が伝わるのです。
更に至れり尽くせりなのが、
人間が居る場面では、
それを見た人間が、意図を解説してくれる事です。
これは「~だ」
だから私達は「~しよう」
全部、説明してくれて、
「あれ?これはどういう事だ?」と、
疑問を挟む余地が無いのです。
映画というのは余白が大事で
どういう意図で作られた場面なのかという事を、
自分なりに考えて解釈するという行為が、面白いのです。
これは、確かに面白いのですが、
鑑賞中に引っ掛かりとなって、
スッキリとしないストレスとなるのもまた、事実。
しかし、本作には、それは無い。
全部、意図が明白で、
しかも、登場人物の台詞にて、
全て、答え合わせを直ぐさましてくれます。
鑑賞中のノンストレスは、
そのまま、
映画をストレートに楽しめるという快適さに繋がっているのです。
とは言え、
一部、見た瞬間に意図が図れない場面もあります。
終盤のクライマックス、
重力を操るイーウィス族が、
スカーキング一行を足止めする為に、
無重力にする、という場面です。
ブライアン・タイリー・ヘンリー演じるバーニーのみが、
「ああ、成程」と理解し、
それが、無重力を生み出す事だと、
後のシーンで解りますが、
これは、何故そういうシーンになったのかというと、
それは、
「無重力状態で怪獣が戦ったら、面白くね?」という発想からです。
発想先行で作っているから、
必然性の無い展開なのですが、
シーン的には抜群に面白いから、
まぁ、OKとするゴリ押しの説得力がまた、
本作らしい面白さとも言えます。
意図を明確に説明する。
そうで無いなら、ゴリ押す。
それで面白いのが、本作の凄さと言えるのです。
-
ゴジラは控え目
概ね満足の『ゴジラ×コング 新たなる帝国』なのですが、
個人的には、
もっとゴジラの活躍を観たかったな~と思います。
本作のメインは、
あくまでもコング。
前作『ゴジラvsコング』(2021)で活躍した
ゴジラ側の登場人物
マディソン・ラッセル(ミリー・ボビー・ブラウン演)や
マーク・ラッセル(カイル・チャンドラー演)は本作では出番が無く、
マディソンと行動を共にしたバーニーは、
本作においては、
流れる様にコング側の登場人物へと移行しています。
ゴジラの行動は、
モナーク所属のモブ隊員が報告するのみというのが、
寂しいところ。
更には、
アクション的な見せ場、
イタリアでのスキュラ戦、
北極海でのティアマット戦も、アッサリと省略されているのも、
消化不良感があります。
漫画の「刃牙」シリーズの主人公である刃牙が、
強すぎるが故に扱いが難しく、登場シーンが少ない、
みたいな感じで、
本作のゴジラも、
強キャラ過ぎて、扱いが雑になっています。
変に苦戦したら違和感があるし、
だからと言って瞬殺したら、物足りないという、ね。
そこん所がちょっと不満ですが、
家族を求めるコングの心境や、
アクション的な活躍は面白かったですし
何より、
クライマックスで
ゴジラとコングが並んでダッシュするシーンは、
馬鹿過ぎて涙が出るくらい盛り上がりました。
結局本作は、
観客が何を観たいのかを的確に捉え、
それを十二分に表現しているからこその面白さがあります。
観たいのは、怪獣プロレス!!
それを思う存分楽しめる、
『ゴジラ×コング 新たなる帝国』は、
スカッと楽しめる作品なのです。
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