映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』感想  ロリ神のレクイエム!!?

オクラホマ州の事件から二年後、スペングラー一家はニューヨークに引っ越して「ゴーストバスターズ」稼業に精を出していた。自宅兼本部は、かつてのゴーストバスターズが本拠地としていた、あの旧消防署である。
しかし、仕事中に街を破壊し、市長の反感を買い、未成年のフィービーは活動を抑制されてしまう。クサったフィービーだが、ある日、メロディという少女のゴーストと知りあう、、、

 

 

 

 

 

 

 

監督は、ギル・キーナン
前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021)では製作総指揮と脚本を手掛ける。
監督作に
『モンスター・ハウス』(2006)
『エンバー 失われた光の物語』(2008)
『ポルターガイスト』(2015)
『クリスマスとよばれた男の子』(2021) がある。

 

出演は、
フィービー:マッケナ・グレイス
トレヴァー:フィン・ウルフハード
キャリー:キャリー・クーン
ゲイリー:ポール・ラッド

ポッドキャスト:ローガン・キム
ラッキー:セレステ・オコナー
ラーズ:ジェームズ・エイキャスター
ナディーム:クメイル・ナンジアニ

ピーター:ビル・マーレイ
レイ:ダン・エイクロイド
ウィンストン:アーニー・ハドソン
ジャニーン:アニー・ポッツ  他

 

 

 

皆さんは、VTuberってご存知ですか?

YouTuberと言ったら、
動画サイト「YouTube」にて配信活動を行っている人の事を言いますが、

VTuberというのは、
配信時に、自分の生身では無く、
アバター(代わり身)を使っている人で、
狭義に於いては、アニメ系の絵や3Dを使って活動しています。

動画やライブ配信では、
普通のユーチューバーと同じ、
企画モノをやったり、雑談、ゲーム配信などを行っています。

 

で、個人的に思うのは、
VTuberの「伸び」が良い動画、
所謂、再生数を稼げる動画というのは「歌」だと思います。

既存の楽曲の「歌ってみた」動画が多いですが、
やはり、爆発的に「伸びる」のは、
オリジナル楽曲です。

去年から今年にかけてヒットした印象的な楽曲に、
ピーナッツくんの『刀ピークリスマスのテーマソング2022』
宝鐘マリンの『美少女無罪♡パイレーツ』
HIMEHINAの『愛包ダンスホール』などがあり、

最近も、
星街すいせいの『ビビデバ』などがヒットしています。

 

で、
去年一番印象的だった楽曲が、
イラストレーターである「しぐれうい」の楽曲
『粛聖!!ロリ神レクイエム☆』です。

9才のしぐれうい(設定上)がロリコン撲滅を歌っており、
アニメーションのMVの再現困難なダンスシーンが話題になったりしました。

そのダンスシーンを元歌のお兄さん
横山だいすけ氏が「踊ってみた」動画としてTikTokに投稿し、
不謹慎だと炎上する事件があったり、

NHKで検閲され、
曲の題名を言ってはいけないと忠告されたり、

もうすぐ、一億再生に届きそうだったり、
色々凄い楽曲です。

 

 

 

さて、長目の前置きでしたが、
本作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』です。

初代『ゴーストバスターズ』(1984)と
『ゴーストバスターズ2』(1989)の監督がアイヴァン・ライトマン

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021)の監督が
その息子のジェイソン・ライトマン

本作の監督はギル・キーナンに代わっていますが、

テイストとしては、「アフターライフ」より。

初代のテイストを尊重しつつ、
落ち着いた作りになっています。

 

 

初代と2がコメディタッチ、
アフターライフはジュブナイル的でしたが、

本作は「フツー」。

真面目で、面白いですが、
まぁ、普通です。

 

何故、それなりに面白いのに、
フツーなのか?

それは、
登場人物が多すぎて、視点が分散し過ぎているからです。

故に、

体感、上映時間が長く感じます

 

もうちょっとコンパクトにして、
キレッキレな感じの早い展開にした方が、
個人的には、好みでした。

初代の様にね

 

しかし、ちゃんと本作にも良い点があり、

それはやはり、主役級のフィービーを演じた、

マッケナ・グレイスの成長が観られる事です。

 

 

子役として、数々の出演作があるマッケナ・グレイス。

日本人で例えるならば、
芦田愛菜さんと言った所でしょうか。

そんな彼女は前作で、
生意気小学生(美少女)を見事に演じていましたが、

リアル時間で3年経った本作では、
もう、だいぶ、大人と言えます。

光陰矢の如し。

おっきくなったなぁ…マッケナ・グレイス…

と、
時の経過を感じ、
変なノスタルジックに浸りました。

 

映画として面白いですが、
少々長く感じる本作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

しかし、
その長い時間をマッケナ・グレイスと共に過ごす事が出来るというのなら、

それは望外の幸せと言えるのではないでしょうか…!?

 

 

 

  • 『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』のポイント

真面目でキチンとした作りの面白さだけど、ちょっと物足りない

登場人物多すぎ問題

マッケナ・グレイスの成長

 

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 

 

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  • 船頭多くして船山に上る

テンポとコミカルさと
若干のホラー要素が噛み合った名作、
初代『ゴーストバスターズ』(1984)

前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021)は
ジュブナイル的な要素を前面に出して、
懐かしさと郷愁を誘う作品でした。

 

で、本作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』は

何でしょう?

特にコンセプトがある訳では無いンですよね。

 

本作は真面目に、
キチンと作られていますが、
そういう、主張というか、コンセプトというか、
最も重要な、核となる「作品のテーマ」部分が無い印象があります。

 

で、
前作は、新しい世代、
ゴーストバスターズと成る、若者の物語だったから、
面白かったんですよね。

しかし、本作は、
例えば、
メインビジュアルに
ポール・ラッド演じるゲイリーが配置されていたり、
ビル・マーレイ演じるピーターが居たり、

フィービー役のマッケナ・グレイスや
トレヴァー役のフィン・ウルフハードより目立っているのです。

 

つまり、本作の不満としては、
前作のメインキャラの掘り下げ、その後を期待したのに、
それを描くより、
大人の登場人物が多くなり、
それぞれの描写に尺を取られて肩透かしだった
という点です。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)程ではありませんが、

登場人物が多いので、
上映時間が長い割にストーリーが薄くなってしまった感が否めません。

 

前作では、
ポール・ラッドは脇役だったのですが、
役者の格を考慮したのか、
本作ではちょっと、目立ってしまった。

そういう配慮が本作では多くあり、
全員を目立たせようとしたあまり、
映画そのものが薄味になってしまっています。

 

  • マッケナ・グレイスの成長

しかし、
本作の実質の主人公はマッケナ・グレイス演じるフィービーであり、
彼女周りのストーリーのみは、
まぁまぁ作り込まれていました。

個人的にはトレヴァーも掘り下げて欲しかったですがね。

 

さて、
そのフィービーを演じたマッケナ・グレイスは、
子役として人気があった役者。

gifted/ギフテッド』(2017)
アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)
レディ・プレイヤー1』(2018)
キャプテン・マーベル』(2019)
アナベル 死霊博物館』(2019)
マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)など

数々の映画で印象的な役を演じてきました。

 

「可愛い、愛らしい、しかし迫力ある子役」そういう印象だったマッケナ・グレイス。

本作を観る上で、
ぶっちゃけ、彼女の活躍を一番期待していました。

で、
そのマッケナ・グレイス、冒頭のシーン、
ゴーストバスターズ本部(兼、住居)にて、
階段を駆け下りる場面があります。

オッパイ揺れてる!?
ぶるんぶるん!!
もの凄く!!

はぁ、大人になったなぁ…

 

何だか、賢者タイムと言いますか。

時が経てば、人は成長するというのは道理ですが、
「ロリ神」が、
「神」になったのだなぁ、と、
感慨深さと、一抹の喪失感を覚えました。

 

胸が揺れているシーンでは、
タンクトップの上にシャツを着ていたのですが、

その後の殆どのシーンでは、
フィービーはオーバーオールかツナギの服を着ていました。

作中の設定上は「15歳」なので、
監督は確信犯的に、
あまり、胸を強調しないような演出をしていたと思われます。

 

ストーリー上の活躍は、
フィービーに焦点が当たっていて良かったです。

能力では無く、
若年者という理由で、
自分が始めた天職から阻害されるという理不尽さ、

それ故の単独行動と、
感情のやるせなさを、
他人に利用されるという屈辱。

しかし、
家族や周りが、それを受け入れ、カバーするというのは、
お約束ですが、胸に来る展開ですよね。

その辺りのストーリー面、
感情面を前面に出せば、
本作は、もっと面白かったかなぁとも思いますが、どうでしょう。

 

さて今後は、
マッケナ・グレイスはロリ役では無く、
大人の女性の役も増えて行くのだなぁ。

子供の成長に直面し、思いを馳せ、

喪失感と期待の合わさった、
何とも言えない感情を味わえたのは、
本作の、一番と言っていい収穫なのかもしれませんね。

 

今後のマッケナ・グレイスの活躍を期待しつつ、
大人な彼女の「ゴーストバスターズ」も観たいですよね。

 

 

 

 

 

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