映画『アナベル 死霊博物館』感想  死霊アッセンブル!?お化け VS. 美少女3人組!!

超常現象研究家のウォーレン夫妻は、その活動故に、時に、悪魔祓いを行う事もあった。
その過程で手元に残った「いわく付き」のアイテムの数々。ウォーレン夫妻は、自宅の地下に、それらを所蔵していた。
1972年、ウォーレン夫妻が留守の間、娘のジュディの面倒を見るのは、シッターの高校生メアリー・エレン。
そんな二人のお留守番に、地下のアイテムに興味津々のダニエラが訪問してきて、、、

 

 

 

 

監督はゲイリー・ドーベルマン
イカツイ名前が素敵な監督、
本作が長篇映画デビュー作。
脚本家として、
『アナベル 死霊館の人形』(2014)
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)
『死霊館のシスター』(2018)
IT ”それ”が見えたら、終わり』(2017)等を手掛ける。

 

出演は、
ジュディ・ウォーレン:マッケナ・グレイス
メアリー・エレン:マディソン・アイズマン
ダニエラ:ケイティ・サリフ

エド・ウォーレン:パトリック・ウィルソン
ロレイン・ウォーレン:ベラ・ファーミガ 他

 

 

映画においてホラーというジャンルは、
比較低予算で、
ワンアイディアを活かした、
実験的な面白さを追求する事が出来る作品です。

それ故、
たまさか、ヒットを飛ばすと、
「雨後の竹の子」と言わんばかりに、次々と続篇が作られて行きます。

しかし、
低予算という制限はそのまま故、
出演者を続投するより、
総入れ替えして、無名の人間を使う事もしばしば。

その上で、
「続篇」という括りを維持する為には、どうすればいいのか?

それは、その映画独自の、
「恐怖のシステム」を継承して行くのです。

 

その場合、
単純明快、且つ、鉄板の選択肢として、
殺人鬼(スラッシャー)の存在のみを継承し、
キャラクター作品として続篇を作るという事が、
ホラー映画にはよくあります。

しかし、
シリーズを重ねる度、
「柳の下のどじょう」の如くに、
質が低下していくのが、ホラー映画シリーズの宿命と言えます、、、

 

さて、そんなホラー映画では、
時に、
敵役のスラッシャーが、キャラクターとしてフューチャーされます。

ジェイソンやフレディ、
ブギーマン、
エイリアンやプレデター
貞子 etc…

様々なキャラクターが生まれましたが、

ここ最近、
ホラー映画を代表するキャラクターと言えば、
それは、
アナベルと言えるでしょう。

 

さて、前置きが凄く長くなりましたが、
本作は、
ホラー映画シリーズと化した、
「アナベル」シリーズの最新作。

『死霊館』(2013)から、
「アナベル人形」が登場する作品を数えると、4作目。

「死霊館」ユニバースの作品として数えると、
7作目の作品です。

しかし本作、

過去作を全く観ていない、
一見さんでも、問題無く楽しめます。

 

実際、
私がそうです。

過去作は、
本筋と、殆ど関係が無い『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)しか観ていないです。

しかし、
本作は、開始10分で「アナベル人形、やべぇな」と、
誰でも解る親切設計なので、
問題ナッシングです。

 

シリーズでありながら、
フラットな気持ちで鑑賞出来る本作。

それなりに「怖い」ですが、
むしろ「面白さ」の方が勝っています。

何しろ、
家の地下には、
いわく付きのお化けアイテムが数々所蔵されているという設定。

アナベル人形を始め、
数々のいわく付きの呪いアイテムと死霊、悪霊の類いが登場します。

 

「死霊博物館」という題名にそぐわぬ、
悪霊のアッセンブル(集合)ぶり。

どんな活躍(霊障)を観せてくれるのか?

ホラーでありながら、
そこにワクワク感があります。

 

そして、

悪霊達に対峙するのは、
美少女三人組。

 

ホラーなので、
確かに怖さがありますが、

その一方で、
美少女がキャーキャー言っている様子が、

微笑ましく、
又、可愛らしい感じすら覚えます。

 

メアリー・エレンは、
正統派の金髪美少女。

可愛くて、性格が良くて、
オッパイを強調する、ニットの服を着ています。

そのメアリー・エレンの友人のダニエラは、
危険を呼び込む、ヤンチャでお転婆なタイプ。
どことなく、若い頃の濱田マリを彷彿とさせます
やっぱり、ボーダーの服を着て、オッパイを強調しています。

しかし、本命は、
本作の主人降格のジュディ・ウォーレン

色白で、愁いを帯びた、奇跡のロリ美少女です。

常に、眉間にシワを寄せているので、
それを、伸ばしてあげたくなります

因みに、
ロリ美少女なので、胸はありません、絶壁です。
ですが代わりに、
クソダサセーター(チューリップ柄)を着ているのが、ポイント高いです。

 

そんなタイプの違う美少女が、
心霊現象に出会って四苦八苦、

この様子が、
本作は面白いのです。

勿論、
ホラーなので、実際に自分が同じ状況に陥ったなら、
そりゃ、怖いでしょう。

しかし、
その同じ状況を、
美少女達が、頑張って乗り越えんとする、

その様子が、
面白いというか、可愛いというか。

 

…身も蓋もありませんが、
同じ観るなら、見た目が良い方がイイよね!?

そういう意図がミエミエですが、
敢えて、反論する事もありません。

 

ホラーなのに、
むしろ、安心して観る事が出来る、

美少女の活躍が面白い作品、
それが、『アナベル 死霊博物館』という作品と言えるのです。

 

 

  • 『アナベル 死霊博物館』のポイント

色々な悪霊がアッセンブル!!

対するは、美少女3人組!

思春期の悩みを絡めた、青春ホラー

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 「死霊館」ユニバースの「アナベル」シリーズ

本作『アナベル 死霊博物館』は、
私の様な初見でも楽しめる、
楽しい(?)ホラー作品となっております。

とは言え、本作は、
「死霊館」のシリーズと、世界観を同じくしています。

なので、
本作を気に入ったら、
過去作のシリーズを観てみると、良いかもしれません。

 

言うなれば、
「死霊館」ユニバースとも言える、
この世界観。

共有する作品を列挙すると、

死霊館』(2013)
アナベル 死霊館の人形』(2014)
死霊館 エンフィールド事件』(2016)
アナベル 死霊人形の誕生』(2017)
死霊館のシスター』(2018)
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)
アナベル 死霊博物館』(2019)

太字が本流の「死霊館」シリーズ。
ウォーレン夫妻が活躍する作品です。

青字が死霊人形こと「アナベル」が登場する作品。

オレンジ字が、シスター・ヴァラクが登場する作品です。

 

こうして見ると、
本流の「死霊館」より、
スピンオフの「アナベル」シリーズの方が、数が多い事が分かります。

それだけ、アナベル人形は、
使いやすく、興味深いキャラクターと言えるのではないでしょうか。

 

  • 思春期の悩みとホラー

私が観たのは、
ラ・ヨローナ ~泣く女~』と、
本作『アナベル 死霊博物館』のみなので何とも言えませんが、

どうやらこのシリーズ、
それぞれの作品で「ホラーの質」が、微妙に違うとの事。

まぁ、
監督が違えば、映画の雰囲気は大分違うので、
それも頷ける事です。

 

「ラ・ヨローナ」は、
ビックリ演出が凄すぎて、心臓が止まりそうな程怖かったですが、

本作は、
そういう、出会い頭のショッキングさより、

バラエティに富んだ、死霊のアレコレを楽しむ作品と言えます。

 

その、バリエーション豊かな死霊に対峙するのは、

これまた、性格の違う、三人の美少女達。

ポイントは、
それぞれが、青春の悩みを抱えている事です。

 

メアリー・エレンは、
意中の男性を恋仲になりたいという、
ホラー映画にありがちな、微笑ましいもの。

ジュディ・ウォーレンは、
親の仕事の所為で、同級生のイジメに遭っているという、
これまた、
ホラー映画ではありがちですが、
現実世界でも、身が軋る様な青春の悩みでもあります。

 

そして、ダニエラ。

彼女の青春の悩みは、家族関係。

父を、自分が車を運転している時に、事故で亡くし、
その罪悪感を抱えているのです。

当初、
ホラー映画にありがちな、無鉄砲な好奇心で怪奇現象を追求していたと思われたのですが、

そういう事情があったのだと、
後から観客は気付かされます。

この、
ダニエラの悩みが原動力になり、
本作のトラブルのトリガーの役と成ります。

いわば、ストーリー、テーマ的には、
ダニエラの悩みが、本作の核となっているのですね。

 

  • 悪魔祓い

罪悪感を抱えるダニエラは、
もう一度、父に会い、謝りたくて、
藁にも縋る気持ちで、霊に呼びかけていたのですね。

「ヤベェ場所なら、霊に声が届くのでは?」
という発想がヤベェですが、

生憎、本作はホラー映画、
呼びかけに応じて現世に現われた父の霊は、

「キサマの所為で俺は死んだ!ふざけんな!」と、
テンプレの恨み節を吐きます。

 

正に、トラウマものの結末ですが、
本篇では、
怪奇現象が、その後も続々と頻発する為、

父との決裂に思いを至らせずに、
サバイバルが開始されます。

 

しかし、
これは後日、意外(?)な結末を迎えます。

娘(ジュディ)の誕生会に出席したダニエラに、
霊能力を持っている母のロレイン・ウォーレンは、
「あなたの父は、あなたを理解している」と、
優しい言葉を掛けるのです。

さて、
これは、本当でしょうか?

父は本当にダニエラを恨んでいないのか?
あの恨み節は、何だったのでしょうか?

 

私が思うに、
真実は、ぶっちゃけ、どうでも良いのです。

ダニエラ自身が、
どう解釈するのか、それが大事だと思います。

ロレインが、真実、何を見て、何を聞いたのか?

それは重要では無く、
ロレインの言葉で、
ダニエラが何を感じるのか、

ロレインの言葉で、ダニエラの悩みが解消したならば、
それが「悪魔祓い」だと言えるのではないでしょうか。

 

信仰とは、希望を信じる事

宗教を信じていなくても、
この結果には、万人が納得いく作りになっているのではないでしょうか。

 

  • 驚異の子役、マッケナ・グレイス

本作の主役級、ジュディ・ウォーレンを演じたのは、
マッケナ・グレイス

若手女優というか、
2006年生まれなので、まだ、子役のカテゴリーですが、
中々、話題作に出演しています。

gifted/ギフテッド』(2017)にて、天才少女、
アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)では、トーニャ・ハーディングの若かりし頃を、
レディ・プレイヤー1』(2018)は、チョイ役の子供でしたが、
キャプテン・マーベル』(2019)では、幼少期のキャロル・ダンヴァースを演じています。

 

後に大成した美少女子役と言えば、
ジョディ・フォスターや、
ナタリー・ポートマンが思い浮かびますが、

彼女も、
その先人達に並び立つ雰囲気を持っていると感じます。

今後の活躍に期待大ですね。

 

 

 

特別「怖い!」という訳ではないけれど、

色々な霊、怪奇現象の連続で、
飽きずに面白い作品、『アナベル 死霊博物館』。

美少女3人組の活躍もあり、
観ていて、純粋(いや、不純か?)に楽しめるのではないでしょうか。

 

 

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全てはここから始まった!?「死霊館」ユニバースの第一作目が、コチラ


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