映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』感想  どきんちょ!ネムリン!?ビビって永眠注意!!


 

ソーシャルワーカーのアンナはシングルマザー。忙しく仕事しながらも、子育てをしている。ある日、長年担当しているアルバレズ家の子供が登校していないという報告を受け、家に向かう。そこで、監禁されていた子供を保護するが、母親のパトリシアには極端に恨まれてしまう。「お前のせいだ」と、、、

 

 

 

 

監督はマイケル・チャベス
本作が長篇映画デビュー作。
次作は「死霊館」シリーズの第三作目。

 

出演は、
アンナ:リンダ・カーデリーニ
ラファエル:レイモンド・クルツ
パトリシア:パトリシア・ベラスケス
クープ:ショーン・パトリック・トーマス
ペレズ神父:トニー・アメンドーラ

ラ・ヨローナ:マリソン・ラミレス 他

 

 

 

「悪さすると、泣き女が来るよ!!」

メキシコのフォークロア(民間伝承)として、
主に、ぐずる子供をあやす時に使われるテンプレートとして使われているという、
ラ・ヨローナ(La Llona)。

オバケって言うか、
妖怪って言うか、
そんな感じの存在ですかね。

 

その民間伝承を元ネタとして、作られたのが、
本作『ラ・ヨローナ ~泣く女~』です。

導入部の1673年のパートは、
正に、「泣き女」の伝説通りの展開。

そこから、
現代(1973年)のパートまで、
呪いが続いているんですね。

さて本作、

観たらビビる!!
寿命が8年は縮みましたね!

 

私なんか、ビビって2回くらい心臓が止まりかけましたよ。

胸を押さえながら観てました。

いや、
これがですね、

怖いというよりも、
とにかく、ビックリします。

 

ギャーッ!!ドーンッ!!
ワーッ!!バーンッ!!!

ビックリ演出も、
ここまでやれば、極まってますね。

本作、
心臓が悪い人は絶対に観ないで下さい

いや、
冗談では無く、
本当にショックで死にかねません。

 

ホラーと一言で言っても、
その「怖がらせ方」のジャンルは様々。

サイコホラーであったり、
スプラッタであったり、
ミステリであったり、
ワンアイデア系だったりします。

本作は、謂わば、ショッキング・ホラーってヤツです。

とにかく、
徹頭徹尾、ビックリさせる事に終始した本作、

最初から、
最後まで、
飽きる事無く、ビビる事が出来る作品、
それが『ラ・ヨローナ ~泣く女~』です。

 

 

  • 『ラ・ヨローナ ~泣く女~』のポイント

ビックリ!ドッキリ!ショッキング・ホラー!!

逆恨みの恐怖

最後にモノを言うのは肉体だ!!

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


スポンサーリンク

 

  • 死人も起こす!?ショッキング・ホラー

本作『ラ・ヨローナ ~泣く女~』はショッキング・ホラーです。

兎に角、恐い!
というより、
ビックリする!

 

いきなり現われてドーンッ!!

意表を突いてバーンッ!!

目をひん剥いて、
口をデカく開けて、
「くわぁーーーーっ!」って叫んで、

いやぁ、本当に心臓に悪いわぁ。

心臓に持病がある人が観たら、
止まってしまうレベルでヤバイですね。

私もちょっと苦しくなりました。

 

でも、
本作は、
このジェットコースターみたいな、
勢いで突っ切るというノリを目指したホラーなんですよね。

これが、サイコホラーだったら、

例えば、
アンナはケースワーカーとして、
パトリシアから、子供を取り上げた訳じゃないですか。

これと同じ状況にアンナを陥らせる事で、
心理的に観客を追い詰める事も可能だったハズです。

アンナ自身が虐待を疑われ、
クリスとサムの兄妹が、アンナから引き離される、
という展開もあり得たハズです。

しかし、
本作はそんな展開にしなかった。

あくまで、
ショッキングな力押しに終始した、
この一本気な所に、本作の価値があるのです。

 

  • 逆恨みの恐怖

本作の幽霊というか悪霊というか妖怪というか、
「ラ・ヨローナ(泣く女)」は、
もう、完全に逆恨みというか、
不条理というか、
全く、無関係な人間を、自分と同じ目に遭わせるという、
傍迷惑な存在。

しかし、
この不条理さこそ恐怖の源泉であり、
都市伝説であり、
フォークロアを生むのです。

 

そして、
その「逆恨みの不条理」というものは、

本作においては、
パトリシアの行動にて再現されています。

確かに、
パトリシア目線で見れば、
アンナが子供を保護しなければ、
「泣く女」から子供を隠せたのかもしれません。

しかし、
自分が不幸にあったからと言って、
その不幸をもたらした相手では無く、
アンナを恨むというのはお門違い。

 

とは言え、
人間というものは、
自分が太刀打ち出来ない相手にやられた場合
時として、
八つ当たりの対象として、
近くに居る、与しやすい相手を、
代わりに攻撃するという事は、

哀しいかな、
よく有る事なのです。

 

それが、逆恨みというヤツですが、

親切心で関わった事態で、
時に、助けたハズの相手に攻撃される事もあり、

下手な情けが、
自分の仇となる事が、
しばしばあります。

そういう、
「逆恨みの象徴」みたいな存在として、
「ラ・ヨローナ」は描かれています

 

それを考えると、

本作の「泣く女」は、
もしかしたら、
フォークロアの存在では無く、

ノイローゼにて子供を溺死させたパトリシアが生んだ、
妄想の産物の生き霊であり、

自分が子供に手を掛けた事を受け入れたく無かった為に、
逆恨みでアンナの家庭を狙った、
とも解釈する事が出来ます。

「泣く女」がパトリシア由来の生き霊だと考えると、
アンナの懇願でパトリシアが心変わりした為に、
「ラ・ヨローナ」に心が戻る瞬間があり、
そして、ラストに倒す事が出来た、
とも読み取れます。

まぁ、
ホラー映画は様々な解釈が成り立つのが面白い所。

これも、私の勝手な妄想であり、
一つの解釈として楽しんで下さい。

 

  • 霊を倒すのは、腕力だ!!

前半から中盤にかけては、
「ラ・ヨローナ」の恐怖演出が際立っています。

そして、
クライマックスでは、
その悪霊を祓うという形で、
実力行使の戦闘が始まります

 

恐怖というものは、心理的な部分が起因して起こる感情だと思うのですが、

ホラー映画って意外と、
ラストはバトルになる事もしばしばです。

本作は、
そのバトル的な感じに寄せているイメージです。

 

どういう訳だか分からぬが、
何故だか都合良く、「炎の木」で作った十字架を持っていたり、

丁度、「泣き女」の涙を精製した聖水を用意してたり、

その辺のご都合主義を、
ラストバトルに役立てるという展開は、

何だか知らんが、兎に角良し!!
と、葉隠散なら言っているでしょう。

 

由来が、イマイチ納得出来なくても、
専門家が「効く!!」と言えば、
何だか、効きそうな気がする

…正直、詐欺師の手口っぽくて、
騙されているような気もしますが、

「病は気から」とも言いますし、

「霊が相手でも、効くと思えば、それが効く!」

このノリは、
押切蓮介の漫画『でろでろ』で、
主人公の日野耳雄が、
霊あいてに、腕力で制圧する様子にも似てますね。

 

結局ラストは、
これを使えとラファエルが言った十字架を、
物理的に相手に突き立てて勝利する展開。

超常現象を起こす「霊」相手でも、
肉体由来の物理攻撃で相手を倒す事が出来る!

勢いのみで突っ切る本作の妙な説得力で、
除霊というより、
撃破して終わるのが、
何とも凄い展開と言えます。

 

 

ショッキング演出で十二分にビビらせつつ、
しかし、
最後は腕力で霊を撃破する!

これが、『ラ・ヨローナ ~泣く女~』という映画なのです。

恐いことも腕力で解決!!

でも良い子の皆は、
腕力にモノを言わせるのは、
霊相手だけにしろよな!!

 

 

現在公開中の新作映画作品をコチラのページで紹介しています。
クリックでページに飛びます

 

 


スポンサーリンク