映画『ザ・コントラクター』感想  ままならぬ人生に抗い続けるという事!!

軍の特殊部隊に所属するジェームスは、その膝の負傷が影響し、組織刷新の一環としてリストラされる。
アイデンティティを失いつつも、借金を抱えて家族を養う身である彼は、かつての上司の縁故により、不本意ながらも民間軍事会社に就職しミッションに臨むのだが、、、

 

 

 

 

 

 

監督は、タリク・サレー
TVドラマなどの監督を経て、
本作が英語の長篇作品の初監督作。
他の監督作に、
『Sacrificio: Who Betrayed Che Guevara』(2001)
『The Nile Hilton Incident』(2017)等がある。

 

出演は、
ジェームス:クリス・パイン
マイク:ベン・フォスター
ブリアン:ジリアン・ジェイコブス
ヴァージル:エディ・サーマン
ラスティ:キーファー・サザーランド 他

 

 

 

 

皆様、季節の変わり目で、体調を崩しておりませんか?

私は、数年ぶりに喘息の発作が起きて、
辛い日々を過ごしております。

前回は、
仕事の過労で倒れて、
「あ~、このままだったら死ぬな」と思って、
仕事を思い切って辞めたら、
喘息も治まった、っていうね。

で、今回も仕事がキツくなっているので、
その所為で、喘息が再発したのかな、と。

皆様も、
体調にはお気を付けて。

 

 

で、前置きはその辺で、
本作『ザ・コントラクター』です。

「contractor」とは、請負人の事。
仕事や労働を提供する会社や個人です。

 

本作、ジャンルとしては、

アクション・スリラー。

 

 

民間軍事会社に就職したジェームスが、
怪しげなミッションに挑み、
トラブルに巻き込まれてしまうという内容。

 

まぁ、ぶっちゃけ、
よくあるストーリーと言えばそうで、
それは、期待通りの出来映えなのですが、

本作には、
しっかりとしたテーマがあります。

それは、

使い捨てにされる人間の悲哀です。

 

 

軍に奉仕する事
それは、ひいては、国に奉仕する事です。

しかし、
リストラの憂き目に遭い、
民間軍事会社に就職するも、
そこでも、トラブルに巻き込まれてしまう。

 

本作は、基本、アクション映画なのですが、
しかし、
社会が如何に、弱った人間を酷使し、
喰いモノにして成り立っているのか、
それをよく反映した作品となっております。

 

確かにアメリカは銃社会で、
軍隊や民間軍事会社など、
日本とは設定自体が違いますが、

しかし、

生きる上で、安定の為に
何かに所属するという事のリスクを
本作はまざまざと見せつけてきます。

 

アクション映画ながら、
使い捨てにされる者の悲哀を描いた『ザ・コントラクター』、
現代社会の闇を反映した作品と言えるのかもしれません。

 

 

  • 『ザ・コントラクター』のポイント

追い詰められた男のリベンジアクション

弱った者から消費され、使い捨てにされる社会

黙って引き下がらない人生の辛さ

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 

 

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  • 人生を消費させられる人生の悲哀

『ザ・コントラクター』はアクション・スリラー映画。

軍の特殊部隊に所属していたジェームス。

しかし、
組織刷新の一環として
リストラ対象の憂き目にあってしまいます。

膝の負傷があり、
それをカバーする為に使った筋肉増加剤の薬物反応の為に、
特殊部隊からの降格どころか、
軍からの除隊をも言い渡されてしまいます。
しかも、退職金ゼロで、、、

 

ジェームスは、
同じく軍人だった父親の影響なのか、
その軍の仕事に、誇りを持って挑んでいました。

しかし、
それをクビになった事で、
アイデンティティを喪失してしまいます。

 

結局は、
社会とは、
擦り切れるまで使い倒した後は、
用済みになった人間は、使い捨てにされて行きます。

 

本作では、
軍を使い捨てにされた後、
民間軍事会社に就職します。

そこの面接で、
社長のラスティは、
「軍を追い出され、自信喪失、自己嫌悪と同時に社会への怒りを抱えている
使い捨てにされ、行き場を失った仲間を集めて仕事している」
と言い、
リストラされたばかりで心の弱ったジェームスの、
その心の隙に、巧みに入り込んできます。

この台詞こそ、
本作のテーマを如実に表すものです。

社会は、
人間を使い捨てにしている。

そして、
「解っている」と
心の弱味に付け込んで来た人物を信じると、

再び、
使い捨てにされ、
裏切られる「負の連鎖」が始まる事が描かれるのです。

 

ジェームスは会社に裏切られ、
家族には補償金が支払われ済み、
世間体では死んだ事になり、

会社も、彼を何としても殺そうと追手を差し向けてきます。

そして、逃亡先のセーフハウスにて、
自身の境遇と同じく、
世間的には死んだ事になって、
隠遁生活を余儀なくされているヴァージルと出会います。

ヴァージルはいわば、
未来のジェームスと言える存在で、
そんな彼は、
憐れに、あっけなく死んでしまいます。

 

また、
ジェームスが作中、
マイクに、自身の心情を吐露する場面があります。

「父は、誇りにしていた軍を辞めて、直ぐに家族を捨てて失踪した」
「俺は、父の持ち物を埋葬し、自分だけで別れを告げた」と。

 

これらのシーンを繋げて想像するに、
影響を受け、愛憎半ばする父が、
もしかしたら、
自分やヴァージルと同じ様に、
進退窮まって、家族の下から去る事を余儀なくされたのかもしれないと、
示唆しているのです。

 

 

『ザ・コントラクター』は、
ストーリーとしては
よくあるアクション・スリラー映画なのですが、

使い捨てにされる社会の人間の悲哀を如実に表しており、

妙に、刺さる場面が個人的に多い作品でした。

 

 

 

 

 

 

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