ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第4話「光と影」 あらすじ 解説

『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章
第4話「光と影」について解説したい。

一度回り始めたものを止める事は出来ない。
相手が兄弟であろうとも、やる気満々でとうとう戦争が開始されんとするが、、、

 

監督:デヴィッド・ペトラルカ
脚本:ヴァネッサ・テイラー

 


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再びOPのCGアニメに舞台が追加されている。
「ハレンの巨城」と「クァース」のモデリングにも注目だ。

 

  • キングズランディング

玉座の間。(07:48)
ジョフリー・バラシオンサンサ・スタークをいたぶるが、ティリオン・ラニスターが止めさせる。
サンサはあくまでジョフリー支持の姿勢を崩さず、ティリオンを唸らせる。
ティリオンは女を知れば丸くなるかと思い、ジョフリーの部屋に娼婦を向かわせる。
しかし、ジョフリーは娼婦にサディスティックな暴力を加える。

「王の手」の執務室。(37:29)
上級学匠パイセルを解放せよとの命令書を持ってランセル・ラニスターがティリオンの部屋に訪れる。
ランセルはティリオンを侮辱するが、サーセイとの関係を仄めかすと途端に態度が軟化。
ティリオンは、今後サーセイの行動を逐一報告せよとランセルにスパイ行為を命じる。

 

  • ロブの行軍

ラニスターの陣に夜襲を仕掛け、壊滅させたロブ・スタークの軍。(01:55)
処刑はせず、捕虜は捉えても拷問するなとルース・ボルトンに命じる。
その折、ロブは戦傷者を治療するタリサ・マイギアと印象的な出会いをする。

 

  • ハレンの巨城

ハレンの巨城に移送されたアリア・スターク達は、露天の檻の中に入れられる。(19:43)
そこでは捕また人間が拷問されていた。
夜、アリアは眠る前、
ジョフリー、サーセイ、イリーン・ペイン、ハウンドと恨みを持つ者の名を唱える。

朝。(25:47)
「山(ザ・マウンテン)」ことグレガー・クレゲインが一人ピックアップする。
その人間がその日拷問される。
「兄弟団」の情報を探している。

その日はジェンドリーが選ばれる。(37:29)
その場面に、タイウィン・ラニスターがやって来る。
タイウィンは捕虜を拷問で殺すより労働力として使えと指示。
アリアの「男装」も見抜き、酌取りを命じる。

 

  • ストームズエンド

レンリーの陣ベイリッシュ公が訪れる。(14:45)
レンリー・バラシオンは日和見を決めたベイリッシュに嫌悪感を示す。

ベイリッシュはマージェリー・タイレルの先導でテントへ向かう。(16:45)
ベイリッシュは裕福な家の女性の結婚には常に興味があると言う。
マージェリーは、私の夫は王である、と答える。

キャトリンのテントを訪ねるベイリッシュ。(22:00)
私と夫の信頼を裏切ったなと詰るキャトリン・スタークにベイリッシュは愛を告白するが、勿論キレられる。
ベイリッシュは気を取り直し、スタークの娘とジェイミー・ラニスターとの人質交換を提案する。
そして、ティリオンからの信頼の証だとしてエダード・スタークの遺骨を引き渡す。

海に面した丘の上、(28:48)
スタニス・バラシオンとレンリーが相まみえる。
レンリーはスタニスを挑発し、
スタニスは自分が王であると認めねば滅ぼすと言う。
キャトリンが二人を諫めるも話は平行線に終わり、スタニスは一晩待つと言って去る。

スタニスの艦船上。(43:42)
スタニスはダヴォス・シーワースに、かつての密輸業者の技を使い、誰にも知られる事なく、「紅い女」メリサンドルをストームズエンド城まで届けよと命ずる。
ダヴォスはもっときれいな手があるのではと進言するが、それでは戦に勝てぬとスタニスは答える。

小舟を使い、ストームズエンド城への抜け道へとメリサンドルを連れて行くダヴォス。(45:35)
その道は、かつて無かった鉄格子で塞がれていた。
しかし、問題無いというメリサンドルはそこでローブを脱ぎ、妊婦の如く膨らんだ腹を晒す。
そして、その股から、黒い影が這い出してくる。

 

  • エッソス

赤い荒野。(18:35)
「クァース」という町を見つけたコヴァッロが新しい馬に乗って戻ってくる。

クァースの門前。(32:02)
衛兵と、クァースの統治と防衛を司るという「十三人組」がデナーリス・ターガリエンの一行を通さない。
「香辛料の商人」はドラゴンを見せろと言うが、デナーリスは先ず中に入れて食料と水が欲しいと言う。
話が平行線で終わろうとした時、十三人組の一人であるザロ・ゾアン・ダクソスが「スマイ」を発動。
彼の庇護の下、クァースに入る事が許される。

 

  • 新キャラ紹介

ロブの行軍

ルース・ボルトン
ドレッドフォート公。
「裸の人間に秘密は少しだけ、皮を剥げば皆無」(04:34)という過激なセリフに象徴される様に、皮剥ぎの拷問で相手を責め立てる。
旗印は「皮を剥いで逆さに吊した人間」という狂ったセンスをしている。

タリサ・マイギア
ヴォランティス出身の治療士。
大胆で鮮やかな手並み、王であるロブにも物怖じせず会話する。


エッソス

コヴァッロ
デナーリスの「血盟の騎手」の一人。
先遣隊として向かわせた3人の内、彼のみが帰って来た。

香辛料の商人
クァースの十三人組の一人。
代表的に話をする事からかなりの有力者であろう。

ザロ・ゾアン・ダクソス
クァースの十三人組の一人。
夏諸島(サマー・アイランズ)出身。

 

  • 用語解説

クァースの十三人組
クァースはエッソスの南東にある。
貿易により栄え、商人のギルドである「十三人組」が町の実権を握っている。

スマイ
ザロ・ゾアン・ダクソスが行った。
自らの命をもって、客人が「町にとって」安全だと保証する行為。

沈黙の修道女
七神の「異客」に仕える女性のみの組織。
沈黙を守り、死にまつわる諸々に携わる。
第4話では戦地で死傷者の間を回ったり、エダード・スタークの遺骨を運んだりしていた。

 

 

マージェリーのロールケーキみたいな衣装(16:45)が気になるが、
色々と事態が動きそうな、そういう予感をもはらんでいるのが第4話である。

待ちぼうけを食っていたデナーリスは次の一歩を踏み出す。

夜、眠れないと言っていたアリアは、恨みを持つ者の名を唱える、ヨーレンの様に(第3話42:13あたり)。
翌朝、叩き起こされた所を見ると、ぐっすり眠れた様だ。

そして、いよいよ兄弟喧嘩たるスタニスとレンリーの戦いが始まる。

終始相手を挑発し続けたレンリー。
それに対し、スタニスはあくまで自らの正当性を頑固に主張するのみ。
キャトリンが呆れるのも無理は無い。
全く会話になっていないのだ。

だが、兄弟であっても素養が違えば文化が違う。
会話とは、同じ精神構造という土壌の上に成り立つ。
相手と自分の似た所をお互いが見出さないと、コミュニケーションは取れない

堅物で嫌われ者だが結果を残してきたスタニス。
顔も人当たりも良く、人気者だが実績のないレンリー。
兄弟であるからこそ、お互い長年積もった思いがあり、それが今回の戦争を契機に噴出してしまった感がある。

文化的素養の違いがディスコミュニケーションとなるなるのは、ジョフリーとティリオンもそうだ。

まぁ、年頃の男子なら色仕掛けでイチコロだと考えるのはもっともだが、相手はジョフリー。

奇しくも、ブロンが言った通り、「頭の先からキンタマまで、とち狂っている」(10:42)存在だ。
ティリオン達の常識では図れない反応を示し、懐柔は失敗に終わる。

男性器の生理的作用で物事を判断しないのは傑物だが、その方向性が嗜虐趣味である。

つまり、ジョフリーにとっては高所から他人をいたぶる行為こそが性行為の代替行為であり、
そこから性的興奮すらも得ているのであろう。

正に狂王である。

血族といえど、話が通じるとは限らない。
彼等が何処に向かうのか、それは次回以降のお楽しみ。

 

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次回は『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第5話「ハレンの巨城」について解説したい。