宇宙まで進出した人類。争いはレースの勝敗にて決着を見る。そのレースの名は、「ドレース」。経済的理由からレーサーを諦めたキュウは絶対王者ミュラからドレス「リリー」を譲られる。「勝ち続けて返しに来なさい」ミュラはそう言うが、実はリリーはレースに敗北すると爆発するように出来ていた、、、
著者はokama。
実際にオカマかどうかは不明。
イラストレーターとしても活躍している。
『ヤングアニマル増刊Arasi』2016年No.8~現在連載中である。
他の著書に
『CLOTH ROAD』
『TAIL STAR』等がある。
成人向け漫画誌でデビューし、イラストやアニメのキャラクターデザイン等でも活躍するokama。
本作『Do race?』(ドレース)は
少女が鎬を削るレース・アクション漫画
である。
キャラクターは勿論、
イラストやデザインの仕事もやっているだけあって、
衣装のデザインが細かくて可愛い。
ドレス(レース機体)、背景のモブキャラも細かく描いており、コマの隅々まで楽しめる。
デザイン面でまず目を引くが、
レースアクションも熱い!
1巻から最終回くらいの盛り上がりがある。
『北斗の拳』の第1巻みたいな面白さがあると言えばいいか。
それでいて、そのテンションを2巻でも失わず続けている。
可愛いキャラがハイテンションでレースアクションの意地の張り合いをする。
『Do race?』を一言で言うとそんな感じである。
パッと見では絵の情報量が多く、ゴッチャとした印象を受けるかも知れない。
しかし、読んでいる内にそれに慣れ、むしろ細かい所まで書き込まれた絵に段々愛着が湧いてくる。
とりあえず読んで見れば、意外な面白さにビックリする事請け合いだ。
以下ネタバレあり
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人気作『CLOTH ROAD』を彷彿!?
本作『Do race?』は著者okamaの過去の人気作『CLOTH ROAD』を彷彿とさせるものがある。
ドレスが武器だった『CLOTH ROAD』。
ドレスでレースする『Do race?』。
トップモデル・メイに憧れ、彼女に鍛えられる事で道が拓く『CLOTH ROAD』。
トップレーサーのミュラによりチャンスを与えられた『Do race?』。
これは勿論、描いている本人が一番意識している事であろう。
最も成功した作品を下敷きに、新しい作品を作る。
自分の強みと弱みを意識出来る分、確実に面白い作品が出来る。
これが、過去作の拡大再生産で終わるのか、
それとも過去作を踏まえ、積み残したテーマ、ストーリーを語り、新たなる地平を目指し乗り越えてゆくのか。
今後の展開が楽しみである。
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ルールは習うより慣れよ
『Do race?』1巻は構成が上手い。
1巻なのでキャラクター紹介、世界観の説明をせねばならないが、それを無理なく消化している。
『Do race?』で採られたのは、「習うより慣れよ」方式。
つまり、ルールやキャラクターをあらかじめ説明するのではなくて、
まず、レースを始め、その鎬合いの中で
キャラの個性、
世界観
レースのルール、
隠し設定、などを順々に披露してゆく。
ガチレースに始めて挑む主人公ミュウの視点で、「レース」を体感しながら読んでいく。
これが良いのだ。
覚えるべき知識として前提条件が提示されるより、
レース・アクションを体感し(読み)ながら無理なく設定を消化して行く方が断然面白いのだ。
それを、出し惜しみ無しのイキナリのハイテンションでクライマックスが1巻からやって来る。
バツグンに面白い出だしである。
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絵の良さ
okamaのキャラクターは女の子が可愛い。
本作『Do race?』では、それが存分に堪能出来る。
そして、絵作りも独特だ。
近年はスッキリした絵柄が好まれる傾向にあるが、okamaはコマ中にビッシリと書き込む。
人によっては見難いと思うかも知れない。
だが、ドレスの襞、モブキャラの表情、レースのコースのねじれ具合など、細かい所まで見るべきものがあるのは、それだけでなんだかお得な感じがする。
絵の情報量が多いが、慣れれば無理なく人物の動きに没入出来る。
絵として好き嫌いが別れるだろうが、一生懸命描いているのは間違いが無い作品である。
漫画を読む時、惹かれる部分は何処にあるか?
絵が好き?
ストーリーが好き?
キャラクターが好き?
okamaの漫画、この『Do race?』は、好きな人は間違い無くハマる、三拍子揃った作品であると言えるだろう。
こちらは画集。独特の絵が楽しめる。
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さて次回は、極限のゾーンにツッコむのはレースではなくて、遭難!?映画『マタンゴ』について語りたい。