エス・エフ小説『ウェイプスウィード ヨルの惑星』瀬尾つかさ(著)感想

 

 

 

地球圏コロニーから、地球の環境調査プロジェクトの為に降下してきたケンガセン。しかし、彼の乗ったシャトルは事故で墜落、脱出カプセルにて海洋を漂っていた所、その土地の巫女、ヨルに救助される、、、

 


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著者は瀬尾つかさ
主な著作に
『クジラのソラ』
『くいなパスファインダー』
『約束の方舟』等がある。

 

 

ミノトン現象にて、両極の氷が溶け、
地球の海面が上昇、
陸地の大部分が海洋となってしまった25世紀現在の地球。

そこでは、
島嶼部に残った僅かな人類では無く、

地球上のあらゆる生命体に浸食、共生、改変するミドリムシの変異体、
エルグレナが全盛を誇っていた。

中でも、
肉食の菌類であるミセリウトとエルグレナによって接続された、海洋の藻類の群体、

「ウェイプスウィード」は、
全長数キロから数十キロに及ぶ白い花を海面に咲かせ、

大旋回と言われる攪拌現象を起こしていた、、、

 

 

本作『ウェイプスウィード』は、
25世紀の海洋に没した地球を舞台とする、
3篇からなる連作短篇集です。

とは言え、
この一冊で一つの物語となっている長篇とも言える作品です。

 

基本的には、

ラノベ調の会話劇にて展開する物語、

 

しかして、

オチ的にはSF的なネタがストンと差し挟まれています。

 

 

改変された世界である、
未来の地球を舞台に、

地球外から来た研究者と、

地球の片田舎にて、
土地のリーダーとなるべく英才教育を受けた巫女の少女の交流から始まる物語。

自分達の卑近な目標、悩みに挑んでいたと思ったら、

いつの間にか世界全体と繋がる問題を扱っている、

 

如何にも、
SF的なスケールの物語が楽しめます。

 

また、
本作にて扱われているテーマは、

異質な存在とのコミュニケーションの在り方。

 

知識を得る事で、他者と自分との間に隔絶を感じる者、

肉体改造により、一芸に特化した者、

また、人類とは全く異質な存在と言えるもの、、、

様々な存在との関わりの中で、
自分の立ち位置を追い求める物語でもあります。

 

軽い感じで、スッと読めて、ストレス無く、

SFのネタが楽しめる『ウェイプスウィード』。

海の事を思いつつ、
夏に読むSFとして丁度良いのではないでしょうか。

 

 

 

  • 『ウェイプスウィード』のポイント

軽い感じで読めて、SFネタは面白い

変異した人間、植物等の設定

異質な他者とのコミュニケーション

 

 

書籍の2018年紹介作品の一覧をコチラのページにてまとめています

 


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