ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第8話「決戦前夜」 あらすじ 感想

『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章
第8話「決戦前夜」について解説したい。

戦争の足音が王都に迫る。
しかし、「決戦前夜」なのはキングズランディングのみでは無い。
各地でもそれぞれの戦いが目前に迫っている。

 

監督:アラン・テイラー
脚本:デヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイス

 

 


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  • キングズランディング

王都防衛に頭を悩ますティリオン・ラニスターヴァリス。(18:34)
包囲戦の時、食料が最も価値があるものになるとブロンは語る。
王都を知るスタニスは、城壁が低く、川からも近い「泥の門」を狙ってくると予想する。

サーセイと会食するティリオン。(26:58)
王が居れば士気が上がるので戦場に出したいと思うティリオン。
サーセイ・ラニスターはそれに難色を示す。
そして、ティリオンが「特別に好意を寄せる」娼婦を捉えたと嬉しそうに語る。
ジョフリーが傷付けば彼女が傷付くぞと脅す。
しかし、出て来たのはロス
ティリオンは怒りを抑える自分を演出する。
それでも、恨み言を言う。
あんたが喜びと安らぎに浸っている時に、その喜びを口の中で灰に変えてやる

ティリオンの部屋。(32:21)
シェイは普通にしていた。
ティリオンは、シェイのためなら殺しも辞さないと言う。

門の胸壁の作業の進捗具合を見る、ジョフリー、ティリオン、ヴァリス。(45:04)
ジョフリーは勇ましい事を言いながら去ってゆく。
ティリオンはヴァリスに何が望みだと尋ねる。
だが、逆にヴァリスはティリオンにあなたの願いを先に教えてくれと言う。
ティリオンの願いは「権力ゲーム」を続ける事
思わぬ形で手にした権力だが、それを手放したく無いと言う。
ヴァリスはティリオンの手腕を認めている。
しかし、門が破られれば、ゲームオーバーであるとティリオンは知っている。
ヴァリスは、デナーリス・ターガリエンが生きており、ドラゴンを3匹飼っている事を告げる。
ティリオンは、ゲームは一つずつだと答える。

 

  • ウィンターフェル

ウィンターフェル城。(01:55)
使いの鴉を全て殺す。
ヤーラ・グレイジョイがやって来るが、兵は少数。
ヤーラはシオン・グレイジョイがスターク家の人質を殺してしまった事を詰る。
また、城を捨て撤退すべき、グレイジョイは海から離れるべきでは無いと言うが、シオンはあくまで城を保持すると言う。

吊した死体を埋めろと指示するシオン。(50:40)
一方、学匠ルーウィンはパンを抱えたオシャを見つける。
ルーウィンは吊された死体の足が普通であるのに気付く。
一行は農場まで行って、川に入り臭いを消し、ウィンターフェルへ戻り地下墓地に潜伏していた。
死体は恐らく農場の子供、ブランとリコンの身代わりとなった様だ。
ブランドン・スタークには黙っていようと二人は話すが、それをブランは聞いている。

 

  • ロブの野営地

森の中を行くロブ・スタークタリサ・マイギア。(07:48)
「王殺し」脱走の報が届く。
手引きしたのはキャトリン・スターク

キャトリンのテント。(10:17)
リカード・カースタークは俺の復讐の権利を奪ったなと憤っている。
キャトリン・スタークは、死んだ人間は生き返らないが、捕虜である娘二人は帰ってくる可能性があると答える。
しかし、これは裏切り行為だと断じたロブは耳を貸さず、キャトリンへの見張りとジェイミー捜索隊を指示する。

ロブのテント。(33:50)
ルース・ボルトンの報告。
ウィンターフェルから鴉は全く戻らないが、彼の落とし子は城まで2、3日の距離だと言う。
テントにタリサが入って来る。
会話をしている内、ロブはフレイ家とは結婚したくないと言いだす。
タリサも嫌だと言い、二人は抱き合う。

 

  • ブライエニーとジェイミー

ブライエニー・タースは馬を捨てる。(12:00)
ジェイミー・ラ二スターは素性を尋ねたり、剣で勝負しろと言ったりして挑発を繰り返すが、ブライエニーは取り合わない。
二人は小舟に乗る。

 

  • ハレンの巨城

タイウィンの執務室。(14:28)
面前にはスターク軍、スタニスは王都まで2日。
ケヴァン・ラニスターはジョフリーとサーセイをキャスタリー・ロックに避難させようというが、玉座を放棄したら統治は長くないとタイウィン・ラニスターは答える。
斥候は「北は動かず」との報をもたらしたが、勢いのあるスターク軍がどう出るかは分からない。
タイウィンは騎馬による夜通しの隠密行を決断する。
ハレンの巨城はグレガー・クレゲインに守らせ、「兄弟団」を壊滅せよと指示をだす。
そして、アリアを付けると言う。

それを聞き、アリア・スタークはジャクェン・フ=ガーを探すが、見つからぬ内にタイウィン一行は「ハレンの巨城」から出発する。(16:15)

水運びの途中、ジャクェン・フ=ガーと出会ったアリア。(24:38)
アリアは今すぐ殺してくれと言うが、ジャクェン・フ=ガーは時間までは指定出来ないと言う。
他の人間を勧めるジャクェン・フ=ガーに、アリアは彼自身の名を告げる。
要求を取り消す様に頼むジャクェン・フ=ガーに、ならば私を逃がしてくれとアリアは言う。
ジャクェン・フ=ガーは俺の言う事に従い、真夜中に門を歩いて出て行け、と言う。

真夜中の門、アリアはジェンドリー、ホット・パイを連れて歩いて出て行く。(40:53)
立っている様に見えた衛兵達は、全員て死んでいた。

 

  • スタニスの艦船

スタニスの艦船。(42:07)
スタニス・バラシオンダヴォス・シーワースにシンパシーを感じている。
ダヴォスは旧家の諸侯から距離を置かれている。
共に世間から省みられない存在
包囲戦の飢餓を耐え、守り抜いたストームズエンド城を、ロバートはレンリーに与えた。
スタニスは侮辱だと感じたが、王で兄のロバートの命に従った。
だが今は正当な権利で自分が王であり、
そして、ダヴォスを「手」に任命すると言う。

 

  • 「壁」の北

野人達が集まっている。(05:54)
連れてこられたジョン・スノウ二本指のクォリンも捕まっているのを見る。
鎧骨公は捕虜は二人も要らないと言うが、エダード・スタークの息子であるジョン・スノウはマンス・レイダーが興味を持つハズだとイグリットは答える。
他のメンバーは、はぐれたジョンの足跡を追う途中で見つかり殺された。
その犠牲を無駄にするなとクォリンは言う。

野人の行軍。(17:47)
クォリンはジョンに、兄弟を一人でも野人の軍に潜り込ませれば、それは千人力の働きになると告げる。
どうするつもりだ?俺は信用されてないというジョンに、クォリンは成すべき事を為せと言う。
そして大声でジョンを罵倒する。
「野人の女とイチャついている間に仲間を死なせた気分はどうだ?」とジョンを突き飛ばす。
イグリットは「だから言ったのに」という目でジョンを見る。

最初の人々の拳。(22:16)
サムグレン達は雪を掻き、便所を掘っている。
その途中、古い「冥夜の守人」のマントに包まれた角笛と大量のドラゴングラスの穂先を見つける。

 

  • クァース

身を隠しているデナーリス・ターガリエンジョラー・モーモントゴヴァッロ。(48:17)
良い船を見つけたので直ぐにクァースを発とうというジョラーに、デナーリスはドラゴンを置いては行かないと拒否。
私が持つであろう唯一の子供ですと言い、ジョラーに「不死者の館」まで連れて行ってと命じる。

 

  • 新キャラ紹介

キングズランディング

サー・マンドン・ムーア
顔すらよく見えないが「王の楯」の一人。
「王の楯」であるのに、サーセイの小間使いをしている。

「壁」の北

鎧骨公
Load of Bones.
別名「がらがら帷子」。
骨をコートの上からくっつけている超センスぶりを見せる。

 

  • 用語解説

ドラゴングラス
黒曜石(obsidian)。
火山岩の一種。
砕くと断面が鋭利になるのでナイフや武器をしの使用にも適する。

 

 

第7話で思わせぶりに終わった剣を持つキャトリン、シオンに吊された子供は、やはりどちらも「釣り」であった。

こういう引きは連続ものとしての楽しみの一つである。

連続ドラマ的演出として、ルース・ボルトンの態度の変化に注目したい。

第4話(05:00)では、敵方の兵に治療を施すタリサを非難している。

第7話(20:00)でタリサを見かけたルース・ボルトンは、「コイツ何しに来たんだ?」という感じでタリサをまじまじと見つめる。

だが、この第8話(34:39)では既に特に気にする風では無くなっている。
それどころか、「My Lady」とさえ呼びかけている。

完全に、ルース・ボルトンは空気を読んでいる風なのである。
主君であるロブのお気に入りだと気付き、その様に対応を変化させたのだ。

軍の行動ならロブを諫めもする(第6話 45:10)が、今回の様な恋愛沙汰には口を挟まない。
ルース・ボルトンは極めて実務的な人物だと分かる。

アリアは最後まで「殺しの願い」を即物的にしか使用出来なかった。
しかし、相手に自分の要求を通す為に交渉する辺り、かなりのやり手である。

その判断力をもう少し先の事と読む方向に向けていれば、タイウィンを討てたのに、、、
この時タイウィンが消えていたら、ウェスタロスはどうなっていたのか?

そういう事を考えてみるのも面白い。

ティリオンは自分がゲームをプレイしていると自覚している。

その点で、同じ策略家でありながらヴァリスと気が合う風なのが面白い。

ベイリッシュ公とは馬が合わないが、基本は誠実であるティリオンとならヴァリスは案外良いコンビとなれるのかもしれない。

キングズランディング攻防戦はどうなるのか?
ウィンターフェルは?
そして、明らかな罠に敢えて挑戦するデナーリスは?

各自の決戦が行われるのは、次回以降の展開である。

 

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次回は『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第9話「ブラックウォーターの戦い」について解説したい。