『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章
第9話「ブラックウォーターの戦い」について解説したい。
第9話で描かれるのは、合戦。
第一章でも合戦があったが、上手く省略されていた。
しかし、第二章第9話は、ガチである。
TVドラマでここまでやるかい。
監督:ニール・マーシャル
脚本:ジョージ・R・R・マーティン
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キングズランディング攻防戦
迫るスタニスの艦隊。(01:55)
ダヴォス・シーワースの息子マットスは自分達の信念と神を信じている。
ダヴォス自身は20年ぶりの帰還である。
ティリオンの部屋。(04:46)
ティリオン・ラニスターはベッドでシェイに元気づけられる。
サーセイ・ラニスターは部屋で上級学匠パイセルより、強力な睡眠剤「夜の陰り」を受け取る。(06:32)
ブロンは酒場で仲間達と娼婦と酒と歌を楽しむ。(08:03)
そこへやって来たハウンド、豪傑ぶっているが、一番好きなのは殺しだろ?俺と同じく、と絡む。
一触即発だが、その時鐘が鳴る。
ティリオンの部屋。(12:08)
ヴァリスはティリオンに頼まれていた秘密の抜け道の地図を見せる。
ヴァリスは密偵の報告を語る。
邪悪な力に頼ったスタニスを「鉄の玉座」に据える訳にはいかないと言う。
また、ヴァリスは宦官になった経緯を語ろうとするが、ポドリック・ペインも居たので話さなかった。
スタニスの艦隊が王都の鐘が聞こえる位置にまで迫る。(15:01)
太鼓を鳴らし、兵は配置につく。
玉座の間。(15:48)
ティリオンはブロンに打ち合わせ通りにと念を押す。
そこで、サンサ・スタークとシェイを見かける。
サンサはジョフリーに呼ばれ見送りに来ていた。
胸壁にて。(18:40)
何をしているんだといらつくジョフリー。
ティリオンは合図のタイミングを計っている。
スタニスの艦隊。(20:12)
ダヴォスは敵側の艦隊の姿が無い事に違和感を感じる。
サーセイ、トメンとサー・イリーン・ペインを連れ婦人達が避難しているメイゴルの天守に入る。(20:35)
サーセイはサンサを見つけ呼び寄せる。
サンサはイリーン・ペインをが何故居るのかと問う。
サーセイは、敵が来たら彼の存在に感謝すると言う。
サーセイはサンサに絡みながら、民の忠誠を得るには恐れさせるのが一番だと持論を打つ。
胸壁では弓兵が配置につく。(22:35)
艦隊のダヴォスは相手側にたった一隻の船しかないのを見る。
胸壁に錬金術師が登って来る。
艦隊のダヴォスは緑の液体が相手の船から流れ出ているのを見る。
「鬼火」と気付いたダヴォスは退避しろと叫ぶ。
胸壁のティリオンは合図の松明を落す。
それを確認したブロンは火矢を射る。
火矢は水面の鬼火に着火し、燎原を拡げる。
艦隊のダヴォスは、それを怖い顔で見守る事しか出来ない。
火は、船に到達し、「鬼火」が大爆発を起こす。(25:12)
多くのスタニスの艦隊が巻き込まれる。
スタニスは直ぐさま上陸を指示、兵を率いてボートに乗る。(26:44)
メイゴルの天守。(27:27)
サーセイはサンサに絡む。
完全に酔っ払いのノリ。
私は皆に期待されているから、その役割を演じて皆を保護したと言う。
また、女の武器を涙だけじゃない、足の間にある者が一番の武器、使い方を覚えろと言う。
王都が落ちれば、我々は全て陵辱されると脅す。
スタニスの軍がボートに乗り、汀に迫る。(31:05)
ティリオンは火矢を射させる。
スタニス軍が上陸し、ハウンド率いる兵隊が城門の外に出てこれを迎え撃つ。
ランセル・ラニスターは矢を受け、早々に門の中に逃げ帰る。
メイゴルの天守。(34:20)
ジェイミーと自分の境遇の違いを嘆くサーセイ。
他人に売られ、乗られたとくだを巻く。
サーセイはシェイを見つける。
素性を尋ねかけた時、ランセル・ラニスターが入って来て、押されている事をサーセイに報告する。
それを聞き、サーセイはジョフリーを部屋へ戻すように指示、ランセルは士気が下がると反対するが有無を言わせない。
門の外。(37:50)
スタニスは梯子をかけて胸壁の一部に侵入する事に成功。
ハウンドは炎に巻かれた周囲を見回し意識朦朧、門の中へ帰還する。
早く戻って戦え、王都を守れというジョフリーやティリオンにハウンドは反旗を翻し、その場を去る。
スタニス軍はボートを裏返し、破城槌に被せて門に迫る。(40:21)
王都側の門前。(41:26)
中に戻れとのサーセイの伝言を伝えるランセル。
ティリオンは制止するが、ジョフリーはサー・マンドン・ムーアに後の事を頼み、立ち去って行く。
ティリオンは俺が指揮すると宣言。(42:37)
始めは皆聞き流していたが、徐々に奮い立ち、再び鬨の声を上げる。
メイゴルの天守。(44:18)
ジョフリーの逃亡で士気が低下、戦場に戻せを言うランセルを突き飛ばし、サーセイはトメンを連れて出て行く。
動揺するご婦人方をサンサは勇気づけるが、シェイに「部屋に戻って閉じ込まれ」と部屋から追い出される。
このままでは敵より、イリーン・ペインに殺されかねない、と。
部屋に戻ったサンサ。(45:43)
かつて、父がくれた人形を見つける。
部屋にはいつの間にかハウンドがいた。
逃亡するつもりの、ハウンドことサンダー・クレゲインはサンサに同行を提案する。
サンサはそれを拒否する。
サンダーは、この世界は人殺し共で出来ている、今のうちに見慣れておけ、と警告する。
しかしサンサは、脅しはすれど自分をサンダーは傷つけた事が無かったと気付く。
抜け道より出て、門に詰め寄っていたスタニス軍の背後を突き急襲に成功したティリオン達。(48:07)
しかし、更なる歩兵が現れ、乱戦になったその最中、
ティリオンはマンドン・ムーアに襲われる。(49:45)
だが、危うく止めを刺される前にポドリック・ペインにより救われる。
鉄の玉座にトメンと共に座るサーセイ。(50:02)
トメンに物語を聞かせる。
ティリオンは意識朦朧常態で、騎兵が迫ってくる様子を目撃する。(50:53)
サーセイは正面の扉を見つめながら、「夜の陰り」を取り出す。(51:53)
ティリオンは意識が遠のく。(52:00)
トメンに「夜の陰り」を飲ませようとした瞬間に扉が開く。(52:13)
入って来たのは、ロラス・タイレル。
形勢は逆転、スタニスは叫ぶが軍は敗走を始める。(52:26)
玉座の間にタイウィン・ラニスターが入って来る。(52:38)
「戦は終わった、我々の勝ちだ」
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用語解説
夜の陰り
強力な睡眠剤だが、サーセイはこれを安楽死の毒薬として使おうとしていた。
第9話は「合戦」。
舞台をキングズランディング攻防戦に絞り、一本丸々スペクタクルアクションに費やした
本エピソードの脚本はジョージ・R・R・マーティン。
原作者自ら執筆している。
しかし、セット撮影ではあろうが、CGばかりに頼らず、人員を導入する形でこれほどまでの迫力をだすとは、とてもTVドラマシリーズとは思えないスケールである。
第一章の合戦時は、ティリオンが意識喪失する形で、合戦自体の描写は避けていた。
しかし、今回はそのアクションに挑戦してみた形である。
合戦直前の、各人の浮き足だった様子の描写から始まり、「鬼火」の大爆発で幕を上げる。
そして、城の「中」と「外」の戦いが描かれ、最後は入り乱れる乱戦となる。
この乱戦部分の場面転換の目まぐるしさが絶妙で、最後のタイウィン登場を盛り上げる。
スタニスはダヴォスに言われた通りにメリサンドルを連れて行かなかった。(第5話 13:50辺り)
一方、タイウィンがどう動くのかというヒントは、実は今までのエピソードでちゃんと語られていた。
第6話でのベイリッシュ公の提案(14:00辺り)、
第8話でのタイウィンの会議(14:28~)、
これらから考えるに、タイウィンはベイリッシュの提案を飲み、早駆けしてタイレル軍と合流、そのまま王都に向かったのだろう。
これは、スターク軍が攻めてきた場合、リヴァーランドの覇権を失う事になる危険な懸けだ。
しかし、シオンのウィンターフェル急襲により、スターク軍の意識が「北」へ向かっていた事が、ラニスター家の起死回生に繋がった。
戦の直前までのラニスター家は情勢が著しく不利であった。
しかし、絶体絶命の死地から逆転出来たのは、様々な要因が絡んでいたのだ。
だが、よく見るとタイレル軍は未だにレンリーの旗印を楯に刻んでいる。
勿論、装備として替える時間が無かったという事もあろうが、やはり今回の戦はラニスター家を救うというより、レンリーの敵討ちの側面がタイレル家(というか、ロラス・タイレル)には強かったのだと思われる。
ラニスター家とタイレル家が強固な同盟になるかどうかは、今後の展開次第だろう。
また、物語のミスリードとして、アリアの勘違い「タイウィン公がロブの軍を襲う」というセリフがあったのもニクい演出である。
鋭い所がある一方、こういう勘違いも多いのがアリアの魅力である。
今回の勝利で一気にラニスター家が抜きん出た感がある。
しかし、各地の情勢は未だ不安定でありどう転ぶかは分からない。
物語はどう展開してゆくのか?
それは今後のお楽しみである。
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次回は『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第10話「勝者」について解説したい。