ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第10話「勝者」 あらすじ 感想

『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章
第10話「勝者」について解説したい。

合戦は終わった。
だが、戦争は終わらず、また新たな事態の変転を感じさせつつ、第二章のラストエピソードが描かれる。

 

監督:アラン・テイラー
脚本:デヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイス

 

 


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  • キングズランディング

目覚めるティリオン・ラニスター。(01:55)
目の前に上級学匠パイセルがいる。
父タイウィンが王都に入ったので、ティリオンは最早「王の手」ではない。
部屋も代えられていた。

玉座の間。(03:33)
白馬で玉座の間に乗り入れるタイウィン・ラニスター
ジョフリーより「王の手」の任を拝命する。
タイレル家を味方に付けてベイリッシュ公には「ハレンの巨城」と、その所領が与えられる。
ロラス・タイレルに望みのものを与えると宣言する。
ロラスは妹は無垢ですのでと、王との結婚を進言する。
その妹マージェリー・タイレルも乗り気であるが、ジョフリーは誓約でサンサ・スタークと結婚すると答える。
それに対し、謀反人との約束は無効だとサーセイ・ラニスターやパイセルが唱え、ジョフリーはそれを受けマージェリーとの結婚を宣言する。
サンサは人知れぬ所で会心の笑みを漏らす。(08:13)
そのサンサに近付くベイリッシュ。
王はオモチャを決して手放さないだろうとサンサを脅すが、自分が旧知のキャトリンの為に必ず家へ返してやると言う。

ベイリッシュの娼館。(9:22)
ヴァリスロスを訪ね、ダブルスパイの提案をする。
ヴァリスはベイリッシュの弱みを知っていると言う。

ティリオンの部屋。(28:54)
ヴァリスの情報によると、サー・マンドン・ムーアはサーセイの命令でティリオンの命を狙ったとの事。
ブロンは王都の守人の指揮官を解任、山の民は金をもらい帰還、ヴァリスもしばらく会えないと言う。
入れ替わりでシェイが入って来る。
一緒に逃げようというシェイの提案を拒否。
ティリオンは悪人を捌き、出し抜くのが生き甲斐、だからここに残ると言う。
シェイはそれを受け入れる。

 

  • ウィンターフェル

ウィンターフェル城(22:06)
北部の手勢に城を包囲され、進退窮まるシオン・グレイジョイに学匠ルーウィンは逃亡を勧める。
「冥夜の守人」となり黒衣を着れば、償いをするチャンスがあると言う。
シオンは、別の自分になろうとしていたのかもしれない、と言う。

翌朝、(26:50)
歌に唄われる死に様を見せようとシオンは演説するが、ダグマーに打ち倒される。
更に、ルーウィンに槍を突き、帰ろうと言う。

地下墓所より出て来たブランドン・スターク達の一行。(39:38)
ウィンターフェル城は焼け落ちていた。
大狼に導かれ「神々の森」に向かうと、そこに瀕死のルーウィンがいた。
ルーウィンは北に行き、ジョン・スノウ経由で連絡を取れと言う。
ルーウィンはオシャに後のことを頼み、介錯を頼む。
ブラン、リコン、オシャ、ホーダー、大狼のサマーとシャギードッグは旅立つ。

 

  • ロブの野営地

キャトリンのテントの中。(16:48)
誓約の破棄でウォルダー・フレイを怒らせるのは得策では無いと説くキャトリン・スターク
情熱的なものだけが愛ではなく、育んでいく愛もある、父は約束を破らなかったと言うが、
ロブ・スタークは父は既に亡く、母には私に意見するような権利は無いと答える。

ロブがタリサ・マイギアと結婚する。(33:32)
七神に誓い、司祭のみが立ち会っている。

 

  • ブライエニーとジェイミー

王都への道行き。(11:50)
船から下り、上陸し陸路を行かんとするブライエニー・タースジェイミー・ラニスター
ブライエニーはキャトリンに、ジェイミーを王都まで送り届けると誓っている。
途中、スターク勢と行き交い、誰何されブライエニーは相手を切り捨てる。

 

  • アリアの道行き

「ハレンの巨城」から脱出したアリア・スタークジェンドリーホット・パイ。(36:32)
ジャクェン・フ=ガーが待っていた。
見張りを皆殺しにした方法を習いたいとアリアは言う。
それなら、ブレーヴォスに渡る必要があるとジャクェンは言う。
母と兄と姉を探したいアリアはその提案を断る。
ならばとジャクェンはアリアにコインを渡す。
自分が必要になったらブレーヴォス人にこれを渡し、「ヴァラー・モルグリス」と唱えよと告げ去って行く。
その時の彼の顔は別人のそれであった。

 

  • ドラゴンストーン

会議室。(18:32)
炎の中に勝利を見たのでないのかと尋ねるスタニス・バラシオン
メリサンドルは、全てが見える訳では無い、戦争は始まったばかり、家族や兵や全てを裏切ってでも僭称者を倒し、王になるべきだと言う。
そしてスタニスを炎の前に連れて行き、何かを見せる。

 

  • 「壁」の北

雪道の行軍。(51:48)
二本指のクォリンが野人の隙を突き、武器を奪いジョン・スノウに襲いかかる。
野人は止めず、ジョンはクォリンを返り討ちにする。
クォリンは「我々は壁の監視人だ」と呟き死亡、野人は復活を恐れ死体を焼く。
峰を越えた眼下には野人の野営地が見える。

最初の人々の拳。(58:12)
暖を取る燃料にする為、フンを集めているサムウェル・ターリーグレン達。
角笛が一つ、二つ、三つと鳴らされる。
逃げ遅れたサムが見たのは、目が青く、水晶の剣を持つホワイトウォーカーと亡者の群れ。
大群が「最初の人々の拳」に迫っている。

 

  • クァース

不死者の館へ向かうデナーリス・ターガリエンジョラー・モーモントコヴァッロ。(34:23)
入り口は見つからないが、デナーリスのみ中に入る事が出来た。

松明を掲げ、暗い通廊をドラゴンの鳴き声が聞こえる方へ向かうデナーリス。(43:37)
数多ある扉の一つを開けると、そこは廃墟となった「鉄の玉座」の間。
しかし、デナーリスは玉座には触れずドラゴンの鳴き声の方へ向かう。
「壁」から北に出て、雪に巻かれるデナーリス。
テントを見つけ、中にはいるとカール・ドロゴが「生まれなかった息子」を抱いて座っていた。
しかし、デナーリスはかつてのミリ・マズ・ドゥールの言葉、「太陽が西から昇り東へ沈み、川の水が涸れ、山が木の葉の様に揺れる」を思い出し、彼等を置いてドラゴンの鳴き声の方へ向かう。
ドラゴン3匹が鎖に繋がれているのを見つける。
パイアット・プリーが出て来て、デナーリスを鎖に繋ぐ。
ドラゴンの復活と共に魔術も復活、ドラゴンの母としてデナーリスを飼い殺しにする魂胆。
しかし、デナーリスは「ドラカリス」と呟く。
ドラゴン達は炎でパイアット・プリーを焼き殺し、縛から逃れる。

ザロの館。(55:33)
ザロ・ゾアン・ダクソスと一緒に寝ているドリア、言い訳する二人を引っ立てるデナーリス達。
ザロの金庫を開けるが、中はもぬけの殻。
デナーリスは良い教訓になったと言い、二人をその中に入れ扉を閉める。
一行はザロの屋敷を略奪する。

 

  • 用語解説

顔の無い男たち
ジャクェン・フ=ガーの技を学びたいと言ったアリア。
それに対し、ジャクェンは自らの事を「顔の無い男たち(faceless man)」と言った。

ブレーヴォス
自由都市の一つ。
狭い海(ナロー・シー)を越えた先に存在する。
ウェスタロス大陸とも貿易し、富を得ている。

 

 

一つの合戦が終わっても、戦争も、物語も終わらない。

ゲームを存分に楽しんでいたティリオンは、父タイウィンの登場であっけなくそのオモチャを取り上げられてしまう。

スターク家の面々には引き続き波乱が待っている。

サンサはDV婚約者から解放されたと喜ぶのも束の間、厳しい現実に直面してしまう。

アリアは脱出に成功しても、子供3人で何処へ行けと言うのだろうか?

ブランとリコンには厳しい逃避行が待っている。

そしてロブである。
彼は、母キャトリンがジェイミーを逃がし、その負い目で強く出られないのをいい事に誓約を破棄し自らの欲望を優先してしまう。

その代価には何が待つのか?

一方、ジョフリーも婚約破棄をするが、その一連のやり取りがあまりにも芝居がかっており笑える。

勿論、あのやり取りには事前にある程度の打ち合わせがあったものと考えられる。
少なくとも、ベイリッシュとサーセイ、パイセルは通じていたハズだ。

パイセルは司祭(セプトン)に相談し、大罪人との婚約は国家的には無効だと確認したと言っていた。
つまり、予め知っていたのである。
その上で芝居がかった茶番を行い、玉座の間で観衆を何となくでも納得させたかったのである。

この時のヴァリスの表情がいい。
「俺、聞いてないよ」という顔をしている。
彼はハブられていたのだ。

これは「密告者の長」としては面白くない。
なので、巻き返しを図り、ロスと接触したり落ち目のティリオンとは距離置く事にしたのだろう。

ヴァリスとベイリッシュの鞘当ては継続中、今後の展開が楽しみである。

「壁」の北では、ジョンの孤独なミッションが始まる。
更に、「冥夜の守人」には大群が迫り、こちらも厳しい戦いが予想される。

デナーリスは取りあえずの資金を得たが、今後何か手があるのか?

いずれにしても、数々の「引き」をこれでもかと用意して第二章は終わる。

だが、物語は終わらない。

第三章以降に続くのである。

 

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さて次回は、『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作小説の第二部、『王狼たちの戦旗』について語りたい。