第22章の解説をしたい。
本エピソードから実物のウィンダム・アールが実際にツイン・ピークスに乗り込んでくる。
そして、クーパーをも恐れる彼の異常性が垣間見える。
しかし、その陰惨さを中和するかのようなベンジャミン・ホーン絡みのエピソードなんかもあり、硬軟そろえた作風こそが『ツイン・ピークス』の魅力だと再確認させられる。
第22章
監督:ダイアナ・キートン
脚本:ハーレイ・ピートン&ロバート・エンゲルス
以下ネタバレあり
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本エピソードのチェックポイント
3月19日
マーテル邸。
ドナ・ヘイワードの制止を無視し、ジェームズ・ハーリーはマーテル邸へ戻りエヴリンに詰め寄る。
そこへ、後ろからマルコムに襲われ気を失うジェームズ。
マルコムはエヴリンに銃を持たせ、正当防衛を装った返り討ちを企む。
しかし、ドナの必死の訴えが通じたのか、エヴリンはジェームズを撃たずマルコムを銃撃する。
保安官事務所にアルバートが再びやって来る。
ゴードン・コールのお達しでウィンダム・アールの件を受け持ったのだ。
ウィンダム・アールはツイン・ピークスへの道行きで、立ち寄った町の警察署に郵便爆弾を装った小包を送っていた。
白いベール、ガーター、白い靴、ネックレス、ウェディングドレス。
それはキャロラインのものであった。
山小屋にて。
ウィンダム・アールはレオ・ジョンソンが寝ている間に、彼の素性を調べていた。
レオは逃げ出そうとするが、アールは彼に服従を誓わせる。
その手段として、ウィンダム・アールはレオに電撃付きの首輪を嵌めて拷問する。
マーテル家にて、ジョスリン・パッカードにシアトルでの話を聞きに来たハリーとクーパー。
しかし、ジョシーは何もいう気配がない。
その時、ジョシーのクリーニングを持ってピート・マーテルが戻って来る。
クーパーはその衣装の繊維を採取し、手袋を失敬する。
グレートノーザンホテル。
ベンジャミン・ホーンはミニチュアを離れ、自身が南北戦争のリー将軍になりきっている。
オードリー・ホーンは現実に戻すようDr.ローレンス・ジャコビーに頼む。
Dr.ジャコビーは終戦場面にしようと提案する。
保安官事務所にて。
アルバートが調べたところ、クーパーが採取したジョシーのコートの繊維はクーパー銃撃犯の繊維と一致した。
つまり、ジョシーが撃ったか、コートを貸したかのどちらかである。
手袋の方は硝煙反応を調べている。
シアトルで死亡したアジア人男性は、ジョナサン・クマガイ。
後ろから首筋を3発打たれている。
アルバートはクーパーが打たれた銃と同じだろうと推測する。
クーパーはハリーを案じ、確定するまで何も言うなと釘をさす。
ハリーの報告、オフィスで死んでいた男の名はエリック・パウエル。
クーパーはキャロラインの旧姓がパウエルだったと気付く。
つまり、これも当てつけのメッセージであり、チェスの駒を取られる度に誰か死ぬことを意味していた。
悩むクーパーにハリーはチェスの名手を紹介する。
ダブルアールダイナーにて3面打ちを披露するピート。
トード、クーパー、Dr.ウィリアム・ヘイワードの3人をチェックメイトに切って捨てる。
クーパーはピートに、出来るだけ駒を取られずに引き分けにもって行きたい勝負があると告げる。
ピートは協力を約束する。
キャサリン、マーテル家にトーマス・エッカートを招き、ジョシーに給士をさせながら共に食事をする。
そして、ジョシーを還す見返りをトーマス・エッカートに求める。
グレートノーザンホテルにて、ベンに付き合い南北戦争の寸劇を演じるオードリー達。
歴史に反し、南部連合が勝利し条約締結を成し得た途端、ベンは倒れる。
皆に囲まれ、再び目覚めたベンは「奇妙な夢を見た、だが最高の気分だ」と言い復活した様子だ。
山小屋にて、変装をしているウィンダム・アール。
電撃を使って、レオに手紙を書かせている。
その手紙を3つに裂くウィンダム・アール。
机にはドナ、シェリー、オードリーの写真がある。
アールは「クイーンは誰かな」とつぶやきながら封筒を用意する。
グレートノーザンホテルに帰ってきたクーパー、変装したウィンダム・アールとエレベーターで入れ違いになる。
ウィンダム・アールは受付にオードリー宛の封筒を預ける。
クーパー、自室のベッドにキャロラインのデスマスクが置いてあるのに気付く。
それを手に取るとテープが流れ出す。
私はあのピッツバーグの事件以降もキャロラインを愛している。
君もそうだろう?
さあ、次の一手を指したまえ。
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本エピソードの謎
謎:118 ウィンダム・アールがレオに書かせた手紙は何? (A)
謎:119 「クイーンは誰かな?」とはどういう意味か? (A)
*(A)とは答え(Answer)の事。クリックで謎が解明されたエピソードに飛びます。
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本エピソードによって解明された謎
謎:114 死んでいる男は何者か? (第20章)
答え: 名前はエリック・パウエル。名字がキャロラインの旧姓と同じという理由だけで殺され、ウィンダム・アールのメッセージとして使われた。
ウィンダム・アールが恐ろしい。
犯罪者が使う洗脳の手口でレオを痛めつけている。
漫画の『闇金ウシジマくん』でもあった描写だ。
いままでDVや犯罪を繰り返してきたレオといえども、やられていると何処か哀れを催す。
一方、歴史を覆して自らの復活を果たしたベンは滅茶苦茶だが、何処かユーモラスである。
この全然雰囲気の違う二つが同一エピソード内にあるというのが、なんとも面白い。
さて、ウィンダム・アールにクーパーはどう対抗するのか?
それは次回以降のお楽しみ。
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さて次回は、かつて時代と対抗した?男達の物語?映画『銀魂』について語りたい。