デッドプールを引退したウェイド・ウィルソン。現在は車の販売員としてピーターの同僚。恋人のヴァネッサと別れ、相変わらずブラインド・アルと同居している。
そんなウェイドのサプライズ誕生パーティーが行われた日、彼は拉致される。連れて行かれた先は、TVA(時間変異取締局)。そこで、彼の住む世界線「アース10005」が存亡の淵に立たされていると知り、、、
監督はショーン・レヴィ。
ライアン・レイノルズ主演で、
『フリー・ガイ』(2021)
『アダム&アダム』(2022)を監督している。
他の監督作品に、
『ナイトミュージアム』(2006)
『リアル・スティール』(2011)等がある。
出演は、
ウェイド・ウィルソン/デッドプール:ライアン・レイノルズ
ローガン/ウルヴァリン:ヒュー・ジャックマン
ヴァネッサ:モリーナ・バッカリン
ブラインド・アル:レスリー・アガムズ
ピーター:ロブ・ディレイニー
ミスター・パラドックス:マシュー・マクファデン
カサンドラ・ノヴァ:エマ・コリン 他
概ねの映画で、
世界最遅公開がデフォの日本。
何を勘違いしたのか、
本作『デッドプール&ウルヴァリン』は、
何故か、世界最速公開!!
無理矢理、二日早めて公開しました!!
現在、マーベル映画と言えばディズニー配給がメインとなっていますが、
元々、
『X-メン』(2000)や
『デッドプール』(2016)は
20世紀フォックスが製作、配給を行っていました。
つまり、
「X-メン」の20世紀フォックス
「スパイダーマン」のソニー
「アベンジャーズ(マーベル・シネマティック・ユニバース)」のディズニーと、
同じマーベル映画でも、
映画化の際の配給会社の違いがあったンですよね。
しかし、
2019年3月に成立した21世紀フォックスの買収により、
20世紀フォックスの映画資産がディズニーに吸収される事になりました。
これにより、
すわ!!遂に「アベンジャーズ」に「X-MEN」が合流か!?
と、騒がれましたが、
結局、今の今まで、殆ど進展がありませんでした。
…しかし、とうとう、
マーベル・シネマティック・ユニバースに「X-MEN」が本格参戦する時が来ました。
その一番手がなんと、
ライアン・レイノルズ演じる「デッドプール」!?
しかも、
『LOGAN/ローガン』(2017)にて、
ウルヴァリン役引退を宣言した、ヒュー・ジャックマンの復活を伴って!!
あのデッドプールがアベンジャーズに参戦!?
果たしてどうなってしまうのか!?
さて、結論から言いますと、
安心、安全の
いつものデッドプール。
下ネタ、メタ発言、映画蘊蓄、ブラックジョーク
過激なアクションシーン満載
それに加えて本作は、
デッドプールのボケと
ウルヴァリンのツッコミという豪華な漫才
が繰り広げられます。
始末に負えないのが、
両方とも「ヒーリングファクター(回復能力)」を持つ不死身の超人である所。
チート能力者同士の小競り合いは、
喧嘩程度でも
普通の人間だったら即死級のダメージを与え合うというインフレっぷり。
オーマイガーの連発です。
そしてストーリー的な事を言いますと、
これまたいつものデッドプール
マーベル・シネマティック・ユニバースの一作というより、
寧ろ、
『デッドプール』『デッドプール2』の続篇という立ち位置で
まるで14歳の厨二が書いた様なアホな内容です。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の映画は、
他の作品との関連を匂わせて、
蛇足的な描写が多いですが、
本作には、
他の「マーベル・シネマティック・ユニバース」との関連は少なく、
だからこそ、自由に作られているという印象です。
ストーリーの方は、
ぶっちゃけ、前2作の方が、映画としては面白いです。
今回は、デッドプールとウルヴァリンの過激漫才をメインに据えています。
しかし、
それで良い、
それが良い。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」に本格参戦は、
まぁ、次回以降という事で。
しかし、
いつもの「デッドプール」のノリは健在。
何も知らない人でも、
過激漫才を楽しめて、
今までのシリーズや、
アメコミ映画好きなら、
尚のこと、小ネタで楽しめる
『デッドプール&ウルヴァリン』期待通りの作品と言った所でしょう。
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『デッドプール&ウルヴァリン』のポイント
デッドプールとウルヴァリンの過激漫才
「MCU」というより、「デッドプール」の続篇
20世紀フォックスへのレクイエム
以下、内容に触れた感想となっております
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20世紀フォックス版、アベンジャーズ・アッセンブル!!
映画「デッドプール」の3作目が「マーベル・シネマティック・ユニバース」に合流!
しかも、
ヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役に復活!
事前情報では、
この部分にフォーカスして、
予告篇でも内容をひた隠しにしていた『デッドプール&ウルヴァリン』。
偉い。
偉すぎる。
情報をバラさなかったのはグッジョブです。
ディズニーには『アベンジャーズ』(2012)が
ソニーには『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)がある様に、
本作は所謂、
20世紀フォックス版の
ゲストキャラ多数登場のアメコミ映画決定版となっております。
映画の内容としては、
『デッドプール』『デッドプール2』の方が、
完成度が高く、面白いンですけれど、
本作には、
意外なゲストキャラ多数参戦という、
所謂、
飛び道具的な面白さ、楽しさが満載されています。
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ゲスト出演者解説
先ず、冒頭で登場したのが、
ジョン・ファブロー演じるハッピー・ホーガンですが、
ぶっちゃけ「マーベル・シネマティック・ユニバース」のキャラで登場し、
ちゃんと喋るのは彼のみです。
(ちょい役でソーのクリス・ヘムズワースが出ますが)
これ以降は、
殆ど昔のフォックス映画からの登場となります。
ゲストキャラを登場順にざっとまとめますと
ウルヴァリンの一体(バイク):ヘンリー・カヴィル(?)
ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ:クリス・エヴァンス
パイロ:アーロン・スタンフォード
セイバートゥース:タイラー・メイン
トード
アザゼル
レディ・デスストライク
ジャガーノート
エレクトラ:ジェニファー・ガーナー
ブレイド:ウェズリー・スナイプス
ガンビット:チャニング・テイタム
ローラ/X-23:ダフネ・キーン
先ず、最初、
世界線を渡り歩いて、
世界の崩壊を食い止める新しいアンカーたり得るウルヴァリンを探すシーン。
そこで、バイクをふかしていたウルヴァリンを見たデッドプールは、
「ヘンリー・カヴィル!!」と言います。
そのウルヴァリンが、
本当に、あの「スーパーマン」を演じたヘンリー・カヴィルなのかは、
一瞬なので確認出来ませんでしたが、
もし彼なら一大事です。
一大事過ぎて、その直後のメインのウルヴァリンの登場シーンでも頭が一杯でした。
そして「虚無」に送られたデッドプールとウルヴァリンが出会うのは
キャプテン・アメリカ
…では無く、ヒューマン・トーチ!?
ヒューマン・トーチは、
『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット』(2005)版に於いて、
キャプテン・アメリカ役に抜擢される前のクリス・エヴァンスが演じていました。
まさかのキャラクターでの再登場ですが、
これまた、
『X-MEN2』(2003)『X-MEN:ファイナルディシジョン』(2006)で、
アーロン・スタンフォードが演じた「炎を操るミュータント」パイロに、
相性不利で完封されてしまいます。
また、
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)のリーヴ・シュレイバーでは無く、
初代の『X-MEN』の方でセイバートゥースを演じたタイラー・メインが役を演じています。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』には、
ライアン・レイノルズがデッドプール役でラスボス出演していましたが、
『デッドプール2』のラストにて無かった事になったので、
初代の方が出たと思われます。
捕らえられたデッドプール達は、
ジャイアントマンの遺体を改造したカサンドラ・ノヴァの拠点へ移送されます。
その時のシーンは、
「怒りの女王(フュリオサ)に捧ぐ!!」という台詞とか
改造車とか、
「マッドマックス」を意識しているシーンでしたが、
本作と比べると、
如何に「マッドマックス」シリーズの世紀末感が突出しているのかが、
改めて理解出来ました。
カサンドラ・ノヴァの拠点には、
アザゼル、レディ・デスストライク、ジャガーノート等、
過去の「X-MEN」シリーズの映画にも出て来た懐かしい面々が勢揃い。
彼達が過去に演じた人と同じかは、確認出来ていません。
そして、本作でのビッグサプライズが、
まさかのアッセンブル!!
ベン・アフレックが主演を演じた『デアデビル』(2003)に出演し、
後、スピンオフの『エレクトラ』(2005)にて
エレクトラを演じたジェニファー・ガーナーが再登場!!
『エレクトラ』には、あのボブ・サップも出演していますが、
まぁ、私ですら劇場スルーした程の作品ではありました。
ジェニファー・ガーナーは、
本作と同じ、
ショーン・レヴィ監督、ライアン・レイノルズ主演の『アダム&アダム』にも出演していたので、
その縁で本作にも登場したと思われます。
そして、
『ブレイド』(1998)のウェズリー・スナイプスの登場!!
現在のアメコミ映画隆盛の始まりは、
2000年公開の『X-メン』からだと思いますが、
『ブレイド』の公開は1998年。
配給はニュー・ライン・シネマで、
時代を先取りしていました。
回復能力のあるヴァンパイアハーフの過激格闘アクション映画として、
大変面白かった作品です。
漫画の『GANTZ』のヴァンパイア篇は、
『ブレイド』をモロに意識していましたよね。
「ブレイド」はシリーズとして
『ブレイド2』(2002)
『ブレイド3』(2004)と製作されました。
ライアン・レイノルズが、
『ブレイド3』のメインキャラの一人として出演していたので、
その繋がりで出演してくれたと思われます。
作中でブレイドが
「過去も未来も、ブレイドは俺だけ」的な台詞をはいて
ロケットランチャーをぶっ放すシーンがありましたが、
「マーベル・シネマティック・ユニバース」として、
マハーシャラ・アリ主演のブレイドの企画が進行しているとかで、
その辺の事情があり、
デッドプールが意味深にカメラを見つめて観客と目を合わす場面がありましたね。
そして、まさかの登場!!
チャニング・テイタムが物質にエネルギーを込めて爆発させるミュータント
「ガンビット」役で出演!!!
過去、
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』と同時期に、
チャニング・テイタム主演で「ガンビット」の企画があったそうですが、
お流れになったといういわくがあったのですが、
まさか、
「20世紀フォックス」が無くなってから、
それが実現するなんて!!
作中でも、
「俺はコレで産まれた(ガンビットとして初出演)」的な事を言っていましたね。
『ザ・フラッシュ』(2023)にて、
幻のニコラス・ケイジ版スーパーマンが出演していましたが、
それを遥かに凌いだ出演時間。
割と見せ場がありました。
フランス語訛りの英語がカッコ良いみたいな風潮に、
一石を投じているのも面白かったですよね。
そして、
『LOGAN/ローガン』(2017)にてX-23ことローラを演じたダフネ・キーンが再登場!
ちびっ子だったのが
美人に成長していて
何か、感動です。
予告篇でローガンが、
「信じろ、俺はヒーローなんかじゃない」と語っているシーンがありましたが、
その相手はウェイドでは無く、実はローラだったンですね。
ラストでも、
ウェイドがTVAの上役に、
「虚無」に居た彼達(エレクトラ等のカチコミを敢行した4人)も、
元の居場所に戻してくれ
と頼んでいましたが、
ローラがラストシーンの、
ウェイドが守りたかった9人と一緒に居る場面にて、
ローガンと共に居たので、
どうやら、
世界線的には、
アース10005という事になっているのかな、
と思います。
因みに、
ウェイドのサプライズ誕生パーティーに参加した、
守りたかった9人は、
ヴァネッサ:モリーナ・バッカリン
ブラインド・アル:レスリー・アガムズ
ドーピンダー:カラン・ソーニ
ピーター:ロブ・ディレイニー
コロッサス:ステファン・カピチッチ(声)
ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド:ブリアナ・ヒルデブランド
ユキオ:忽那汐里
発言をたしなめられる髭のオッサン:誰(?)
シャッタースター:ルイス・タン
この内、
シャッタースターは、
『デッドプール2』の「X-フォース」のメンバーで、
パラシュートで降下直後にピーターの目の前で死んでいましたが、
『デッドプール2』のラストで歴史を変えた影響なのか、
謎に本作でも登場していました。
活躍しないのに、
何故、復活した!?
更に補足、
クライマックスにて、
女性版デッドプールを演じたのは、ブレイク・ライブリー。
ライアン・レイノルズの伴侶で
『グリーン・ランタン』(2011)が交際の切っ掛けとなったそうです。
まぁ、これだけ多数のゲスト出演者にお金を使った為か、
『デッドプール&ウルヴァリン』の作品としての舞台のスケールは、
若干、狭いです。
クライマックスで
多数のデッドプールが登場したのは
まるで、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)を
雑にパクった様なやっつけ感ですし、
ラストシーンは、
不死身の二人がお手々繋いで、
「うぉぉぉぉお」と叫んで助かるという、
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のインスパイアでしたし。
しかし、
過去の「X-MEN」シリーズがそうであった様に、
本作も、ミュータント達をメインとして、能力者が多数登場する、
雑な派手さがあります。
そういう勘所を押さえている辺り、
本作は、実質、
「マーベル・シネマティック・ユニバース」映画では無く、
純然たる「20世紀フォックス」映画と言えます。
謂わば、
『デッドプール&ウルヴァリン』は、
過去の「20世紀フォックス」映画を寄せ集めた、
フォックス版アベンジャーズ。
「20世紀フォックス」に送る、
レクイエムであると言えるのです。
結局、
デッドプールとウルヴァリン
そして、
「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」などが、
どう「マーベル・シネマティック・ユニバース」に関わるのかは、
今後の展開が待たれます。
下ネタ、
メタネタ、
映画ネタ、
ブラックジョークに、
過激アクションで繰り広げられる、
デッドプールとウルヴァリンのボケとツッコミの漫才が観られただけでも、
私は、大満足なのです。
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