デッドプール2 3枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray]
雑魚を殺り逃がした所為で、思わぬ痛手を負ったデッドプールことウェイド・ウィルソン。失意の中自殺を図るが、不死身にて死ねず、コロッサスに誘われるままに遂に「X-MEN」の見習いとなる。その初任務にデッドプールは出動するのだが、、、
監督はデヴィッド・リーチ。
『ジョン・ウィック』(2014)をチャド・スタエルスキと共同監督した他、
『アトミック・ブロンド』(2017)を監督する。
とは言え、
実質的に本作を主導するのは、
脚本、製作総指揮の
レット・リース&ポール・ワーニック、
そして主演、脚本、製作のライアン・レイノルズである。
出演は、前作の面々が再び続投
デッドプール/ウェイド・ウィルソン:ライアン・レイノルズ
ヴァネッサ(恋人):モリーナ・バッカリン
ウィーゼル(無責任な友人):T・J・ミラー
ドーピンダー(インド人タクシー運転手):カラン・ソーニ
ブラインド・アル(盲目のババア):レスリー・アガムズ
ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(坊主頭からリーゼントにジョブチェンジ):ブリアナ・ヒルデブランド
コロッサス(CG):アンドレ・トリコチュー(モーションキャプチャー)&ステファン・カピチッチ(表情・声)
プラス、新キャラの面々、
ケーブル:ジョシュ・ブローリン
ドミノ:ザジー・ビーツ
ラッセル/ファイヤー・フィスト:ジュリアン・デニソン
達が登場して、話が盛り上がります。
さて、まさかの大ヒットとなった『デッドプール』の続篇である本作。
今回も安定の(?)R指定。
子供は観ちゃダメ!
…なハズですが、
冒頭にて、
本作はファミリー映画だ、と宣言します。
しかし、
そのファミリー映画と宣言するナレーションに合せてヴァイオレンス描写満載、
ふんどしヤクザと刀で斬り合ったり、
首が吹っ飛んだりします。
ほほう、今回も初っ端から吹かしよる喃。
そう観客はツッコミを入れてしまいます。
今回もギャグは多め。
前回同様、ストーリーは割とシリアスだったりしますが、
その合間に挟まれる
数々のギャグ、ユーモア、小ネタ、下ネタの数々が深刻さを中和します。
初任務で、養護施設で暴れる少年ミュータントのラッセルを取り押さえに行ったデッドプール。
しかし、実はラッセルは虐待されていたと知り、
デッドプールは養護施設側に牙を剥き、
逆にコロッサスに取り押さえられます。
このモチーフ、
「マイノリティを迫害する醜さ」というテーマは、
正に「X-MEN」的なもの。
今回は、前回と違って、
「X-MEN」本篇ばりに、多数のミュータントが出てきます。
そして結成される、
デッドプール肝いりの戦闘集団、「X-フォース」。
これが大暴れ、
前回にも増して、アクションシーンは多めです。
ギャグ、
アクション、
バイオレンスと前作が好きだった人なら、間違い無く本作は楽しめ、
さらに今回は「X-MEN」ばりの超能力バトルもアリ。
しかし、
今回はラブストーリーが無いです。
その分、ファミリー要素を入れのでしょうが、、、
本作『デッドプール2』は本当にファミリー映画なのか!?
その真実は、是非皆様劇場に足を運んで確認して頂きたいです。
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『デッドプール2』のポイント
戦いの中にアイデンティティを探す者達の物語
ギャグ、バイオレンス、アクション、ネタの数々は健在!!
イイコチャンだけじゃない、型破りでも良いじゃない
以下、内容に触れた感想となっております
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ケーブルと私の出会い
今回、デッドプールとタメを張るキャラとして登場するのは、
前回のオマケ映像でも予告されていた「ケーブル」。
このケーブル、私が彼に初めて出会ったのは、2000年。
カプコンが作ったアーケードの対戦格闘ゲーム、
『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROS』でした。
いわゆる、「マブカプ2」です。
「I wanna take you for a ride !」
父親のサイクロップスと同じで、
「ビーム脳」に犯されているケーブル。
遠距離でも立ち大パンチが一度当たると、
→バイパービーム
→ハイパーバイパー
からのディレイドハイパーコンボで
→ストーム
→センチネル
と登場して、体力が一瞬で溶ける、
それはそれは恐ろしいキャラクターでした。
強キャラの一角として名を馳せ、
ケーブル+センチネル+キャプテンコマンドーや
ケーブル+ストーム+センチネル
というチームが流行ったのは周知の事実。
青春のあの頃、
猛威を振るったあのケーブルが遂に映画に登場するんですねぇ。
感慨無量です。
しかも、演じるのは
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でサノスを演じたジョシュ・ブローリン!!
サノスもカプコンのゲームで知ったキャラクター。
今年は、
個人的に長年観たいと思ってきたアメコミのキャラクターが二人も映画に出演、
それも同じ人間が演じるというのが、なんとも奇跡的な感じです。
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前作が好きなら、安心して観られる
さて、続篇である『デッドプール2』。
前作『デッドプール』が名作だっただけにハードルは高く、
期待半分、不安もあった作品です。
しかし、本作は正に期待通り。
ギャグ、小ネタ、映画ネタ、下ネタ、
ノリノリの音楽、
バイオレンスとアクション、どれも健在です。
続篇といっても、ハードルを越える事が出来ず、
ガッカリする事も多い昨今。
先日も『パシフィック・リム アップライジング』が残念な結果になってしまっていました。
しかし、本作ではその心配は無用。
主要キャスト、
脚本のレット・リース&ポール・ワーニック、
制作のライアン・レイノルズ、サイモン・キンバーグ
前作を面白くした面々が今回も集結しています。
『パシフィック・リム アップライジング』との違いは、
前作の、何処が、何故、ウケたのか?これを理解している人間がちゃんとスタッフに居たという事ですね。
ギャグとシリアスを行き来する展開のドキドキハラハラストーリー、
ミュータントも多数出演、
能力も派手で、アクションシーンもマシマシ。
しかし、本作が前作と比べて、唯一パワーダウンと言えるのは、
ラブストーリー要素が少ない所です。
これはまぁ、しょうが無い。
恋愛は終わり、
ここからは家族となる話のスタートです。
そう、今回はファミリー映画!?
マジか?
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これも、ファミリー
さて、『デッドプール2』はファミリー映画だと最初に宣言されます。
うっそだー、だって、R指定だし、
首チョンパされてるじゃん。
とか、思ってしまいますが、その通り。
いわゆる、家族で安心して観られる、という意味のファミリー映画ではなく、
本作で言うと、
自らの居場所を見つけるはみ出し者達の物語、
そういう意味でのファミリー映画なのです。
簡単に言うと、
「ワイルド・スピード」とかで、「俺たちはファミリーだ」と言っているのと同じノリなのです。
固い絆で結ばれた仲間、そういう意味ですね。
家族を作るハズが失い、失意の中希望を探すデッドプール。
家族を失い、復讐の鬼となり時まで越えてきたケーブル。
最終的な目的はラッセルを[守る/殺す]と正反対ですが、
家族への想いという意味では、まるで映し鏡の様な二人、
彼達がお互いを理解し合うのも頷けます。
仲間を家族(ファミリー)と呼称するのはどういう場合でしょう?
クラスメイト?
仕事の同僚?
趣味の友達?
それだけでは、何処か違う感じがします。
言うなれば、
困難や危機の際、
同じ目的意識を以て結束し、事態の解決に臨む朋友。
相手を助ける事が、自分を救う事になる、
普段は主義主張に隔たりがあっても、
いざとなると自分の背中を預けられる存在。
そういう、絶対的な信頼感を持てる仲間の事を、「家族(ファミリー)」なのだと思います。
実際の家族でも、そんな安心感が得られない時はあります。
それに比べ、
何の血の繋がりも無いし、
自分の得にもならない、
そういう相手を信じ、助け合う事が出来る存在は、
後天的であるが故に、固い絆で結ばれている、
そんな相手こそ、実の家族に勝るとも劣らない「家族」と言えるのではないでしょうか。
希望を失った所から、それを取り戻そうと必死になったウェイド。
家族を守る為に(後の仇だが)子供を殺そうとしていたのに、
デッドプールの為にタイムマシンを使って、その家族の元へ帰れなくなったケーブル。
思春期ならではの、世間と自分の感情の隔たりを超えられず、
何をやっても勇み足気味の気味のラッセル。
真面目一辺倒でルールが大事。
それでも、デッドプールがピンチの時には駆け付けてくれるコロッサス。
何のパワーもないけれど、何かしたいドーピンダー。
みんなバラバラのタイプ。
当初の目的も主義主張も違う。
なのに、最後には皆がまとまっているこの不思議さ。
歪な者が組み合わされば、
まるでパズルのピースの様にピッタリ嵌る。
居場所を求め、彷徨っていた各人が、
自分の立ち位置(アイデンティティ)を発見する、
『デッドプール2』はその様子を描いている作品なのです。
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ミュータント沢山登場!!
さて、本作では、前作より予算が下りたのか、
派手なミュータントが多数登場します。
なにせ、前作は予算が少なく、
敵の能力も、地味でしたもんねぇ。
フランシスは無感覚、
エンジェルダストは怪力という、
特にCGがあまり必要ない能力でした。
しかし、今作はより予算が出たのか、
ミュータントが沢山出現、
アクション的にも「X-MEN」的な派手な感じになっております。
まず、ケーブルのバリアー。
そしてファイヤー・フィストを名乗るラッセルの炎。
どちらも派手な能力を見せつけます。
また、「恵まれし子らの学園(Xavier School)」に行ったデッドプール。
ここにはコロッサスとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(NTW)、そしてユキオしか居ないのか、と吠えますが、
こっそりドアを閉めるビースト(ニコラス・ホルト?)がいました。
(他にも、クイックシルバーとか他の面々もいました)
『X-MEN:フューチャー&パスト』で変更された時間軸と同じ世界線に「デッドプール」の世界はあるんですね。
しかし、ならば「セレブロ」はパトリック・スチュアートでは無く、
ジェームズ・マカヴォイの方の臭いが付いているのだと思われますが、
恐らくこのネタは、ツッコミ待ちで敢えてパトリック・スチュアートと言ったのだと思われます。
そして、まさかの展開を見せたのが、
デッドプールが結成した「X-フォース」。
ウィーゼルと共にリクルートした面々、
一般人のピーターと透明人間のバニッシャー以外、全員原作のアメコミでも「X-フォース」に所属していたミュータントだそうです。
強運のドミノ、
電磁波を操るベドラム、
モジョワールドから現われた異星人シャッタースター、
酸性のゲロを吐くツァイトガイスト。
皆が皆、あっと驚く見せ場があります。
まさかの出オチですが。
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アナ雪とデッドプール
本作では多くのミュータントが出演、
本家「X-MEN」シリーズよろしくアクションも派手ですが、
「X-MEN」シリーズで繰り返されるテーマ、
「マイノリティへの差別、迫害」に対する問題提起が描かれています。
一見したら暴れている傍迷惑なミュータントのラッセル。
その実、迫害されている被害者。
普段は苛められているのに、
キレた時だけ世間的に目立って批判されるという、理不尽さ。
『デッドプール2』は基本ウェイド目線ですが、
群像劇である「X-MEN」シリーズでは、立場の違いで、世間の偏見にどう向き合うのか、
その点が常に描かれる作品です。
さて、『デッドプール2』にて、ネタとして何度いじられた「アナ雪」こと『アナと雪の女王』。
今回ネタにされて、気付きましたが、
「雪の女王」ことエルサの抱える悩みは、正に「X-MEN」におけるミュータントが抱える問題と同じもの。
能力を持つ者が、
その並外れた力を活かす事が出来ず、
それどころか、その力を忌避され劣等感を植え付けられる。
出る杭は打たれる、のですね。
さらに、「ありのままの」のフレーズで有名になった「レット・イット・ゴー」。
こちらは前作『デッドプール』におけるラブストーリー部分のテーマと共通しています。
ウェイドは醜くなった自分の劣等感から、ヴァネッサの前に立つ事が出来ませんでした。
しかし、実際のヴァネッサは、
顔が醜くなったウェイドを変わらず愛します。
正に、「ありのままの」ウェイドを受け入れた、
そういうハッピーエンドでした。
意外と親和性が高い、
『デッドプール』と『アナと雪の女王』。
その事に気付いてネタにしていたのだと思います。
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出演者補足
本作で養護施設の院長を演じたのは、イングランド出身のエディ・マーサン。
『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』(2013)
『アトミック・ブロンド』(2017)
『ザ・シークレットマン』(2017)
等に出演しています。
また、ツァイトガイストを演じたのはビル・スカルスガルド。
『アトミック・ブロンド』(2017)
『IT ”それ”が見えたら終わり』(2017)
等に出演しています。
どちらも、本作の監督デヴィッド・リードの『アトミック・ブロンド』に出演しています。
シリーズものであっても、
監督の口利きでちょい役を旧知の役者に演じて貰っているんですね。
こういう繋がりを見つけるのも、映画の鑑賞の面白い部分です。
期待が高い作品の続篇を観る。
不安でもあり、期待が高かった本作『デッドプール2』。
前作の面白かった部分、
ギャグとシリアスの振り幅というお約束を継承しつつ、
アクションを派手にし、
前回とは違ったテーマにもチャレンジしています。
続篇を期待通りに面白い作品にするという事は、意外と難しい。
しかし、それを実現した安心感、
これは気が早いですが、続篇にも期待です。
ここ数年「デッドプール」に嵌りきっているというライアン・レイノルズ。
彼の情熱が消えぬ限り、三度デッドプールに出会える。
そう信じていますよ。
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