映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』感想  宇宙最凶のポール牧現る!!悪のカリスマ・サノスの大冒険!!

 

 

 

宇宙最凶のラスボス、遂に始動!!人任せにしては一向に集まらない「インフィニティ・ストーン」。これらを自ら回収するべく、サノス自身が出陣する。その餌食になるのはまず、、、

 

 

 

 

監督はアンソニー&ジョー・ルッソの兄弟。
マーベル・シネマティック・ユニバースでは
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)
を監督している。

出演の
役名:役者名は
アイアンマン    :ロバート・ダウニー・Jr.
キャプテン・アメリカ:クリス・エヴァンス
ソー        :クリス・ヘムズワース
ハルク       :マーク・ラファロ
ブラック・ウィドウ :スカーレット・ヨハンソン
ドクター・ストレンジ:ベネディクト・カンバーバッチ
スパイダーマン   :トム・ホランド
ブラック・パンサー :チャドウィック・ボーズマン
スター・ロード   :クリス・プラット

これら、各作品の主役達が宇宙最強のラスボス

サノス       :ジョシュ・ブローリン

の侵攻に立ち向かうのが、今回の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』です。

 

さて、本作。

マジのガチに凄かった。

 

立て続けに3D映画が公開されたこの3週間、

パシフィック・リム アップライジング』(2018/04/13)
→『レディ・プレイヤー1』(2018/04/20)
→『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018/04/27)

という順番で一週間おきの公開となりましたが、
これには明確な理由があります。

ズバリ、面白い作品を後に回した。

 

これに尽きます。

年間ベスト級の『レディ・プレイヤー1』の印象が一瞬で吹き飛んだ!

本当に凄い!面白い!

 

2008年、『アイアンマン』の第一作目から始まった、
「マーベル・シネマティック・ユニバース」。

本作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は

この10年の集大成となっております。

 

『アベンジャーズ』(2012)の一作目のラストシーンに姿を現し、
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)にて宇宙最凶と謳われたサノス。

長年、ラスボス、ラスボスと言われたサノスが、遂に本格始動します。

 

 

原初の宇宙にて生成された六つの「インフィニティ・ストーン」。

過去公開された「マーベル・シネマティック・ユニバース」の映画内にて度々登場した、
このチートアイテムを集めるのがサノスの目的です。

地球にも二つ、

「ドクター・ストレンジ」が守護する「アガモットの眼」に嵌っている緑の石「時間(Time)」と

「ヴィジョン」の額に嵌っている黄色い石「精神(Mind)」があります。

当然、サノスはそれを狙って侵攻して来るのですが、
かつてアベンジャーズに所属していたメンバー達がそれを看過するハズも無く、
誰に言われるまでも無く、サノスに対抗します。

 

これが、凄い。
ホントに凄い。

開始五秒でアクセル全開!!

 

アクションの羽休めにアドベンチャーという、

全篇見どころしかない構成、

上映時間149分があっという間に過ぎて行きます。

 

正直、初見でイキナリこの作品では、
ストーリーが全く分からないでしょう。

しかし、今まで
「マーベル・シネマティック・ユニバース」を追って来た人間なら間違い無く楽しめる。

 

いや、全く知らない人でも、この凄さ、体験して欲しい
そんな事を思わせる映画、
それが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』なのです。

 

 

  • 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のポイント

「インフィニティ・ストーン」を巡るストーリーが合流する豪華さ

ど派手アクションの連続

サノスの行動理念

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


スポンサーリンク

 

  • サノスとの思い出

『アベンジャーズ』(2012)のラストシーンにて初お目見えしたサノス。

公開当時、前の席のお兄さん二人は
「あれ、誰?」「レッドスカル?」とか言って困惑していました。

ですが、私は大興奮!
「サノスやないかい!」と心の中でツッコんでいました。

 

そう、思い出す、私とサノスの初対面。

あれは、対戦格闘ゲーム『マーブルスーパーヒーローズ』(1995)での事でした。

キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ハルク、スパイダーマン他、
ウルヴァリン、マグニートー、サイロック、ジャガーノート、ブラックハート、シュマゴラス、ドクター・ドーム、

見た目が濃いむくつけきキャラクター達が、
ジェムという宝石を取り合う楽しいゲームです。

このゲームのラスボスがサノス

宝石の力を使って、
「INFINITY !」と叫びながら必殺技を連発する青いゴリラでした。

友達と遊んだ、遠い記憶と共にあった、
濃いオッサン、サノス。

そのサノスが、永い年月を経て、遂にスクリーンデビューするんですよ!

感動ですねぇ…

(似た理由で、『X-MEN:アポカリプス』のエン・サバ・ヌールも興奮しましたが、本作はそれ以上です)

 

 

*以下、本篇の内容を記述したネタバレがあります。
未見の方は注意して下さい。

 

 

  • 初っ端から超特急!

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。

本作は開始五秒からアクセルが全開で突き進みます。

 

冒頭は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のラストシーンからの続き。

地球へ向けてエクソダスしたアスガルドの難民達が、
サノス一派に虐殺されているという衝撃の幕開け。

ロキ以外の全員がボコられて地に伏しています。

そのロキ、ソーを痛めつけられ、
青い宝石「空間(Space)」をサノスに渡しますが、
その時のセリフが秀逸
I have a HULK !

この言葉と共に、ハルクが乱入、サノスを吹っ飛ばします。

しかし、これまでタイマン最強だったハルクが普通にサノスにボコられるという、これまた衝撃の展開。

 

この冒頭の5分で、
如何にサノスが強いか、恐ろしいか、それを余すこと無く描いています

「アベンジャーズ」メンバーの戦闘力2トップが、
既にサノスに敵わないと知らされるんですね。

 

つかみはOK。

その後、サノスがやって来ると、ブルース・バナーが地球に警告します。

普通の映画の場合、ここで防衛策であれやこれやの展開があるでしょうが、
そんな暇は全く無し!

直ぐにサノスの侵攻が始まり、
今度は地球上で戦闘シーンが始まります。

この時点で、20分経っていません。

普通の映画なら、溜めて、クライマックスに持ってくるレベルのアクションを、冒頭にて2連続で惜しみなく晒す!

 

サノスの目的が「インフィニティ・ストーン」の収集だという事は、
今までの「マーベル・シネマティック・ユニバース」の映画にて散々語っています。

なので、その説明シーンを省いているのです。

そう割り切って、アクションを惜しげも無く2時間以上持続させる展開にしたという快挙。

今まで、「マーベル・シネマティック・ユニバース」を楽しんできたファン達には、面倒くさい説明・解説シーンなど今更必要ない、
言わなくても分かる、そう観客を信じた作りになっているからこそ、こういうクライマックスの連続した映画が作れたんですね。

 

  • 一本の映画の中に、3つのテイスト

更にこの『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、
一つの映画の中に、3つのテイストが見て取れます。

 

まず、「アベンジャーズ」パート。

アイアンマン、スパイダーマン、ドクター・ストレンジ達が活躍するシーンはいつもの「アベンジャーズ」的な、
主人公が集まった豪華で派手なアクションのシーンの連続となっています。

喧嘩しながらも、最後には力を合わせて戦うという、如何にも「アベンジャーズ」的なパートです。

 

そして、「ワカンダ」パート。

キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ファルコン達「お尋ね者」は地球にてヴィジョンを守り、サノスを迎撃する形をとります。

この場所がワカンダなので、直前に公開された『ブラックパンサー』のノリが残っています

こちらは多数対多数という、派手な乱戦を描いています。

 

そして、「宇宙」パート。

ここではソーを拾った「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」のメンバーの冒険のパートです。

ソーの奮闘を描きつつ、
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』的なユーモアとアドリブ溢れたギャグテイストな冒険となっています。

(ピーターが太っているとか、ソーの声真似とか、ドラックスの「俺は透明だ」とかは全部アドリブだと思われます)

これは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の1、2の両方を監督したジェームズ・ガンが製作総指揮に名を連ねている事も大きいかったと思われます。

 

大勢居る主人公達を異なった場所で活躍させ、
そして、場所が違えば、それぞれ映画のテイストが微妙に違うというのが面白く、
そして、観客を飽きさせない巧妙な作りになっているんですね。

ストーリーの流れで作る緩急、
その他に、作品の印象によって作る緩急をも駆使されているのです。

 

  • ラスボスにて主人公、サノス

この3つのテイストを横断し、ストーリーに共通した軸を通すのは、ラスボス・サノス。

各個、別々の場面を描きつつ、
しかし、それをサノスが「インフィニティ・ストーン」を集めるという理由で横断する事で、世界観を繋いでいるのです

そう、本作は、謂わばサノスが主人公のサノスの物語であるのです。

 

今までの「マーベル・シネマティック・ユニバース」の作品にて、
サノスは暴君、
サノスは星を侵略して滅ぼしている、
サノスは「インフィニティ・ストーン」を集めている、
これらの情報が出ていました。

しかし、目的は周知なれど、何故そんな事をしているのか?
そのサノスの行動理念は今まで語られていませんでした。

本作では、そのサノスの行動理念、哲学も語られています。

「宇宙の資源には限界がある」

「果て無き生物の膨張に歯止めをかける為、リソース保護の為に間引きを行う」

つまり、サノス本人は宇宙を救っているつもりでいるのですね。

 

宇宙を救う為に、宇宙の半分の生命を滅ぼす。

これが支持されないのは容易に想像出来ますが、
しかし、サノス自身は強い使命感を持ち、信念でもって行動しています。

傍迷惑千万、しかし、独特の魅力とカリスマに溢れている事もまた、事実です。

サノスにも愛する人間がおり、
過去には信念を諦めた事もある。
しかし、不断の信念により断行を決意したと言う。

最凶の暴君が見せる苦悩と哀しみ。

サノス自身は、自分が信じる正義を行っているんですね。

それが、他の人間の迷惑になり、
他人に理解される事も無い為に反抗される、
それを理解しながら敢えてやっている所に、サノスの魅力があります

自分の信じる道を行くなら、批判や攻撃を恐れるな。

言うは簡単、行うは難し、です。

 

しかし、そんな巨視的な視点を押し付けらる方には、だまって従う道理は無い。

その為、攻める方の正義と守る方の正義が相容れず、そこに闘争が行われるのはやむを得ない事なんですね。

迷惑であり、暴君である事は間違い無い。

しかし、立場の違いにて断じて相容れないだけで、
その理念を悪と断じきれない

こういうジレンマが、悪役であって悪では無い、
サノスを面白いキャラクターにしているのですね。

 

さて、一応付け加えておきますが、
サノスの行動は社会においては受け入れられるものではありません。

自分の理念の為に、他人に不利益を押し付ける、
というのはやはり、社会性を否定した行動です

では、何故その行動が看過されているのかというと、
それはひとえに、サノスが強すぎた、という事でしょう。

彼の故郷、タイタンはかつて栄えたと言いますが、
現在は荒廃した星。

恐らく、自分に逆らう人間を皆殺しにしたのだと思われます。

サノスは、自分の行動の行く末が、
この荒廃したタイタンであると理解していないんですね、不思議と。

(なんだか、『ジョジョ』の第2部に出てくるカーズを思い浮かべます。彼も自らの理念の為に、故郷を滅ぼしたのです)

他人に厳しく、
自分の行動の異常さを自分で指摘出来ない点が、
サノスがソシオパスだという事を物語っているのです。

 

とは言え、ラストシーン、
運命の指パッチンにて全てをやりきったサノスには、
自らの理想を果たしたものだけが浮かべられる穏やかな笑顔を浮かべていました。

あの表情こそ、主人公だけが浮かべられるものであり、
本作がサノスの物語であったのだという証左なのです。

 

  • 出演者補足

本作でソーのニューアイテム「ストームブレイカー」を鍛えるエイトリを演じたのはピーター・ディンクレイジ

ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のティリオン・ラニスター役にて散々「dwarf」(小人)と言われ馬鹿にされてきましたが、
本作ではまさかの「ドワーフ」を演じます。

しかし、本作のドワーフは巨人なのがまた、皮肉な笑いを誘います

 

  • 予想が外れた者が語る予想

さて、先ずはお詫びを。

私は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』観賞後、
「ソーの次の武器は、破壊されたアスガルドで作る」と予想していました。

しかし、実際はそういう事もなく、なんか、普通に出来ちゃいました。

予想を見事に外した事をお詫び致します。

 

しかし、これに懲りずに再び予想。

ソーの「ストームブレイカー」は柄がグルートで出来ています。
そこから復活するっぽくないですか?グルートに関して言えば。

 

また、ドクター・ストレンジというキャラクターは、「使命の為なら犠牲を厭わない」タイプ。

それは、単独映画の『ドクター・ストレンジ』にて描かれた彼の信念でもあります。

その彼が、果たして簡単に「時間(Time)」の「インフィニティ・ストーン」を渡すでしょうか?

ドクター・ストレンジの行動には隠された意図があり、
それがアベンジャーズ逆転の可能性だと思われます。

実際、1400万以上の可能性の中から、唯一の勝ち筋を見つけたと言っていますし、
そのプランは未だ継続中なのだと思いますが、どうでしょうか?

 

そして、初期メンバーなのに全く言及されなかったホークアイさん、
私はあなたを忘れてませんよ。

次回作ではあなたの活躍を待っています。

 

 

 

 

ただでさえ強いサノスが、チートアイテム「インフィニティ・ストーン」を集める毎に更に強くなる。

まるで、ただでさえ強い完璧超人がマグネット・パワーを使うかの如き絶望感ですが、

一方、ゲームの『ロックマン』や『メトロイド』の様に、
アイテムを集めると出来る事が増えて強くなる的な面白さをも持っています

主人公が集まったお祭り騒ぎの映画にて、
実は一番魅力的に描かれたのが、敵役のサノスだった。

それが、この作品の面白さの核であると言えるのではないでしょうか。

 

ドクター・ストレンジも強かった。

ゾンビの如くにナノマシンにて復活してゆくアイアンマンも強すぎた。

しかし、一番度肝を抜いたのはサノスのメテオである。

この発想は無かった!感動した!

 

全てをやり終えたサノス。

最後の指パッチンの描写を見るに、
地球のみならず、影響は全宇宙規模に渡っていると思われます。

しかし、アベンジャーズとしては、これで終わらせるハズも無く。

現時点で、この先が知りたくて身もだえしている、
ああ、次回作が待ちきれない!!

それが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』なのです。

 

 

現在公開中の新作映画作品をコチラのページで紹介しています。
クリックでページに飛びます

 

アベンジャーズの1作目と2作目のダブルパックです

 

 


スポンサーリンク