映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』感想  ここまで来た!!キャラを変えたソーのMAXアクション!!

 

 

 

炎に包まれるアスガルドの予知夢。この運命を打ち砕くべく奮闘するソー。彼は故国を逐われた父、オーディンに会いに行く。オーディンはその死に際、ソーにヘラという武闘派の姉が居る事を告げる。そしてオーディンの死により、ヘラの封印が解かれた、、、

 

 

 

監督はタイカ・ワイティティ
ニュージーランド出身。
恥ずかしながら、私は今作で始めて聞く名前だ。
他の監督作に
『Boy』(2010)
『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』(2014)
『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』(2016)等。
俳優としても活躍し、本作でも「コーグ」役で出演している。

 

主演のソー役にクリス・ヘムズワース
ソーを演じて早7年近くになる。
アベンジャーズシリーズは
『マイティー・ソー』(2011)
『アベンジャーズ』(2012)
『マイティー・ソー/ダーク・ワールド』(2013)
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)に出演。

他の出演作に、
『スター・トレック』(2009)
『キャビン』(2012)
『ラッシュ/プライドと友情』(2013)
『白鯨との闘い』(2015)等がある。

 

共演に、マーク・ラファロ、トム・ヒドルストン、テッサ・トンプソン、ケイト・ブランシェット。

 

「マーベル・エクステンディッド・ユニバース」シリーズの一本である本作。
『マイティー・ソー』シリーズとしては3作目だ。

勿論、シリーズを観ていた方が楽しめる。
人物関係も分かる。

だが本作『マイティー・ソー バトルロイヤル』は

全くの初見でも楽しめる。

 

宇宙の4つの世界を舞台に

CGバトルアクションが繰り広げられる。

 

設定背景、キャラ相関図など気にならない程のど派手なドツキ合いを頭カラッポにして楽しもう。

そして本作のソーは今までと一味違う。
今までは、クールなイケメンマッチョ的なキャラクターだったのだが、
『マイティー・ソー バトルロイヤル』では

ちょっとお茶目でドジな少年漫画的、
古き良きアメリカンヒーロー的なノリになっている。

 

言葉ではちょっと伝わらないかも知れないが、
今までクールなスカしたキャラだったソーが、
断然親しみやすく共感出来る存在になっている。

キャプテン・アメリカやアイアンマンと比べていまいちキャラが弱かったが、一気に化けた感がある。

脇を固めるは脳筋のハルク。
トリックスターのロキ。
圧倒的な悪役のヘラ。

親しみやすい主人公、
皆が皆、濃いキャラクター、
ど派手なアクション、

一級品のエンタテインメント映画

 

といてスカッと楽しんでもらいたい。

 

 

以下ネタバレあり


スポンサーリンク

 

  • キャラが変わったソー

本作『マイティー・ソー バトルロイヤル』ではソーが今までと変わっていた。
長髪を短髪にした見た目だけではない。
キャラが変わっていたのだ。

今までのクールなイケメンマッチョだったソー。
しかも、神であるが故に何処か「完璧さ」があって雲の上の存在的な雰囲気があった。

しかし、本作のソーはお茶目でドジな面がある。
ビビって叫んだり、キメポーズがスカってしまったりする。

完璧な「神」だった存在のソーにも、
実はちょっと脇が甘い所があった。

日本で言うところの少年漫画の主人公的存在。
古き良きドラマのアメリカン・ヒーローと言える。

このある種の「親しみやすさ」が観客に、今まで与えなかった共感を与える

だがこのキャラが見事にハマっている。
今までイケメンで通していただけあって、本作のはっちゃけぶりは余計に面白い。

これは、監督のタイカ・ワイティティの影響なのだろうか?
主演のクリス・ヘムズワースが新しいソーの面を開拓したかったのか?
どちらにしろ、超有名ではなかった監督を本作に抜擢したのは大成功と言えるだろう。

 

  • ラグナロク

原作アメコミ『マイティー・ソー』は、その世界観や設定を北欧神話に拠っている。

また、『マイティー・ソー バトルロイヤル』はその原題が『THOR: RAGNAROK』である。

なので北欧神話の「ラグナロク」について少し説明したい。
「ラグナロク」を知っていると、本作のキャラクターも理解しやすい。
(名前の太文字は『マイティー・ソー バトルロイヤル』の出演キャラ)

「ラグナロク」とは、北欧神話における終末。
神と巨人の最終戦争を意味し、それは予言により確実に来たるものとされている。

切っ掛けは「悪戯の神(God of Mischief)」ことロキ
ロキとその子供達が縛から解かれる事でラグナロクは始まる。
因みに北欧神話ではヘラフェンリル(狼)、ヨルムンガンド(大ヘビ)はロキの子供である。

神の側は、ヴァルキリー達によってヴァルハラに運ばれた勇者の魂を解き放ち、これを迎え撃つ。

オーディンはフェンリルに囓られ、
ソー(=トール)はヨルムンガンドと共倒れ、
ロキもヘイルダムと相打ちになる。

最後はスルトが「炎の剣」にて世界を焼き尽くし、神と英雄の時代が終わりを告げ、人間の時代が始まる。

内容は違えど、ほぼ「ラグナロク」の伝承をそのまま下敷きにしたのが、本作『マイティー・ソー バトルロイヤル』である。

これは想像だが、ヨルムンガンドが出なかったのは、ソーが死んでしまう展開になってしまうからだろう。

その分、オープニングで代わりのドラゴンとの死闘が繰り広げられている。

 

  • 移民の歌

そして本作ではレッド・ツェッペリンの「移民の歌(原題:Immigrant Song)」が印象的な挿入歌、テーマソングとして使われている。

冒頭の「アアア~~ア~」の部分だけでもうテンションマックスである。

そして、歌詞の一部分にこういうものがある。
(以下一部抜粋)

The hammer of the gods will drive our ships to new land

神々の金槌よ、我らを新たなる土地へと誘え。

と言った所か。

これは、神のハンマーたるソーが、アスガルドの民を連れ、新たなる土地を求めexile(国外出奔)するラストをそのまま表わしている。

まさにテーマソングである。

まぁ、オーディンに「お前は何の神なのか?ハンマーの神か?(雷の神だろ!)」というセリフの後に、「The Hammer of the gods~」と続いていったのには流石にツッコまざるを得なかったが。

 

  • 復活!?ムジョルニア

しかし、肝心のソーのハンマーであるムジョルニア(トールハンマー、ミョルニル)が破壊されてるじゃないか、とお思いだろう。

ご心配の皆様、安心して下さい。
ムジョルニアは復活します!!

作中でソーが、「ムジョルニアは破壊された星の核を凝縮して作られた」というセリフがあった。

これは恐らく、「破壊されたアスガルドの核により、新しいムジョルニアが作られる」事の伏線のセリフと見た。

まぁ見てて下さい。

 

  • 出演者補足

本作の敵役、ヘラ役を演じたのはケイト・ブランシェット

『エリザベス』(1998)
『ブルージャスミン』(2013)等が有名だが、
なんと言ってもやはり、
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの「ガラドリエル」役が印象的だ。

本作のヘラはガラドリエルとは正反対のキャラクターだが、相変わらずお美しゅう御座います。

 

 

続篇とはどうあるべきか?

前作を観たファン向けに、ゴリゴリの一見さんお断りで作るか、
誰が観ても単純明快にスッと入れる作品にするか。

前者は『ブレードランナー2049』で、
後者は本作『マイティー・ソー バトルロイヤル』である。

本作は親しみやすい共感出来る映画として、主人公ソーのキャラまで変えている。

だが、この思い切った変更は正しい。

真面目でお堅いキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース。
女好き、金持ちで、厨二の憧れキャラ、アイアンマンことトニー・スターク。

彼等に比べ若干キャラが弱かったが、お茶目なドジっ子として新しい属性を手に入れたソーは俄然魅力的になった

今後の展開、
ラストの巨大宇宙船は敵か?味方か?
インフィニティ・ストーンを発見したロキの今後の動向は?
そして、インフィニティ・ウォーにて何が起こるのか?

今から楽しみである。

 

 

北欧神話が描かれている


スポンサーリンク

 

さて次回は、昔の夫が何を思い切ったのか自作小説を送って来た!?映画『ノクターナル・アニマルズ』について語りたい。