ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』第一章 第1話

「冬、来る」

北部、壁の向こう。黒衣の哨士が見つけたのはバラバラの惨殺死体。しかし、その死体が動き出し、哨士を襲った、、、

 

 

 

ゲーム・オブ・スローンズ(GAME OF THRONES)』はアメリカの放送局HBOが、ジョージ・R・R・マーティンの原作小説シリーズ『炎と氷の歌(原題:A SONG OF ICE AND FIRE)』を下敷きにTVシリーズ化した大河ドラマである。

第一章が開始されたのが2011年4月。
現在(2017年10月21日)は第七章まで放映され、原作小説の展開を先取り、全第八章のシリーズとして完結の予定だそうだ。

とうとうクライマックスが見えてきており、これから迎えるラストへ向けて、本ブログでも復習の意味を込めて各エピソードを振り返って見ていきたい。

 

『ゲーム・オブ・スローンズ』は主に3つのストーリーラインがある。

七王国の内乱

北部、「壁」が迎える驚異

デナーリス・ターガリエンの彷徨

 

この3つのストーリーが別々に進み、互いに少しずつ影響を与え合いつつ、そしてクライマックスでは恐らく重なるであろうと思われる。

それぞれが、権謀術数、嘘と裏切り、愛と欲望、名誉と合戦、に塗れた話であり、人間の負の部分と不条理な運命、
しかし、それに抗い困難な道を自ら切り拓こうという意思の力に満ちた物語である。

…とは言え、そこに各人の意思が交錯し、お互い譲らない事から次々を争いが起こるのが、イライラしつつ面白い所なのだ。

 

『ゲーム・オブ・スローンズ』は群像劇。
よって、ただエピソード解説をすると言うより、本ブログでは人物毎の行動をまとめる事で、ストーリーのおさらいをしたい。

しかし、今から始めるの第一章第1話はまだ道が分かれる直前の導入部である。
本エピソードの解説は、ストーリーを追ったものとしたい。

 

監督:ティム・バン・パタン
脚本:デビッド・ベニオフ、D・B・ワイス

 

 

以下、ストーリー解説


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  • ストーリー解説

壁の先にて
哨士がバラバラの死体を見つけるが、偵察隊の隊長の命令で現場まで戻るとその死体が無くなっていた。

死体は「青い眼」と持ち、動いていた。
たちまち哨士を襲い、2人が倒されるが、1人は逃げ出す。

ウィンターフェル
その哨士は「壁」に帰らず、報告もせず逃亡したため脱走者と見做される。
彼を捕縛したウィンターフェルは、掟通り斬首の刑に処する。
執行するのは城主のエダート・スターク
宣告者自らが刑を執行すべきという信念を持っている。
そして、哨士は最期の秋まで伝説の妖怪「ホワイト・ウォーカー」に怯えていた。

その帰り道、一行は牡鹿の死骸を発見する。
その近くの川縁には、相打ちとなったと思われる「大狼(ダイアウルフ)」の死骸もあった。
その側に群がる5匹の仔狼。
エダートは捨て置けと言うが、落とし子(私生児)であるジョン・スノウが指摘する。
スタークの兄弟は5人。
ここにいる大狼は5匹。
スタークの家紋は大狼。
この符号は無視出来ないと。

結局、エダートは自らが育てるという条件で、子供が大狼を飼う事を認める。
そして、ジョン・スノウは、傍らにはぐれていた真っ白い一匹を見つけ、自分の大狼とする。

ウィアウッドの森で、剣を清めるエダートの元に、キングズランディングからの知らせを伝えるキャトリン・スターク
妹の旦那であり、エダートの育ての親たるジョン・アリンが死んだ事。
そして、王がウィンターフェルへやって来る事を告げる。

壁登りが得意なブランドン・スタークが真っ先に王の隊列を発見する。
七王国の王、ロバート・バラシオンとその一行を迎えるスターク一家とウィンターフェル城の面々。
王妃サーセイ・ラニスター、その双子の弟ジェイミー・ラニスターやプリンスジョフリー・バラシオンもロバート王に同行していた。

一方、ラニスターの弟、子鬼(インプ)と言われるティリオン・ラニスターは早速娼館に潜り込んでいた。

ロバートは着くなりスターク家の地下墳墓を参る。
そこでロバートは死んだジョン・アリンに代わり、エダートに「王の手」となるよう要請する。
また、自分の息子とエダートの娘との縁談話を提案する。
地下墳墓にはエダートの妹であり、ロバートがかつて愛したエリン・スタークの墓があった。
エリンを殺したのはレイガー・ターガリエン。
そして、ロバートは未だに怒りを秘めており、ターガリエンの一族を根絶やしにしたいと思っていた。

狭い海の向こう、ペントス
マジスター・イリリオの元に身を寄せる、デナーリス・ターガリエン
兄のヴィセーリス・ターガリエンは平原の騎馬民族であるドスラク人の王、カール・ドロゴに妹を妻合わせる事で、彼の軍を手中にし、七王国を奪還するという夢を描いていた。

ウィンターフェルでは歓迎の宴が催されていた。
落とし子であるが故、宴席から排除されたジョン・スノウ。
そんな彼を、黒衣の一人、叔父のベンジェン・スタークが発見する。

二人の会話を聞いていたらしいティリオン・ラニスター。
彼は「壁」を見てみたいと言う。
そしてジョンに、「立場を忘れず、それを鎧としてまとえば弱点にならない」とアドバイスする。

夜、寝室で休むエダートとキャトリンの元に、学匠ルーウィンが知らせを持ってくる。
キャトリン宛てのその知らせは、王都から逃亡した妹ライサ・アリンからの物だった。
その手紙には、「ジョン・アリンの死因はラニスター家の陰謀。王も危うい」とあった。
エダート・スタークは苦悩する。
「王都に召された父上と兄上はどうなりましたか?」
「ラニスターの陰謀を止められるのは閣下だけです、、、」

ペントスでのデナーリスとカール・ドロゴの結婚式。
七王国の歴史書と歌の本を持ってやって来たのはサー・ジョラー・モーモント
デナーリスの父に仕えていたと言う。
イリリオの贈り物は化石化したドラゴンの卵(黒、白、緑)。
カール・ドロゴは白馬を贈った。

ウィンターフェルでは狩りの準備が整えられていた。
エダートはロバートの要請を受け入れる。
ロバートはエダートに、お前が自分に残された唯一の親友だと告げる。

狩りに参加出来ないブランドンは壁を登り、寂れた場所で密通するサーセイとジェイミーを目撃する。
ジェイミーはブランドンを捕まえ、「愛の為だ」と言い窓から突き落とす。

 

  • 主要登場人物

ウィンターフェル

エダート・スターク
ウィンターフェル城城主。

キャトリン・スターク
エダートの妻。タリー家出身。

ロブ・スターク
スターク家の長男。16歳。

サンサ・スターク
スターク家の長女。
夢見るおひめさま。

アリア・スターク
スターク家の次女。活発。

ブランドン・スターク
スターク家の次男。
壁登りが得意。

リコン・スターク
スターク家の三男。

リアナ・スターク
故人。エダートの妹。

ジョン・スノウ
エダートの私生児。
ロブと同い年。

学匠ルーウィン
ウィンターフェルの学匠。

ジョリー・カッセル
衛兵隊長。

サー・ロドリック・カッセル
武術指南役。

シオン・グレイジョン
パイク出身。

司祭女モーデイン
サンサ、アリアの教育係。

王の一行

ロバート・バラシオン
七王国の王。

サーセイ・ラニスター
王妃。ラニスター家出身。

ジョフリー・バラシオン
太子(プリンス)。冷淡。嗜虐的。

ミアセラ・バラシオン
長女。

トメン・バラシオン
次男。

ジェイミー・ラニスター
サーセイの双子の弟。
「王の楯」の一員。
キング・スレイヤーとあだ名される。

ティリオン・ラニスター
サーセイ、ジェイミーの弟。
小鬼(インプ)とあだ名される。

ハウンド
本名サンダー・クレゲイン。
ジョフリーの護衛。
顔の右半分に火傷の痕がある。

キングズランディング

ジョン・アリン
故人。王の手であったが、その死に秘密が、、、?

エッソス

デナーリス・ターガリエン
ターガリエン家の女子。

ヴィセーリス・ターガリエン
王を夢見る青年。

イリリオ・モパティス
豪商(マジスター)。

カール・ドロゴ
騎馬民族ドスラク人の王(カール)。
敗北を知らない為三つ編みが長い。

サー・ジョラー・モーモント
奴隷売買に手を染め、家名を汚しお尋ね者となった。

 

  • 用語解説

冥夜の守人
ナイツ・ウォッチ。
「壁」にて北から来る驚異から人類を守る楯。
生涯独身を貫く。

大狼
ダイアウルフ。名前の通りの大きい狼。
どうやらスターク家と因縁がある様だが、、、

鉄の玉座
キングズランディングにある玉座。
征服された者達の剣を溶かして作られたと言われる。

王の手
王に代わり、国を治める、その代理人。

王の楯
王を守る護衛。生涯独身となる。

落とし子
バスタード(bastard)。私生児。

野人
「壁」の向こう側に住む人間。

学匠
メイスター(Maester)。
「知識の塔(シタデル)」にて学問を修め、その証としてリングを首輪としてまとう。

ウィアウッド
ウェスタロスに自生する木。
かつては国中で「古い神々」の顔が掘られ、信仰されていたが現在では北部にしか残っていない。

 

 

まずは何やら起こるという予感をはらませつつ、衝撃の展開で終わる第1話。ここから、徐々にスターク家が分かたれて行き、各人の道を歩み始めるのだが、それはまた、次のお話

 

 

こちらは原作本。分厚い上、下巻からなる。

 

 


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さて次回は、権謀術数もあるアクション映画『アトミック・ブロンド』について語りたい。