ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』第一章 第7話

『ゲーム・オブ・スローンズ』第一章第7話について解説したい。
第6話はこちら。

遂にジョン・アリンの死の真相を突き止めたエダート。
しかし、その情報をどう扱うかが重要なのだ。

 

監督:ダニエル・ミナハン
脚本:デビッド・ベニオフ&D・B・ワイス

 

 


スポンサーリンク

 

 

何処かの陣地での戦準備、テントが張られている。
タイウィン・ラニスターが鹿をさばきながら、ジェイミー・ラニスターと語る。
王都へ出頭する気はさらさら無い。
ティリオン奪還の必要性を説く。
家名こそが大事なのだと持論を展開し、ジェイミーに兵を与える。
「ラニスターは借りを返す」、キャトリンの出身地タリー家へ攻め入れと言う。

 

  • エダート・スターク

キングズランディング
レッド・キープの中庭
真相を知ったエダートはサーセイ・ラニスターに、王に報告するのでその前に子供を連れて逃げろ勧める。
サーセイはそれを聞き入れず、
「王位争奪戦では、勝つか死ぬしかない」と言う。

取り乱したレンリー・バラシオンがエダートを呼びに来る。
ロバートが狩りで腹をイノシシに突かれたのだと言う。
エダートが見舞うと致命傷だった。
ロバートは自らの死を察し、人払いしてエダートに遺言書を書かせる。
ロバート死後は息子ジョフリーが成人するまで、エダートが王土の守護者として七王国を治める、と言い、署名する。
しかしエダートは「息子ジョフリー」の部分を「正統な後継者」と書き換えていた。

王の御前を辞したエダート。
ヴァリスが尋ね、サー・バリスタン・セルミーが答える所によると、王を酔わせたのは従者のランセル・ラニスターであるらしい。

レンリーが待ち伏せしていた。
レンリーはサーセイの先手を打ち、ジョフリーを確保すべきだと主張する。
しかしエダートは正当性を主張し、スタニス・バラシオンの継承順位が一番であると言い、レンリーの提案をはねつける。

部屋でスタニス宛ての手紙を書き、部下に渡す。
ピーター・ベイリッシュ公がやって来る。
ベイリッシュ公はラニスター家と和解し、ジョフリーを擁立、無能ならレンリーを立てようと提案する。
「王の手」であり「王土の守護者」は全ての権力が手の届く範囲にあり、それを掴むべきだと言う。
敵と和解しなければ、平和は訪れないというベイリッシュ公。
しかし、エダートはあくまでスタニス擁立を主張する。

エダートがベイリッシュ公を呼んだのは、
サーセイ擁するラニスターの軍に対抗する為、「王都の守人」を掌握せんが為。
ベイリッシュ公は金払いがいい方に付くだろうと言う。

エダートが伝令が来る。
ロバートが死に、ジョフリーが玉座に、サーセイが摂政太后として呼んでいると言う。

その途中ベイリッシュ公、ヴァリスと合流。
ベイリッシュ公は手配出来たと言う。
レンリー公はこちらに付いたかと聞くと、ヴァリスの言うには今朝早くサー・ロラス・タイレルと共に数人の兵を連れて南へ向かったとの事。
「王都の守人」の長ジャノス・スリントと目配せする。

玉座の間
ジョフリーとサーセイはエダートに忠誠を求める。
エダートはロバートの遺言をサー・バリスタン・セルミーに渡し、読み上げて貰うが、サーセイはそれを破り捨てる。
エダートはジョフリーに継承権は無いと言い、「王都の守人」に王妃と子供達を確保しろと命令する。
しかし、「王都の守人」はスターク勢を虐殺、ベイリッシュ公はエダートに私を信用するなと言ったでしょう(第一章第4話)、とうそぶく。

 

  • ジョン・スノウ


上部にて見張りをしているジョンとサム
騎馬のみが一騎戻って来る。
ベンジェン・スタークの安否を気遣うジョン。

モーモント総帥による訓示。
黒衣の新人一同は誓約の後、「冥夜の守人」となる。
ジョンは哨士希望であったが、雑士に任命、モーモント総帥のお付きとなる。
ジョンはふてくされるが、サムは言う。
総帥お付きという事は、事態の推移を全て見るという事、後継者候補なのだと気付かせ、大事な立場だと気付かせる。

「壁」の外、ウィアウッド「心の木」の「古の神々」の前で誓約し、「冥夜の守人」となったジョンとサム。
一緒に外に出ていたゴーストが人の左手を咥えて戻って来る。

 

  • デナーリス・ターガリエン

ヴァエス・ドスラク
デナーリスは「鉄の玉座」について語るが、カール・ドロゴは海の向こうの事には興味が無い様子。

市場にて、デナーリスは説得してくれとサー・ジョラー・モーモントに頼むが、ジョラーはドスラクの流儀があるから、時機が来るまで待てと言う。
ジョラーは手紙を取りに行くと単独行動をする。
「蜘蛛(スパイダー)」からの伝言、恩赦で国に帰れるとの事。
ジョラーはデナーリスにワインを勧めていた男に、自分で飲んでみろと迫る。
男は逃げ出し、捕まる。

デナーリスが刺客に狙われたと知ったドロゴは、逆に七王国に攻め入り、鉄の玉座を息子にプレゼントしてやると宣言する。

ドロゴの部族はヴァエス・ドスラクを出発する。

 

  • 新キャラ紹介

キャスタリー・ロック

タイウィン・ラニスター
キャスタリー・ロックを預るラニスター家の当主。
サーセイ、ジェイミー、ティリオンの父。

キングズランディング

ジャノス・スリント
「王都の守人」の長。
初登場は第一章第4話
小評議会にて、槍試合で人が増え治安が悪化していると陳情していた。

 

  • 新用語解説

「心の木」「古の神々」
ウェスタロスに「最初の人々」が入植する前、「森の子ら」によりウィアウッドに「古き神々」の顔が掘られていた。
「最初の人々」は「森の子ら」に倣ってそれを信仰し、ウィアウッドの森の中心にある「心の木」を儀式や宣誓を行う聖地として祀っていた。

エッソス

蜘蛛(スパイダー)
ヴァリスの事、もしくはヴァリスが使うスパイ組織の事。

 

王の逝去に伴い、玉座の争奪戦がいよいよ始まる。
エダートは法と正義に基づいた名誉ある行動を目指すが、周りに居るのは妖怪ばかり。

しかし、果断に行動すれば全ての権力が握れたハズだった。
タイミングは2つ。

レンリーの提案通りに、まずジョフリーを確保すべきだった。
これはスピードにより電撃的に制圧する方法

もしくは、ベイリッシュ公の言う通りラニスター家と和解すべきだったのだ。
これは権謀術数が絡むきな臭い方法だ。

敵と和解しなければ、平和は訪れない
しかし、それが出来ないから、世の中から戦争は無くならない。

エダートは、国が割れる事になろうとも、正義と名誉に拘った。
しかし、結果としては支持を得られず権力闘争に敗北する事になる。

最後に支持を得られなかったのは、ベイリッシュ公の私怨か?
それとも、真面目過ぎて神輿に担ぐには重すぎると判断されたか?

ヴァリスからの忠告も無く、陰謀家からは見捨てられた形となった。

一方、海の向こうのでは、暗殺計画が逆に侵略への契機となる皮肉な事態を起こす。
しかも、「密告者」ジョラー・モーモントが「転向」し、デナーリス側に付く。
彼の複雑な心情と立場も今後の注目点である。

そして、印象的なのは、
名前だけは出ていたキャラクター、
タイウィン・ラニスターの満を持した登場である。

息子に説教をしながら鹿を捌いていたタイウィン。

原作では、サムウェル・ターリーと父とのエピソードだったが、
ドラマではジェイミーとタイウィンの会話劇に置き換えられている。

詰め込めなかった魅力的なエピソードを、
タイウィン紹介時に使った印象だが、

その一方、
ラニスターが鹿を捌くというのは、
バラシオン家(家紋が鹿)の崩壊を暗示している様で、
なんだか意味深なシーンである。

さて、激動の第7話エダートとスターク家の運命は?

それは次回のお楽しみ。

 

 

原作本も激動、そして分厚い!

 


スポンサーリンク

 

次回は『ゲーム・オブ・スローンズ』第一章第8話について解説したい。