『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章
第2話「粛正」について解説したい。
王都キングズランディングにて我が物顔に振る舞うジョフリーやサーセイにとっては、正に「獅子身中の虫」たるティリオンのゲームが始まる。
監督:アラン・テイラー
脚本:デヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイス
スポンサーリンク
オープニングのCGアニメーションに変化があったのはご存知だろうか?
キングズランディングやウィンターフェル、「壁」、ヴァエス・ドスラクに加え、
今回からドラゴンストーンとパイクも新しく追加されている。
そこにもご注目頂きたい。
-
キングズランディング
王の手の執務室から居室に戻ったティリオン・ラニスター、(05:48)
そこでシェイとヴァリスが話し込んでいる場面に遭遇する。
早々に弱点を掴まれ、ティリオンは気に入らない。
小評議会、(08:18)
ロブ・スタークからの和睦の手紙をサーセイ・ラニスターは破り捨てる。
上級学匠パイセルは、「壁」からの手紙を取り出す。
そこには人員不足の窮状と、死者に襲われたという異常事態について書かれていた。
総帥ジオー・モーモントの人柄を知るティリオンはこれは事実だろうと発言するが、サーセイは一笑に付し、人員は王都にこそ必要だとうそぶく。
ベイリッシュ公の娼館。(19:55)
ロスは赤子殺しの場面を目撃し意気消沈しているが、そんなロスにベイリッシュは「働かない者は必要ない」とほのめかす。
ティリオンとジャノス・スリントが会食。(24:17)
「王都の守人」を使い赤子を殺して回り、王都の治安紊乱を引き起こしたジャノス・スリントを責め、「壁」への追放を宣告するティリオン。
王の手の執務室。(43:32)
ジャノス・スリントを追放したティリオンに文句を言うサーセイ。
ティリオンは人民から不満の声が上がっているとサーセイに言い、赤子殺しの命令を非難する。
しかし、サーセイの様子から、それはジョフリーが独断で下した命令だったと察する。
ティリオンは大変な事になるのではと不安がる。
-
ヨーレンの徴発隊
王の道を北へ向かう途上。(01:58)
アリア・スタークは檻の中の凶悪犯、ジャクェン・フ=ガーに話しかけられる。
金マント(王都の守人)が追いついてきて、身柄の引き渡しを命じる。
ヨーレンは黒衣には王権が及ばないとこれを拒否、追い返す。
金マントはジェンドリーを探している、次は大勢で来ると捨て台詞を残して去る。
アリアは経緯を尋ねる。(28:03)
だが、ジェンドリーは質問すると不幸になると言う。
「王の手」であったジョン・アリンとエダード・スタークが自分に質問した後死んだからであった。
ジェンドリーは逆にアリアに経緯を尋ね、彼女が「女の子」である事と関係があるのかと聞く。
アリアは口止めを約束させ、自分がスターク家だと告白するが、レディだとからかわれる。
-
パイク
パイクへ向かう船上。(17:35)
シオン・グレイジョイは船長の娘を手籠めにし、皆が後継者の帰還を待っていると語る。
波止場へ上陸。(32:00)
シオンは9年ぶりの帰還。
しかし、迎えなど一人も居らず、波止場は平常運転。
シオンはパイクへ行くという女性に話しかけられ、彼女の馬に相乗りして向かう。
パイク城。(35:05)
父、ベイロン・グレイジョイと再会したシオン。
ベイロンはシオンの服装や言動からスターク家の影響を感じ取り不機嫌。
シオンは後継者の自分が艦隊を率い、ロブの敵と戦うと言うがベイロンは取り合わない。
そこへ、先の女性が入って来る。
彼女はシオンの姉のヤーラ・グレイジョイであった。
ベイロンは、後継者はヤーラであり、王冠は奪うものだとシオンに言う。
単独でラニスター家とは戦えないとシオンは言うが、狙いは別にあるとベイロンは聞き流す。
-
ドラゴンストーン
浜辺にて、(39:13)
ダヴォス・シーワースが昔馴染みの海賊を訪ね、船の拠出の確約を得る。
会議室。(46:05)
ダヴォスはスタニス・バラシオンに30隻の船が加わると報告する。
ダヴォスとマットスの退出時、メリサンドルは「炎による死こそ純粋な死」と告げる。
戦力不足に悩むスタニスに、メリサンドルは「炎の中に勝利の道を見た」と告げ、それには身を捧げる必要があると言う。
メリサンドルはスタニスを誘惑し、妻を裏切る不義の行いへと誘う。
-
「壁」の北
クラスターの屋敷。(10:23)
サムウェル・ターリーはクラスターの娘の一人ジリと出会い、彼女を逃がせないかとジョン・スノウに相談するが、無理だと言われる。
ジリは妊娠しており、「赤子が男子だったら」と言いかけて立ち去る。
夜。(49:58)
ジョンはクラスターが何かを抱え森へ入るのを目撃し後を付ける。
クラスターが置いていったのは、赤子であった。
その子を青い目の存在が連れ去るのを見たジョンだが、直後、クラスターに襲われる。
-
エッソス
赤い荒野。(14:42)
馬が帰って来るが、乗り手は居らず。
ラカーロの生首のみであった。
-
新キャラ紹介
キングズランディング
ポドリック・ペイン
ティリオンの従者。
少々ドジらしいが、ティリオンは気に入っている。
ヨーレンの徴発隊
ジャクェン・フ=ガー
檻の中の凶悪犯の一人。
アリアに興味がある?
ロージ
檻の中の凶悪犯の一人。
バイター
檻の中の凶悪犯の一人。
歯がギザギザ。
ホット・パイ
太っちょの子供。
ロミー
金髪の子供。
パイク
ベイロン・グレイジョイ
かつてロバート王に反旗を翻し、エダード・スタークやスタニス・バラシオン等とも戦った。
しかし、反乱は失敗に終わり、長男と次男は死亡、残った息子であるシオンはウィンターフェルへ半ば人質として送られた。
ヤーラ・グレイジョイ
シオンの姉。
男を率い、男を殺し、ベイロンからは後継者と目されている。
原作での名前はアシャ。
オシャと名前がゴッチャになるから変更されたと思われる。
「アシャとオシャ名前も似ている」
-
用語解説
金マント
「王都の守人(シティ・ウォッチ)」の俗称。
しかし、マントは金と言うよりくすんだ薄茶色に見える。
海を望む東の物見
East Watch by the Sea.
「壁」の拠点の一つ。
王都において金獅子ラニスターの暴虐を食い止めるのは、同じラニスター。
ティリオンの改革が始まる。
と言うより、ティリオンは「父に認められた」という高揚感から、軛無しに権力ゲームを楽しんでいる風も感じられる。
ジャノス・スリントの追放は、金マントを自らの手中に収める(=サーセイの好きに動く兵隊を減らす)為、また、
「赤子殺し」の指揮官であった彼を更迭する事で民衆の不満を和らげる目的があった。
しかしこの暴虐は、ジェフリーの命令であった。
彼は、サーセイとジェフリーの不義の噂に怯え、自分に正統な王位継承権が無いかも知れないという疑心暗鬼から(事実ではあるが)、
ならば他の子供を皆殺しにすれば問題無いと暴走するに至ったのだ。
苛烈な王位継承問題においては正しい判断かも知れない。
しかし、民衆に恐怖を撒き散らす事は、そのまま自分に返ってくる。
ティリオンはそれを恐れているのだ。
そして、意気揚々とパイクに乗り込んだシオン、その当てが外れる様子が哀しくも面白い。
シオンを「未来の王」と歓迎してくれるのは行きずりのヤリマンしか居らず、父も姉も民衆も誰も、今更彼の事など歯牙にもかけない。
何の実績も無い者が、「俺を敬え」と乗り込んだ所で、聞く耳は持たれない。
しかし、シオンにとっては望まぬ追放からの帰還であり、歓迎されてしかるべきとの思いがあった。
このシオンと周りの認識の齟齬が厳しい現実を見せつける様が面白いのだ。
今後、彼が何を思いどう行動するのか?
それも見所の一つであり、それは次回以降のお楽しみである。
……ちなみに、(20:33)のシーンは笑える。
不都合な真実を見せられた感じだ。
huluなら固定料金にて見放題、2週間無料サービスも利用可能
スポンサーリンク
次回は、『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章第3話「鉄の決意」について解説したい。