漫画『アイアン・ゴーストの少女』三家本礼(著)感想  巨乳三白眼が繰り広げるホラー・アクションの開幕!!

 

 

 

「アイアン・ゴースト」。霊的金属を器とし、その「容器」と「霊体」が結合した状態をそう呼ぶ。そして高校1年生の甘里ミオは、そのアイアン・ゴーストを狩る処刑人であり、自らも「ゴースト・リッパー」を操っていた、、、

 

 

 

 

作者は三家本礼
一貫してホラー・アクションを描き続けるぶれない作家である。
代表作に
『ゾンビ屋れい子』
『巨乳ドラゴン』
『サタニスター』
『血まみれスケバン・チェーンソー』等がある。

 

ぶれない作家のぶれない新作。
『アイアン・ゴーストの少女』も勿論、

ホラー・アクション作品である。

 

人死に、首チョンパは当たり前。
だってアクションだもの、しょうがないじゃない。

そして今回の「アイアン・ゴースト」という能力。
漫画読み風に分かり易く例えると、

ジョジョのスタンド+
からくりサーカスのマリオネット

 

といった印象だ。

処刑人である甘里ミオが自らのアイアン・ゴーストである「ゴースト・リッパー」を駆り、敵の集団との戦いの端緒が開かれるのが本巻の展開。

ストーリーの本格始動は次巻からだが、
本巻でもいつもの三家本節は健在。

ホラー、
アクション、
そして独特のブラック・ユーモア!

 

これらが好きな人なら間違い無く『アイアン・ゴーストの少女』は楽しめる。

傍流のメインストリームを行く作家、三家本礼の新作は面白いのである。

 

 

  • 『アイアン・ゴーストの少女』のポイント

ホラー・アクション

スタンド+人形バトル

マジなのか、ギャグなのか?そのスレスレを行くブラック・ユーモアの数々

 

 

以下、三家本作品の特徴と今後の展開の予想を語ります

 


スポンサーリンク

 

  • 巨乳サイコジェニー

三家本礼はぶれない作家。

本作でも描かれるのはバイオレンス・ホラー・アクションである。

その他の点でも、作品間に共通点がある。
それは、
1:巨乳女性が主人公
2:目の表現が独特
という点である。

 

  • 巨乳の必要性

『ゾンビ屋れい子』『巨乳ドラゴン』『サタニスター』『血まみれスケバンチェーンソー』。
これら作者の作品の主人公は全て、並以上の巨乳パワフル・ウーマンが主人公である。

本作の甘里ミオも巨乳であり、表面的な丁寧さの裏には容赦の無いヴァイオレンスが潜んでいる。

三家本礼の連載デビュー作は『ゾンビ屋れい子』。
少女漫画誌『ホラーM』出身であるので、読者層に合わせて主人公が女性であった。
その習い性で、今も女性が主人公なのだろう。

それが巨乳なのは…作者の趣味かな?
そして、その女性がパワフルなのは、漫画のジャンルがそうだからだ。

ヴァイオレンス・ホラー・アクション。
主人公は敵や困難に直面し、生き残らなければならない。つまり、サバイバルの必要性がある。

漫画なので「巨乳美女」というアイコンが与えられているが、
その精神的性質は正しく、映画『エイリアン』や『ターミネーター』等のバトルヒロインの系譜に属している。

そのパワフルさを強調する見た目のインパクトとして、三家本作品の主人公は皆、巨乳なのである、タブンネ。

 

  • 呪いの目

三家本作品の女性の目は独特だ。

モブキャラはそうでもないが、
ちょいキャラ→
敵キャラ→
主要人物→
主人公
と、重要度が増すにつれ、目の書き込みに異様な執念が宿って行く

そう、三家本作品の女性キャラは、睫毛の数が多い程強いのだ。

巨大な瞳は三白眼、睫毛ギラギラのこの特徴的な書き込みは一体なんなのだろうと、長年謎だった。

この謎が氷塊したのは、いつか何処かで読んだ作者のインタビュー記事である。
(出典が定かではありませんが、事実のハズです)

作者・三家本礼は、女性キャラを描く時に、『デビルマン』に出て来たキャラクターである「サイコジェニー」のフィギュアを見ながら描いていると言うのである。

「サイコジェニー」は眼力だけで相手を催眠術にかける悪魔。

作者が実際にサイコジェニーを見ながら描いているのか、リップサービスが多分に含まれているかも知れないが、ともあれ作者はサイコジェニー並の眼力を宿す為に主人公の「目」をああいう描き方にしたというのが窺い知れる。

そして実際、あの「呪いの目」を見るのは、三家本作品を読む楽しみの一つであるのだ。

 

  • 「アイアン・ゴースト」はこうなる!?

本作『アイアン・ゴーストの少女』は、いわゆる能力系バトル漫画である。

その中でも、ジャンルは「召喚士(サモナー)」系の能力を使うタイプである。

「サモナー系能力」は、正確には「異種族を召喚して意のままに使役する能力」であるが、
ここでは「自分の肉体以外の代替物を使用して戦う能力」の総称としての意味で使用させて頂きます

代表的な作品で、
『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドや、
『からくりサーカス』のマリオネット、
そして、三家本礼の『ゾンビ屋れい子』の召喚ゾンビもあげられる。

本作では「アイアン・ゴースト」という代替ボディでバトルするのだが、その設定は本巻で明かされている部分だけでも面白いものがある。

1:霊魂を代替ボディに詰めるので、バトルが派手に出来る

生身では即死レベルの攻撃をお互いが耐える様になるので、バトルシーンが派手に出来る。
相手を倒すには、「霊体」が宿る「容器」をバラバラにしたり、爆破したり、粉々に砕いたりといった徹底的な破壊が必要になるのだ。

2:「生身の肉体」という弱点がある。

能力は強いだけでは面白くない。
それなりの制約があった方が逆に面白いのだ。
本作では、「霊体」が抜け出た生身が無防備である点である。
その為、本作では1巻から既に「生身を捨てた」キャラクターが存在する。

弱点が無いなら無敵に見えるが、実は倒されたら一巻の終わりであるという点では生身と同じであるとも言える。
一方、生身があればアイアン・ゴーストが倒されても「霊体」が帰る本体があるので、自分の「消滅」までは行かない。

なので、バトルをする場所から生身は適度に遠ざけつつ、しかし、やられた時には速やかに帰還できる程度の距離を保つ必要がある。

当然生身が人質として狙われる状況も出て来るので、それとの兼ね合いも考えねばならないだろう。

3:能力は成長する。

「霊的金属」と「霊体物質」の化学反応で成長すると明記されている。

これはつまり、能力のバージョンアップに留まらず、見た目の変化も示唆されていると見る事が出来る。

「能力バトル」において、個々人の能力をキッチリ定め緻密さを読ませるのも面白いが、
本作の様に、伸張性を持たせたままの「緩い設定」であった場合は、その後の展開が如何様にも出来る自由度が生まれる

 

さて、これらの設定を活かし、今後どの様な物語が展開して行くのか?

勿論、いつもの如くに血塗れヴァイオレンス・ホラー・アクションが見られるのであろうが、大いに期待して続巻を待ちたい。

 

 


スポンサーリンク

 

さて次回は、悪をやっつけて世界を救うのは俺だ!?映画『ダークタワー』について語りたい。