漫画『GIGANT(1巻)』奥浩哉(著)感想  再び始まる!厨二による、厨二の為のストーリー!!

 

 

 

高校生の横山田零の父親は映画のプロデューサー、自身も自主製作の映画を作っていた。可愛い同級生に出演を依頼するも、断れる。そんなある日、「この街にAV女優のパピコが住んでいます」という張り紙を発見する、、、

 

 

 

 

著者は奥浩哉
『GANTZ』
『いぬやしき』の大ヒットが記憶に新しい。
他の著作に
『変[HEN]』
『め~てるの気持ち』がある。

 

現代のヒットメーカー、奥浩哉。

CG作画を全面的に漫画に取り入れた第一人者であり、

厨二ストーリー、巨乳キャラと独特の作風が魅力的な作家です。

集英社で『GANTZ』、
講談社で『いぬやしき』と、
続けざまにヒットを飛ばした著者が今度は小学館から贈るのが、
本作『GIGANT』です。

 

さて、その作風は本作でも健在、

厨二の妄想爆発ストーリーが展開されます。

 

高校生がAV女優と知り合いになる!?

その一方で、謎のアンケートサイトの投票が、現実になる!?

流石、奥先生!!
俺たちの妄想をいとも簡単に具現化してくれる!!
そこにシビれる!あこがれるゥ!!

 

誰もが、ふと妄想した事を、

SF的なストーリーで具現化する、この

日常と非日常の妄想の融合

 

こそが、奥浩哉の持ち味。

物語は、これからどの様に盛り上がるのか!?

ヒットメーカーの最新作、
刮目して、期待したい作品です。

 

 

 

  • 『GIGANT』のポイント

高校生男子 ミーツ 巨乳AV女優

巨大娘

ネットの流言飛語が現実に!?

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


スポンサーリンク

 

  • いつもの奥先生!!

ヒットメーカー奥浩哉。

厨二の妄想を具現化した様な過激な内容で、
『GANTZ』『いぬやしき』とヒットを飛ばしてきました。

本作『GIGANT』でも、その作風は変わりません。

 

中高生男子が一度は妄想したであろう事、
「AV女優と知り合いになりたい」
「個性的な境遇の人と、純愛を育みたい(あわよくばエッチしたい)」

こういう童貞の妄想ストーリーを具現化するのが、
本当に上手いです。

 

こういう日常の妄想を拾い挙げる一方で、
SF的な大ネタを使うのもまた奥先生のもう一つの作風。

今回は、ネットのアンケートサイトの投票結果が具現化するという、
まるで都市伝説の様な、現代の怪談的なネタをSF的に描いています。

 

『GANTZ』のカタストロフィ、
『いぬやしき』の巨大隕石、

こういった、「人類破滅ネタ」を過去にクライマックスで使ってきましたが、

本作では、1巻から、イキナリ終末が待った無しで始まった感覚があります。

いつものネタを扱いながら、
スピーディーに新しい展開にも挑戦する。

この姿勢こそが、ヒットメーカーの所以なのだと思います。

 

さて、いつもの奥先生と言えば、

主人公の部屋に小ネタが詰まってる、
メインキャラ以外は、リアルな感じの顔の造型、
会話のテンポのチャラさに、独特なユーモアがある、
唐突に挟まれる犬のコマ、

等々、色々な様式美があります。

読んでいて、こういうの出会うのも、ファンの楽しみ、
本作でもそれは健在なのです。

 

  • 巨大娘

本作のヒロイン、ちほ(源氏名パピコ)。

家族はちほの稼ぎにぶらさがっており、
そして、彼氏はDV気味のヒモ。

まるで、絵に描いた様なAV女優の境遇(のイメージ)です。

ヒモの彼氏がイキってるガリガリなのもポイント高いです。

過去作では、
主人公のカーストが、社会的には低位と見做されていましたが、
本作ではヒロインがその様に見られています

 

さて、そんな不幸な(?)境遇に居る彼女を分かってあげるのは、
自分しかいない!!

みたいな、童貞の心理的マウントを具現化した様なキャラ、パピコ。

ピンクの髪に、くりくりお目々、口元と目元のほくろに、人懐っこい性格、巨乳と、
これでもかとキャラ付けがぶち込まれています。

本作のヒロインは彼女で確定だと思われますが、
ちほには更に特徴的なキャラ付けがなされています。

それは「巨大娘」という属性です。

 

世の中には、色々な「萌え」というか、
「属性」の好みがあります。

「ネコミミ」が好きな人もいれば、
「メイド」が好きな人もいます。

そして、
男性には自分よりデカい「巨大娘」が好きな人も居るというのです。

漫画で言うと、先ず思い出すのは、
『The かぼちゃワイン』のエルちゃん事、朝丘夏美ですね。

別にエルと言っても甘い物が好きで、キラを追う名探偵という訳では無く、
小柄な男子・青葉春助にゾッコンの高身長女子であり、
二人のラブコメを描いた作品でした。

 

さて、『GIGANT』ですが、
ヒロインのちほはまるで『GANTZ』の星人みたいな変なおじさんによって、
謎のガジェットを右腕に付けられてしまいます。

これの目盛りをアップすると、自身の体も巨大化。

周りも自分も一瞬ビビりながらも、
それを抵抗なく軽いノリで受け入れる当り、いつもの奥作品です。

巨大化して、服が破れて丸裸。

ハルクの様に、下半身のズボンだけ都合良く残るという事もありません。

丸裸でも、一般人より余計な恥じらいが無いあたりに、
AV女優という設定が活きて(?)います

 

巨乳どころでは無い、

巨大ヒロインというジャンルに踏み込んだ野心作『GIGANT』!!

ちほの活躍から、眼が離せません。

 

 

 

さて、今後の展開ですが、

オジサンの記録映像によれば、
「衛星軌道上にギガストラクチャーがある」
とのセリフがあります。

つまり、
「宇宙空間に巨大な建造物がある」
という意味です。

さらに、オジサンの記録映像のメディアに記載されていた、
「超(ULTRA)」の文字。

これってつまり、
ちほがウルトラマン的にデカくなって、何かと戦うという伏線なのでは!?

DVヒモ彼氏と殴りあって、打撃にも慣れている(?)し、
裸でデカくなることに抵抗無い様だし、

後々はビル並に巨大化し、
ギガストラクチャーから送り込まれる何かと戦う?
何て事も起こり得ます。

それが、ETE(enjoy the end)とどう絡んで来るのか、
それが今後の見どころなのだと思います。

 

 

オジサンの目的は何だったのか?

ETEの予言は何故現実になる?

衛星軌道上のギガストラクチャーとは?

そして、零とちほの関係はどうなる?

新たな巨大ヒロインが紡ぐ、
セカイ系の物語となるのか!?

奥浩哉の新作、『GIGANT』、
本作もやっぱり、期待大で次巻が楽しみなのです。

 

 

 


スポンサーリンク