映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』感想  これが正統な続篇だ(自称)!!まぁ、いつもと同じなんですけどね!!

サラとジョンの親子の活躍により、スカイネットは破壊され、人類は救われた…ハズだった。
22年後、現代、メキシコシティ。そこで暮らすダニー・ラモスの元に2人の人物が現われる。
片方は、強化人間のグレース。もう片方は、AIが送り込んだ「REV-9」。
グレースはダニーを守る為、REV-9はダニーを殺す為、共に、未来からやって来たのだった、、、

 

 

 

監督は、ティム・ミラー
『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)の、あの、有名なタイトルシークエンスを手掛ける。
長篇映画監督としては、
デッドプール』(2016)を手掛ける。
本作が、長篇映画2本目の監督作。

 

出演は、
サラ・コナー:リンダ・ハミルトン
T-800:アーノルド・シュワルツェネッガー
グレース:マッケンジー・デイヴィス
ダニー・ラモス:ナタリア・レイエス

REV-9:ガブリエル・ルナ 他

 

 

1984年に公開された『ターミネーター』。
そして、
1991年に公開された『ターミネーター2』。

この2作のインパクトは、
そりゃぁもう、凄かった。

特に『ターミネーター2』は、
恐らく、現代の35歳以上のクリエイターに、
絶大な影響を与えた作品と言っても過言ではないでしょう。

私なんかは、
「T2」を観たのはレンタルビデオですが、
一度観て、面白過ぎて、直ぐにもう一度観て、
翌朝、またもう一回観たというヘビー・ローテーションぶり。

それ程の衝撃でした。

 

この『ターミネーター2』、

そして、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)、
『ドラゴンボール』の人造人間篇の影響で、

現代、
量子論を元ネタにした並行世界モノが、
多数、フォロワーとして作られているのです。

 

さて、翻って、
その続篇、
『ターミネーター3』(2003)
『ターミネーター4』(2009)
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)は、

まぁ、それなりに面白かったですが、
「1」や「2」と比べると、
インパクトが失われていました。

 

そして、本作、
『ターミネーター:ニュー・フェイト』です。

本作は、実質、パート6ですが、

映画の売り文句として、
「これが、ターミネーター2の、正統な続篇だ!!」と言っています。

何故、そう言うのかというと、

実は、「ターミネーター」シリーズ、
1~3が繋がっていて、
4と5は、
過去作品と同じ世界観を使った、別の世界線の話となっているからなんですよね。

そして、
1、2はサラ・コナーの話であるのに対し、
3、4、5はジョン・コナーの話なんですよね。

そういう意味で本作、

サラ・コナーが主人公として復活しているので、
『ターミネーター2』の正統続篇と自称している訳です。

 

 

で、実際、
コマーシャルで煽りに煽っているので、
本音をぶっちゃけますが、

まぁ、
いつもの、ターミネーターの続篇ですわ。

 

それなりに面白いですが、
『ターミネーター2』のインパクトは超えられず、
という奴です。

過去の栄光の残像で売っていると言われても、
それを、否定出来ないですよね。

 

しかし、です。

齢、63歳、サラ・コナーこと、
リンダ・ハミルトンお婆ちゃんが、カッコ良いのです!

 

そう、
あの頃の『ターミネーター2』の気性のまま、
コミュ障、キレキレの、
あのサラ・コナーが帰って来たのです。

キメ台詞は、
「I’ll be Back!!」(直ぐ戻る)

いや、アイル・ビー・バックって、あなた、
「ターミネーター」シリーズに出演するのは、28年ぶりじゃないですか!

と、いうか、サラ・コナーって、
『ターミネーター3』で、
死んでなかった?

…まぁ、その辺は、
3→4で、世界観リセット、
4→5で、世界観リセット、
そして今回も、
5→6で、世界観リセットの繰り返しをしているんです。

細けぇことは、いいんだよ!!

 

結局、既に、
過去のシリーズとは整合性が取れていないので、

「ターミネーター」シリーズで、
ストーリーを、どうこう言うのは、
最早、野暮というものです。

いつもと同じ、
鬼ごっこのド派手なアクションを楽しめば良いのです。

 

 

まぁ、今回の新しい要素としては、

いつものシュワちゃんがガーディアンとして登場しますが、

それにプラス、バトルヒロイン(ベテラン)枠のリンダ・ハミルトンと、

ニューカマーのマッケンジー・デイヴィス(強化人間グレース役)が居ます。

このマッケンジー・デイヴィスが、
如何にも、典型的なバトルヒロインタイプ。

 

なので、
強い女性が好きな、私みたいなタイプの人間にとっては、
もう、グレースの活躍だけでも、本作は満足なのだと言えます。

 

まぁ、結局、
煽り文句に踊らされずに、
過度な期待は持たず、
フラットな気持ちで観ると、
アクション映画として楽しめる作品、

それが、『ターミネーター:ニュー・フェイト』です。

 

 

  • 『ターミネーター:ニュー・フェイト』のポイント

アイル・ビー・バック!サラ・コナーが帰って来た!

ド派手なアクションの鬼ごっこ

新旧バトルヒロインのバチバチの活躍を見逃すな!

 

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • ターミネーターシリーズの変遷

本作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、
実質、「ターミネーター」シリーズの6作目。

各作品の関係性を簡単に説明すると、

1~2が、ストーリーとして繋がっています。

1:ウェイトレスのサラ・コナーを守る為に、戦士カイル・リースが、
敵の「T-800」と戦う話。

2:サラ・コナーとジョン・コナーを守る「T-800」、スカイネットの破壊を目論む。
敵は、液体金属「T-1000」。

そこから、

3に繋がる世界線、
*大人になったジョン・コナーと、未来の妻のケイトが登場、サラ・コナーは死んでいる。
敵は、液体金属の表面と、プラズマ兵器を装備した「T-X」。

4に繋がる世界線、
*AIが支配する荒廃した未来、ジョン・コナーとマーカス・ライトの話。
敵は、スカイネットというシステム。T-800も登場。

5(ジェニシス)に繋がる世界線、
*T-800に戦士として育てられたサラ・コナー、未来から来たカイル・リースがタイムマシンを駆使し、
スカイネットから進化した「ジェニシス」システムの破壊を目論む。
敵は「T-3000」。

6(ニュー・フェイト)に繋がる世界線があるのです。

 

つまり、
1~2を基本として、
その後の続篇は、
全て、別の世界線(並行世界)の話と言えるのです。

なので、
もしこの後、続篇が作られるとしたら、

このバラバラの世界線を行き来する作品になったら面白いなぁ、とか、
思うのですが、どうでしょう?

 

因みに、
4は、新ターミネーターシリーズとして、3部作が作られる予定でしたが、
ポシャって、

5も、新ターミネーターシリーズとして、3部作が作られる予定でしたが、
これもポシャりました。

個人的には、
4の荒廃した世界観とか、
5の縦横無尽な荒唐無稽さとかも好きだったので、
ちょっと残念ですね。

 

  • バトルヒロインの系譜を継ぐ者

「ターミネーター」シリーズの基礎となる、
1と2を監督したのは、ジェームズ・キャメロン。

ジェームズ・キャメロンは、
『ターミネーター』(1984)
『エイリアン2』(1986)
『アビス』(1989)
『ターミネーター2』(1991)
『トゥルーライズ』(1994)
『タイタニック』(1997)
『アバター』(2009)
などの作品を監督した、
メガトン級のヒットメーカー。

当代随一の映画監督と言えます。

 

さて、ジェームズ・キャメロンが、
その映画作品で描く「ヒロイン像」には、
一定の傾向というか、嗜好があります。

それは、
バトルヒロイン」というものです。

恐怖や困難に直面した時、
ただ、泣き叫ぶだけじゃない、
ある一線を越えた時、
戦士として目覚める「戦う女性」を描いています。

 

面白いのが、
ホラー映画にて「絶叫クイーン」的に描かれたヒロインを、
自作にて、
バトルヒロインとして生まれ変わらせているパターンを多く使っている所です。

『ターミネーター』では守られる姫キャラだったリンダ・ハミルトンを、
『ターミネーター2』ではバトルヒロインへ、

『エイリアン』(1979)では一乗組員だったサバイバルヒロインのシガニー・ウィーバーを、
『エイリアン2』ではバトルヒロインに、

『ハロウィン』(1978)では絶叫クイーンと呼ばれたジェイミー・リー・カーティスを、
『トゥルーライズ』にて、バトルヒロインへと成長する奥様として描いています。

 

その意味においては、
「ターミネーター」シリーズは、
3以降、
サラ・コナーというバトルヒロインを捨て、
ジョン・コナー絡みのストーリー展開を続けて来た訳ですが、

本作において、
ジェームズ・キャメロンの嗜好に添った、
バトルヒロイン系の作品へと立ち返ったと言えるのではないでしょうか。

 

奇しくも今年、
ジェイミー・リー・カーティスも、
バトルヒロインとして、
ホラー映画そのものに叛旗を翻す役を演じる『ハロウィン』(2018版)が日本公開されており、
60歳近い女性でも、
アクションが演れると証明しているのが、凄い所です。

 

個人的に、
60を超えても肉体を鍛え、
バトルヒロインの「その後」として、
あの性格の悪い、
しかし、その真面目な必死さで孤高に生きる、
サラ・コナーが帰って来た、

それだけで、嬉しい所です。

更に本作は、
ニュー・バトルヒロインとして、
グレースというキャラと演じる、マッケンジー・デイヴィスが存在します。

 

マッケンジー・デイヴィスは、
『オデッセイ』(2015)や、
『ブレードランナー2049』(2017)に出演していましたが、
イマイチ、記憶には残っていません。

しかし、本作において、
軍事トレーニングにも参加し、
集中的に、鍛えに鍛えた結果、

スラリとした、美しい女性的な筋肉が躍動する、
正に、理想的なバトルヒロインとして降臨する事になったのです。

あのタンクトップと、
改造の後を想起させる、傷跡がうっすら浮いている辺りに、
厨二心がくすぐられますね。

 

最近のバトルヒロイン枠としては、

ノオミ・ラパスや、アリシア・ヴィキャンデルなどが居ますが、

マッケンジー・デイヴィスも、
今後、アクション方面でも頑張って欲しいものです。

…でも、
普通にしている時の画像を見ると、
ローラ・ダーンみたいな感じで、
普通の女性っぽいんですよね。

このギャップがまた、良いね。

 

余談ですが、
『ターミネーター3』にて、
「T-X」役で出演したクリスタナ・ローケンは、
『エクスペンダブルズ・レディズ』(2014)という、

アクション映画に出演した女性が集まった的な、
あの、『エクスペンダブルズ』(2010)を元ネタにした映画に出演しています。

共演に、ブリジット・ニールセンが居り、
彼女は、『レッドソニア』(1985)にて、
アーノルド・シュワルツェネッガーと共演しています。

 

 

 

結局は、『ターミネーター2』を超える作品では無かった、
けれども、
本作は、これはこれで、
アクション映画として、存分に楽しめる出来です。

ファン向け要素も多く、

「I’ll be back」と言うサラ・コナーに対し、
シュワちゃん演じるT-800には、
「I won’t be back」(戻る事は無いだろう)と言う台詞まであります。

ともかく、
アーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンが並んでいるだけでも、
何とも、懐かしい、同窓会の様な気持ちにすらなる作品『ターミネーター:ニュー・フェイト』。

純粋に、
地獄のド派手な鬼ごっこを楽しむ作品と言えるのです。

 

 

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