ロンドンの片隅、ヴィクトリアは捨てられた。
しかしその日は、年に一度の特別な夜。
特別に選ばれた一匹のみが、天に昇る事が許され、新しい人生を歩めるのだ、、、
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監督は、トム・フーパー。
監督作に、
『英国王のスピーチ』(2010)
『レ・ミゼラブル』(2012)
『リリーのすべて』(2015)等がある。
T・S・エリオットの原作『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法』を、
アンドリュー・ロイド=ウェバーがミュージカル化。
本作では、
そのミュージカル『キャッツ』の原作、原案、作曲を手掛けたアンドリュー・ロイド=ウェバーが制作総指揮として加わっている。
出演は、
ヴィクトリア:フランチェスカ・ヘイワード
ミストフェリーズ:ローリー・デヴィッドソン
マンカストラップ:ロビー・フェアチャイルド
オールドデュトロノミー:ジュディ・デンチ
ガス:イアン・マッケラン
ジェニエニドッツ:レベル・ウィルソン
バストファージョーンズ:ジェームズ・コーデン
ラム・ラム・タガー:ジェイソン・デルーロ
グリザベラ:ジェニファー・ハドソン
ボンバルリーナ:テイラー・スウィフト
マキャヴィティ:イドリス・エルバ 他
ミュージカル『キャッツ』と言えば、
本邦においては、
劇団四季の十八番の演目。
日本において、最も多く公演されたミュージカルは、
『キャッツ』だと言われている程です。
そしてこの度、
そのミュージカルの鉄板演目が映画化されました。
しかし、
私は、ミュージカルの『キャッツ』を観た事ないので、
あくまで、映画のみで感じた事を書いて行きます。
さて、そんな映画『キャッツ』、
特報を観た時点で、
インパクト絶大。
キャッツの映画化にあたって、
人猫というビジュアルを創造したのが、凄いです。
正に、ケモナー歓喜!
その所作も、
猫、独特の躍動と、セクシーさを併せ持った動きを、
存分に楽しむ事が出来ます。
しかし、本作、
本国アメリカで公開された後の評価は、
芳しくありませんでした。
曰わく、
「キモい」「性的だ」「歌もショボい」etc…
もう、散々な言われよう。
成程、
面白い、
それなら、俄然、鑑賞意欲が湧いて来たぜ!
何故なら、
どんな映画でも「褒める」事を基本とする、
本ブログの趣旨に、ある意味、合致しているからです。
鑑賞前、
何故、アメリカでは評価されなかったのか?
それを考えました。
私の予想では、
恐らく、
映画版『キャッツ』の、「人猫」のビジュアルに、
何か、冒瀆的な、
宗教的な嫌悪感を抱いたのではないのか?
と推測しました。
まるで、TVCMの「タケモトピアノ」のダンサーの様な見た目、
登場人物全員が、ゾゾスーツを着て、
歌って踊る、
確かに、
ちょっと、見た目にエロティックなものを感じるのも、事実です。
「人は、見た目が9割」とは、よく言ったもの。
見た目の、宗教的な不道徳さが、
映画全体の評価を下げる「言い掛かり」として利用されていると考えたのです。
それなら、
日本人である私なら、
何ら、問題は無い。
「私は、一向に構わぬ!」
と、烈海王なら言ったでしょう。
ケモナーという存在にエロティックな要素を加える事、
それは、
「その場所は、我々日本人は70年以上も前に通過している!」
からです。
日本においては、戦前から、
漫画の『のらくろ』などで、
動物の擬人化が行われていました。
しかし、
動物の擬人化というものは、
別に、日本の専売特許ではありません。
超有名なキャラクターである、
ディズニーの「ミッキーマウス」や、
チャールズ・M・シュルツの漫画の「スヌーピー」なんかも、
ある意味、動物の擬人化と言えます。
しかし、日本においては、戦後、
その動物の擬人化に、
エロとセクシーを持ち込み、
「ケモナー」という概念を成立させた、
手塚治虫という漫画家存在しました。
つまり、
動物の擬人化という存在に、
エロを感じる事に対する、文化的耐性が、
既に、我々日本人には、ある。
だから、本作『キャッツ』も、
より、フラットな目線で鑑賞出来るハズだと、
私は思いました。
そして、
実際に観て、どうだったのかと言いますと、
ああ、
成程。
本作は、
ビジュアルに全振りした作品でした。
兎に角、
観て、聴いて、楽しむ事に、
全ての力を注いでいるのです。
人猫という、パッと見のインパクト。
そして、本職のダンサーと、歌手を多用した、
オールスターキャストによる、
本格派の演技。
どの歌も迫力満点だし、
そして、
ダンスの凄さときたら、もう、
過去、最高峰とも言えるものです。
振り上げた足の小指の先にまで神経が通い、
意味が込められている、
この素晴らしさ。
ダンスが凄すぎて、
画面の情報量の多さに、
脳がパンクしそうになりました。
しかし本作、
良くも悪くも、そういう作品。
歌とダンスがメインであり、
そこには、
映画としての、
ストーリーも、起承転結も全くありません。
登場猫が出て来て、
私はこういう猫だ!と、
歌と踊りでプレゼンする。
それを、延々110分繰り返すだけの作品なのです。
私が極端な事を言っていると思うかも知れませんが、
実際に観てみれば解ります。
本当に、それだけですから。
一昔前のインド映画は、
唐突に始まるミュージカルシーンが揶揄される事もしばしばでしたが、
本作は、
そのインド映画のミュージカルシーンが全篇を占めていると言った印象です。
結婚で例えると、
相手は、
イケメンで経済力があれば、それで良いという感じ。
性格、内面なんて、
全く考慮していないのです。
それは、
別に良い悪いの問題では無く、
単に、価値観の話です。
なので、
本作を楽しもうというのなら、
ストーリーが無い!
内容が、無いよう!
などと、嘆くのは野暮というもの。
作り手が観せたいもの、
歌と踊りとビジュアルの凄さ、
それを、素直に楽しむべき作品と言えるのです。
「ダンスがキレッキレ」とは、
常套句として言われる褒め言葉ですが、
本作こそ、
それに、真に相応しい作品です。
絢爛豪華で、
猫的なセクシーさとエロティックさを持ち、
ダンスがキレキレで、
歌の迫力はピカイチ、
凄いビジュアルのミュージカルPVが、
110分続く、
この至福の桃源郷でトランス状態に至る、
それが映画『キャッツ』なのです。
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『キャッツ』のポイント
人猫というビジュアルのインパクト
凄すぎるダンス、迫力の歌唱力
延々続く歌と踊りでトランス状態!
いつもなら、内容に触れた感想を書く所ですが、
本作で言いたい事は、もう、全て言ってしまいました♡
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