映画『スカイスクレイパー』感想  俺の辞書に、諦めるという文字は無い!!

 

 

 

香港に建てられた、全高1キロを超える超高層ビル、ザ・パール。このビルの保安・管理を依頼されたウィル・ソーヤーは、家族と共に入居者第一号として一時的に宿泊していた。しかし、テロリストの暗躍により、ビルで火災発生。オーナーと共に、ウィルの家族もビルに取り残されてしまう、、、

 

 

 

 

 

監督はローソン・マーシャル・サーバー
ドゥエイン・ジョンソンと組むのは、
『セントラル・インテリジェンス』(2016)に続き二作目。
他の監督作に
『ドッジボール』(2004)
『なんちゃって家族』(2013)等がある。

 

主演のウィル・ソーヤー役にドゥエイン・ジョンソン

他、出演に
サラ・ソーヤー:ネーヴ・キャンベル
ジャオ:チン・ハン
ボタ:ローランド・ムーラー
ベン:パブロ・シュレイバー 等。

 

 

はてさて、

2018年、
日本で公開されたドゥエイン・ジョンソン主演の映画は、

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル
ランペイジ 巨獣大乱闘
に続いて、本作で3作目です。

筋肉モリモリキン肉マンも、
もう見飽きたって?

いやいや、まだまだこれからさ!!

そう言わんばかりのロック様の活躍です。

 

さて、
本作を他の映画で例えて簡潔に説明すると、

『タワーリング・インフェルノ』+
『ダイ・ハード』です。

 

とにかく、
全篇ハラハラしっぱなしのドキドキ映画。

デカいビルで、
筋肉モリモリのマッチョマンが、
テロリストと戦う。

そう、
舞台は香港なれど、

This is ハリウッド映画!!

大味で、力押し!!

 

そう、これで良いんだよ。
これが、良いんだよ。

 

そして、本作のロック様は、
常人より遥かに強い程度の力しかありません。

いつもは、
超人的な戦闘力を持つ、
ケタ外れの男である場合が多いですが、

本作ではあくまで等身大(より遥かに強い)。

何せ、
片足は義足で、
過去にトラウマを抱えた人物なのです。

そういった感じで、
いつもの無敵感に、ややハンディキャップを付けた状態ですので

そのアクションの際どさが引き立ちます。

 

しかも舞台は摩天楼(Skyscraper)。

ドデカいビルでのアクションですので

高所恐怖症の人ならば、
楽しめる事(!?)間違い無しです。

 

高所恐怖症の人で無くとも、
身のすくむ思いがします。

 

人をぶん殴る事をメインに据えなくとも、

アクションは出来る。

そして、

デカくて、
筋肉があれば、

アクションは面白い。

これぞ、清く正しい、
アクション映画、
『スカイスクレイパー』です。

 

 

  • 『スカイスクレイパー』のポイント

クリフハンガー・アクションの連続

ネバー・ギブアップの精神

弱味こそが、強味になる

 

 

以下、内容に触れた感想となってなっております

 


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  • 超高層ビル、ザ・パール

『スカイスクレイパー』の舞台は、香港。

超高層ビル、ザ・パールは全高3500フィート(1066メートル)です。

 

本作は、中国資本で作られた映画です。

かつて、
1980年代~90年代、

アメリカが自国の文化や政治、
偉大さを世界に吹聴する為に、

大げさに盛りに盛った、
国威発揚作品的な映画が多く作られていました。

そういう政治的な意図を鑑みなければ、

単に、大味なジャンク映画として大いに楽しめた、

そんな時代と映画、
正にバブル期の落とし子です。

 

本作は、
正に今現在の中国のバブルを象徴するかの様に、

大げさに盛りに盛って、
天高く、雲を突く塔を作るのは中国!!

そういう主張が現われている一方、

デカく、
派手に、
筋肉で、アクション!!

みたいな、
かつてのハリウッド映画のノリを復活させた作品と言えます。

 

本作でも、
ビルのオーナー・ジャオがラストで言っていましたね。

また、立て直す、と。

この言葉はまるで、

トランプ・アメリカとの貿易戦争にて痛手を負っても、

そこから復活してみせるという、中国の気概を見せた、

そんな風に捉える事も出来るのかもしれませんね。

 

  • 映画好きが作った、映画のノリ

本作を観て思うのは、
監督というか、
脚本というか、

過去の映画作品の影響を受けて作られた、
映画好きが作った映画だなぁという印象です。

 

高層ビルにて火事が発生するという、舞台的な設定は
『タワーリング・インフェルノ』。

そのビルにてテロリストと戦うというシチュエーションは、
『ダイ・ハード』。

高所にて、ぶらさがりアクションを繰り広げるのは、
『クリフハンガー』。

パールの中で、映像のトリックが鏡像の様な効果をもたらすシーンは、
『燃えよドラゴン』。

(義手と義足という共通点もあります)

ジャオ役のチン・ハンが、高層ビルにて災難に遭うのは、
ダークナイト』。

etc…

ざっと挙げただけでもこれ位思いつきます。

 

こういう、
過去のアクション映画の名作を、
モザイク模様を描くように取り入れている作品、

それが本作『スカイスクレイパー』の特徴の一つと言えます。

 

  • 弱味が個性であり、強味なのだ!!

とは言え、
本作がただのパクリに終わっていないのは、

主人公、ウィルのキャラクター性、
アクションの質によるでしょう。

 

主役・ウィルを演じるのは、
ご存知、「ロック様」ことドゥエイン・ジョンソン。

無敵のアクション俳優ですが、

本作では若干の「弱味」を見せます。

 

かつては人質救出部隊に所属しておりましたが、

過失により大怪我を負い、現在は引退した身。

左足も義足で、
心にも若干のトラウマが残っています。

いつものロック様の映画とは違い、
無敵のヒーローではありません

筋肉モリモリというビジュアル的なインパクトはありますが、
それでも、等身大で共感出来る、
普通の人間だという設定になっています。

 

そして、そんな彼が行うアクションは、
クリフハンガー・アクション。

(クリフハンガーとは、ギリギリの状況で、危機的な状況に陥る=ぶら下がった状況になる事です)

高所にて、飛んだり、跳ねたり、ぶら下がったり、

テロリストと火災が相手ですが、

高所というシチュエーションを活かした、
ハラハラドキドキのアトラクション的なアクションに終始しています。

バトルシーンも勿論ありますが、
敵を倒すというよりも、
如何に危機を脱するのか、
そういうアクションの方に、より力点が置かれています。

 

実は、それこそが本作の面白さ。

鉄骨をよじ登ったり、
ビルに飛び移ったり、
ロープ一本でぶら下がったり、
回転する刃の間を抜けたり etc…

等身大の人間が、必死に努力をする様子、

これが、観客(やモブキャラ)の共感を呼ぶのですね。

 

そして、それは全て家族の為。

テロリストのボタは言っていました。

「人は誰でも弱味がある、お前は家族だ」と。

確かに、守る者がある人は、
それを人質にとられると為す術がありません。

しかし、一方、
家族の為だからこそ、これだけの力を発揮した。

このもどかしい二律背反、
弱味こそが、強味

それも、本作の面白さを表すテーマであるのです。

 

  • 切れぬ義足にするのだった

それは、ウィルのハンデにも言える事です。

ウィルは義足です。

なので、
スピードや瞬発力という点では、

他の人間に大いに劣ります。

 

しかし、それをものともしないアクションの数々、

むしろ、
義足だからこそ、乗り越えられたという場面も多かったりします

ロープでぶらさがった衝撃に耐えられたのも、義足だからでしょうし、
閉まるドアに挟んで中に入る事も出来ました。

 

一体、どんだけ頑丈なんだよ!

そう突っ込まずには居られない!

曲がっても折れず、叩いて修復!!

『刃牙道』の烈海王も、
ロック様と同じ義足を着けるべきでしたね。

そしたら、武蔵にも勝てたのに、、、

そう思わずにはいられませんでした。

 

 

 

1キロを超える超高層ビルにおいて、
アクションを繰り広げる『スカイスクレイパー』。

高所というシチュエーションのみを活かし、

高層ビルという舞台を活かしきれていないのがちょっと残念なポイントではありました。

(ショッピングモールとか、スポーツクラブとか、もっと色々活かせたと思います)

とは言え、
ハイテクでセキュリティを徹底しても、

逆にそれを利用されると危機に陥る
そういう問題提起は面白い点でした。

 

そして、
デカくて、筋肉は正義、

大味こそ、美味い、

そういうハリウッド映画のアクションを復活させた『スカイスクレイパー』。

相手をぶちのめすのみがアクションでは無い、

ドキドキハラハラのクリフハンガーでも充分面白い、

その事をあらためて証明した作品と言えるのでは無いでしょうか。

 

 

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