映画『スノー・ロワイヤル』感想  圧倒的な空虚さ!!このユーモアはブラック過ぎる!?


 

雪に囲まれ、スキー客を相手にした産業で成り立っている町、キーホー。この町で地道に真面目に除雪作業員として働き、模範市民賞を受賞したネルズ・コックスマン。彼の息子・カイルが、友人の麻薬取引に巻き込まれ、勘違いで殺されてしまった。ネルズ・コックスマンはキレた、、、

 

 

 

 

監督はハンス・ペテル・モランド
ノルウェーの映画監督。
本作は、自身の監督作『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』(2014)のセルフリメイク。
他の監督作に、
『特捜部Q Pからのメッセージ』(2016)
『Out Stealing Horses』(2019)等がある。

 

出演は、
ネルズ・コックスマン:リーアム・ニーソン
トレバー・”バイキング”・カルコート:トム・ベイトマン
ホワイトブル:トム・ジャクソン
キム・ダッシュ巡査:エミー・ロッサム
グレース:ローラ・ダーン 他

 

 

リーアム・爺さん、
1952年6月2日生まれ、
齢、67歳!!(2019/06/10現在)

(因みに、映画の公開日は6月7日で、67歳と懸かっている!?)

本作においても、
年甲斐もなく、アクションに挑んでいます。

 

しかし、
リーアム・ニーソンがアクションを始めたのは、
1999年公開の『スター・ウォーズ ファントム・メナス』からだと言えます。

つまり、
アクション映画俳優としては、
まだ、20年のキャリア。

いわば、
アクション俳優としてのキャリアとして考えると、
今が、脂がのりきった時と言えるではないでしょうか

 

そんなリーアム・爺さんが、
本作では大暴れ、というか、大暴走!

 

息子を殺され、
復讐に燃える一般市民を熱演しています。

 

…が、
本作、
何と言うか、熱量が無いのです。

「息子を殺された父親が、麻薬組織に復讐する」

というストーリーだけ見ると、
シリアスな感じなのですが、

スカした、軽いノリで、
終始、徹底的に脱力した雰囲気で、ストーリーは進んで行きます。

 

アクションもあって、
復讐が題材にされていますが、

実は本作、
ギャグ映画なのです。

一貫して、
ブラック・ユーモアに溢れた作りとなっています。

 

一見、
そうは見えませんよね。

リーアム・ニーソンなんて、
いつものアクション映画の時と、同じ表情、同じ演技ですし。

しかし、
シリアスも、一歩踏み外せばギャグに転じる

とにかく、
観客に、クスッとした、ブラックな笑いを提供する事に終始しているのです。

は?
いやいやいや!
え?そう来る!?

みたいな展開のオンパレード。

 

最早この映画、

何が言いたいのか解りません。

というか、

これ程、中身の無い作品も珍しい

 

と言えるでしょう。

しかし、

この空虚さも、
狙って作っているのだから、恐ろしい所です。

 

…まぁ、
それが成功しているのか、
面白いのかは、
観る人の感性次第ですが…

 

いや、
難しい事を考えずに、
リーアム・ニーソンのアクションを楽しめば良かろうなのだぁ~

『スノー・ロワイヤル』
きっと、あなたが思っている以上にお馬鹿映画ですぜ!!

 

 

  • 『スノー・ロワイヤル』のポイント

全篇に溢れるブラック・ユーモア

それでありながらストーリーはクライム・サスペンスという矛盾

ガキな男と、冷めた女

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 徹底した、空虚に満ちた作品

『スノー・ロワイヤル』。

『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』という作品のリメイクなのです。

もう題名が、
どちらもB級映画感満載ですが、

その予感は、正しい、
正に本作は、B級映画なのです。

 

元は、
ステラン・スカルスガルドが演じていたニルス・ディックマンを、
リーアム・ニーソンがネルズ・コックスマン演じています。

(役名を日本語に訳すと、ちんぽマンとちんこマンとで言おうか)

因みにこの二人、
ステランが1951年生まれ、
リーアムが1952年生まれ、
ほぼ、同い年なのですね。

 

同じ監督に拠って、
ハリウッドリメイクをするにあたって、
演じる役者も、
割と豪華になっていますが、

その役者達が演じるのは、
常に、ブラックな笑いのオンパレード

勘違いからの殺人、
報復の連鎖、
拉致、
家庭崩壊を描きながら、

その悲劇の描き方が、
コメディタッチだという矛盾

 

まぁ、そういう映画なのだと、
「コックスマン」という名前で察しろ
という事だったんでしょうね。

ほら、昔、
『ちんぽ/刑事』とかいう漫画があったでしょ、
それと、同じノリなんですよ!!

 

出て行った妻の手紙を開封すると、何も書いて無かったり、
(何も書いて無いんかい!)

雪の中、死んだ夫の墓にわざわざツバを吐いてから、ケツを振りながら去って行くアバズレがいたり、
(わざわざ墓まで行く必要無くねぇ?)

二者択一のクイズに正解した相手を撃ち殺したり、
(結局、撃つんかい!)

黒人の殺し屋の通り名がエスキモーだったり、
(最早、ツッコむのも面倒だ)

顔の特徴は何だ、という質問に、サンタ似のヤツだ、と言ったのに全然サンタに似ていなかったり、
(サンタ要素「髭」だけなんですが)

それなのに、通り名がサンタで、迷い無く見つけたり
(え?見つけた!?) etc…

は?
え?
本気で言ってるの?

みたいなノリばかりなのです。

 

その演出、構成も、

例えば、

ネルズ対バイキング一味対ホワイトブル一味対警察の、四つ巴の抗争という形でも無く、
ネルズの圧倒的なアクションがある訳でも無く、
ネルズが重機を活かして、凝った殺し方をする訳でも無く、

クライム・サスペンスとしてどんでん返しをせず、
カルト作品として過激な路線にも行かず、

そんな、
派手な展開にする事を拒否し続け、

ただただ、目の前のシーンにて、
ブラック・ユーモアを連ねる事に終始しているのです。

 

目の前には、
凄惨な殺しの場面が次々と現われる。

それなのに、
その場面は、常に、渇いた笑いとして描かれる。

この落差に、
観客は、無常観を抱かずには居られません

 

人の命も、
残酷さも、
苛酷な状況も、

使い捨ての笑いで済まされる。

物語への感情移入を拒否するその姿勢は、

まるで、
白い雪に塗りたくられる様に、

心の中にも、
空虚な空白が満たされて行きます。

 

鑑賞後、
ひねくれたブラック・ユーモアの味わいより、

突き放される虚しさを感じたこの作品。

実は、
その境地に至る事が本作のテーマだったのではないでしょうか。

 

世界は、世間は、
残酷であり、
しかし、コメディであり、
真剣に考える程、大切なものでも無い。

そんな事を訴えて来る様な、
ニヒルな空気感こそ、
『スノー・ロワイヤル』の特徴的な持ち味と言えるのではないでしょうか。

 

 

…まぁ、

そんな事を言ってしまう位、

観た後に、
何も残らない作品だったんですがね!!

偶には、
こうやって、
頭真っ白になる作品も良いでしょう。

 

 

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