ジャスティス・リーグ ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
宇宙から侵略者あらわる!!バットマンは一人で戦う事に限界を感じ、共に戦う仲間を集めんとする。既に知古のワンダーウーマンと共に、常人以上の能力を持つ者たち(メタヒューマン)をスカウトしようとするが、、、
監督はザック・スナイダー。
「DCエクステンデッド・ユニバース」において
『マン・オブ・スティール』(2013)
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)
を監督している。
他の監督作品に、
『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)
『300』(2007)
『ウォッチメン』(2009)
『エンジェル・ウォーズ』(2011)等がある。
メインの出演は、役名(俳優名)
バットマン/ブルース・ウェイン(ベン・アフレック)
ワンダーウーマン/ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)
フラッシュ/バリー・アレン(エズラ・ミラー)
アクアマン/アーサー・カリー(ジェイソン・モモア)
サイボーグ/ビクター・ストーン(レイ・フィッシャー)
アルフレッド(ジェレミー・アイアンズ)
ロイス・レイン(エイミー・アダムス)等。
オールスター映画なだけあって豪華である。
「DCエクステンデッド・ユニバース」を構成する実写映画作品、
『マン・オブ・スティール』
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
『スーサイド・スクワッド』
『ワンダーウーマン』
に続く5作目が本作『ジャスティス・リーグ』である。
世界観が同じで、シリーズで内容も緩やかに続いているが、
「バットマンとスーパーマンは喧嘩した仲」
「スーパーマンの彼女はロイス・レイン」
とだけ覚えていれば
本作だけをイキナリ観てもそれなりに楽しめる。
「キャラがよく分からない」と思う人もいるだろう。
しかし、安心して欲しい。
シリーズを観ている人でも、
メインキャラに3人知らない人がいる。
あなたが分からない人は、観ているみんなが分からない人なのだ。
また、興味の無い人は間違えがちだが
アベンジャーズとは関わりが無い。
注意点といえばそれ位だ。
その上で、本作を端的に言ってしまえば、
ど派手アクションを楽しもうぜ!
といった内容だ。
他の「DCエクステンデッド・ユニバース」の作品は、ちょっとダークなテーマや雰囲気もあるが、本作ではそれが薄い。
カラッと晴れて、スカッと楽しめる。
「正義の俺たちが集まって、悪者ボコってやっつけようぜ」的なノリの
勧善懲悪モノである。
とりあえずは御託はいい、
楽しくど派手なアクション映画を観たいという人にオススメの作品である。
以下ネタバレあり
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「DC」と「マーベル」
本作『ジャスティス・リーグ』は「DCエクステンデッド・ユニバース」の中核的作品となる映画である。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」における『アベンジャーズ』の様なものだ。
どう違うの?とお悩みの方もいるかもしれない。
簡単に言うと、どちらも同じアメコミ(アメリカン・コミック)だが「DC」と「マーベル」では会社が違うのだ。
「ジャンプ」と「マガジン」が違う、と言えば分かり安いだろうか?
「DCエクステンデッド・ユニバース」が
バットマン
スーパーマン
ワンダーウーマン
「マーベル・シネマティック・ユニバース」が
アイアンマン
キャプテン・アメリカ
マイティー・ソー
なのである。
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劇場小咄
それでですね、おねぇちゃんがいたんですよ。
そのおねぇちゃんがですね、
「MARVEL」と書かれたリュックからってたんですよね。
最近よく見るリュックですが、流行ってるんですかね?
というか、意識してそのリュックからってるのか?
ウケ狙いなのか?
今から観るのは「DC」の作品なんだよ!?
「ジャンプフェスタ」に「はじめの一歩」のTシャツで参加する様なものだよ!?
ドレスコードをご存じで無い!?
と、心の中でツッコみを入れておきました。
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ネタバレ徹底阻止の素晴らしさ
本作『ジャスティス・リーグ』を観たら分かるのだが、ネタバレ要素を事前にバラしていない点が素晴らしい。
普通は、プロモーションや予告の段階でバレバレになってしまって、映画本篇を観た時のサプライズが全然なかったりする。
しかし、本作ではちゃんと隠し通していた。
この、細やかな心遣いこそ、大作が支持される所以である。
……とは言え、オープニングのクレジットでおおよその予想は出来るのだが、、、
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二人の監督
本作の監督はザック・スナイダーである。
彼の作品は、アクション的面白さを追求しながら、同時に人間の薄暗い面をも描写しようと試みている。
この感情面のネガティブさが、作品に陰影を与え忘れ難い印象を観客に残す。
だが、本作『ジャスティス・リーグ』においては、その印象が薄い。
徹底した「スカッとアクション」を意識している。
これは、本作のトーンをそう目指したからという。
しかし一方で、ポストプロダクションの段階、つまり追加撮影や編集作業をザック・スナイダーがやっていないという点が大きいだろう。
撮影はザック・スナイダーが全て終えていたらしい。
だが、編集作業も映画のトーンを決定するのに大きな部分を占める。
バラバラの映像をどうつなぎ合わせるか、素材がどう料理されるのか、それが編集作業なのだ。
その編集作業。
本作で、実質その作業を行ったのは脚本を手掛けたジョス・ウェドンであるらしい。
ジョス・ウェドンは映画監督として、
『アベンジャーズ』(2012)
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
を手掛けている。
なんとライバル会社の名作の監督だったのだ!
ジャンプの編集長が辞めて、マガジンの編集長になった様なものである。
こういう事を臆面も無くやってしまうのは凄い。
そして、『アベンジャーズ』の監督が関わったからこそ、いままでの「ザック・スナイダー」カラーのダークな雰囲気が薄い作品になったのであろう。
アクションシーンも、
今までの「DC」系の映画では、
「遠距離から飛んでいってドーン」みたいな雑なアクションが多かったが、
本作ではちゃんと近距離での白兵戦を描いている。
この辺りも監督としての資質の差であろう。
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フラッシュの超スピード
本作でのアクションの出色はフラッシュの超スピード描写であろう。
格好良く電光のエフェクトを纏い、彼以外のものは超スローに見えてしまう。
もともとザック・スナイダー監督は『300』において、スローモーションを交えたカッコイイアクションを描写している。
スローモーションアクションの走りは『マトリックス』だろうが、『300』のスローモーションアクションはそれをさらに進化させたものだった。
スローモーションで動き、敵を倒す瞬間のみ素早くな滑らかに、そしてキメのポーズでまたスローに戻り、再び敵と対し、打ち倒す時にまたぬるりと素早く動く。
この緩急を付けたスローモーションアクションは、まるで、コミックのページを読む感覚を映画で再現したかの様な画期的な描写方法であった。
そのザック・スナイダーが、スローモーションアクションを『ジャスティス・リーグ』で再び解禁した。
その大部分がフラッシュの超スピードを描く時に使われたのだ。
特に面白かったのが、超スピードについてゆく「あの人物」との戦いである。
フラッシュの超スピードを認識し、超スロー世界で目線で追ってゆく。
ほとんどホラー描写である。
この時のフラッシュの驚愕に震える顔が笑えるのだ。
フラッシュはそのキャラクターもいい。
大人の反応を見せるメンバーの中で、無邪気な感じでムードメーカーとなっている。
因みに、彼の言った『ペット・セメタリー』とは、原作スティーヴン・キングの恐怖小説。
映画化もされた作品。
ざっくり言うと、死んだ愛する人を蘇らせたらゾンビになって襲ってきた!という作品である。
「ドストエフスキー」はロシアの小説家。
『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』と名作多数。
恐らく、パッと思いついたロシア語が、人名だったのだろう。
あなたなら何と言う?
私の場合は「マリア・シャラポワ!」かな。
超スピードも、
映画『X-MEN:フューチャー&パスト』のクイック・シルバーや
『サイボーグ009』の009
『ジョジョの奇妙な冒険』のプッチ神父など、
強力且つ魅力的な人物が備えている能力である。
フラッシュの単独映画も企画されているそうなので、それも楽しみである。
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セクハラ!?ダイアナのセクシー描写
『ジャスティス・リーグ』の紅一点、ワンダーウーマンことダイアナ・プリンス。
本作ではダイアナのセクシー衣装も見所である。
ワンダーウーマン状態の時の、防御力皆無に見えるビキニアーマーも格好いい。
また、ダイアナの時の私服は胸元があいたセクシー衣装だ。
そして、胸が隠れている時は、今度はヒップに注目するアングルでダイアナを見せてくる始末。
監督さんよ~、どんだけ観客の期待に応えてくれるんですかね~
美女を美しく魅せる。
一歩間違えればエロ目線となるので難しい所だ。
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リーダーとは如何にあるべきか
そのダイアナがブルースと言い合いになるシーンがある。
本作において、考えさせられるテーマの一つだ。
リーダーはどうあるべきか?
事にあたって、人を導く時に、時には他人に無理強いをせねばならぬ時がある。
その覚悟がある者でないとリーダーは務まらないのだ。
ダイアナは、そこに躊躇している。
だが、組織のトップとしてのリーダーとは別の形のリーダー像もある。
それが、第一線の現場に立ち続ける、戦士としてのリーダーである。
困難にあえば率先して事に当たり、自らの行動を以てして道を示す。
人に無理強いするのでは無く、周りの人間が自然について行く形のリーダーである。
そう、正に『ワンダーウーマン』において、ダイアナが示した形である。
だが、彼女はそれで、愛する人を喪った。
そして、また再び人を巻き込む事を恐れているのだ。
だが、ダイアナは今回の事件で変わったのだろうか。
ラストでは、再び姿を消すのでは無く、むしろ「ワンダーウーマン」として再び悪事に対していこうとしている様に見える。
リーダーとは色々だ。
強力なカリスマを持つ者。
人心掌握が上手い者。
頼りないが故に支えてあげないと、と思わせる者。
口八丁の者もいれば、
現場主義の者もいる。
しかし、いずれも難しい立場であるのは間違いないのだ。
因みに、『ジャスティス・リーグ』で言うと、
バットマンは意思決定をするリーダー、
ワンダーウーマンは皆を引っ張る現場のリーダー、
スーパーマンは正義の象徴としてのアイコンである。
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キャスト補足
まずはゴードン警部補を演じたJ・K・シモンズ。
いつもスキンヘッドだが、本作ではまさかのフサフサ。
別の意味で衝撃である。
ロイス・レインを演じたのはエイミー・アダムス。
最近でも
『メッセージ』
『ノクターナル・アニマルズ』
と、話題作に次々に出演している
1974年生まれだが、この年代(40歳代)の女優の活躍は難しいので、彼女には今後も頑張って貰いたい。
因みに、こんがらがるのが、
ブルース・ウェインの母親はマーサ・ウェイン。
クラーク・ケントの母親はマーサ・ケント。
マーサ・ケントを演じたのはダイアン・レインで、
ロイス・レインを演じたのはエイミー・アダムスである。
(役名青文字、出演者名太文字)
ヒーローが集まって侵略者と戦う勧善懲悪映画『ジャスティス・リーグ』。
『七人の侍』みたいに、仲間を集めるパートに面白さがあり、
集まった仲間も、皆大人なだけあって、トラブルも殆ど無く、協調性を発揮して協力して事に当たる。
見た目強面のアクアマンも、「真実の縄」で暴露された本心は良いヤツだ。
その時のダイアナのイタズラっ娘の表情と、ブルースの「あっ、あっ」という表情の対比が笑える。
現実世界ではそうは行かない。
必ず足を引っ張る「獅子身中の虫」が存在する。
しかし、映画を観る時くらい、理想のチームがあって良いではないか?
そんな願望を具現化し、スカッと爽やかな活躍を見せてくれる『ジャスティス・リーグ』。
観て楽しいマッチョ映画である。
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 [Blu-ray]
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さて次回は、ヒーローというか、ヒロイックファンタジーの元祖を言える作品を著したロバート・E・ハワードの作品集、小説『失われた者たちの谷』について語りたい。