孤独のグルメ Season2 第一話
神奈川県川崎市新丸子のネギ肉イタメ
監督:溝口憲司
脚本:田口佳宏
出演:
井之頭五郎:松重豊
マスター:斉藤暁
フロア係1:石神まゆみ
常連客1(タケシ):亀井達也
西園寺:佐藤藍子 他
ふらっとQUSUMI:久住昌之、なぎら健壱
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*タイムラインはBDソフト準拠となっております。
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ドラマパートあらすじ
神奈川県川崎市新丸子にやって来た井之頭五郎。
静かすぎず、騒がしすぎず、良い雰囲気の町だなぁ、、、と言っていたら、昼間っから酒を飲んで喧噪に溢れたお店を見つけてビビる五郎さん。
ダンススタジオで仕事の約束。(03:35)
しかし、相手がまだ来ていない。
30分ばかり空き時間が出来たので、喫茶店で時間を潰すことにした五郎さん、甘味を食べる事にする。
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昭和堂(05:05)
「店の感じといい、メニューといい、何処にも新しくない所がほっとする」
クリームあんみつ(07:05)
「ほう、アイスクリームタイプか」
「うん、とろける様なのも良いが、このしっかりタイプのアイスも悪くない」
「う゛ぅん、こいつもしっかり豆々しているぞ、しっかり豆だ」
「りんごはちゃあんとウサギさんだし」
「桃缶のこの甘ったるさが、こういう店でしっくり美味い」
「豆と寒天、これが美味い甘味屋は信用出来る」
「焼肉屋で言えばキムチの様な店の試金石だ」(09:02)
「食べ進むにつれ、具が混ざって味が変わる。それが嬉しくて堪らない」
「間違い無い、こんな店こそが、近所に欲しい店なんだよ」
再びダンススタジオ。(10:10)
依頼人の西園寺はダンスの発表会で使う薔薇をまとめる入れ物が欲しい戸のこと。
花瓶に拘らず、感じたまま、自由な発想でお願いしますと依頼される。
「仕事を受けたは良いが、正直、自信が無い」
「でも、まぁ、何とかなるだろう」
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「それにしても、腹が減った」(12:26)
ポン、ポン、ポォン。
「さぁて、何を食おう、俺は今、何が入れたい」
「今、俺の腹に入れるべきものは何だ」
「考えるな、感じるんだ」
そして思い出す、真っ昼間から形に囚われず、自由に酒を飲んでいた喧噪溢れるあの店を。
「俺の思うままに」
「今の俺にはここしかない」
と、戻って来て、暖簾を潜ろうとするが、
「が、席は空いていたが、中の熱気が…」と躊躇気味の五郎さん。
「いや、行ってみよう、ここで店を代えても、それは妥協の選択でしかない気がする」(13:34)
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三ちゃん食堂(13:44)
賑わっている店内。
学食の様に、長机に丸椅子が並んでいる。
「何だか、グッと来るじゃないか」
五郎さん、メニューの短冊を見回しながら、食事の構成を考える。
「それにしても凄い情報量だ、ここから選ぶのは大仕事だぞ」
「中華のメニューは一通り揃ってるんだなぁ」
「サンマーメンがあるのは、流石神奈川だ」
「となれば、サンマーメンとチャーハンってとこかな」
「ん?」と客を見回す五郎さん。
「ライスとおかずとみそ汁で組み立てるのもアリだな」
「となれば話は違う」
「ここに並んだ大量のおつまみが全ておかずとして立ち上がって来る」
五郎さん、
みょうがの天ぷら、チーズ入りウインナー、ネギ肉イタメ、ご飯、みそ汁に海鮮春巻を注文する。
「周りの活気に煽られ、つい調子に乗って春巻まで頼んでしまった」
そんな五郎さんに隣のオジサンが飲まないの?と話しかける。
下戸だと説明する五郎さん、すると、人生半分以上は損していると言われる。
作り笑いを浮かべる五郎さん。
「人生の半分って、どういう根拠なんだ?」
周りを見ると、いろんな客がいる。
何をしてるのか分からない人、
老人と若者のカップル、
ガッツリ焼肉丼を食べる人、
一人でカツカレーを二人前食べてる人もいる。
注文の品が一気にやって来る。(19:08)
「なんだか凄い事になっちゃったぞ」(19:26)
「どいつもこいつも活き活き輝いている」
みょうがの天ぷら(19:41)
「デカイなぁ、このみょうがの天ぷら」
「ほふほふ、あったかい」
「薬味のみょうがも好きだが、こうやってピンで主役を張ったみょうがもやっぱり美味い」
「この塩がみょうがを引き立てている、渋いチョイ役だ」
チーズ入りウインナー(21:40)
「コイツはどうだろう」
ケチャップとマスタードを付けて、
「衒いの無い、良い赤だ、いいゾ、いいゾ、イイゾ!」
「上手に入れるもんだなぁ、チーズ」
「チーズ・イン・ウインナー、ありだよ、あり、ありおりはべり、いまそかり」(22:01)
「こういうのがビールに合うんだろうなぁ」
「飲めなくとも十分想像はつく」
お店のマスターが愚痴ながら常連客とダベりに来る。
マスター、タバコを切らしていたのに気付き、なんとお客をパシらせる。
「30代、40代、まだパシリなんだパシリ、なぁ、一人前は50になってから一人前なんだ」(23:18)
それを聞いた五郎さん、自分もギリギリパシリだな、と思う。
ネギ肉イタメ(23:45)
「これ、ネギ一本分位あるんじゃないか?」
「パシリ上等、ガツンと入れとくか」
「しょうが焼とかオイスターソース系を想像していたんだが、こう来たか」
「うん、うん、飯に合うぞ」
「やっぱりこれくらいパンチがなくちゃ、パシリ根性が出ないってもんだ」
海鮮春巻き(えび・いか・たこ・カニ入り)(24:44)
「こりゃまた、ド直球の中華だ」
「うん、中華の脇役はこういうのが良い、いや、こういうのが良い」
「えび・いか・たこ・カニ、こんだけ入って2本300円、良いじゃないか」
「自由に、思うままに、この店、中華の店なのに、ノリはまるでラテン系だ」
よしと一声、まとめてかき込む五郎さん。
あんたも、良い食いっぷりだね、と隣のオジサン。
退店。(27:24)
「店の雰囲気に飲まれて全部食べられたが、流石に食い過ぎた」
と、言いつつ、今度来たときはサンマーメンを食べたいと、もう食べる事を考えて、今日も去って行く五郎さんであった。
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ふらっとQUSUMI(28:09)
前と変わらず、だらだらやって行きますと所信表明をする久住さん。
実は、前から知っていたが、気後れして入れなかったという「三ちゃん食堂」に入る。
*2013年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認
中には常連のなぎら健壱さんが待っていた。
「外から見ると普通のラーメン屋さんみたいな感じで、開けると誰もラーメン啜って無いぞという」
と、なぎら健壱さんの弁。
周りは全員お酒を飲んでる雰囲気。
真っ昼間からお酒を注文する人も多く、12時の開店からずっと、ほぼ満席状態という三ちゃん食堂。
とりあえず、ビールで乾杯。
そして、焼肉ライス(単品)に舌鼓。
なぎら曰わく「基本はラーメンやさんなんですよね」
それなのに、
「ここでラーメンと餃子って言うと、みんなが、え、えええ?そんな奴がいるのかよ、みたいな」
マスターが日本酒を持ってくる。
魚沼、雪男の2品。
そのマスターが言うには、ご飯系をご飯抜きで注文する人が最近多いとの事。
そこで注文するはコロッケカレー(ライス抜き)。
これにエビフライやメンチカツを別に注文して、付けながら常連さんは食べると言う。
「ご飯ねぇ、あるとお腹一杯になっちゃうでしょ」
「酒のんでてねぇ、もう、いっぱい飲みたいから」
マスターが合いの手を入れる。
「お腹一杯にしないで、つまむんですよ」と説明。
ビールのみのつもりが日本酒まで頂いた久住さん。
マスターもニンマリ。
なぎら「酒は飲むもんじゃないんです、嗜むもんなんだね」(33:39)
と、酒飲みの屁理屈を開陳するなぎらさんでした。
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声に出して言いたい!五郎さんの名台詞
今回の「声に出して言いたい」五郎さんの名セリフは、
「なんだか凄い事になっちゃったぞ」(19:26)
勢いのままに思わず注文してしまった数々の品。
壮観に並んだそれらを食べる前に、一言こう呟きたいものです。
漫画の名セリフの一つであり、
Season1にて久住さんは口にしましたが、以外と五郎さんが口にするのは今回が初。
「ありだよ、あり、ありおりはべり、いまそかり」(22:01)
いかにも五郎さんらしい言葉の連想ゲーム。
こういうリズム感で己を鼓舞し、食欲を促進させるのだ!!
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感想と解説
Season2の開始。
色々とSeason1からパワーアップした感があります。
先ず、尺が若干伸びています。
その分、甘味のパートを入れたんですね。
これは、五郎さん役の松重豊氏の発案だったらしいのですが、
結局より多くのものを食べる事になって自分の首を絞めてしまったと若干の後悔をしていたのが(観ている分には)面白い所です。
まぁ、一ファンとしては、
五郎さんの食事シーンを多く観られるので嬉しいのですけれども。
また、食事シーンの独白が、以前にも増して饒舌になっています。
独白が饒舌って、面白い言葉ですが、事実そうなんです。
心の中から湧き出る思いが、次々と言葉としてほとばしり出ます。
素朴な感じだったSeason1から、
その評判が良かった部分を意識してパワーアップして来た、
そういう明確な意図が見られます。
好評に応え、
しかし、安穏とせずに地味に攻めて来た印象、
それがSeason2ですね。
相変わらず無茶振りをするドラマパートも面白いですが、
やはり今回はお店の雑然とした印象が強いものを残します。
まるで学食の様なテーブルと丸椅子。
色々垂れ下がるメニューの短冊。
真っ昼間からの酒盛り。
常連客とダベり、パシらせるノリ。
きっと、「店長」ではなく「マスター」というのも、自分が言わせているハズですよ。
このお店の雰囲気、明るく、楽しく、美味しく行こうぜ、
みたいなノリは、全てマスターの人柄によるものでしょう。
正に、己の店、その個性の表出ぶりが素晴らしいです。
こういうのが、「俺の城」ってヤツでしょうね。
そして、このお店の常連さんって、やっぱりこういう雰囲気に惚れて通っているんでしょうね。
正直羨ましい、自分も行きたい!
そう強烈に思わせるお店です。
(と言いつつも、実際の私は、五郎さんや久住さんみたいに、店の喧噪に気後れするタイプなんですがね)
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