ドラマ『孤独のグルメ Season2 第五話 神奈川県横浜市白楽の豚肉と玉ねぎのニンニク焼き』感想 あらすじと解説

孤独のグルメ Season2 第五話
神奈川県横浜市白楽の豚肉と玉ねぎのニンニク焼き

 

監督:宝来忠昭
脚本:田口佳宏

 

出演:
井之頭五郎:松重豊

白石教授:入江雅人
珈琲文明マスター:鹿野奏宏
老男性:斉木しげる
キッチン友お母さん:大高礼子

ふらっとQUSUMI:久住昌之、阿曽山大噴火

 


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*タイムラインはBDソフト準拠となっております

 

 

  • ドラマパートあらすじ

雨の中、神奈川県横浜市白楽へやって来た井之頭五郎。

気付いたら、いつの間にか雨も上がっている。

「おかしな天気だなぁ」

やって来たのは神奈川大学。
以前、馬の置物を購入した白石教授と面談。
教授は馬トリビアを披露しようとするが、五郎さんは次々と言い当ててします。

馬の彫刻にどんな意味があるかご存じですか?
「飛躍、成長、躍進の象徴ですね」
ムカッ

ああ、何故、白楽って地名なのかご存じですかな!
「白楽って馬の治療や仲買をする人の事ですよね。そういう人が沢山住んでたって事デスカネ…」
ムカッ

「あぁ、そういう事か…」
と、辞去する五郎さん。

 

仕事も終わり学食を覗く五郎さん。
スイーツを食べてみる。

神大ソフト フルーツミックス。(6:45)
トッピングはフルーツミックス。
コーンでは無く、カップで食べる五郎さん。

「おお、こうきたか」

「キウィがいい、パイナップルもいい」

「うん、いいチームワーク、いいミックス」

と、気付くと授業も終わったのか、学生に囲まれている。
サッと食べて退散する五郎さん。

 

アーケード街をぶらつく五郎さん。(8:20)
古いが現役の様子に味を感じる。

「昭和だ、昭和が絶滅せず、生き延びて子孫を生んでいる」

威勢の良い魚屋さんから(半ば強引に)魚を買い、
気付くと雰囲気の良いコーヒー屋を見つける。

 

  • 珈琲文明(9:23)

おいしいスペシャルティ コーヒーのお店

と看板にある。
スペシャルという言葉に誘われ入店。
仲見世ブレンド(コーヒー)を注文する。

サイフォンのブクブクを見て和む五郎さん。
こういう時間が大事なのだと再確認。
空を投影した不思議な天井だ。

「表で昭和昭和と眺めていた自分が、なんだか照れくさいな」

「ココはけっ決してレトロじゃない。何と言うか、平成モダン」

仲見世ブレンドを口にする。(11:14)
ほっと、一息。

そこで、老紳士と目が合う。
会釈する五郎さん。

「こちら、初めてですか?」と尋ねる老紳士。

狭い仲見世だが、
それは戦後のバラックが闇市として発展したものが、そのまま商店街になったからだと由来を説明する。

六角橋、珍しい地名でしょ、と言う老紳士。
五郎さんは、
「六角形の材木で組まれていたので、六角橋と言うようになっとか」と答える。

しかし、男は「そういう説もあるが」と言い、もう一つの由来を浪々と語り始める。

宝秀寺さんの1695年の記録によると、
この地を治めていた豪族、大伴久応なる者の庵に日本武尊が訪れる。
日本武尊が使っていた六角形の木の箸を久応に送ると、
久応はその箸に「天照大神、日本武尊」と書いて、日夜拝んだそうな。
こうしてこの地は六角箸となり、
それが転じて六角橋となり今日に至るのである。

突然の豹変にビックリする五郎さん。

「講談師か何かか?」

ふと気付くと、店内は元の静かな店。
老紳士も、普通に座っている。

何だか、夢を見ていたみたいだ。

それに、

 

  • 腹が減った(14:36)

ポン、ポン、ポォン

よし、店を探そう。

行き来し、店を物色する五郎さん。
是非ともここで食べたい気分だと仲見世を歩き回る。

ふと見つけた店、「キッチン友」。

「来た、ストンと来たぞ」

「岡持、出前だ、この岡持だ、決定打だ」

「ここに決まり」

 

  • キッチン友(16:23)

入店した五郎さん。
2階へ促される。

「この急すぎる階段に、期待も急上昇だ」(16:45)

メニューを眺める五郎さん。
「ちょっと大きめの一口」のフレーズにツッコミ、
それって一口じゃなくなってるんじゃないのか?
色々眺めながら注文決定。
スペシャル友風焼きを選択。

「今日の俺はスペシャルだ」

 

周りの学生を眺める五郎さん。
心理テストを盗み聞き。

引っ越し先の新しいリビングに置くなら何?
A:綺麗な花が活けられる花瓶
B:上品な彫刻品
C:おしゃれなコーヒーメーカー

結婚に向いているかどうかの心理テスト
Aが一番向いていて、Cが向いていないとの事。
五郎さん、鼻でわらう。

他のテーブルのジャンボを見て感嘆。

唐揚げ、ハンバーグ、目玉焼き、エビフライ、とんかつ、スパゲッティ、隅にご飯まで載っかってるあの感じ、大人のお子様ランチだ」(20:57)

「ジャンボが彼等にはレギュラーなんだろうなぁ」

お母さんは急な階段を何度も登り降りしている。

 

五郎さん、野菜も欲しくなってきたなとメニューを眺める。
「あっ」と気付いた五郎さん、友風焼きにはみそ汁が付かない様だ。
慌てて、とん汁とハムポテトサラダを追加注文する。

「ふう、これで汁問題は解決」

 

足音を敏感に聞きつけた五郎さん。(22:19)
注文の品がおいでなすった。

 

スペシャル友風焼き(22:36)
「コイツがスペシャルかぁ」

「オイオイ、玉ねぎの山で豚が見えないぞ」

「でも食欲がビンビンにそそられる」

「うんうん、これだよ、コレ」

「濃い味玉ねぎ、やっぱり、玉ねぎはこれ位の量がご飯には美味いんだ」

「ほうら、バチーンと合うぞ」

「出て来た出て来た、何だか発掘みたいだな」

「うん熟している、美味い、美味い、王道学生味だ」

 

とん汁。(24:07)
「さて、とん汁は」

「ああ、なるへそ。洋食屋のとん汁、良いじゃないか」

「具もタップリ、これ一つでも十分飯が食える、うん、素晴らしい」

 

ハムポテトサラダ。(25:14)
「うん、うん、熱いものが続いた後のポテサラがまた良い」

「ハム、こういいう脇役ハム、好き」

豚肉と玉ねぎ 対 ハムとポテト、いいダブルスだ」(25:54)

「フライドポテトもいるのか」

「芋と芋、豚と豚、でも足を引っ張り合っていない」

「このタレの味が付いたスパゲッティが、また良いんだ」

 

新しく来た学生も、やっぱりジャンボランチを注文。

「ジャンボがレギュラー、ジャンボがデフォルト」

「ようし、俺も学生食いと行くか」と、気合いを入れる五郎さん。

「う゛ん、気分は学祭蒸気機関車だ」(24:46)

くべる、燃やす、くべる、燃やす、くべる、燃やす!」(27:53)

とかき込む五郎さん。

 

お勘定、退店する五郎さん。(28:53)

「今日の俺は、正にスペシャルだ、スペシャリティ五郎だ」

「この小さな、夢の商店街よ、永遠なれ」

ふらりと去って行く五郎さんであった。

 

  • ふらっとQUSUMI(29:39)

キッチン友にやって来た久住さん。

そこには裁判ウォッチャー、阿曽山大噴火さんが待っていた。
孤独のグルメの大ファンだと言う。


*2013年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認

 

メニューを見た二人、先ずは「ペテカツランチ」にツッコミ。
「ちょっと大きめの一口カツがたっぷり」に、
どっちなんだ?多いのか少ないのか?

 

「今日は飲まないって事に」と宣言をする久住さん。

阿曽「久住さん飲まない事あるんですか?」

ありますよ、もう、TVのおかげでいつでも飲んでる人に思われてるけど」(31:04)

阿曽「飲んで無い時ないですよね、一回も」

「そんな事はない」

かなりのレアパターンだと阿曽さんはツッコむ。

 

友風ハンバーグを食べる久住さん。
たっぷり玉ねぎが良い味だしている。

その間にチーズきゅうりを食べる阿曽さん。

しかし、何故だかお店のお母さんがビールを持って来る。

「えー、やられるなぁ」

「まぁ、もうしょうが無いでしょうコレは」

と、結局飲んじゃう事になる久住さん。

阿曽「事故みたいな言い方止めて下さいよ」

 

阿曽さん、オンエア時に五郎さんの面白い名言、つぶやきをTwitterでつぶやき返しをしているそう。

すると、それを読んだ他の人が、
「いやいや、この台詞を忘れている」とさらに言ってくるとの事。

 

阿曽さんの注文、ペテカツランチが来る。
一口というか、結構大きい。

お母さん「だから、一口カツだけどちょっと大きめって書いてある」(33:00)

阿曽「なんか、視覚的にエビフライを想像して」

「そうそう」

阿曽「豚肉の味が来るっていう」

 

お母さんが言うには、ここでは隠れメニューのオムライスが一番人気との事。

先に言って下さいよと阿曽さん。

ノリがお母さんで、良く美味しく食べている二人でした。

 

 

そして、さらに、キッチン友の前に珈琲文明に寄っていた久住さん。


*2013年当時のデータなので、現在も営業中なのかは要確認

 

「いつも酒のんでいるって思われてる様だけど、コーヒーもちゃんと好きです」

 

久住さん、マスターとは旧知の仲との事。

こちらも店は文明カレーパンも人気で、いつも食べていると言います。

「最初の人はどうやって食べたら良いか、分かんないんじゃないですか?」

見た感じでは、揚げパンを容器状にくりぬいて、
その中にカレールーをいれ、パンの蓋をしています。

「こういうカレーパンここでした食べた事ないですね」

蓋に塗って食べた残りを、結局かぶりつきで食べた五郎さん。

 

さらに、地獄のカレーパンなる物もあるとの事。

カエンペッパー
ブラックペッパー
ハバネロ
唐辛子
ガラムマサラ
山椒

これらを思い切りぶち込んだ一品。

「色がもう、カレーの色じゃないじゃないですか、コレ」

食べる久住さん
「うん、けっコォーッれは、かーらい

「後から来る、うわー辛い、これは辛い」

「これ全部食べろって、うわコレチョット、絶対無理」

「涙出て来た本当に」

「今日撮影もう終わりだね」

食べた人が書く、記念もえんま帳に
「無理!どうかしてる!」
と記入して、完敗した久住さんでした。

 

  • 声に出して言いたい!五郎さんの名台詞

今回の「声に出して言いたい!」五郎さんの名セリフは、

 

くべる、燃やす、くべる、燃やす、くべる、燃やす!」(27:53)

ガッツリ食べている学生に触発され、ドカ食いを敢行する五郎さん。
燃料を燃やし尽くすエネルギーの塊、蒸気機関車の如き若者の食欲を己になぞらえ、
ドンドコ胃袋の中に放り込みながら言いたい台詞だ。

 

  • 感想と解説

六角橋という舞台を意識してか、今回のドラマパートは幻想的なイメージ

恐らく、『孤独のグルメ』はまずは「店」在りき。
その後に、その場に因んだドラマを作っていると思いますが、今回は特に不思議な印象です。

実は、冒頭の「狐の嫁入り」の様な天気こそ、
今回はこのイメージで行きますよ」という宣言だったのですね。

 

ドヤ顔しようとして失敗する教授も面白いですが、
印象的なのは老紳士が語る六角橋の由来のシーン。(13:12)

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)ゆかりの地であると老紳士は語るのですが、
これは本当に彼が言った事なのでしょうか?

 

馬にまつわるトリビアをスラスラと言える事から、
五郎さんはかなりの博識であると思われます。

しかし、白石教授との面談の時は、
相手の「ドヤ顔したい」という気持ちを察せずに、つい正解を言ってしましました

客商売としては、ちょっと失敗。
五郎さんはそれを気にしていたのかもしれません。

老紳士が「六角橋の由来」を尋ねた時、
五郎さんは一つの正解を言いますが、もう一つの方は言いませんでした。

五郎さんは、「日本武尊」の方の由来を知らなかったのでしょうか?
もしかしたら、知っていて敢えて、相手に喋らせる事も必要だと思って黙っていたとも考えられます

先程は、白石教授で失敗しましたからね。

 

更に言うと、
これは丸っきり五郎さんの白昼夢だった可能性もあると思います。

老紳士を見て、
彼がこう話したら、こう言う風に言うかもしれない、
その時は、かれの蘊蓄を大人しく聞こう、

そういう事を、全部想像で頭の中でシミュレーションしていたのではないでしょうか?

壁掛け時計の時間を見ると、
語り終えたのは3時10分、
五郎さんが「ハッ」と気付いた瞬間は3時17分。
タイムラグがあるんですね。

 

冒頭で描写された通り雨=狐の嫁入りは、
これ即ち、夢幻のイメージ

五郎さんはきっと、夢を見ていたのだと思いますね。

 

食事シーンでは、学生に触発される五郎さんが面白いですね。

また、
他人のテーブルの会話にツッコんだり、
汁ものを忘れて思わず声をあげたり、
階段を登るお母さんの足音に敏感に反応するのも、
あるある感があります。

 

心理テストも意外な感じ。

五郎さんなら食い意地が張っているから、コーヒーメーカーかな?とも思いましたが、
輸入雑貨をやっている五郎さんからすると、花瓶の方に食指が動いたのかもしれません。

むしろ、今から他のものを食べるので、雑念が払われていたのかも?

 

そして、今回はふらっとQUSUMIがてんこ盛り。

中でも印象的だったのは、
「今日は飲まない」と言った久住さん。

「TVのおかげでいつでも飲んでる人に思われてるけど」(31:04)

と言っています。

久住さん、TVの前だからテンション上げてますが、
実際はシャイな感じなのではないでしょうか?

お酒好きっていうのは、
キャラ付けという意味と、
お酒の力で気分を盛り上げている点があるんでしょうね。

先日も(2018/04/20)、
Twitterで「ふらっとQUSUMI」が批判されたと気にしていた久住さん。

でもやっぱり、
『孤独のグルメ』が流行った要因の一つは、
久住さんの自然な、等身大の反応がウケた部分も大きいですよね。

久住さんには、
ちょっとしんどいかもしれませんが、
やっぱり見ている方としては
「ふらっとQUSUMI」は続けて欲しいものです。

 

 

 


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