ドラマ『孤独のグルメ Season2 第九話 江東区砂町銀座商店街を経て事務所飯』感想 あらすじと解説

孤独のグルメ Season2 第九話
江東区砂町銀座商店街を経て事務所飯

 

監督:溝口憲司
脚本:田口佳宏

 

出演:
井之頭五郎:松重豊

服部久美子:ともさかりえ
滝沢の声:植草朋樹(テレビ東京アナウンサー)
とんぱちで飲む男性:吉田類
亀田:温水洋一 他

ふらっとQUSUMI:久住昌之

 


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*タイムラインはBDソフト準拠となっております。

 

  • ドラマパートあらすじ

江東区砂町辺りを車で流す井之頭五郎。

師走という事で仕事が立て込んでいる。
助手席には、お客さんに届ける置物がシートベルトをしている。

そのお客の服部さん、なかなか個性的な置物だが、「カワイー」とお気に入りのご様子。
「女性の可愛いは奥が深いな」と五郎さん。

足を怪我したという服部、ふらついて五郎さんに寄りかかる。
流石にトキメイたのか?五郎さん、明日開店だというお店の準備を手伝う。

設置も終わり一息つく二人。
「有り難う御座います、あとは旦那にやってもらいます」と服部、
思わず咽せる五郎さん。

「なんだ、旦那にやらせれば良かったんじゃないか」と思う五郎さん。

「やっぱり俺も、悔しいけどべっぴんさんには弱いのか」(05:17)

 

知人の滝沢から仕事の依頼、明後日午後三時、十条で、との事。
資料は明日作ると五郎さん。

車で移動途中、砂町商店街を見かけ、物欲しそうに眺める。

 

また一仕事終え、パリの知人に送る資料を作りたい五郎さん。
メールを書く為、喫茶店に入る。

なんと、入り口正面に鎧兜に具足がお出迎え。

そんなお店、「珈琲道場 侍」にて
フレーバーコーヒー(ブルーベリー)とコーヒーゼリーをたのむ五郎さん。

フレーバーコーヒー(07:41)

「思った以上に香るなぁ、味は、コーヒーだ」

蓋を開けると真っ白だった、コーヒーゼリー。(08:12)

「うん、美味にて候、武士流のもてなしか、かたじけない」

 

メールをしようとした五郎さん、変な格好をして寝ているオジサンがカウンターに居るのが気になる。

注文のカレーが来て慌てて起き、熱いまま口にし、ハフハフしている。

「駄目だ、あの人から目を離せない」

 

そこに、外国人と思われる女性二人がやってきて、オジサンに質問する。

“Excuse me. Do you know the name of the place island where Miyamoto Musasi and Sasaki Kojiro fought?”

あたふたするオジサンに五郎さんが助け船、

“You mean 巌流島”

“Yeah, thank you”と去って行く二人。

英語がからっきしだと言うオジサン、何を聞かれたのかと五郎さんに尋ねる。

宮本武蔵と佐々木小次郎が対決した場所を尋ねられたのだと答える五郎さん。

で、それは何処ですか?
とさらに質問するオジサン、歴史もからっきしだと言う。

「からっきしにも程があるぞ」と思う五郎さん、

「種子島じゃないですか」と言っちゃう。

「あ、種子島!」と何故か納得するオジサン。

「さ、もう一件、それで今日の仕事は終わりだ」
と、何食わぬ顔の五郎さんであった。

 

仕事を終えた五郎さんに、滝沢から再び電話。
一日繰り上げて明日頼むとの事。

さらに、服部から置物がもう一つ欲しいとのリクエストも入る。

「ハイ、徹夜決定」と覚悟する五郎さん。
ハァとため息、

 

  • 「何だか急に、腹が、減った」(13:05)

ポン、ポン、ポォン

店を探そう、としてふと思い出す、
車で流していた時に見た、砂町商店街の様子を。

「そうだ、砂町銀座だ」
五郎さん、砂町銀座商店街に向かう。

 

  • 砂町銀座商店街(13:32)

かなり長い商店街で、庶民的な雰囲気。
ここで惣菜を色々かって事務所飯にしようと決めた五郎さん。

 

先ずは焼鳥の竹沢商店。(13:53)

「鶏皮、つくねになんこつ、お、コイツはいいゾ」

牛豚煮込みを購入。

ようし、と気合いを入れる五郎さん。
小雨も降ってきたので傘を買う。

さぁ、何を買う、何を食う、商店街トローリングだ」(14:45)

 

あさり屋さん。(14:56)

「可愛い、可愛い、あっさりやさん♪」とノリノリの五郎さん。

「あさりの佃煮、いいなぁ」と思いつつも、
あさりご飯を購入。
あさりが後乗せタイプ。

「アツアツの内に食べて下さいね」との事。

さらにカボチャも購入。

「チンしたご飯におかずと思っていたが、あさりご飯に出会えるとは」

「あさりご飯をメインに脇を固めて行けばいい」

 

産直フーズ とんぱち。(16:09)

レバカツ、こいつも行っとくか」
と、2枚購入。

お店で飲んでいる男性と目が合う。
お酒を掲げる男性。
五郎さん、釣られて思わずお店の中に入りかける。

「いかん、下戸なのに思わず引き込まれてしまった」

「何なんだ、あの人は」

 

増英かまぼこ店。(16:56)

「おでんかぁ、ちょっと欲しくなるなぁ」と五郎さん。

「中華揚」という商品が気になり尋ねる。
ピリ辛で美味しいとの事。

その中華揚シューマイ巻を購入。
牛すじも欲しかったが売り切れだ。

「スジ、欲しかった、スジ」

 

手作りの店 さかい。(17:35)

「おお、いいの見つけたぞ」と、マグロメンチを購入。

「スジを逃してマグロを釣る」

 

歩いていた五郎さん、急にのけぞる!

「あー、バカやった」

「何故あそこで大根を頼まなかったんだ、俺は。おでんと言えば大根だろうが」
と後悔しているご様子。

「しかし、大根一つに戻るのも、コレまた馬鹿みたいだし」

ふと気付くと、目の前におでん吉田屋が。(18:03)

「おっと、渡りに船、バカに付ける大根」(18:09)

おでんの大根購入。「俺はツイてる」

 

地鶏の鳥光。(18:31)

鳥の丸ごと(?)姿焼き、っぽいものがある。

「何だ、このカブトってのは、迫力あるなぁ」

喫茶店で見た鎧兜を思い出す五郎さん。

しかし、購入するのはチキンロール

 

牛、豚、鳥、マグロにおでんにあさり。陸海空、網羅したぞ」(18:55)

砂町銀座商店街に一礼し、両手にビニール袋の五郎さん。

「ようし、アツアツの内に帰ろう」とウキウキの小走り。

「あさり屋のお婆ちゃんにおこられちまう」

 

  • 事務所(19:20)

事務所に帰った五郎さん。

「さぁて、メシだメシだ」

お皿やお椀、小鉢に盛り付けズラリと並べる砂町銀座商店街の五郎’sセレクション。

「うわぁ、何だか凄い事になっちゃったぞ」

BGMにラジオをかけ、いただきます。

 

先ずは、コイツから、と牛豚の煮込み。(20:20)

「うん、この煮込み、庶民。居酒屋のとは違う。うンまい」

ズズッ「濃いなぁ、このミックス汁」

 

あさりご飯。(21:18)

「お婆ちゃん、美味しいです」

「あんまり食べた事ないのに、何でこんなに懐かしい味がするんだろう」

 

レバカツ。(21:53)

「よく考えたら、コイツも牛のモツだよなぁ」

「モツがダブってしまった」

がぶり「おお、同じモツでも方向性が違う。コレはセーフだ」

「ソースの威力、強し」

「うん、ダイジョブ、ダイジョブ」と、
牛豚の煮込みとレバカツを交互に食べる。

 

かぼちゃの煮物。(22:58)

「ほう、ホックホク、お婆ちゃん、カボチャもいいよぅ」

 

おでん(しゅうまい巻、中華揚)。(23:25)

中華揚をパクリ、
「お母さん、ピリ辛だって言ってたよなぁ」

「うん、そんなにピリ辛感は無いか」

「あ、ちょっと来た、プチ辛」

しゅうまい巻を食べ、思う
肉を皮で包んだシューマイを、さらに練り物で巻いて、それを揚げて煮て、味の過剰包装だ」(24:02)

 

そして、おでんの大根。(24:22)

大根を箸で割って、パクリ「美味い」

「お前さんと出会えて良かった」

 

五郎さん、別の場所で買った2つのおでん汁を飲み比べてご満悦。(25:04)

「いろんな汁、嬉しい」

 

チキンロールを、ムシャリ。(25:27)

「うん、期待を裏切らない、教科書通りのトリ味だ」

 

そしてラスト、
「実はコイツが今日の一番の楽しみだったかも」

「結構デカイなぁ」

マグロメンチに向かう五郎さん。(26:12)

「マグロメンチ、名前からして凄い、昔のプロレスの技みたいだ」

「おお、こう来たか、これは大技だ」

「マグロメンチ、こういう味か、へぇ~」

と、徐に席を立つ五郎さん。
調味料を持ってくる。

「これをメンチと思えばソースだが、マグロ料理と思えば醤油だ」

「どっちをかけるべきか」

「うーん、ここはマグロを立てておこう」と醤油を選択。

「うん、正解、美味い、醤油で当たり」

「ん?カラシ醤油という手もあるなぁ、しかしマグロ的にはわさび醤油」

「…めんど臭いから、カラシもわさびも無し」

 

一通り食べた五郎さん、まとめにかかる。

「どれも美味い」

「砂町銀座の庶民メシ、最高」

「でも、やっぱりちょっと買い過ぎたかなぁ」

「買い過ぎた、食い過ぎた」

ごちそうさまでした、と食後の一服。

 

これから仕事かぁ、と流石の五郎さんもため息。(29:23)

俺、いったい何やってんだろう?」(29:50)
窓から外を眺め、一人思う五郎さん。

「ああ、食ったら眠くなっちゃった、大寝するとマズイな、プチ寝しよう、プチ寝」

そう言い、椅子で居眠りへと落ちて行く五郎さんであった。

 

  • ふらっとQUSUMI(30:57)

砂町銀座商店街に訪れた久住さん。


*各店がまだあるかは要確認

 

先ずは、地鶏の鳥光にてしゃも皮を注文。

そこにスタッフから、「久住さんの 好きなもの」という謎の缶飲料が差し入れされる。

「あ、ジュースですね、レモンジュースでした」(!?)

しゃも皮を立ち食いする久住さん。
「おいしいですね」と久住さん
「超おしいいですよ」と返す店員さん。

 

てつくりのおそうざい 染谷食品店を見る久住さん。
「どれも美味そうだ、やばいねこれ」
「これみんな買っていって宴会したくなるね」

 

かまぼこの店 増英かまぼこ店(おでん屋)にてちくわぶを注文する久住さん。

30円!?安っ!!ちくわぶ30円!」(32:50)
「おいしい、味しみてる」と久住さん。
ちくわぶですよ、おでんは、と力説。

お魚のすじも食べる久住さん。
「お味見て下さいって言われちゃった」

 

あさり屋さんではあげ餅を勧められる。
「あー懐かしい味、コレ!」
これが本物の味ですよと、店員さんも自慢げ。

「あ、お醤油の味、これ本っ当にね、、これ本物の、本物って書いてあるワ」
「これ買う、俺」と大満足の久住さん。

 

産直フーズ とんぱちの食事スペースに座った久住さん。

寒いのでちょっと、白湯を頂いて、
と、どう見ても日本酒を飲む久住さん。

肴は牛筋大根(煮込み)。
「うん、美味しい」

 

「この街はいいですね。お店の人がみんな感じ良いですね」

「商店街って個人商店が集まってこそ、醸し出される雰囲気があると思うんですね」

「うん、白湯(!?)が一番だ」と、締めた久住さんでした。

 

  • 声に出して言いたい!五郎さんの名台詞

今回の「声に出して言いたい」五郎さんの名セリフは、

 

さぁ、何を買う、何を食う、商店街トローリングだ」(14:45)

商店街ってワクワクしますよね。
ちょっとしたお祭り気分ですよ。
これを、端から端まで歩き、その全てを浚い尽くすべし!
商店街に挑む時に、言いたい台詞である。

 

牛、豚、鳥、マグロにおでんにあさり。陸海空、網羅したぞ」(18:55)

陸海空を食事で網羅するのって、実は結構難しい。
ちょっとしたトロフィー気分だ。
これが出来るのも、商店街ならでは。
全部たんぱく質だなんて、野暮なツッコミだぜ!

 

  • 感想と解説

個人で商売をしている五郎さん、師走という事で格別忙しいのか、大わらわ。

今回、ドラマ部分で描かれるのは、対象的な二人のお客様。

先ずは、特徴的な顔が魅力的なともさかりえ演じる服部さん。

この服部さんは、変な像を可愛いといったり、
五郎さんを(ある種意図的に操って)片付けをさせたり、
かなりの自由人の様です。

こういうタイプの人、
社交性もあるので、
今回の追加注文でもお気に入りになれば、常連さんになる可能性が大です。

また、他のお客さんとかも紹介してくれるタイプでもあるので、疎かに出来ない感じがしますね。

 

一方、電話にて仕事を頼んだ滝沢はちょっと厄介な相手。

仕事を頼んでくれるのは有り難いですが、
約束をイキナリ一日繰り上げる無茶振りをかまします。

これはつまり、
「コイツに頼めば否やは言わない」と足下を見られているのですね。

注文を受けるという立場上、なかなか断れないのが、五郎さん側としても辛い所。
しかし、これをやってこそ、次に繋がる。

商売にはなるけれど、あんまりやりたくない仕事、といった感じです。

 

同じ常連客といえど、
商品が気に入ってリピートしてくれる人と
サービスが気に入ってリピートしてくれる人、
二つのタイプが描かれているんですね。

どちらにしろ、蔑ろには出来ないお客さん、
五郎さんは徹夜を覚悟します。

 

そして選択したのは事務所飯。

今回はいつもと様子が違い、商店街を流し、商品を購入してゆくというスタイル。

面白いのは、
いつもお店ではメニューを眺め、
バランスや組み立てに一家言を持って注文している五郎さんが、
今回は流れのままに、欲望のままに、
欲しいものを出たとこ勝負で購入している点です。

ライブ感を前面に押し出した形なんですね。

なので、今回は食のバランスが悪いです(笑)。

まるでお小遣いをもらった中学生が欲望のままにチョイスしたかの様なラインナップとなっています。

「牛、豚、鳥、マグロにおでんにあさり。陸海空、網羅したぞ」(18:55)

とは言いますが、その殆どがたんぱく質。

野菜はカボチャとおでんの大根。
緑色が足りてない感じです。

もう、丸っきりガッツリ系です。

普通ならメインとなるハズのおかずを何品もズラッと並べて一人満漢全席を繰り広げます。

 

しかし、ああ、しかし、楽しみの後には仕事が待っている。

あの、窓の外を眺めながら、
「俺、一体何やってんだろう?」(29:50)という言葉、深いですね。

仕事の前に気分を盛り上げちゃって解放して、
これからやる仕事の面倒くささが相対的に増して、
憂鬱になっているんですね。

そして、食べた後には眠くなる。
これも分かります。

ほんのちょっと寝て、目を覚ましてから、徹夜。

一人でやる仕事は、ここが辛い。
助けてくれる人はいない。

辛いが、がんばれ、頑張れ五郎!!

そうエールを送ったエピソードでした。

 

 

 

 


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