ドラマ『孤独のグルメ Season3 第二話 神奈川県横浜市日ノ出町のチートのしょうが炒めとパタン』感想 あらすじと解説

孤独のグルメ Season3 第二話
神奈川県横浜市日ノ出町のチートのしょうが炒めとパタン

 

監督:溝口憲司
脚本:田口佳宏

 

出演:
井之頭五郎:松重豊

坂上栞:遊井亮子
第一亭・店員(姉):杉野なつ実
第一亭・店員(妹):あめくみちこ
常連客:杉野万作

ふらっとQUSUMI:久住昌之


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*タイムラインはBDソフト準拠となっております

 

  • ドラマパートあらすじ

神奈川県横浜市日ノ出町にやって来た井之頭五郎。

生憎の雨模様ではあるが、看板地図で確認し付近を散策する五郎さん。
掛かってきた携帯に出ると、なんと予定時間を間違えていた五郎さん。
急いで約束の場所に向かう。

 

ペットショップ兼ペットの美容院の「Western Kennel」に着いた五郎さん。(37:26)

しかし、お相手の坂上さんは急用で外出との事。
待っている間に、スタッフさんがケーキを持ってくる。

ケーキの見た目も可愛い犬である。

シロの生シュー。(38:25)

「おお、ホイップクリームたっぷり、犬顔、美味し」

「これなら犬好きでも許しちゃう味」

本当に美味しい、ワン、ワン、ワンダフル」(39:25)

 

ペットのグッズを物色している内に、坂上さんが戻ってくる。

呼び出しておいて遅れてすみません、と坂上さん、
いえいえ、こちらも遅れてすいません、と五郎さん。
互いに謝り合う奇妙な挨拶が繰り広げられる。

坂上さん、海外の商品を扱うにしても、横浜的なものが欲しいとリクエスト。
これまた難しい注文だが、リストを作って後ほど送ると五郎さんは約束する。

 

仕事も終わり、雨も止んだ。
地図で確認した動物園(野毛山動物園)に行ってみるかと五郎さん。(41:27)

しかし、坂を随分と上がって歩き回る内にふと思う。

「いやまて、動物園に行って、どうする?俺」

「何だか急に疲れた」

 

  • 「おまけに、腹が、減った」(43:09)

ポン、ポン、ポォン

店を、探そうと五郎さん。
日ノ出町駅前まで戻る。

そこで、奇妙な看板に出くわす。
「豚豚豚豚豚」の文字が縦に並んでいる。

「何だあれ?豚がいっぱいだ」

近付くとそれは、

豚 足
豚 耳
豚 尾
豚 舌
豚頭肉

という看板であった。

「そういう事か」と納得。

「そう来たか、うん、受けて立とう」と入店する五郎さん。

 

  • 第一亭(44:23)

お客さんも多くて大人気、カウンター席に座る五郎さん。

「これはチョイスが難しい店だ」と五郎さん。
壁のメニュー短冊を眺める。

「ホルモン、モツ、小袋、ハツ、胃に舌に頭まで。全身どこでもありだ」

張り紙の「チート(豚胃)」にも興味津々の五郎さん。

「豚で白い飯、直球豚勝負だ」

「問題は、豚の何処にそれを投げ込むかだ」

しかし、他の客の焼きビーフンのいい匂いにも惹かれる五郎さん、

いや、惑わされちゃいかん、誘い玉に手を出すと軸がブレる」(47:00)

豚豚豚豚豚、と唱え、当初の予定通りに豚推しで行くと決める五郎さん。

注文は
タン、ホルモン炒め、チートの生姜炒め、ライス。

豚トリプルは重ね過ぎかぁ」(47:35)

「イキナリ頼み過ぎたか」と多少反省。

 

一息つき、お店を見渡す五郎さん。

注文と対応のやり取りを見て、

「良いリズムだ、店がスイングしている」と感嘆。

持ち帰りの客が来たり、常連客のオジサンが来たりする。
そのオジサン、流れる様に注文するが、
その中に「パタン」なる物がある。

「パタンって何なんだ?」

そのパタンを他のカップル客も注文、どうやら人気メニューの様である。

 

注文が来る。(50:42)

「良い選択だったぞ。食欲がビンビンにかき立てられる」

 

やっぱりコイツからだと、五郎さんはチート(豚胃)のしょうが炒めに箸を向ける。(50:42)

「オイオイ、この豚、トンでもないぞ。美味すぎる」(50:58)

「コレが豚の胃?コリコリだと思ったら、ポワポワに柔らかい。チート、胃い(良い)」

「生姜ってのがまた、堪らなく飯を煽る」

 

ホルモン炒め。(51:43)

「今度はプリプリだぁ」

「合う!ご飯がまた仕切り直して美味い」

飯とホルモンと俺。この三角ベースを回り続けてたい」(52:23)

 

豚舌(52:40)

ネギと味噌と一緒に食べる五郎さん「これは、こうだよな」

「うん、ネギで、タンで、味噌だれ、この組み合わせも最強」

ネギが良い、ネギって何処に行っても良いアシストするよなぁ」(53:24)

 

スープをずずっ、と啜る五郎さん。

「どれもこれもニンニク効いてる、だからご飯がバクバクいける」

「豚にも、色んな輝きがある。それがこの店の中で星空の様にさざめいている」

「いいゾ、いいゾ、オール豚肉総進撃だ」

 

ここで少し、箸を止める五郎さん。

「う~ん、ここは悩み所だ」

「ライスをお替わりするとおかずが足りない」

「なら、おかずももう一品行くか」

「…行き過ぎか?」(55:10)

そこに、常連客が注文したパタンが届く。
パタン、見た目には素の麺の山盛り。
焼きそばっぽくも見える。
カップルの方にはニンニクが強烈だと説明している。

五郎さん、店員さんに尋ねてみる。
「メニューに無いですね」

どうやらパタンは元々賄い料理で、常連さんのリクエストで出すようになった物との事。

しかもニンニクが強烈、常連のオジサン曰わく、
「あさってまで残っちゃうよ」

あさってまで。ますますソソられるじゃないか」(56:51)

俄然興味が湧いた五郎さん、そう聞いたら頼まずには居られなかった。

 

パタン。(57:03)

名前の由来を尋ねた五郎さん。
店員さんが言うには、ニンニクを包丁の背で潰す時の「パタン」という音との事。

このパタン、そのまま食べるも良し、
スープに漬けて食べる方法もあるという。

五郎さん、スープのお替わりをもらって、先ずはそのまま食べてみる。

おお、ニンニクって、ここまで入れると辛い」(58:28)

「ホッ、ホッ、ホホ、これは来るなぁ」

「何か熱くなって来た」

スーツを脱いだ五郎さん、今度はスープに漬けて食べてみる。

「あ、こうなるか。成程、コレ、良いなぁ」

「美味い、大丈夫、ニンニク、うまい」

「パタン、これは良い物を知った」

「坂歩きで疲れた体にニンニクパワーが注入されて行く」

「食えば食うほど元気が出る」

 

食べ終わった五郎さん、他の客がいなくなったのを確認し、タバコで一服の許可を店員さんからもらう。

「いやぁ、食べた食べた、野毛、恐るべし、横浜、深い」

「豚に感謝、そして、お母さん達に感謝、美味しかったです」

 

退店。(01:02:08)

自分の息を確認する五郎さん。

「もう今日は人に会えない、とっとと家に帰っちまおう」

しかし、常連客はあさってまで残ると言っていた。

「しまった、明日も仕事にならんぞ」

ま、美味かったから良いんだけど」(01:02:20)

そうにこやかに去って行く五郎さんであった。

 

五郎さんの食事全集はコチラのページから

 

  • ふらっとQUSUMI(01:03:20)

第一亭に訪れた久住さん。


*2013年当時のデータですので、お店に行く時は要確認

 

姉、妹、弟の家族で経営している、
豚料理を中心とした台湾流中華料理のお店との事。

 

先ずは勿論、ビールから。

「明るい内の酒って、何でこんなに美味しいんだろう」

 

しじみの正油漬け
これは、自分で貝を開けて食べるとの事。

「自分で貝を開けるっていうのが、枝豆の貝版っていうかね」

「コレもニンニクだよね、もう臭い?おれ?」

 

チート(豚胃)のしょうが炒め

「生姜が凄い効いてる、臭みが全然無い」

「耳とかに近い、ちょっとコリッとかした感じがして、歯ざわりが堪りませんね」

 

そして、ニンニクを包丁の背で「パタン」と潰す音が名前の由来のパタン

ごま油と醤油というシンプルながら奥深い味わいとの事。

「うん、凄いわ、コレ、でも美味しい」

「これ賄いにしとくのは勿体ないよね」

スープにつけ麺で食べると、

「うん、合う合う」

「やばいでしょ、みんなコレ食べたくなるよね」

 

パタンについて店員さんと話しをする久住さん。

久住「シンプルですよね」

姉「何も入ってない」
「シンプル過ぎてメニューに載せる程でもない」との事。

久住「でも、今、頼まれる方も結構多いんですか?」

姉「多いんですよ」
「ね、結構出るよね」

弟「一番出ますね」(01:06:53)

久住「それなのに、メニューに書いて無い(笑)

そんな奇妙なお店でした。

 

久住さんの食事全集はコチラのページから

 

  • 声に出して言いたい!五郎さんの名台詞

今回の「声に出して言いたい」五郎さんの名セリフは、

 

いや、惑わされちゃいかん、誘い玉に手を出すと軸がブレる」(47:00)

豚料理に誘われて入ったお店。
しかし、焼きビーフンも美味そうだ。
だが、待て、行き当たりばったりに当初の方針を変換して良い物か?
迷った時には、この台詞を思い出し、基本に立ち返る事も肝要かもしれない。

 

ま、美味かったから良いんだけど」(01:02:20)

ニンニク臭を明後日まで継続させるというニンニク料理。
しかし、そこに公開はない。
何故なら、美味しかったから。
美味しい物は、全てを許してしまうのだ。

 

名言集はコチラのページにまとめてあります

 

  • 感想と解説

今回の五郎さん、なんと珍しく約束に遅刻。
こんな事もあるもんだね、と珍しいエピソードです。

ペットショップの依頼の無茶振り具合が恐ろしいが、
それを拒めないのが個人商店たる久住さんの辛い所。

 

そして、ドラマパートの四つ足関連を受けた形なのか、
動物園を断念した事を引きずっていたのか、
今回は豚料理尽くし。

ペットショップの依頼を食い尽くしてやる!
という、五郎さんの隠された決意が込められているのかもしれません。

 

さて、食事パートは五郎さん流の注文術が遺憾なく発揮されたエピソードと言えるでしょう。

先ずは、店の看板佇まいで、雰囲気を把握。
入店し、メニューをざっと確認、方針を決める

今回で言うと、「豚推し」ですね。

途中、焼きビーフンに心奪われるも、
最初の注文の方針は、基本、揺るがさない

しかし、追加注文の時には、店のライブ感を考慮し、
その場の流れにて他の客の注文に被せてオススメ品や裏メニューを注文する

前半は基本を重視し、
後半はフレキシブルな対応を見せる。

これが五郎さん流の注文術なのです。

 

まぁ、一般人がこれを真似するのは、五郎さん並の食事量を求められる為難しいかもしれませんが、

しかし、五郎さんの注文を見ると、
「食」というものに芸術性や競技性の様なものを感じ、
同じ事をしたくなりますよね。

 

さて、今回、「ふらっとQUSUMI」にて、しじみの正油漬けという料理が紹介されました。

この字、「正油」って「醤油」と違うものなのでしょうか?

これは、難しい漢字である「醤油」の当て字だという説

また、「醤油」にオリジナルのタレを加えた味付けをしている為、区別する為に「正油」表記をしている説

等があります。

今回の場合は、どちらなのか?
流石に食べずに判断するのは難しい所です。

 

また、今回フューチャーされたニンニク。

いやぁ、ニンニク美味しいですよね。
私もご多分に漏れず大好きですね。

昔はニンニクチップをそのまま食べて
「辛っ」
とか言って遊んでました

しかし、ニンニク。
中国産と国内産とでは、その値段に雲泥の差があります。

中国産で3個100円で買えるものが、
国産は1個300円だったりします。

…一体どっちを買うべきなのか?

いつも悩みながら、しかし、
やはり安い方を買ってしまう

この庶民の情けなさを思い知らされる物、
それがニンニクでもあるのです。

 

 

 


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