孤独のグルメ Season3 第七話
目黒区駒場東大前のマッシュルームガーリックとカキグラタン
監督:宝来忠昭
脚本:田口佳宏
出演:
井之頭五郎:松重豊
店主・木山:山田キヌヲ
ボラーチョお婆ちゃん:浜口博子
ボラーチョお母さん:松浦佐知子 他
ふらっとQUSUMI:久住昌之
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*タイムラインはBDソフト準拠となっております
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ドラマパートあらすじ
目黒区駒場、駒場東大前駅にて降りた井之頭五郎。
高校も多いというこの辺り。
たこ焼き屋の前に女子高生の列。
五郎さん、興味をそそられるが、女子がいる中に並ぶのと躊躇してしまう。
人がはけた瞬間を見計らって注文した五郎さん。
プチハッシュを買い、慌てふためいてその場を去る。
駒場野公園のベンチに座り、プチハッシュを食す。(01:11:23)
「お、ホクホク、こんなもんでいいんだよ、俺のおやつは」
「買い食いに最適、オモチャっぽい味」(01:11:52)
「きっとプチってのが女子高生の心をくすぐるんだな。俺は彼女達とは別の意味でくすぐられている」
「プチ、いい」
意外と腹持ちしそうな感じに満足げの五郎さん。
ゆったりした気分で、読書を始める。
しばらくのんびりした後、五郎さん用事に向かう。
アンティーク家具の店「DEMODE10」を訪ねる。
モデルルームに置くダイニングテーブルを注文していた五郎さん。
イメージ通りな上に状態も良い品だった。
椅子も見せて貰う事にする。
仕事を忘れて見入る五郎さん。
店長の木山さん曰わく、
「アンティーク家具の魅力って、幸せな物だからじゃないかって思うんです」(01:16:13)
年月を経ても使えるのは、大事にされた証拠。
だから、ここにある家具達は、幸せの証なのだと言う。
確かに、と五郎さんも頷く。
「いいなぁ、大切にされた物達に囲まれた空間」
「ここに居るだけで、穏やかな気分になる」
「幸せな家具、幸せかぁ」
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「あ、腹が、減ってきた」(01:17:05)
ポン、ポン、ポン、ポン。
「幸せって、腹が減る」
五郎さん、素早く打ち合わせを済まして外へ飛び出す。
「食い処を探さなきゃ」
と、いいつつ、数歩でふと目に止まった向かいの店「ボラーチョ」。
「あ、何かいい感じ。今の心にスコーンと入って来た」
「俺のタイプかも、この店」
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ボラーチョ
入店し、テーブル席に着く五郎さん、メニューを貰って早速物色。
メニューには、名刺型の紙片に「本日のおすすめ」が記されている。
定番ものから本格的なものまで、分け隔て無く並べられているお品書き。
厨房を見ると、コックさんは一人。
店員さんもお母さんとお婆ちゃんでやっている様だ。
「実はここ、知る人ぞ知る店だったりなんかしちゃったりして」
ふと五郎さん、他にもメニューがある事に気付く。
「おっと危ない、こういう店は黒板メニューに宝物が潜ませてあるんだ。見落としてなるものか」(1:19:27)
メニューを眺めた五郎さん、
「よし、とりあえず、一回頼んでみるか」と、
カキグラタンとマッシュルームガーリックを注文する。
「グラタン久しぶり、この世にはグラタンがあったじゃないか。ここでグラタン、良い流れの予感」
店内を見回す五郎さん。
店がいい歳の取り方をしていると感嘆する。
「昭和遺産、申請した方がいいかも」
隣の女性客3人組のスペアリブのボリュームに驚き、
向かいに座った常連客がマッシュルームがーリックを頼んだ事にほくそ笑む。
「ほら来た。読みが当たったかも」
マッシュルームガーリックが来る。(01:21:43)
パンに漬けて食べて下さい、との事。
「おお、コイツはいいや」
「うんうん、コレはパンがドンドン進んじゃう料理だ」
「マッシュルームのソロ活動、初めて味わった」
「たいてい輪切りでなんとなく紛れ込んでるから。そうだ、そう言えばこういう味だ」
「きのこだ、はっきりキノコの味だ。美味しいよう、マッシュルーム」
「バケットパンとの相性、歴代1位かも」
パンのお替わりを頼む五郎さん。
持って来たマダムが教えてくれる。
「全部食べちゃ駄目よ。グラタンに漬けて食べると美味しから」と。
「俺、そんなにがっついてたかな」
カキグラタン登場。(01:25:48)
熱いので気を付けて、との事。
グツグツ、ホカホカ、フーッ、フーッ、シュルッ。
「お、ほほ、ハフハフ、うっほ、うま」
バケットに載せて、口にしようとし、「熱ッ!」と思わず一言。
店員さんに、火傷しないように気を付けて下さいね、と心配医される。
「やっぱり俺、そうとうがっついてるな」
「ああ、間違い無い、グラパン合わない訳が無い」
美味しいですと五郎さん、「そうでしょう」とマダム。
「カキ、発見。う~んこのグラタンの中のカキの在り方、いい、相互の関係性が抜群、美味しいなぁ」
「おお、カキ、けちらずガンガン投入」
「パン飯は、どうも物足りない感じがするけど、この食べ方、素晴らしい」
「パンの美味さ、堪能。今日は洋食五郎」
水を飲んで一息、もう一品欲しいなぁと五郎さん。
隣の女子会は料理が来る度に盛り上がっている。
「楽しそうだなぁ、女子会チーム。俺ももう一盛り上がり」
再びメニューをチェックする五郎さん。
「おかずは量が侮れんから、スープ。ならば店名冠系か」(01:30:35)
五郎さんはボラーチョスープを注文、合せてパンも再びお替わりする。
予約客の40代カップルが入店する。
20年前と同じメニューを頼んでいると言う。
それを横目で眺める五郎さん
「思い出の店か」
ボラーチョスープ。(01:31:40)
「おお、これは濃厚、今までに味わった事の無いスープだぞ」
「何だろう、おの美味さの正体は」
「これがボラーチョ、トマトクリーム海岸で潮干狩り」
周りの和やかな雰囲気の中、五郎さんは思う
「何か幸せな気分にしてくれる店だなぁ。優しさの様な物が体の外と中からじんわり染み込んで来る」
「このスープ、汁と言うより立派なおかずだ」
「ボラーチョ、今、俺の中は夏のパン祭りだ」
「ボラーチョ、ボラーチョ」
パンできれいに拭うようにして食べ尽くした五郎さん。
「今日はパン食った、ご馳走様でした」
お会計時、ご馳走様でしたと言うと、マダムよりお休みなさいと返される。
「今から遊びに行くのじゃないのなら、お休みなさいでしょ」と。
退店。(01:36:48)
「お休みなさい、か。良い夢見れそうだ」
「腹、パンでパンパン」
「もう眠くなって来た、ベッドに入ったら秒殺だな」
と、歩み去る五郎さんでした。
*五郎さんの食事全集はコチラのページにまとめています。
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ふらっとQUSUMI(01:37:59)
夕方の6:00~深夜3:00まで営業のボラーチョ。
*2013年当時のデータですので、お店に行く時は要確認
先ずはマッシュルームガーリックを注文した久住さん。
マッシュルームを食べた後、パンをソースに漬けて食べて下さいとの事。
「こういう味なんだね、マッシュルームって」
「何となく紛れてるでしょ、大体マッシュルームって」
「単体で食べるとね、美味しいものですね」
そして「これがやりたかったんですよ」とパンを漬けてみる。
「美味しい、こりゃ堪んないわ、家でやりたい」
お次はスパゲッティボラーチョ。
特製のデミグラスソースの製作には2週間かけていると言う。
「あ、美味しい」
「あの、玉ねぎが一緒に炒めてある所ね、凄い良いんですよ」
「何か、全然気取って無い様な味なのに、凄く深い、深いですね、コレ」
「本気食い、うーん」
「そして、水です」
なんと、久住さん、今回はアルコール無し。
「みんなが飲んでばっかりいるって言うから」
「本当はワイン飲みたいけどね」
お婆ちゃんとお母さんとお孫さんの3人でやっているという「ボラーチョ」。
久住「店の名前の由来は?」
お婆ちゃん「ボラーチョはスペイン語で酔っ払いっていう意味なんです」
久住「ハハハハ、そうですか、呑まなくて良かった」
危うくボラーチョ襲名を免れた(!?)久住さんでした。
*ふらっとQUSUMIの食事全集はコチラのページにまとめています。
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声に出して言いたい!五郎さんの名台詞
今回の「声に出して言いたい」五郎さんの名セリフは、
「おっと危ない、こういう店は黒板メニューに宝物が潜ませてあるんだ。見落としてなるものか」(1:19:27)
渡されたメニューを、ただ漫然と眺めるだけではいけない。
ちょっと目線を上に上げれば、意外な発見がある。
そう、壁の短冊、黒板、そういう所に真のオススメが紛れているのだ。
そう、ドヤ顔を決めながら言いたい台詞である。
*名言集はコチラのページにまとめてあります。
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感想と解説
女子高生に紛れてプチハッシュを食べる所から始まる今回。
五郎さんと言えども、やはり女子に紛れて買ものするのは困難なのでしょう。
そんな困難を乗り越えた五郎さん、
いつも、食事シーン以外は何かと忙しくしていますが、
今回は公園でのんびりと読書なんかしています。
続くドラマパートでの、アンティーク家具の魅力を語るシーン、
また食事シーン「ボラーチョ」でのゆったりとした空間。
今回はこの「ゆっくりする幸せ」みたいなものが作品に通底していますね。
今回舞台になった「ボラーチョ」というお店、
20年以上昔からあり、
しかも家族3人で経営しているご様子。
実際に、ドラマみたいな雰囲気なんでしょうね。
ちょっとこじんまりとして、でも、ちょっと懐かしいみたいな味で。
こういう店の雰囲気を、エピソードのテーマに採用し、
そして偶然(!?)近くにあったアンティーク家具のお店と絡めて紹介したと。
『孤独のグルメ』という作品は、食事シーンだけでは無く、
こういった地域の魅力みたいな物を抽出して紹介する様子も見られます。
こういった所も面白い部分ですよね。
さて、食事シーンでは、五郎さんならではの注文術が見られます。
初めての店に入っても、焦らず騒がず、
目先のメニューだけに囚われず、ちゃんと黒板のオススメなんかもチェックする。
そして、先ずはそのめぼしいオススメを注文してみる、と。
その後は
流れに乗ってアドリブで注文する事が多い五郎さん、
今回の場合、
隣の席の注文を見るに、おかずの量が多いと判断、
汁ものにして、しかも、店名が付いている「お店のウリ」に狙いを定めています。
この考え練られた「食の構成」も『孤独のグルメ』の魅力の一つ。
実際、自分が外で食べる時も同じ事をしたいですが、
如何せん、最初の注文でお腹一杯になってしまう事が普通です。
最初は軽く入れて、その後にメインを注文する。
こういう構成も、沢山食べられる人間特有なんですよね。
いつも見ながら、
「いいなぁ、五郎さん」とため息を吐いてしまいますね。
さて、久住さん、今回はお酒を飲んでいませんが、
何やら不正の臭いがします。
久住さん、「ボラーチョ」が「酔っ払い」を意味する事、
ご存知だったのでは?
だから、今回は敢えて、
そこをイジられるのを回避する為にお酒を飲まなかったのではないでしょうか。
そんな事をちょっと思ってしまった、今回の「ふらっとQUSUMI」でした。
*『孤独のグルメ』の一覧はコチラのページにまとめています。
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