ドラマ『孤独のグルメ Season3 第六話 板橋区板橋のホルモン焼き』感想 あらすじと解説

孤独のグルメ Season3 第六話
板橋区板橋のホルモン焼き

 

監督:溝口憲司
脚本:田口佳宏

 

出演:
井之頭五郎:松重豊

甲把静香:安藤玉恵
山源店員・お母さん:角替和枝
山源店員・娘:滝沢涼子 他

ふらっとQUSUMI:久住昌之

 


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*タイムラインはBDソフト準拠となっております

 

 

  • ドラマパートあらすじ

板橋区板橋の駅に降り立った井之頭五郎。

真夏の草ボーボーの感じなんかに、風情を感じる五郎さん。

約束の喫茶店の場所が分からず、お客さんに電話で連絡を入れる五郎さん。
お客さんが出て来たのはカフェ、
…だが、ぱっと見はカラオケパブっぽい感じ。

 

そのカフェに入って打ち合わせ。
名刺交換すると、何とお相手の名前は甲把と書いて「カッパ」と呼ぶ。
黄色い服と緑の鞄で、見るからにカッパである。

そのカッパさんがオープンするネイルサロンの仕事を承った五郎さん。

 

仕事も一段落、ふと見つけたパン屋できなこパンを購入(40円)、
店の前のベンチにて食する。(39:15)

初めましてとは思えない、この昔馴染み感」(39:15)

「いいなぁ、なんだっけこの感じ」

「昔、毎日買い食いしてた様な味だ」

「たもつのパン、グーッ。いかにもたもつって味。安いし」

パンを買った子供二人にベンチを譲って歩み去る五郎さん。

 

そぞろ歩きを楽しむ五郎さん。
ラーメン店の350円の看板に感動気味。

「ふ、板橋、嬉しいじゃないか」

「小さな商店街が一杯肩寄せ合ってる」

「こういう町大好物、板橋良いじゃないか」

 

  • 「なんか、ちゃあんと、腹が減ってきた」(41:39)

ポン、ポン、ポォン

「よし、何か腹に入れて帰ろう。カッパちゃんの仕事はそれからだ」

「板橋、何を入れるべきか」
と周りを歩く五郎さん。
色んな店に心奪われる中、見つけたのはホルモン焼きの店。

「ホルモン焼き・山源、本当この町良いネーミングの店が多い」

「店名だけで入りたくなる、しかもホルモンの店、よし」

 

  • 山源(42:46)

入店する五郎さん、テーブルに着き、備え付けのビニール袋に鞄と背広を入れる。

とりあえずはウーロン茶を注文。
いつもの「あれ、飲めないんですか?」
「100%下戸なんで」のやり取りをひとしきり。

テーブルには謎の水入りペットボトルがある。

五郎さん、メニューを物色。
今日の主役はホルモンで、脇役を固める構成にする。

五郎さん、探りを入れようと、店員さんに尋ねる。
ホルモンは塩とタレどちらもあるとの事。
先ずは塩でホルモンを、
さらに、ナンコツ、ハツ、そして、コメカミ(いわゆるカシラ)を注文する。

また、店のシステムとして、最初に「生キャベツ」か「和風キムチ」を出すとの事。

「ここは当然」

と、五郎さんは和風キムチを選択。

 

お通しの枝豆と、チューブのワサビと柚子胡椒がくる。(45:22)
お好きな方を付けて下さいとの事。

 

枝豆をむしゃむしゃ食べている間に、和風キムチが来る。(45:56)

「ほう、そうきたか、こういう和風ですか」

「激辛ブーム反対キムチ。いや、でもこれはこれで美味しい」

キムチは焼肉屋の試金石、悪い店ではなさそうだ」(46:49)

 

壁には「ご来店頂き有り難う御座います」の壁紙が、
隣の席の客は「焼きすぎなんだよ」と盛り上がっている。

そうこうする内に炭が来る。
手をかざして熱を確認する五郎さん。

「うん、火が良い。夏場にこの暑さ、正に焼肉に飛び込む感じだ」

腕まくりをする五郎さん、
「さぁかかって来い」と気合い充分。

 

第一段の注文、ホルモン、ハツ、ナンコツ、コメカミが来る。(47:53)

焼き方を教えてくれる店員さん。
最初に皮の方を下にじっくり焼く。
何となく、焦げ目が付いて来たら、サッとひっくり返す。
皮が8、脂が2の割合で焼くのだと言う。

 

こんなもんか?と様子を見ながら焼いている五郎さん。
ネクタイを緩め、シャツの第一ボタンも外し、準備万端。
どれどれ、と、先ずはホルモンから。(49:19)

「おお、プルプルふるえてる」

「うわ、ホルモンだ、この脂、うん、噛む程に凄いぞ、脂!」

柚子胡椒をつけてみる五郎さん。

「ふっはは、焼肉とはまた違う肉のあぶら感、噛み心地」

 

ハツ。(50:48)

「お、ハツもいい、ハツもいい、ハツも美味い」

 

ナンコツ(51:17)

「あ、ナンコツもいい、いや、コリコリだ、いいなぁ、ナンコツもいい」

「はは、俺、腹減ってるわ」

 

コメカミ(52:16)

「これがコメカミ、どれ」

「おお、初めて食べたけど、コメカミって美味しいでゲスなぁ」

「カシラっていうからもう少し堅いものを想像してたが、堅くない、とても美味い」

 

トングをかちゃりと鳴らし、まとめて焼く五郎さん。

「タレも生きたくなっちゃったなぁ」

と言う事で、タレのホルモンとハツ、そしてライスを注文する。

 

炭はメラメラと燃えている。

「おお」

店員さんはあらあらと言いつつ、テーブルにあったペットボトルの水を豪快にかけて沈下させる。

「あー、この為のペットボトルだったのか、ワイルドだなぁ」

 

「やっぱ肉って体ん中が燃える、パワー出る」

「これだよ、偶には、肉焼かなきゃ」

「あー美味い、今の所、助演男優賞はハツだな、新人賞、コメカミ、内定」

 

ホルモンとハツのタレが来る。(55:11)
ホルモンの焼き方も掴んだと、一気焼きする五郎さん。

おお、網がまた沸いたぞ」(55:23)

「それは良いけど、目が痛い」

いつの間にか、店内は凄い煙でモクモク。
店員さんが、ドアを開けて換気する。

しかし、依然煙りに包まれている店内、

「何なんだ、コレは、何やってんだか分かんなくな…」ゲホゲホッ

「駄目だ」とちょっと外に一時避難

「煙凄すぎ、燻製になりそうだ」

飯食ってる途中で場外にエスケープしたの初めて」(56:37)

「凄い店だ」と、深呼吸して戻る五郎さん。
肉が良い感じに焼けていた。

「よし、仕切り直し、タレラウンド」

 

ホルモン(タレ)。(57:07)

「うんうん、やっぱ飯にはタレだ。タレ自体美味い、ここ」

ハツ(タレ)も食べる。(57:34)

 

汗だくの五郎さん、

「今日はホルモンに花を持たせながら、最後は白い飯で良いとこ取りだ」

肉を焼き、飯を食う。俺の箸は蒸気機関のピストンだ」(58:27)

「ここに来て、和風キムチが俄然働き出した。成程、こういう意味だったのか」

うん、と一言唸った五郎さん、追加でホルモンの塩を注文する。

 

盛り上がっているサラリーマンのテーブル。
煙たいが、換気口はちゃんと(?)働いているのよと、紙を貼り付けて見せてみる店員さん。

「このホルモンの強烈な脂に、これだけじゃおっつかないんじゃないの?」とツッコむ五郎さん。

 

よし、8:2、焼けたな、と追加のホルモン(塩)を食べる五郎さん。

「美味い、やっぱり主役だ、この店のスターだ」

でも、毎回登場時にスモーク焚き過ぎ。煙が目に染みる」(01:00:59)

最後の一つをムシャりと食べる。

塩からタレに行って、塩に戻る。塩に戻れた俺、大人だな」(01:02:04)

 

ご馳走様でした、と五郎さん。

お会計にて店員さん、
18歳の娘がいたら、もっと華やかでしたのに、と言うが、

五郎さんは
「充分華やかだと思いますよ」と答える。

「あら、そう?」と店員さん、
「有り難う御座います」
「ご馳走様でした」

 

退店。(01:03:31)

「あの煙も、何だか板橋らしくて良いじゃないか。駅前草ボーボーみたいな」

「今や失われた焼肉情緒にも見えて来た」

「でも俺今、相当臭うな」

「折角だから豊島区まで歩くか、ニオイ、ちょっと飛ぶかな」

と背広を小脇に抱え歩む五郎さん、

「駄目だろうなぁ」と、のしのり歩いて去って行く。

 

井之頭五郎食事全集はコチラのページにまとめてあります

 

  • ふらっとQUSUMI(01:04:30)

ホルモン焼きの店、山源


先ずは塩ホルモンを頂く久住さん。

店員さんが山源流の焼き方を指南。
皮8割、脂2割で焼く。
「透明になるまで我慢です」との事。

「いいっすね、みんなで我慢して、我慢している間はこういう、、、」

と、ビールを口にする久住さん。
麦スカッシュなんかを飲んで」(01:05:16)

 

焼けてるホルモン、沸き立つ煙。

「これは凄いわ、煙」

「このコレは、吸い取るものですよね本当は」
「役に立ってるような、立って無いような」

「立ってないんです」と店員さん。

 

ホルモンそのものは、
「美味い」
「脂がね、こう口の中で溶けるのに、最後、そこの噛み応えのあるところ残ってる、そこの所が堪りませんね」

わさび丼以来、ワサビが美味しくって、これ、うん」
とワサビを付けて食べる久住さん。

 

変わり種として注文した二品、ホーデンと仔袋。

ホーデン

「こういうものなんですか、ふうん」
「レバーみたいな味、もの凄い柔らかい」

 

仔袋

「うん、これはマニアックな味です。初めて食べました、コレ」

 

そして、店員さん家族の4人と談笑する久住さん。

久住「煙は昔からこう」

店員「良くなった方」

久住「良くなったんですか?もっと凄かったんですか?」

店員「ハイ、そうです」
夏は暑いか煙いかで、冬は寒いか煙いかなんですよ」(01:06:42)

久住「どっちもどっち、いずれにしろ煙い」

煙も風物詩の(?)山源でした。

 

ふらっとQUSUMIの食事全集はコチラのページにてまとめられています

 

  • 声に出して言いたい!五郎さんの名台詞

今回の「声に出していいたい」五郎さんの名セリフは、

 

肉を焼き、飯を食う。俺の箸は蒸気機関のピストンだ」(58:27)

肉のエネルギーで体内は燃えに燃えている。
そして、焼き、食い、焼き、食い、
このリズム繰り返す焼肉の幸せ感を味わった時、
自然とこのセリフが口をついている事だろう。

 

『孤独のグルメ』名言集はコチラのページにてまとめています

 

  • 感想と解説

最早定番!?
今回は毎シーズン毎にある焼肉回ですね。

今回の舞台の板橋。
町の良い感じの風情が全篇に溢れています。

そう、
草ボーボーの駅も、
飲み屋っぽい感じのカフェも、
カッパっぽい感じの依頼人も、
グッと来る店名も、
安いパンやラーメンなんかも、

「あ、良いなぁ」という感じがしますね。

 

その流れで入店する「山源」。

このお店も、使い込んでる感があって、また良いですね。

特に、あの換気口。

実際のお店の人曰わく、
「夏は暑いか煙いかで、冬は寒いか煙いかなんですよ」
との事。

煙でドアを開けざるを開けざるを得ないが、
そうすると暑かったり、寒かったりする、と。

私の家も、
夏が暑くて冬が寒い家なので、何とは無しに共感出来ます。

「煙い!」
「燻製になる!」
とか言いながら、絶対あの「山源」という店は何度も行きたくなる感じがしますね。

あの、煙に巻かれるトラブル感、ライブ感がエンタテインメント的なニオイに溢れています。

この面白さが、
ただでさえ美味しいホルモンを更に美味しくしているのだと予想出来ます。

 

また、今回のエピソードは、
過去のエピソードの本歌取り的な印象を受ける事も特徴ですね。

 

「肉を焼き、飯を食う。俺の箸は蒸気機関のピストンだ」(58:27)
というセリフは、

Season2 第五話
「う゛ん、気分は学祭蒸気機関車だ」(24:46)
を、思い出させます。

 

また、
生キャベツか和風キムチの二択で、
「ここは当然」と和風キムチを選択した五郎さん。

「キムチは焼肉屋の試金石」(46:49)
と言っていますが、これは

Season2 第一話の、
「焼肉屋で言えばキムチの様な店の試金石だ」(09:02)
というセリフと繋がっているんですね。

 

そして、印象的なシーン(55:11)、
頭上の換気口の中から五郎さんが肉を焼いている様子を見下ろすカットがあります。

これは、Season1 第八話での、
肉を焼いている網の下から五郎さんを見上げるカット(01:23:18)と対比されています。

 

定番の焼肉回でありながらも、過去のエピソードを知っていれば、
「あ、これあの時の、あのセリフだ」と思い至る場面がある、

今回は、そういう、ちょっとしたご褒美がちりばめられたエピソードと言えます。

 

最後に、久住さんが注文したホーデンと仔袋について。

ホーデンとは睾丸の事。

仔袋は子宮ですね。

美人の店員さんから「マニアックな」とツッコまれていましたが、
これを両方同時に注文したって事が、何とも言えずマニアックなんですねぇ。

 

 

『孤独のグルメ』の一覧はコチラのページにてまとめられています

 

 

 

 


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