小説『新・餓狼伝 巻ノ四 闘人市場編』夢枕獏(著)感想  実戦にて公然と炸裂する「反則」!!

 

 

 

北辰館の姫川勉の父親・姫川源三は寝技の実力者・隅田と対戦する。しかし、源三にとっては、それは謂わばウォームアップ。何故なら、ヤクザに追い込まれた源三は、アングラの試合にて磯村露風と対戦する事になったからだ、、、

 

 

 

 

著者は夢枕獏
数々の人気作を発表する作家、
なんと、2018年には紫綬褒章を受章した。
主な作品に
『キマイラ』
『餓狼伝』
「陰陽師」シリーズ
「闇狩り師」シリーズ
『神々の山嶺』
『大江戸釣客伝』
『獅子の門』
『荒野に獣慟哭す』
『空手道ビジネスマンクラス練馬支部』
『東天の獅子』他、多数。

 

 

著者、夢枕獏の人気シリーズ「餓狼伝」の最新刊が出た。

格闘小説を書き続けて来た、
著者の真骨頂とも言えるシリーズである。

 

近年、
『獅子の門』
『東天の獅子』
という格闘小説のシリーズが完結し、

ようやく、「餓狼伝」に力量がシフトしたといった印象を受けます。

 

端的に言うと、

面白かった!

 

格闘というものを、
ここまで突き詰めて文字で表現出来るのか、

そしてそれを、
未だに面白く読める事の奇跡に感謝したですね。

 

…同じ長期シリーズの「キマイラ」も、
これ位面白くなってほしい、、、

 

さて、
「餓狼伝」も「キマイラ」も、
ここ数年、後書きにて何度も
「最終局面」という文字が踊っています。

その決意の表われか?

ここ数巻、続いて来た展開に、
本巻にてある種の決着が着きます。

 

菊式とか、
リオウ、タンスイとかのアレですね。

そして、今までの展開をざっとおさらいしてくれる場面もあります。
(p.32~33にコンパクトにまとめられています)

正直、
内容をちょっと忘れている人でも安心の親切設計です。

 

メインで活躍するキャラクターは、

姫川源三と磯村露風。

アラフィフ男子のリアルファイト!!

 

20代はひよっこ、
30、40もまだまだ、

50代でも、バリバリやる!

超高齢化社会を予感させる展開となっております。

 

 

勿論、主役である丹波文七も登場。

何かと傍観者になりがちな彼ですが、

衝撃!!
傍観者でも、活躍している!!

 

この、逆転の発想に、
衝撃(笑激)が走ります。
こういう発想があったのだと!!

 

安定した面白さがある「餓狼伝」のシリーズ、

とうとう最終局面に突入なのか!?

いずれにしても、
次巻を座して待つ所存です。

 

 

  • 『新・餓狼伝 巻ノ四 闘人市場編』のポイント

アラフィフのオッサン同士のバトルがメイン

主人公、丹波文七も傍観者として活躍!!

今までの展開に決着、そして、新展開へ!?

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 衝撃の丹波の活躍!

「餓狼伝」の新刊が発売されました。

いつも通りの餓狼伝、
いつも通りの夢枕節の格闘小説

期待通りのクオリティです。

そして、
濃いキャラクターが多すぎて、
何かと傍観者になりがちな主人公の丹波文七も、

前巻に引き続き活躍の場面があります。

 

そう、
傍観者になりがちならば、
傍観者として活躍させれば良いじゃない、

つまり、
審判(立ち会人)にすれば良いじゃない。

丹波文七レフェリー爆誕!!

この逆転の発想というか、
想定外のアイデアに衝撃(笑撃)が走りました。

こんなアイデアがあるとは、、、

唸らされます。

 

  • まさかのゲストキャラ登場!

そして、本巻のサプライズとして、
なんと、『獅子の門』の人気キャラ、久我重明が登場!!

 

「刃牙」シリーズの作者、板垣恵介が描く、
漫画版の『餓狼伝』のオリジナル展開としてゲスト参戦していた久我重明ですが、

その展開を逆輸入する形で、
いよいよ「餓狼伝」本篇に登場しました。

 

板垣恵介が描く久我重明。

元、プロ野球選手の松井秀喜をモデルとして描いたというこのキャラクター、

漫画を読んだ、作者の夢枕獏自身に
「このビジュアルしか無い」とまで言わしめました

 

そんな、作者自身のお気に入りと思われる久我重明が、
いよいよ「餓狼伝」に合流します。

また、
本巻では、前田光世のストーリーも語られる為、
間接的に『東天の獅子』にも関わりがあります。

ここに来て、
近年完結させた『獅子の門』や『東天の獅子』という作品の意味合いがグッと上がってきました。

同じ物語の世界線に、
「餓狼伝」『獅子の門』『東天の獅子』が並び、
今後の展開として、
全ての物語が合流する可能性すらあります

 

いやぁ、ワクワクしますねぇ!

『獅子の門』は、主要メンバーの話には決着は着いていますが、

突然現われたサブキャラクターの
鹿久間源などは語り足りない感じがしていました。

もしかすると、
「餓狼伝」に、久我重明共々参戦するかもしれませんね。

 

 

 

いつもの夢枕獏の格闘小説、

しかし、このいつものヤツが無類に面白い。

「餓狼伝」恐るべしシリーズ。

終わる終わる詐欺に何年も晒されていますが、

兎に角、
ここ数巻の展開に決着が着き、

新展開が始まるのは確実。

そこで、
他の著者の格闘小説たちが合流する一大展開となるのか?

今後の展開も目が離せない、
そんな鉄板のシリーズです。

 

 

書籍の2018年紹介作品の一覧をコチラのページにてまとめています

 

 


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