第17章について解説したい。
前回でとりあえずの一区切りが付き、新しい展開が始まる。
まずは、クーパーの捜査の正当性が内部監査される。
このお上のお役所仕事的な内部監査というものは、古今東西いやらしいものだなと思い知らされる。
とりわけ、相手の態度がデカかったらなおさらだ。
身に覚えのある方は、一緒に歯がみしながら観よう。
第17章
監督:ティナ・ラスボーン
脚本:トリシア・ブロック
以下ネタバレあり
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本エピソードのチェックポイント
前回から3日経ち、3月14日
パーマー家にて、セーラ・パーマーに事件の説明をするクーパー。
一連の事件はリーランド・パーマーのせいでは無いと言う。
セーラは分かっているわ、あの長くて汚い髪をした男ね、と答える。
リーランドはセーラには犯行を知られぬ様に、彼女に薬を使っていたようだ。
クーパーは、ボブは永遠に去った、と言う。
セーラは全てを奪ってね、と答える。
そして、クーパーはリーランドが死の際にローラを見た、彼は彼女を愛し、ローラも許したでしょうと告げる。
町のみんながパーマー家に集まっている。
事件は解決し、クーパーもお役御免である。
今後の予定は未定だと言うクーパーを、ガーランド・ブリッグス少佐は夜釣りに誘う。
食事をする者、談笑する者、町長のドウェインと弟で新聞屋のダギーは喧嘩している。
クーパーは町を去りがたく感じている。
グレートノーザンホテルのクーパーの部屋にオードリー・ホーンが尋ねて来る。
オードリーはクーパーに気があるが、クーパーはあくまで分別ある態度を崩さない。
クーパーは、過去の事件で重要参考人だった女性を死なせ、相棒は発狂、自身も重傷を負った話をする。
それは、自分が女性を愛した事が原因なんだとオードリーに告げる。
オードリーは引き下がるが、クーパーに「あなたの欠点は完璧な所よ」と告げる。
保安官事務所にキャサリン・マーテルがいる。
ハリーに火事の時の顛末と、姿を消していた外向きの理由を説明する。
(ベンジャミン・ホーンを嵌めて恐喝した事はもちろん秘密だ)
クーパーがお別れを言いにハリーを尋ねて来る。
ハリーは手製の釣り針、そしてブックハウスボーイズのワッペンをプレゼントする。
「お守りだ、いつでも力になる」
クーパーは大変な名誉だよ、と言う。
クーパーはホーク、アンディ、ルーシーにお別れを言う。
いざさらばという時に、FBIの内部監査員ロジャー・ハーディーがやって来てクーパーに停職を告げる。
オードリー・ホーン救出時の職権乱用、さらに複数の疑惑があるらしい。
グレートノーザンホテルにテープの件でゆすりに来たボビーだが、不機嫌そうなベンに全く相手にされずに追い返されてしまう。
保安官事務所にて、クーパーに対する尋問をハーディーと赤い制服の男(カナダ連邦警察)が始める。
クーパーにかけられた容疑は、
カナダ側に通告せずに越境した管轄権の侵害、
「片目のジャック」にて3人(ブラッキー、エモリー・バティス、見張りの男)の殺害、
コカインの密輸容疑(カナダ連邦警察はジャン・ルノーを追っており、そのおとり捜査用のコカインが消えたから)である。
ハーディーはDEA(麻薬取締局)も捜査に乗り出した、銃とバッジを置いていけとクーパーに言う。
クーパーと入れ替わりにハリーが入って来る。
その際、クーパーにブックハウスボーイズのサインをして見せる。
ハーディーと赤服はハリーに協力を要請する。
しかし、ハリーはまず書類を揃えろと突っぱねる。
ハリーはクーパーを尊敬している、彼は最高の警官だと言い、容疑はガセネタだと憤慨し立ち去る。
高校でチアリーディングのオーディションをネイディーンが受けている。
並外れた身体能力を披露する。
ダブルアールダイナーではノーマ・ジェニングスが気落ちしている。
M・T・ウェンツに酷評を書かれたからだ。
そんなノーマに母のヴィヴィアンは自分こそM・T・ウェンツだと言う。
ノーマは信じられない思いで、ヴィヴィアンに「2度と会いたくない」と告げる。
「片目のジャック」にてハンク・ジェニングスとアーニーが遊んでいる。
ハンクはアーニーをジャン・ルノーに紹介する。
ジャン・ルノーは投資に失敗したので12万5000ドル稼ぎたいと言う。
アーニーは口八丁でジャン・ルノーを煙に巻く。
ジャン・ルノーはある男を呼び寄せる。
その男は、先程のクーパーの尋問をしたカナダ連邦警察の男であった。
アタッシュケースに詰め込まれたコカインを見せ、これをさばけとアーニーに言う。
アーニーとハンクが去った後、クーパーを嵌めるため、コカインを車に仕込む話をジャン・ルノーとカナダ連邦警察の男がする。
寝ているハリー、物音に反応しドアを開けるとジョスリン・パッカードがいる。
森の中、キャンプでマシュマロを焼いているクーパーとガーランド少佐。
ボブの話をする二人。
クーパーは新たな宿主を探すであろうボブの事を懸念している。
ガーランド少佐は言う。
世の中には邪悪な力が存在する。
その邪悪な力に出くわす運命の人もいる。では会った時どうするか?
怯えれば、闇の世界に引き込まれる。
抵抗は可能だ。あなたの様に特別な力のある人間は他にもいる。
ホワイトロッジ(The White Lodge)をご存知かな?
クーパーは否定し、立ちあがる。
帰って来たら続きをと言い、立ちションに向かう。
フクロウの鳴き声が聞こえる。
直後、何処からか光が発せられる。
逆光のなかローブを着た人間が見える。
ガーランド少佐はそれを見ながらクーパーを呼ぶ。
急ぎ戻るクーパー、しかし、火の近くに少佐が消えている。
クーパー、光を追うがそれも消えてしまう。
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本エピソードの謎
謎:100 ジョシーが戻って来たのは何故? (A)
謎:101 ホワイトロッジとは何か? (A)
謎:102 フクロウの鳴き声に意味があるのか? (推)
謎:103 何故、閃光が? (推)
謎:104 フードの人物は一体何か? (A)
謎:105 ガーランド少佐が消えたのは何故? (A)
*(A)とは答え(Answer)の事。クリックで謎が解明されたエピソードに飛びます
*(推)は私が独自に解釈して答えを推測したページに飛びます。
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本エピソードによって解明された謎
謎:90 ピッツバーグの事件とは? (第13章)
答え: クーパーが重要参考人だった女性を愛してしまい、彼女を守れず死なせ、ウィンダム・アールは発狂、自身も重傷を負った事件。
第13章では内部監査員と批評家に対する熱いおもいのたけが込められている。
どちらも相手に対してマウンティングを仕掛けて来る、率直に言うと嫌なヤツである。
もちろん、仕事として必要なものだと頭では理解出来る。
しかし、それを好きになれるのかというと、それは話が別なのであった。
また、新たなる謎の展開が予想される。
ホワイトロッジとは?
何故少佐は消えたのか?
それは次回以降のお楽しみ。
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次回は『ツイン・ピークス』第18章について解説したい。