ジムで体を鍛え、バイク便で日銭を稼ぐララ。実は大富豪の令嬢。失踪した父の遺産相続をしてしまうと、父が法的に死んでしまうので決断出来ずにいた。しかし、探検好きだった父の隠し部屋を発見したララは、父の向かった先を発見する、、、
監督はロアー・ウートッグ。
ノルウェー出身。
監督作に
『THE WAVE/ザ・ウェイブ』(2015)等がある。
主演のララ・クラフト役にアリシア・ヴィキャンデル。
童顔で若く見えるけれど、1988年生まれ。(現在29歳)
代表作に
『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(2012)
『エクス・マキナ』(2014)
『リリーのすべて』(2015)
『光をくれた人』(2016)等。
共演にダニエル・ウー、ドミニク・ウェスト、ウォルトン・ゴギンズ、クリスティン・スコット・トーマス等。
バトル・アクションヒロインの走りとなった映画版『トゥームレイダー』(2001:アンジェリーナ・ジョリー主演)。
原作のゲーム版がリブート(再起動)されたのに合わせたのか、本作『トゥームレイダー ファースト・ミッション』も映画版のリブート作品です。
まず目立つのが、
アリシア・ヴィキャンデルの肉体。
美しき腹筋と僧帽筋のきらめきを見せつけます。
ガリヒョロなのに、何故か無敵、
みたいな感じじゃなくて、
ちゃんと鍛えている体です。
そのララが父を追って向かうのは、
古代の魔女王・卑弥呼が追放された日本近海に存在するヤマタイ島!
え!?
卑弥呼が悪!?
このトンデモ設定に若干ワクワクします。
(とは言え、日本要素は殆どありませんが)
「トゥームレイダー」という題名の通り、
この卑弥呼の墓所を巡り、冒険を繰り広げます。
細かい事は気にせず
アクションを楽しみましょう。
アクションに御託は不要!
とばかりに、最近はめっきり珍しくなった脳筋な内容です。
シンプルに冒険を楽しむ。
童心(?)に返れば返るほど楽しめる、
そんなアクション映画が『トゥームレイダー ファースト・ミッション』です。
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『トゥームレイダー ファースト・ミッション』のポイント
鍛え上げられたアリシア・ヴィキャンデルの肉体
「んッ」というセクシーで気合いの入ったアリシア・ヴィキャンデルの唸り声
T-1000型みたいな走り方をするアリシア・ヴィキャンデルのフォーム
以下、内容に触れた感想となっております
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バトル・アクションヒロインの系譜
『トゥームレイダー ファースト・ミッション』はバトル・アクションヒロインの系譜の映画です。
簡単にハリウッド映画のアクションの変遷を見てみましょう。
かつて、1980年代~90年代にかけて、
筋肉ムキムキのむくつけきオッサンが銃を撃ちまくって敵を倒す映画が流行りました。
アーノルド・シュワルツェネッガー、
シルベスター・スタローン、
ブルース・ウィリス etc…
俺たちの弾は当たるが、
敵の弾は(ほとんど)当たらない!!
ガンアクション無双映画全盛の時代です。
しかし、こういう『エクスペンダブルズ』系の映画は、
徐々に飽きられ、姿を消して行きます。
(観客が飽きたり、演じている役者の高齢化が原因です)
変わりに台頭して来たのが、
『マトリックス』(1999)や『グリーン・デスティニー』(2000)といった、
ワイヤーやスローモーション、
そして拳法(近接格闘技)を使ったアクション映画です。
『ボーン・アイデンティティ』(2002)
『96時間』(2008)
『アウトロー』(2012)etc…
これがさらに変化し、軍隊格闘技を持つ主人公が神経症を同時に持つ映画が流行ったりしました。
『イコライザー』(2014)
『ザ・コンサルタント』(2016)etc…
現在はさらに変化し、格闘技という定型を捨て、
ヴァイオレンスに走るアクション映画が流行る兆しが見えます。
『ハードコア』(2015)
『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)etc…
では、ガンアクション無双映画は死に絶えたのでしょうか?
否、そうではありません。
ガンアクション無双がある意味ファンタジーであるのなら、
主人公はイケテル女性の方が見目が良いのではないか?
そんな思惑があったのか、無かったのか、
2000年代からは女性主人公のガンアクション無双映画が流行ります。
アンジェリーナ・ジョリーの『トゥームレイダー』(2000)
ミラ・ジョヴォヴィッチの『バイオハザード』(2002)
ケイト・ベッキンセールの『アンダーワールド』(2003)etc…
これらの映画はシリーズ化され、継続した人気を獲得していました。
勿論、女性主人公の映画でも、
近接格闘技を使う『キル・ビル vol.1』(2003)、
ヴァイオレンスの『キック・アス』(2010)、
最近は『アトミック・ブロンド』(2017)なんてのもあります。
そして、本作『トゥームレイダー ファースト・ミッション』なのですが、
本作は、『トゥームレイダー』のリブート版ではありますが、
アンダーワールド版とは違って、ガンアクション無双とまでは行きません。
ですがそれでも、
全然死にそうに無い、無敵のタフ・ガールではあります。
これは、古き良き、
主人公が絶対死なないアドベンチャー映画の流れを汲んでいるとも言えますが、それに説得力を与えているのは、
主演のアリシア・ヴィキャンデルの鍛え上げられた肉体です。
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美しき肉体美
『トゥームレイダー ファースト・ミッション』のアリシア・ヴィキャンデルは細腕ではありません。
わざわざ肉体の強さを見せつける為に、
冒頭、格闘技のアクションシーンやバイク便でのレースシーンを挿入しています。
「この肉体の躍動を見てくれ」そういう訴えが伝わってきます。
鍛えた肉体を見せる事に躊躇が無いのですね。
そして、それは成功しています。
この、アリシア・ヴィキャンデルの美しくも力強い肉体の躍動が、本作のアクションシーンに説得力を与えているのです。
ぶっちゃけ、アクションシーンは
CGや合成、スタントを多用していますが、
それでもやはり、
アリシア・ヴィキャンデル自身が他に類を見ないほど鍛えた肉体を誇示する事で、作り物の陳腐さを払拭しています。
正に主役。
彼女の存在感で、本作は支えられていると言っていいでしょう。
さて、本作の様に、
主演を演じるキャラクターが視覚的にも強靱さを見せるバトル・アクションヒロインの映画が今後主流になるのか?
それとも、細腕でもCGバリバリの派手さで無双映画を今後も展開してゆくのか?
もしかしたら、「リアルに鍛えた肉体のヒロイン」としての切っ掛けの映画と本作はなるのかもしれません。
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役者補足
ララ・クロフトから勾玉ペンダントを買い取る質屋のオヤジを演じたのは、ニック・フロスト。
もしかして、
「ララ・クロフトとニック・フロストって名前が似てる!?」
という発想でキャスティングされたのかもしれませんね。
卑弥呼の時代にはカラクリが無かったとか、
卑弥呼の時代には壁画文化など無かったとか、
そもそも卑弥呼がダーク・ウィッチ(暗黒魔女)ってどういう事!?
みたいなのは、野暮なツッコミです。
歴史の整合性は無視して、
ノリで「古代のウィッチ・クイーン、ヒミコが残したお宝を探そうぜ!」位の勢いで軽~く観た方が楽しめます。
とは言え、主役のララ・クロフトを演じたアリシア・ヴィキャンデルの鍛え上げられた肉体の素晴らしさ、
汗のテカリ、
筋肉の躍動、
泥で汚れた様までも美しいです。
彼女の肉体を愛でる映画、
それが、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』なのです。
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さて次回は、愛でるのは、恐怖!?怪談の楽しさに満ちた作品、小説『誰かの家』について語ります。