映画『トレイン・ミッション』感想  リーアム爺さん大暴れ!!齢60は知力より体力勝負!!

 

 

 

保険会社で働くマイケルは齢60、しかし、いきなり会社から解雇を言い渡される。住宅ローン、大学に入学する息子の学費、、、呆然として列車にて帰宅の途に就く。その車内で見知らぬ女性が話しかけてくる、「私の依頼を受けてくれたら10万ドルあげます」、、、

 

 

 

 

監督はジャウマ・コレット=セラ
リーアム・ニーソン主演の映画は、本作含め4本撮っている。
監督作に
『エスター』(2009)
『アンノウン』(2011)
『フライト・ゲーム』(2014)
『ラン・オールナイト』(2015)等。

 

主演はリーアム・ニーソン
老いてなお、盛んである。
主な出演作に
『シンドラーのリスト』(1993)
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)
バットマン ビギンズ』(2005)
『96時間』(2008)
『沈黙 ーサイレンスー』(2016)
怪物はささやく』(2016)等。

 

他、共演に、ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、サム・ニール等。

 

本作『トレイン・ミッション』は、一見謎解きミステリー風の印象を受けます。

しかし、主演はあのリーアム・ニーソン。
その実態は、

アクション・ミステリーです。

 

謎の女性に
1、コールドスプリング駅で降りる
2、プリンという名前の
3、普段居ない乗客のバッグを確保せよ
と言われたマイケル。

半信半疑ながら、指定された場所に行ってみると、そこには前金の2万5千ドルがありました。

お金だけもらってトンずらを謀るマイケル、
しかし、警告として渡された封筒の中には、妻の結婚指輪が入っていた、、、

マイケルは事の深刻さに気付いて言われるままに探し始めますが、

どちらかと言うと体当たり。

 

普通の一般人レベルの発想の捜索方法を始めます。

知能は並レベル。

しかし、齢65歳のリーアム・ニーソン、
老いて尚、冴え渡るアクション俳優。

いつの間にか、
ミステリ的な展開からアクションがメインになっています。

 

精神的、肉体的にもハラハラの連続。

しかし、マイケルは挫けず対処しようと努めます。

これぞ、タフガイ。

 

日本では高齢者と呼ばれる年齢でも、不屈の闘志を見せるリーアム・ニーソンに勇気が湧いてくる事間違い無し。

高齢化社会において、引退に「NO!」を突き付けるこの作品、
ミステリとアクションで2度美味しい、
『トレイン・ミッション』はそんな作品なのです。

 

*本作のパンフレットは「列車映画ネタ」等があって、読み物として面白かったです。
余裕があれば購入して読んでみるのも面白いと思います。

 

 

 

  • 『トレイン・ミッション』のポイント

ハラハラのサスペンスとミステリ

アクションもガッツリ

袖振り合うも多生の縁

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 遅咲きのアクション俳優、リーアム・ニーソン

『トレイン・ミッション』の主演はリーアム・ニーソン。

彼は御年65歳ですが、本作でもアクションは健在です。

リーアム・ニーソンと言えば、最も有名な出演作は『シンドラーのリスト』(1993)だと思います。

演技も出来る役者ですが、しかし、
最近の印象的な出演作はアクション映画が多いです。

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)
『バットマン・ビギンズ』(2005)を経て、
リーアム・アクションを印象付けたのはやはり、
「96時間」シリーズ(2008~)でしょう。

この「96時間」シリーズが開始されたのは、年齢が56歳の時。

この年齢で、アクション俳優と呼ばれる作品にチャレンジし出したリーアム・ニーソン

彼の姿に、中高年は希望の星を見出すのではないでしょうか。
我々も、まだまだやれるゾ!と。

『キン肉マン』のラーメンマンもこう言っています。
遅すぎる出会いなどというものは ないのだぞ!
(『キン肉マン』42巻、p.121)

いつまでも、新進の気質を忘れず、持ち続けたいものです。

 

  • 市民の生活

『トレイン・ミッション』の舞台は通勤電車です。

毎日乗る電車。

顔馴染みで、挨拶と小話程度はする間柄の乗客達。

そして、仕事では心にも無い事を宣ったりして、
一日疲れて帰宅の途に就く。

この、ちょっと疲れた緩い空気感が、電車内の描写に表われています

何となく知り合いの人達を疑いながら、
走る列車という半密室状態で「犯人(ターゲット)捜し」をする、
本作は、このシチュエーションの設定が秀逸です。

元警官のマイケルも、焦って行き当たりばったりの体当たりで解決しようとし、次々と失敗を重ねます。

この小市民感が溢れる描写が、マイケルを応援し、共感する気持ちを湧かせます

とは言え、それは頭を使う部分での話。

アクションが始まると、マイケルは並外れの活躍を始めるのですが、
その段になると、他の乗客も強力する人(としない人)が現われて、何となく胸が熱くなります

袖振り合うも多生の縁、
浪花節だよ、人生は。

こういう展開が好まれるのは、万国共通なのですね。

 

  • プリンを探せ

主人公マイケルは、子供と本の読み合いをしています。

いずれも英米文学の傑作のようでした。

そして、本作でマイケルが探すように指名されたターゲット「プリン」も、文学から来ています。

ターゲットのソフィアが読んでいた本は、
ナサニエル・ホーソーンの『緋文字(原題:The Scarlet Letter)』。

その作品の主人公の名前がヘスター・プリンなのです。

つまり「謎の女ジョアンナ」が言う「プリンを探せ」という依頼は、実は、
「『緋文字』を読んでいる人間を探せ」という事を暗に指示していたんですね。

 

 

ミステリ的な展開から、段々とアクション映画となる『トレイン・ミッション』。

普通の生活を送っている
普通の人間が巻き込まれるトラブル。

怪しいと思っても、いざ、大金が目の前に現われたら、ちょっとヨダレが垂れる (^q^) のは、致し方ない事です。

この、感情移入出来る市民の活躍という部分が、本作の最大の魅力であると思います。

ミステリとアクション、
この二つを程よく楽しめ、最後はスカッとする、
『トレイン・ミッション』はそんな映画なのです。

 

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プリンが読んでいたのはこの本です

 


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さて次回は、これまたミステリ&アクション作品、映画『レッド・スパロー』について語ります。