映画『アクアマン』感想  イカツイ面構えで、繊細なハート!?ギャップ萌えの魚人!!


 

人間を超えた存在、メタヒューマンのアクアマンことアーサー・カリーは人知れず海難救助に勤しんでいた。灯台守の父と暮らす彼の元に、海底王国アトランティスの同盟国、ゼベルの王女メラが会いに来る。メラは、アーサーの異父弟オームの地上侵攻を止めるべく、アーサーに助力を頼むが、、、

 

 

 

 

監督はジェームズ・ワン
中国系のマレーシア人で、オーストラリア育ち。
主な監督作に、
『ソウ』(2004)
『狼の死刑宣告』(2007)
『インシディアス』(2010)
『死霊館』(2013)
『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)
『死霊館 エンフィールド事件』(2016) 他

ホラーやミステリが目立つが、
『ワイルド・スピード SKY MISSION』は、ワイルド・スピードシリーズの最高の興行収入を記録し、
本作『アクアマン』では、
「DCコミック」系の映画での最高のオープニング成績を叩き出した。

 

出演は、
アクアマン/アーサー・カリー:ジェイソン・モモア
メラ:アンバー・ハード
バルコ:ウィレム・デフォー
オーム:パトリック・ウィルソン
ネレウス:ドルフ・ラングレン
ブラックマンタ/デイビッド・ケイン:ヤーヤ・アブドゥル=マティーンⅡ世

トム・カリー:テムエラ・モリソン
アトランナ女王:ニコール・キッドマン 他

 

 

 

イカツイ面構え、
ヒゲもじゃ、
タトゥーだらけの体、

どこからどう見ても堅気とは見えない、
アクアマン(を演じたジェイソン・モモア)。

まるで、尊師を筋肉ムキムキにした見た目で、
敵役の名前が「オーム」。

これは宗教関係の話か?
カルトなのか?

違います!アクション映画です!
そして、ちゃんと面白いんです!
安心して下さい!

 

さて、本作『アクアマン』。

もう、

CGバリバリ、
アクション満載、
余計な事は、Don’t Think !
頭カラッポの方が、夢詰め込める!

 

そんな感じの映画です。

常軌を逸した超人ボディの、
フルアクション!

 

「なんか、アベンジャーズ、最近重い、、、」

「アクションもシリーズものばかりで、今更入り込めない」

そう言う人もご安心。

本作は確かに、
「DCエクステンディッド・ユニバース」に属していますが、

むしろ、
前後のシリーズとの関わりは、
ほぼ無いと言っていい内容となっており、

単品で楽しめる作品となっております。

 

どんな人でもウェルカム!

みんなで楽しもう!

こういう陽キャのノリを世界が待っていた!?

ど派手でストレートなあくしょん映画、
それが『アクアマン』なのです。

 

 

  • 『アクアマン』のポイント

ド派手な海中アクション・エンタテインメント

煌びやかな海底都市

意外と繊細!?なアーサー

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 海底?むしろ、宇宙!!

本作『アクアマン』の舞台は海中、海底。

「アクアマン」ことアーサー・カリーは、
海底王国のアトランティスの王女、アトランナの長男。

海中をジェット魚雷の様にすっ飛び、
水圧も極低温もなんのその、
水中呼吸も、会話も出来る。

何故なら、
遥か昔、地上にて栄華を尽くしたアトランティス王国、
その末裔だから!

なんか、伝説の武器のスーパーパワーが暴走して、
王国自体水中に没したけれど、

その武器のスーパーパワーで、海中でも生きていけるようになったんです!

 

…なかなかに、ぶっ飛んだ設定ですが、
それは、それ、
ツッコむより、楽しんだ者勝ちです。

 

そして、海中は、
平面移動を余儀なくされる地上と違って、
360度の立体的な動きが可能。

更に、
暗い深海で生活する為か、
海底都市では、
極彩色のネオンきらめく、不夜城の如き有様。

体にピッタリとしたボディ・スーツを着て、

王族以外の一般人は、
水中呼吸に特化している為、
地上に上がる時は宇宙服の様なアーマーを着用。

潜水艦は、
まるで「スター・ウォーズ」の戦闘機の様な見た目で、

水を原料に、「ハイドロキャノン」という光線銃まで装備しています。

 

そうなのです。

実は本作、
「舞台は海中」と謳っていますが、

その設定、ビジュアルイメージ、ストーリー、
それらは、昔懐かしの、SFヒロイック・ファンタジーの系譜に属しており、

ノリとしては、
スペース・アクション的な雰囲気です。

小説で言うところの、
エドガー・ライズ・バローズの『火星のプリンセス』っぽい感じです。

そう言われると、
敵役のブラックマンタも、
なんとなく宇宙人っぽく見えて来ませんか?

 

冒険して、
ヒロインがいて、
敵役がいて、
英雄的な行動を取る。

正に王道、単純明快。

しかし、
その想像力を、
CGをバリバリ使い、
現代の技術で再現してみせた。

その結果が、このド派手さなのです。

単純なビジュアルのインパクトは、
面白さに直結する

本作は、
その力技を地で行く作品と言えるのでしょう。

 

  • ギャップ萌え!

さて、
そんなヒロイック・ファンタジーである本作の主人公は、
アクアマンこと、アーサー・カリー。

もう、名前からして「アーサー」ですから、
本作がヒロイック・ファンタジーである事は、
推して知るべし、です。

 

このアーサー、
イカツイ面構えをしていますが、
そのハートは、意外と(と言っては失礼ですが)繊細

 

政略結婚が嫌で、アトランティス王国から逃げて来た母、アトランナ。

そのアトランナは、
アーサーを生んだ為に、その罪を問われて死んだ、

アーサーはそう解釈し、
その事について、ずっと悩んでいます。

また、
いざ、海溝王国に、伝説の三叉鉾(トライデント)を探しに行こうという時も、

自分の事より、
同行しているメラを気遣い、
メラが危ない目に遭う位なら、トライデントは諦めるとまで言います。

そして、いざ、トライデントが目の前にあるという時も、
伝説の怪物「カラゼン」がそれを守ると聞き、
アーサーは怖じ気付き、
怖いと母に告白します。

 

強面の筋肉モリモリ、
圧倒的な戦闘力を持つ、無敵のメタヒューマンでありながら、

時に見せる繊細さと、人並の弱気な発言。

分かっちゃいるけれど、
このギャップが、萌えるんですよね~♡

 

まぁ、実際は、
ヤンキーは、意外と真面目、
ギャルは、意外と優しい理論ですよね。

普段、全然そんなそぶりを見せない人間が、
偶に、良いことを事をすると、
その様子が際立つ、ってヤツです。

そう、分かっちゃいる、
けれど、この「ボン・キュッ・ボン」のメリハリに、
古今東西、老若男女、弱いんですよねぇ。

 

弱気な発言をするアーサー。

しかし、
メラや母がその都度発破をかけて、
アーサーは発奮します。

そう、
碇シンジ君や、鳴海孝之とは違います!

根が陽キャのパリピ、
バーで写真撮影を頼まれた時も、
最初は嫌々ですが、
徐々にノリノリになって行く、社交性の高さも持ち合わせています。

男がイキるっていうのは、
畢竟、周りに良いカッコしたい、っていうのがあるんですよね。

それが、
いい女だったり、母親だったりしたら、尚更です。

 

また、完璧なヒーローでは無い、
という点も、また、魅力。

アーサーは、
自警団的に、海難救助に勤しんでいます。

その過程で、
悪事に手を染める海賊をやっつける訳ですが、

その時、
命乞いした海賊を、見捨てます。

情けは、人の為ならず

完全に逆恨みながら、
しかし、
この事で「ブラックマンタ」という仇敵を生む事になるのですね。

しかし、
アーサーの良い面は、
作中、この事件、
自分に多少なりとも仏心が必要だったと自覚している所なのです。

だからアーサーは、
メラに親切に、紳士的に接し、

そして、
ラストにて、
敵対するオームを殺さずに生かしたのですね。

 

殺す事は簡単、

しかし、
中途半端に生かす事は、相手の恨みを買って、
今後に禍根を残します。

とは言え、
こういう「優しさ」が行動理念にあるからこそ、
アーサーはスーパーヒーローなのです。

 

イカツイ外見からの、
繊細なハートと優しさを持ちつつ、
しかし、ヤル時はやる!!

こういう多面性が、
親しみやすさを生み、

誰からも愛されるヒーローとなる。

キャラクター性の勝利、
だから、本作は面白いんですよ。

 

  • CGとアンチエイジング

本作、
舞台が水中なので、
移動時に、フワフワと、
水中移動感を出しています。

おそらく、
ワイヤーを使っているのでしょうが、
それが、本当に「泳いでいる」感を出し、
水中的な無重力状態を演出しているのが凄いですね。

 

そして、本作のCG技術は凄いです。

もう、何処から何処までが実写なのか、分からないレベルです。

あのイタリアのシーンは、
ロケしているのか?
スタジオなのか?

砂漠は殆ど、合成だよね?

もう、CGを疑い過ぎて、
景色すら、本物に見えない始末。

 

凄いのは、景色だけではありません。

本作では、
CGでのアンチエイジングも又、凄いです。

特に、アトランナ女王を演じた、ニコール・キッドマン。

シワなど全く見当たらない、
ツルツルピカピカのお肌を再現。

まるで、20年前のニコール・キッドマンを観ている様な錯覚すら感じます。

「むしろ、ヒロインのメラが見劣りするレベルだな」

そう思ってしまうのも、無理はありません。

 

とは言え、
笑っちゃったのは、
アーサーに稽古を付ける、昔のバルコ(ウィレム・デフォー)にもアンチエイジングのCG処理を施していた事です。

ウィレム・デフォーって、
20年前どころか、
30年位前から、今と変わらぬ感じの風貌でしたよ!?

若作りしたバルコは、
まるでウィレム・デフォーっぽい別人、みたいな感じでした。

アンチエイジングが成功したニコール・キッドマンとの対比がまた、
印象的です。

 

そして、驚いたのが、ネレウス。

スタッフロールでドルフ・ラングレンの名前を見つけてビックリ。

つい最近、
クリード 炎の宿敵』にて彼を観たばっかりなのに、

髭と冠を付け、
フサフサの茶髪にしただけで、
全く気付きませんでした。

私の認識力に問題があるのか?
それとも、これもCGの技術力の勝利なのでしょうか?

 

 

イカツイ外見でありながら、
繊細さと優しさを持ち合わせ、
弱きを助け、強きを挫く。

このギャップのキャラクター性が魅力的な主人公のアーサー。

彼が活躍するのは、

極彩色の世界にて、
360度、縦横無尽に飛び回れる、海中。

未来の、
宇宙を思わせる設定、景観、アクションであり、

そこには、
映画としては、昔懐かしい感じのスペース・オペラ的なノリすら感じます。

現代に、
未だ、希望に満ちていた時代のヒロイック・ファンタジーを蘇らせた作品、

それが、『アクアマン』と言えるのではないでしょうか。

 

 

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