映画『ボヘミアン・ラプソディ』感想  劇場で観て、体験するベスト・アルバム!!


 

1985年、7月13日。ウェンブリー・スタジアム、「ライブ・エイド」で伝説を作った、クイーン。ここに至るまで、クイーンはどういう道のりを辿ったのか?時はさかのぼり、1970年、ロジャーとブライアンのバンドからボーカルが抜け、そこに新加入した男がいた、、、

 

 

 

監督はブライアン・シンガー
しかし、
本作は完成間近で、ブライアン・シンガーは監督を解雇されている。

Wikipediaによると、
製作の3分の2はブライアン・シンガーが行ったが、
残りはデクスター・フレッシャーが引き継いだという。

 

出演は、
フレディ・マーキュリー:ラミ・マレック
メアリー・オースティン:ルーシー・ボイントン
ブライアン・メイ:グウィリム・リー
ロジャー・テイラー:ベン・ハーディ
ジョン・ディーコン:ジョー・マッゼロ

他、
エイダン・ギレン、トム・ホランダー、アレン・リーチ 等。

 

 

 

伝説のバンド、クイーン(QUEEN)。

1970年代~80年代にかけて活躍した、
英国系のロックバンド。

そのクイーンの成り立ちから、
伝説と言われる「ウィンブリー・スタジアム」でのライブまでを、

リード・ボーカルのフレディ・マーキュリーの人生をメインストーリーに据えて描いた作品、

 

それが、本作『ボヘミアン・ラプソディ』です。

 

題名は、
クイーンの楽曲の中でも屈指の人気を誇る
「ボヘミアン・ラプソディ」。

その製作過程も、
本作の中で描かれますが、

実際の本篇は、
「ボヘミアン・ラプソディ」だけに拘らず、

数々のクイーンの名曲が随所に流れます。

正に、

観るベスト・アルバム。

 

それが本作なのです。

 

いや、
唐突な自分語りで悪いのですが、
私が一番好きな曲は何か?

と尋ねられたら、
それは「ボヘミアン・ラプソディ」です。

クイーンのベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』(1981)は、
それこそ何回も聴きました。

100回?
200回?

いやいや、
千回は聴いているんじゃないでしょうか!!

 

それが、
現在は音楽を殆ど聴かない生活。

それでも、
歌詞は、覚えているものなのですね。

意外と、歌えました。

 

え?

映画館で歌ったのかって?

いやぁ、以外とイケルものですよ。

劇場は、
大音量で音楽が流れています。

周りに人が居ないなら、
小声で歌うくらいなら、案外バレないものですよ!

 

「キラー・クイーン」
「地獄へ道づれ」
「ウィー・ウィル・ロック・ユー」
「伝説のチャンピオン」
「ボヘミアン・ラプソディ」

いやぁ、名曲ばかりですなぁ…

もう、

劇場で、
この楽曲達を聴ける!

それだけで、良いじゃないか!!

 

 

正直、
好きなバンドの好きな曲がガンガン掛かるこの作品を、

一映画として冷静な目線で判断する事は難しいです。

ハッキリ言うと、
ストーリーは、
映画の伝記モノとしては、ありふれています。

バンドが結成され、
成功し、
挫折と転落があり、
そこからの再起がある。

起承転結を忠実になぞり、
よく言えば王道、
率直に言えばよくあるパターンのストーリーです。

 

一方、
クイーンの本人達を完コピした出演メンバーの演技は絶賛されています。

 

しかし、
クイーンをCDの楽曲でのみ知る私としては、
演技やストーリーが云々というより、

音楽がかかるだけで幸せなのです。

 

ストーリーの合間合間に、
名曲がかかる、
それだけで、テンションが上がる!

 

クイーンファンにとって、
本作がつまらないハズが無い!

『ボヘミアン・ラプソディ』はそういう映画です。

 

 

  • 『ボヘミアン・ラプソディ』のポイント

クイーンの楽曲がかかる!!観るベスト・アルバム!!

人生、山あり谷あり

本人にソックリなバンドのメンバー達

 

 

もう、殆ど言いたい事は言ってしまいましたが、
それでも、もう少しだけ映画の内容に触れる形で語るんじゃ…

 

 


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  • ボヘミアン・ラプソディ

昔、カラオケに行った時に、
クイーンの曲を歌ったんですよ。

そしたら、
当時、バイト先の工場長が、
クイーンのライブに行った時の話をしてくれましたね。

デッカい外人がわんさとやって来て、
その波にもまれながら、ライブを楽しんだそうです。

 

そんなクイーンの曲の中で、
私が最も好きな曲、

いや、
音楽の中で一番好きな曲が、
「ボヘミアン・ラプソディ」です。

 

その製作過程は、ちょっと笑えましたね。

「ガリレオ~」って、
何回も言わされていたんですね。

しかも、地声とは。

そして、
改めて考えると、
「ガリレオ」で誰でしょうね?

「フィガロ」「ビスミラ」って何でしょうね?

「ベルゼバブ」は解ります。
漫画の『ゴッドサイダー』を読んで覚えました。

 

ちょっと面白い部分がありながら、
しかし、

クイーンのメンバーは、
資金を出し渋り、この曲を理解出来ないと言い張るレコード会社のスポンサーに、こう言います

この曲は、聴いた人間、その人自身の曲だ

確かにそうなんです。

私も、
この曲を聴いた時、
「これは、自分の事を歌った曲だ」
と、思いました

まさか、
それを狙って作ったとは…

きっと、
「ボヘミアン・ラプソディ」を聴いた全世界の人間が、
「自分の曲」だと、共感したのでしょうね。

だから、
この曲は名曲と言えるのです。

 

  • フレディとメアリー

本作が、実話をどれだけ反映しているのかは分かりませんが、

この映画準拠で、
フレディとメアリーの関係について考えてみたいです。

 

フレディは、メアリーにプロポーズしますが、

その後、
フレディの「ゲイ」というカミングアウトで、
恋人関係が破綻します。

そのシーンが切ないですね。

メアリーにとっては、
自分にプロポーズしていながら、
他の人間、しかも同性と関係を持っていたと知ったなら、

それは、屈辱と嫉妬、敗北感と無力感がない交ぜになった感情を持つのではないでしょうか。

いわば、
フレディにフラれた形です。

 

ですが、
当のフレディにとっても、
メアリーに捨てられたと感じています。

フレディは、
メアリーとの関係を続けて行くつもりでしたが、

メアリーにとっては、
もう終わった関係。

カミングアウトの後、
メアリーの気を引こうと数々のアプローチを試みますが、

その、メアリーの反応は、
段々とすげなくなって行くからです。

 

まだ、未練がある男と、
関係をスッパリ切った女

恋愛という線香花火が、
終わってしまう直前の物悲しい様子がありありと描写されているのです。

 

その後、
二人は友人同士になります。

フレディにとっては、
メアリーは自身を客観視し、適切な判断をしてくれる存在。

分かれても、友情で繋がった存在。

そんな友人は得難く、
そういう「親友」が一人でも、
人生を送る上で欲しいものですね。

 

  • 監督降板劇

さて、
本作は監督が途中で降板しています。

もっとハッキリ言うと、
解雇されています。

一体何があったんでしょうか?

 

ブライアン・シンガーは
『ユージュアル・サスペクツ』(1995)
「X-MEN」シリーズの監督として知られます。

そんな彼は、
自らをゲイ(バイセクシャル)であると公言しています。

 

かつて、
『X-メン』(2000)において、
マグニートー役をイアン・マッケランに演じてもらったブライアン・シンガー。

イアン・マッケランもゲイと知られていますが、

「ゲイ」という社会的なマイノリティが、
映画内では少数派である、超能力者の「ミュータント」を演出する時、

自身の経験が役作りに反映されていただろう事は、
想像に難くないです。

また、
監督の独特のユーモア、

それは猫にクローズアップする場面や、
ちょっと笑える部分を各所に挿入し、映画に緩急をつける手法など、

その手腕は確かに確認出来ます。

 

その意味では、
「ゲイ」であり、
「エイズ」で命を落す事になったフレディの伝記映画を撮るには、
うってつけの監督といえます。

 

しかし、
実際は、「家族の病気」が理由で、
撮影に来なくなったブライアン・シンガー。

まるで、
不登校になった中学生です。

 

Wikipediaの記述によると、
主演のラミ・マレックや、
他のスタッフとウマが合わなく、
衝突ばかり起こしていたとの事。

実際の所はどうなのか分かりませんが、

購入したパンフレットには、
監督のプロダクション・ノートなどは載っていませんでした。

普通、パンフレットには、
監督のインタビューや、プロダクション・ノートは鉄板の掲載記事となっております。

しかし、
作品完成後にも、
何一つ語る事が無いとなると、
その不仲は根深いものがありそうです。

 

出演者やスタッフ間との、人間関係が上手くいかなかったのか?

制作や、スーパーバイザーが多い本作、
監督なのに、主導権が取れなかった為に、作品から降りたのか?

脚本の展開が受け入れられなかったのか?

何かがあったのでしょうが、

監督、ブライアン・シンガーは降り、
デクスター・フレッシャーが引き継いだそうですが、

規定により、
監督は一人しかクレジットしてはいけないらしいので、

エンドクレジットの監督名は、
ブライアン・シンガーになっているそうです。

 

しかし、
映画の内容的に、
フレディ役のラミ・マレックが、
監督と揉めて、監督を辞めさせたというのは、
何だか、リアルにフレディっぽい感じが、ちょっとしますよね。

 

 

 

バンド、クイーンの成立から、
伝説と言われるウェンブリー・スタジアムでの「ライブ・エイド」までを、

フレディ・マーキュリーを中心に描いた作品、
『ボヘミアン・ラプソディ』。

これぞ、
観るベスト・アルバム。

その意味では、
ファンは確実に楽しめる、
期待に違わぬ作品であると言えるのです。

 

 

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映画でも描かれた、ウェンブリー・スタジアムでのライブ映像を収めた作品が、コチラ

 

コチラは映画のサウンドトラック

 


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