映画『恋は雨上がりのように』感想  メンバーも必見!!40代男性と10代女子!?

 

 

 

橘あきら、17歳。陸上短距離のエースだったが、アキレス腱の怪我の為に競技からは身を引いている。その彼女が今気になっているのは、バイト先のファミレスの店長、全く冴えない40男の近藤正己だった、、、

 

 

 

 

監督は永井聡。
CMの監督から、映画監督となる。
『いぬのえいが』(2005)
『ジャッジ!』(2004)
『世界から猫が消えたなら』(2016)
帝一の國』(2017)を監督している。

 

主演
橘あきら:小松菜奈
近藤正己:大泉洋

共演に
清野菜名、磯村勇斗、山本舞香、濱田マリ、吉田羊、他。

 

原作は、眉月じゅんの漫画、全10巻の『恋は雨上がりのように』。
アニメ化もされた本作の映画化作品です。

 

原作もアニメも観ていない私は、
映画の『恋は雨上がりのように』が初体験。

あくまで、映画のみを鑑賞した人間の感想だと思って下さい。

 

さて、本作は

山口メンバーの事件が、
図らずもマイナスの宣伝効果となってしまっています。

 

そんな興味本位で観に行った、
私の様な不純な人間が本作を観てどう思ったのか?

それは、

あ~、青春っていいなぁ

 

という、清い心に触れられました。

ああ、心が洗われる、
まるで、雨上がりの快晴の様に、、、

 

表面上は17歳と45歳のドキドキ、

親子程にも歳が違うこの二人が向かう先は、
不純なものではありません。

むしろ、
山口メンバーは必見の映画となっております。

 

歳が違えば、見えている世界が違う。

しかし、その二人の人間がどう関わって、
何が起きるのか?

青春が化学反応を起こす様をみる作品、
『恋は雨上がりのように』は、そんな作品だと思います。

 

 

  • 『恋は雨上がりのように』のポイント

17歳女子と45歳おっさんの青春ストーリー

大切なもの、譲れないもの

メンバーは不祥事を起こす前に、この映画を観るべきだった

 

 

以下、内容に触れた感想となっております

 


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  • 事件、事故と映画

映画というものは観客動員が大事です。

ちょっとした切っ掛け、口コミや宣伝のみならず、
現実の事件、事故によって、思わぬ興行収入の増減が起こる可能性があります。

 

また、重大事故が起こった場合、
その事故を想起させる様な作品は、公開時に慎重な態度をとられる事が多いです

バットマン ビギンズ』(2005年6月18日公開)の場合、
JR福知山線脱線事故(2005年4月15日)を想起させる映像があります、
とのお断りが字幕で加えられていました。

『ヒア アフター』(2011年2月19日公開)の場合、
東日本大震災(3月11日)の被害を考慮し、3月14日にて上映中止となりました。

 

本作の場合、
一見、17歳と45歳が恋愛する様なイメージの映画ですが、

これは先の
元TOKIOの山口メンバーの事件を、嫌が応にも想起させるものです。

個人的には、急遽公開時期をずらす事もありかな、と思いましたが、本作は予定通りの公開に踏み切りました。

何故か?

それは、
本作『恋は雨上がりのように』の内容が、
メンバーの起こした不祥事とは真逆の結果になっているからでしょう。

 

  • 何故故、17歳と45歳ではダメなのか?

『恋は雨上がりのように』。

その題名にある程ですので、
本作はどうしてもラブストーリーがメインと思われてしまいます。

確かに、そうですが、
本作は厳密にはラブストーリーと言えない作品です。

 

ラブストーリーなら、
やはり双方向の想いがあってこそ、
その齟齬が生み出すモヤモヤやヤキモキを楽しむものだと思います。

しかし、本作は
橘あきらの一方的な想いがあるだけで、
店長(近藤)は、あくまで大人の節度を崩しません

 

大人から見ると、
子供というものは、やはり幼く見えるものです。

幼い、というのは、
劣っているのでは無くて、単に経験が不足しているという事。

その狭い世界観で、相手に「好き」だと言う事と、

色んな経験を積み、
「好き」の先にも人生があって、
それが必ずしも上手く行く訳では無いと知っている人間が理解する「惚れた腫れた」の意味は大分違います。

 

理想と現実が違うという事を知っている人間が、

相手を理想化している人間の想いを利用して、
そこに付け込む様に相手に取り入るのは、
やはり卑劣と言わざるを得ません。

結局は、上手く行かないのは分かっていながら、
しかし、一時の自分の欲望の為に、相手を利用する事になるからです。

 

上手く言語化するのは難しくても、
直感的に誰でもそこを理解出来るから、
「17歳と45歳、この恋愛はキモくね?」
みたいな事を言われるのです。

 

店長はその事をちゃんと理解していた。

でも、橘あきらは可愛くてキラキラしている。

これで、クラクラ来ない人間は居ないでしょう。

しかし、節度と自制を以て、
こんこんと理屈を説いていった、店長の姿には爽やかな好感が持てました。

あきらの魅力にうなされた店長が、
男の友人を看病に呼んでいた翌朝のシーンは、私のお気に入りです。

 

  • 青春ストーリー

では、あきらと店長の二人の関係とは一体何なのか?

友人、と言っていましたが、むしろこの二人は似たもの同士。

二人はお互いに出会い、接する事で、
自らが失った青春を取り戻すのです。

 

あきらはアキレス腱の断裂により、陸上部を休部中。

走ったら痛みがあり、
自分の足に「もう元には戻れない」という認識を抱いています。

打ち込んでいた短距離走が奪われ、
そこの心の隙間にスッと入って来たのが、店長の優しさ。

短距離走から、恋愛へ、
打ち込むものが、変わってしまったんですね。

 

店長は、あきらと接する事で、
あきら自身が認識していない、
恋愛が陸上の代替だという事にも、徐々に気付いて行きます。

 

図書館のシーンも印象的ですね。

本のオススメをあきらに尋ねられた店長はこう言います。

「本を薦められても、それが自分に合わなかったら読み進めるのが苦痛になる」

これも名言ですが、その後、

「きっと、君自身が出会う本が待っているハズだよ」

というセリフもいいですね。

 

そして、あきらが手に取ったのは、陸上の写真名鑑。

誰が見たって、本当は陸上に未練があるのがバレバレです。

 

その事も踏まえて、店長は親友と喧嘩してしまったあきらに言います。

「諦めるという選択をしたのなら、それはしょうが無いけれど、もしかしたらそれは、立ち止まっているだけなのかもしれないよ」と(ちょっとうろ覚えですが)。

 

店長は優しく諭していますが、
それと対比する「鞭」の役をしているのが、チャラいバイトの加瀬。

彼は何と、世間の意見のみならず、
ズバズバとものを言う事で、
店長の考えをあきら(と観客)に懇切丁寧に説明してくれます。

他にも、親友との関係性、
そして、あきらに憧れているという、アキレス腱の断裂から復帰した過去を持つ後輩からの壁ドンなど、

色んな人の後押しがあり、あきらは現役復帰を目指す事になります。

 

そしてその影響は、店長自身にも及んでいます。

自分の事を、「夢も希望も無い、ただのオジサンだよ」と言った店長。

確かにそれは事実ですが、しかし、
夢や希望を本当に捨て去ってしまっているのか?

ただ、自分の状況を卑下し、
成功した同級生への嫉妬や、上手く行かなかった結婚生活で、
勝手に自分がふさぎ込んでいるだけでは無いのか?

まるで、あきらの様に

あきらの事を諭すと同時に、
自分の現状が、まさに今のあきらと同じ「立ち止まっているだけ」だと気付いたのですね。

 

陸上に復帰したあきらと呼応するかの様に、店長の時間も流れ出します。

小説を書き始め、
そして、万年店長のハズが昇進の話まで。

 

例え特異な状況下における、
一時的な気の迷いだったとしても、
その時の感情を想いは、一生残る

ラストに二人が笑って再会出来たのは、素晴らしい事だと思います。

 

 

 

どうしても、山口メンバーの事が頭にあり、
下世話な好奇心で観に行った感もある本作。

しかし、その内容は、
青春を取り戻す二人、

失ってしまった、自己のアイデンティティを再獲得する二人の人物の爽やかな物語でした。

恋愛ものと見せかけての、
実はちょっと奇妙な年の差の友情を描いた作品、
それが『恋は雨上がりのように』だと思います。

 

 

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